2014年ソチオリンピック男子フィギュアスケートにて母国カザフスタン初となる銅メダリストに輝いたデニス・テンさん。
そのカザフスタンの英雄が2018年7月19日に暴漢に襲われ亡くなり世界が衝撃を受けています。
デニステンさん殺人事件の犯人、また羽生結弦さんとの仲や関係者の追悼コメントをまとめました。
この記事の目次
デニス・テンのプロフィール
強盗ふたりに無残に殺害されたカザフスタンの英雄
カザフスタンでの報道によれば、2018年7月19日にフィギュアスケーターのデニス・テンさんが路上で強盗ふたりにナイフで襲われ、同国で最も大きい都市・アルマトイの地元警察は20日午後に犯人ふたりを逮捕したことを発表しました。
本名: デニス・ユーリエヴィチ・テン(Denis Yuryevich Ten)
代表国: カザフスタン
生年月日: 1993年6月13日
没年月日: 2018年7月19日(25歳没)
出生地: アルマトイ
身長: 168 cm
体重: 60 kg
コーチ: フランク・キャロル、ニコライ・モロゾフ
振付師: デイヴィッド・ウィルソン
所属クラブ: Kiyal Almaty
トータルスコア: 289.46 2015 四大陸選手権
ショートプログラム: 97.61 2015 四大陸選手権
フリースケーティング: 191.85 2015 四大陸選手権
引用:Wikipedia – デニス・テン
デニス・テンは韓国系カザフスタン人
デニス・テンはコリア系カザフスタン人
デニス・テンさんの曽祖父は戦時中の大韓帝国軍の将校・閔肯鎬(ミングンホ)であり、デニス・テンさんは韓国人の血を受け継ぐコリア系カザフスタン人です。
デニス・テンさんは5歳の時に母親がきっかけでスケートを始めました。
才能がありめきめきと頭角を現したデニス・テンさんは、9歳の時にロシア・オムスクで開催されたフィギュアスケート大会に優勝し、その際にジャッジを務めた一人から旧ソ連地域内で開催される低年齢クラスとして大きな競技大会である「クリスタルスケート」に招待されました。
この大会でデニス・テンさんはロシアの名コーチであるエレーナ・ブイアノワと出会い、サマーキャンプに参加することになりました。
そしてデニス・テンさんはエレーナ・ブイアノワの導きで2004年の10歳の頃から母親とともにロシアに移住し、2010年までモスクワでエレーナ・ブイアノワとタチアナ・タラソワのふたりのコーチから指導を受けました。
デニス・テンさんはその後フランク・キャロルにコーチが変わり、アメリカ・ロサンゼルスに移って指導を受けました。
デニス・テン、ソチオリンピックで銅メダルを獲得
デニス・テンはカザフスタンの英雄にふさわしい功績を挙げた
デニス・テンさんは2008~2009年シーズンに「JGPゴールデンリンクス」で優勝を果たし、カザフスタンのフィギュアスケート選手として初めて国際スケート連盟主催競技会のメダルを獲得しました。
デニス・テンさんは同シーズンの「世界ジュニア選手権」は4位で、「世界選手権」は8位となりましたが、これはカザフスタン出身の選手として過去最高位となる順位でした。
2011~2012年シーズンの「世界選手権」ではデニス・テンさんは初めて4回転トゥループを成功させ、前大会からランクをひとつ上げて7位に入りました。
2012~2013年シーズンの「世界選手権」ではデニス・テンさんはSP・FSどっちもパーソナルベストを大きく更新して2位に入り、ISUチャンピオンシップスにおいてカザフスタン勢として初のメダルを獲得しました。
2013~2014年シーズンには「メラーノ杯」と「アイスチャレンジ」で2大会連続優勝を果たし、デニス・テンさんは初出場となるソチオリンピックではSPは9位と不調ながら、FSで3位を獲得して総合3位の得点で銅メダルを獲得しました。
これはカザフスタンのフィギュアスケート選手として初めてオリンピックで獲得したメダルとなりデニス・テンさんは一躍国の英雄と呼ばれるようになりました。
2014~2015年シーズンには、デニス・テンさんは「エリック・ボンパール杯」において初となるグランプリシリーズでのメダル獲得となり、ゆかりのある韓国で開催された「四大陸選手権」では2位に圧倒的大差をつけて優勝し、カザフスタン勢として初となる同大会金メダルを獲得しました。
デニス・テンさんは「世界選手権」では3位で銅メダルを獲得し、同シーズンで2個目のメダルを母国にもたらしました。
2016~2017年シーズンには、デニス・テンさんは「フランス杯」のみの出場となりましたが2位に入り銀メダルを獲得しました。
こうした輝かしい成績からもデニス・テンさんが世界のトップフィギュアスケーターであったことが分かります。
しかし、自堕落に生きてきたであろうふたりの強盗によって、デニス・テンさんは積み上げてきたものを命とともにあっさりと破壊されてしまいました。
デニス・テンは彼女と結婚していた?
