ヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER」の2代目ボーカルとして1995~1999年まで在籍したGACKT(ガクト)さんですが、1998年12月に失踪したことで脱退しました。
この記事では、GACKTさんの「MALICE MIZER」脱退理由や、その後のバンド解散理由などについて現在までの情報を詳しくまとめました。
この記事の目次
「MALICE MIZER」のプロフィール
MALICE MIZER、ヴィジュアル系四天王と呼ばれていた
MALICE MIZER(マリスミゼル)
活動期間: 1992年 – 2001年
事務所: Midi:Nette
公式サイト: http://www.malice-mizer.co.jp/
1992年に結成されたヴィジュアル系バンド「MALICE_MIZER」ですが、バンド名の由来はフランス語で「悪意と悲劇」という意味であり、同時期にデビューした「SHAZNA」、「FANATIC◇CRISIS」、「La’cryma Christi」と合わせて「ヴィジュアル系四天王」と呼ばれ人気を博しました。
Klaha(ボーカル)
Mana(ギター)
Közi(ギター)
Yu~ki(ベース)
TETSU(ボーカル)
Gackt(ボーカル)
GAZ†(ドラムス)
Kami(ドラムス)
MALICE MIZERの2代目ボーカルはGACKT
GACKT
生年月日: 1973年7月4日
出身地: 沖縄県
身長: 180cm
血液型: A型
GACKTさんが初めて音楽に触れたのは3歳から始めたピアノで、11歳の頃に一度辞めてしまったものの、14歳頃に友人の影響を受けて再び始めました。
GACKTさんは高校に上がるとドラムを始め、卒業後はドラムのヘルプとしてバンド活動をしながらディーラーやホスト、スタジオの音響の仕事などをしていました。
その後、GACKTさんはYOUさんと京都にてバンド「Cains feel」を結成してインディーズで活動を始め、知人の紹介で知り合った「MALICE MIZER」のManaさんとKoziさんに誘われる形で2代目ボーカルとして加入しました。
GACKTさんは1995年10月から1999年1月まで「MALICE MIZER」の2代目ボーカルとして活動しましたが、1998年12月に突如失踪しその後脱退してしまいました。
GACKTの「MALICE MIZER」脱退理由~1998年12月に突然の失踪
GACKT、行方不明となりMALICE MIZERを脱退
行方不明騒動を起こしていた
「MALICE MIZER」はヴィジュアル系の代表的なバンドのひとつとして、リリースする曲はいずれもオリコンランキングチャートの上位にランクインする勢いを見せていました。
しかし、そうした絶頂期の1998年12月にGACKTさんは突然行方不明となり、ボーカルを失った「MALICE MIZER」は強制的に活動停止に追い込まれ、1999年1月にファンクラブ広報にて正式にGACKTさんの脱退が発表されました。
GACKT、仲が良かったKamiとも喧嘩別れししていた
GACKTはManaと険悪の仲になっていた
GACKTさんが「MALICE MIZER」メンバーの仲で最も対立したのは、バンドリーダーのManaさんであり、ほとんど話さないほど険悪な仲になっていたようです。
また、事務所の社長はManaさんの嫁だったということで、「MALICE MIZER」との溝は修復不可能なほどになっていたようです。
「MALICE MIZER」メンバーもKamiさんを含めてManaさん側についたため、GACKTさんは孤立し、Kamiさんとも喧嘩別れをするように脱退してしまいました。
GACKT、2003年に出版した自伝「自白」で脱退理由を語る
GACKTは成功して思い上がったメンバーに怒りを感じていた?