デニス・テンに彼女がいたかは不明
左の写真はデニス・テンさんの彼女のように見えて姉だということで、彼女との熱愛報道がなかったことから恋愛については不明です。
そのためデニス・テンさんは結婚もしていませんが、もしかしたら水面下で結婚を考えていた彼女がいた可能性はあるかもしれません。
そうだとすればデニス・テンさんの事件が沈静化した頃に生前の彼女として注目されることもあるかもしれません。
デニス・テンと羽生結弦の確執~一時は不仲になるも和解
デニス・テン、羽生結弦に妨害行為をしていた?
デニス・テンと羽生結弦には確執がある?
「男子フィギュアスケート世界選手権2016」の公式練習中に羽生結弦さんが滑っている際にデニス・テンさんがルールを無視したことで衝突しそうになり羽生結弦さんが激怒するというアクシデントがありました。
公式練習では曲がかかっている選手を優先させることがフィギュア界のマナーとなっていましたが、羽生結弦さんの曲がかかっているにも関わらずデニス・テンさんは中央でスピンの練習をしていました。
そのため羽生結弦さんはデニス・テンさんと衝突しそうになり、回避できたものの羽生結弦さんは過去にほかの選手と衝突事故があった体験があったことからも激怒しました。
曲をかけた練習では、周りの選手は進路を譲るのが礼儀だが、テンがリンク中央でスピンを続け、羽生の進路を妨害する形となった。羽生は「それはねえだろ、おまえ」と声を荒らげた。
羽生結弦さんは練習後にビデオで確認した際に、デニス・テンさんがわざと衝突する位置で妨害行為をしていたように見えたと語っていたようです。
元々、羽生結弦さんとデニス・テンさんは年齢が近いことからも仲が良いと思われていましたが、このデニス・テンさんの行為が軋轢を作ってしまったようです。
デニス・テンさんは羽生結弦さんと衝突しそうになったことについて「故意の妨害ではなかった」と釈明しており、「リンクには6人の選手が練習をしていることから接近しすぎてしまうことはある」とも語っていました。
デニス・テンさんの行為が羽生結弦さんへの悪意があって妨害していると報じられたことについて、コーチからは「誰も悪くない、デニスはスピンをしていたため羽生がどう動いているか分からなかった」と擁護しました。
さらにコーチは、「二人が接近した時は他に十分なスペースがあったことから、衝突を避けるために特別な技術は必要なく、羽生はそれをしなかった」とも付け加えました。
コーチを務める身とすれば教えている選手の擁護をするのはわかりますが、羽生結弦さんは過去に衝突事故で足を怪我する憂き目を見ていることから、衝突しそうな状況を作ったデニス・テンさんに対して必要以上に怒りを覚えたのでしょう。
デニス・テンさんはわざと妨害しようとしたわけではなかく、衝突しそうになった自身の行動について反省している旨を述べましたが、羽生結弦さんとはその後仲が良さそうなツーショットは無くなったようで、この事件がふたりに溝を作ってしまった可能性はあるでしょう。
この期に及んで練習を妨害したなどと事実でないことを垂れ流すのはやめて欲しい。デニス・テン選手は羽生結弦選手の攻撃的な振る舞いやそれに乗った日本のメディアの軽挙を許して「あげた」側ですよ。日本スケート連盟がカザフスケート連盟に謝罪までしている。
— ʎʞɔɯ (@fmduM) 2018年7月19日
一時はこのまま不仲になると思われた2人でしたが、握手をした写真を公開し和解したことを報告しています。
羽生結弦さんはデニス・テンさんと衝突しかけた一件で確執を持っていたものの、その後自ら仲直りをしたいと持ちかけ握手をしたことについて以下のように語っていました。
「彼自身苦しさもあっただろうし、もちろん僕にもあった。この試合で和解したいと思っていたので、握手しましたし、お互い気をつけようと話しました」
元々デニス・テンと羽生結弦は仲が良かった
デニス・テンさんと羽生結弦さんは年齢が近いことから元々仲が良かったようです。
デニス・テンさんと羽生結弦さんはジュニア時代からお互いをライバルとして知っており、一緒に切磋琢磨してきた仲でもあることから、国際試合の場などで会うと友達としてじゃれ合うような仲の良い関係だったようです。
デニス・テンが強盗に襲われ死亡~犯人は事件数日前に釈放されたばかり
デニス・テン、暴漢2人にナイフで刺殺される
デニス・テンは出血性ショックで亡くなった
カザフスタンからの報道では、デニス・テンさんはアルマトイの路上で愛車のミラーを盗もうとした強盗ふたりと争う中で右大腿部をナイフで刺され、搬送先の病院で出血性ショックで亡くなったということです。
強盗殺人を犯したふたりは23歳と24歳の男で、2018年7月19日にカザフスタンの最大の都市であるアルマトイ中心部で、デニス・テンさんの愛車であるレクサスLX570のミラーを強奪しようとして口論になった末に右大腿部を複数箇所ナイフで刺しました。
デニス・テンさんは3リットルもの血液が失われており、救急搬送された病院で出血性ショックのため死亡が確認されました。
デニス・テンを刺殺した暴漢は「本人と知らず」刺殺か?
アルマトイの地元警察の発表では、犯人の2人は犯行当時はデニス・テンさんだとは気づいておらず、逃走中にインターネットで初めて知ったと伝えています。
デニス・テンさんを殺害したふたりの名前は公開されており、うちひとりの顔写真も公開されています。
デニス・テンを殺害したヌラトィ・キヤソフ容疑者
ジャンブィルスカヤ州出身で1994年生まれのヌラトィ・キヤソフ容疑者。
このヌラトィ・キヤソフ容疑者は先に逮捕された犯人で、もうひとりは事件後逃走しましたが間もなく逮捕されたクィスィロルディンスカヤ州出身のアルマン・クダイベルゲノフ容疑者です。
犯人は数日前にもミラーを盗もうとし警察に拘留され、デニス・テンさん刺殺の数日前に釈放されていたそうです。
ロシアメディア「LIFE」によると、クーダベゲノフは犯行前の7月11日に、アルマトイから1200キロ離れたアスタナで地元住民の車からミラーを盗もうとし、拘留されていた。国外逃亡をしないという書面にサインをし、テンさん殺害の数日前に釈放されたばかりだった。
デニス・テン、市民葬には約5000人が参列
アフガニスタンの英雄が突然路上で殺害されたことを受けて、アルマトイにあるスポーツ施設では21日に市民葬が行われ、約5,000人あまりが参列したと言われています。
ムハメディウルイ文化スポーツ相は市民葬の場で「カザフスタンだけではなく、世界中が悲しんでいる」と弔辞を述べました。
ヌラトィ・キヤソフ容疑者とアルマン・クダイベルゲノフ容疑者の刑罰について、あるロシアメディアではカザフスタンの弁護士に取材した結果、終身刑となる見込みが高いようです。
容疑者らはデニス・テンさんだと分かり涙したと言われていますが、人の命に国の英雄も一般人も関係ないでしょう。
デニス・テンくんの献花へ
— sen (@0101Sumi) 2018年7月21日
地元の花屋で赤い花を🌷
と言ったら「今日何かあるんですか?朝から赤い花束ばかりです」と。
神谷町降りてからも花束持った人が沢山
こんなに愛され、思われている人柄で美しいテンくん
猛暑の中、静かに見送る場を設けてくれたんですよね大使館の方に感謝
never forget pic.twitter.com/VTEumYqOaI
デニス・テンの住むカザフスタンは治安が悪い?