当時、GACKTさんは「MALICE MIZER」メンバーや社長との確執から雲隠れしたと報じられていましたが、本人から脱退理由について初めて語られたのは2003年に発売された自伝「自白」においてでした。
「MALICE MIZER」メンバーは成功して大金を手にしたことで思い上がり、とりあえずCDを出せばファンは買うと作品作りへのこだわりを捨て、商業ベースの考え方に変わっていったようです。
GACKTさんはホストをしていた頃に嫌と言うほどお金が人の心を惑わす怖さを知っていたため、説得していたようですが聞く耳を持たれなかったため、そうしたアーティストとしての誇りを捨てたメンバーにGACKTさんは怒りを覚えて脱退を決めたそうです。
GACKT、MALICE MIZER脱退の真相をテレビで語る
また、2019年5月16日に放送された『直撃!シンソウ坂上SP(フジテレビ系)』では、ソロデビュー20周年目を迎えたGACKTが初めて番組でその脱退理由を明かして話題になりました。
GACKTは「いや、方向性の違いというよりも、僕が25歳の時にバンドのメンバーが集まって、結局『解散する』みたいな話になっちゃったんですよ」と当時の状況を説明した。
また、「テレビでどこまで言っていいか分からないですけど」と前置きしつつ、「(バンドを)続けるつもりだったんですよ、もちろん」と当時はバンドを続けていきたいと思ってたと言うGACKT。しかし、「もう『話す価値もない』みたいな状態で、僕対メンバー・社長っていう(形で)完全に別れちゃったんですよ。だったら僕は自分の音楽を作ろうって思って」とメンバーから拒絶されたためにソロに転向したことを明かした。
GACKTさんは実質的に「MALICE MIZER」を解散に追い込んだ張本人として、ファンからは現在まで責められ続けてきましたが、その理由のひとつとして、脱退から半年後の1999年6月21日にドラムのKamiさんがくも膜下出血にて突然死したことも関係しています。
GACKT、裏切ったKamiの急逝をニュースで知る
元々バンド内で最も親しかったKamiが急逝
GACKTさんは「MALICE MIZER」したことでメンバーや事務所とは連絡を絶っていたため、Kamiさんが死去したことをニュースで知ったようです。
驚いたGACKTさんはKamiさんの地元である茨城の実家を訪ねることを思い立ち、現地周辺で朝からインターホンを鳴らしてKamiさんの家を探し回りました。
その行動の理由は、形はどうあれ親友だったKamiさんを裏切ってしまったまま謝罪ができなかったことに、GACKTさんは墓前で謝りたかったようです。
「ずっと謝りたかった。でも、もういろんなことを墓前で話すしかない。でも彼は自分の中で生きてるんですよね。彼の時間は止まっていますけど、ずっと『いる』ので忘れられないんです」と話し、今でも毎年、命日と誕生日に墓参りに訪れ、Kamiさんの実家に寄って手を合わせているという。
一見美談に見えるGACKTさんとKamiさんの関係ですが、「MALICE MIZER」ファンにとってはこの行動も自身を良く見せるためのプロモーションの一環だとして批判の的になってきました。
「MALICE MIZER」の解散理由と現在~GACKTは脱退後にソロで大ブレーク
「MALICE MIZER」と入れ替わるようにブレークしたGACKT
GACKTさんが失踪し、脱退したことでボーカルを失い、しばらくは活動休止に追い込まれた「MALICE MIZER」ですが、2000年にKlahaが3代目ヴォーカルとして加入します。
しかし2001年12月31日をもってMALICE MIZER活動停止と発表。事実上の解散となりました。
GACKTの脱退とKamiの急逝の影響は大きく解散に追い込まれたMALICE MIZERですが、皮肉なことにMALICE MIZER解散日にGACKTは紅白歌合戦に初出場を果たしています。
その後、GACKTさんはソロとして大活躍。男性ソロアーティストとして「オリコンシングルランキングTOP10獲得作品数」日本首位の記録を持っています。(2019年6月現在)
こうした背景も、「MALICE MIZER」ファンが現在までにGACKTさんを許せない理由のひとつになっているようです。
Gacktが抜けてからのMALICEの失速、そしてkamiちゃんの死…。今も元メンバーは地道な活動をしてるらしいけど、私もあまり詳しくは知らない。マナ様ブランドのショップはまだ原宿にあるのかな
— りゅうひ きら (@ryuhikirarara) October 27, 2012
GACKTのその後と現在~脱退騒動を「美談にするな」と非難殺到
GACKT、「MALICE MIZER」ファンから非難殺到
GACKTはKamiも激怒させていた
GACKTさんが前述の『直撃!シンソウ坂上SP』に出演した際に、ネット上では以下のような言葉で溢れていたようです。
「放送後、ファンからは『マリスミゼル脱退でKamiもGACKTにブチ切れてたし、信用も無くしてたじゃん。美談にしないで』『当時GACKTの方がMALICE MIZERの集まりにすらも来なくなって、メンバーを裏切ったってメンバーのインタビューなど見た。しかも、過去すぐ消して自分だけソロデビューしてんじゃん』『ファンクラブの会報でKamiが「彼を信じた自分が憎い」と怒ってたのを覚えてる。いまさら仲いいアピールしないで』といった声が聞かれています」
GACKTさんはKamiさんが亡くなった後、ラジオのリスナーからの手紙がきっかけで始めた「卒業式サプライズ」で、Kamiさんの母校にドラムを寄贈しましたが、これさえも「MALICE MIZER」からは「勝手なことするな!」という声があがっていたようです。
GACKT、新曲プロモでKamiの墓前と実家を訪れていた
新曲のリリースに合わせてKamiの墓前を訪れる
2014年2月11日に渋谷・AiiA Theaterで開催されたGACKTさんの新曲「P.S. I LOVE U」の発売記念イベントにて、Kamiさんの墓前を訪れる様子が映像として公開されました。
GACKTさんはKamiさんが亡くなってからは、毎年命日と誕生日に墓前とKamiさんの実家を訪れており、会場でKamiさんのことを語った時には「未だに整理がつかない」と涙を見せていたようです。
会場を訪れていたGACKTさんのファン約700人も、映像の終わりに涙を流している人が多く見受けられたようですが、対照的に「MALICE MIZER」のファンにとってはこの光景は茶番に見えたようで、怒りの声がネット上に挙がっていたようです。
熱心な「MALICE MIZER」のファンのブログでは以下のように語られていました。
新曲のプロモーションでやるべきことじゃないだろうとか
死人商法だとか売名だとか
こういうことするから押しかけるファンが出て迷惑かけるんだとか
そもそも葬式に呼ばれなかったお前がなんで偉そうにしてるんだとか
脱退した時Kamiに「今まで一緒に手を組んで頑張ってきた自分が憎い」とまで言われた癖に神経図太すぎとか。
GACKTさんは当時、脱税疑惑に始まって女性がレイプ被害を週刊誌で暴露したり、佐村河内守さんのようなゴーストライター疑惑など不名誉な騒動が続いていました。
Kamiさんの墓参りのエピソードを公開したのも、こうした騒動を打ち消すための手段だったともいわれています。
Gacktなにを脱退とKamiとの話を美談にしとるんや。だったらこの間のMALICEのライブ断るなよ。
— 🐥ちろる®︎🐥 (@Chiloly) May 16, 2019
結局綺麗事しか言わない自分を守る発言ばかりするじゃん。¥GACKT¥……本当頼むからKamiの話しないでくれ美談にするな
— ゆきゅん (@yukyuyukyu) May 16, 2019
GACKT、Kamiへの想いは本物?
GACKTはKamiの母親に許してもらっていた
Kamiさんが亡くなったのはGACKTさんが「MALICE MIZER」を脱退した半年後であり、バンド活動が休止したことによるストレスも原因のひとつになっていた可能性はあるでしょう。
Kamiさんの母親としてはその原因を作ったGACKTさんが許せなくても不思議ではなく、葬式に呼ばれなかったことからもしばらくは許せなかったのかもしれません。
しかし、GACKTさんはその後Kamiさんに線香をあげることを許されており、少なくともKamiさんの実家との確執は解消されたようです。
前述の「MALICE MIZER」ファンのブログでは、以下のようにこの事実について語られていました。
うっすらとした記憶しかないけど、確か神村家へ行った時に
「もう許していると思いますよ」って言ってお線香あげさせてくれたってGacktが話してなかったっけ。
これがプロモーションだとかはこの際どうでもよくて
あたしは現実を見ることが出来たのが単純に嬉しい。
ほんと意味わかんないくらいガタガタ震えっぱなしで見るの辛かったけど
ずっとずっとずっとずっと気になってたお墓とご両親とご実家が見れた。
そしてKamiくんのことを語る現在のGACKTが見れた。
あんなにボロボロに弱って泣いていたGacktが
歌い方も変わって、身体もムキムキになって(笑)、優しく微笑うようになって
いつしか儚げな雰囲気を失って、とても力強く余裕のある人になった。
すごく、変わったと思う。
マリスに対する未練やKamiくんを失ったことへもどこか達観したように見えて
なんか、自分の好きな世界から遠ざかってしまった気がして。
現在のGACKTさんしか知らない人にしてみれば、完璧な肉体美を持つパーフェクトな存在だというイメージが強いですが、当時からのファンにしてみればGACKTさんは弱い存在だったようです。
それがKamiさんの死によりGACKTさんは強く生きるきっかけとなったようで、Kamiさんの死について10年以上が経過しても「整理がつかない」ということは、GACKTさんの中で本当に強い自分になれていないということなのかもしれません。
GACKTの「MALICE MIZER」脱退理由とその後をまとめると…
・GACKTは「MALICE MIZER」メンバーのKamiの急逝をニュースで知り、kamiの実家を探し回った
・GACKTは「MALICE MIZER」が解散した2001年12月31日にソロとして紅白歌合戦初出場を果たした
・GACKTは脱退騒動やKamiの死を、自身の好感度上げに利用しているとファンからは非難が殺到している
現在までにGACKTさんが批判され続ける理由となった「MALICE MIZER」脱退理由についてご紹介してきました。
GACKTさんがソロでブレークしていなければ「MALICE MIZER」ファンの笑い者として現在までに批判は続かなかったのかもしれません。
GACKTさんには仮想通貨のガクトコイン暴落などの胡散臭い騒動が続いているため、認められることは中々難しいかもしれません。