ミラーを盗む強盗を咎めるとナイフで刺してくるという恐怖
カザフスタンはロシアのすぐ下に隣接した中央アジアの共和制国家ですが、伝えられた事件からは治安が良いということは無いでしょう。
カザフスタンの国内の治安について、「外務省 海外安全ホームページ」では以下のように表示されています。
【危険度】 ●カザフスタン全土 レベル1:十分注意してください。(継続)
ちなみにこの危険度は1~4までのカテゴリーで表しており、特に危険だと判断するような普通の治安をしている国は表示されません。
カザフスタンは「レベル1」の警告が出ていますが、これは中国が民族浄化を進めている新疆ウイグル自治区やチベット自治区などで、「レベル4」は依然として内戦が続くシリアや、アフガニスタン、武力テロが起きているインドのカシミール州などがあります。
海外では日本車は人気で国によっては高級車であり、特にデニス・テンさんが乗っていた愛車のトヨタのレクサスLX570は新車価格が1,115万円と日本においても高級車です。
そのためヌラトィ・キヤソフ容疑者らに目をつけられてしまいましたが、レクサスLX570のミラーを盗んで売却すると少なくとも2万円以上では売れると思われ、カザフスタンの平均月収が527ドルだと言われていますので月収の半分稼げると考えれば美味しい車種でしょう。
Подозреваемые в убийстве фигуриста Дениса Тена попали на видео pic.twitter.com/u0v34u91nk
— НТВ (@ntvru) 2018年7月19日
日本で仮にこうした強盗が白昼堂々表れればまずは逃げることを考える人も多いでしょう。
しかし、元々治安の悪い国に住んでいたデニス・テンさんにとっては日本人よりは悪人に免疫があったのか、もしくは元々真面目で正義感が強い性格だったことから立ち向かわずにはいられなかったのかもしれません。
デニス・テン突然の訃報に仲良しの浅田真央、羽生結弦らが追悼コメント
デニス・テンへの追悼コメント① 浅田真央
日本の有名フィギュアスケーターらがコメントを発表
デニス・テンさんが生前親交があった日本のフィギュアスケート選手らがSNSなどを通じて追悼のコメントを発表しました。
以下のコメントはデニス・テンさんとともに切磋琢磨した仲間である浅田真央さんによるものです。
デニス・テンさんと浅田真央さんはとても仲が良かったようで、ツーショット写真もインスタグラムなどで多く公開されています。
機内でのツーショット写真とともに「どうして、信じられません、信じたくありません。大切な仲間の命が奪われたなんて、辛いです、悲しいです」とショックを表した真央さん。「日本のショーに来てくれたり、カザフスタンのショーに呼んでくれたり、カナダやロシアで一緒に練習やテニスやバーベキューをしたりしました。とても優しくて、面白くて、いつも一生懸命な人でした。心よりご冥福をお祈り致します」と、リンク内外で交流していたスケーター仲間との突然の別れへの悲しみをつづった。
浅田真央さんは日本におけるフィギュアスケート界の顔ですが、カザフスタンを代表するデニス・テンさんとは強いシンパシーを感じていたことでしょう。
デニス・テンへの追悼コメント② 羽生結弦
羽生結弦さんはデニス・テンさんはツイッターやインスタグラムなどSNSアカウントを持っていないため、個人では追悼コメントを出さずハビエル・フェルナンデスさんらとともに連名で追悼コメントを出しました。
「私たちはデニス・テンの突然な悲劇的 なニュースに悲しんでいる。スケートコ ミュニティーは美しいスケーターを失った。私たちの思いは彼の家族と一緒で す。君の情熱は生きていくだろう。結弦 (羽生)、ジェイソン、ハビエル、ガブ リエル(デールマン)、エフゲニア(メ ドベージェワ)、チームクリケット一 同」
デニス・テンへの追悼コメント③ 宇野昌磨
「平昌オリンピック2018」で羽生結弦に続いて銀メダルを獲得した宇野昌磨さんもデニス・テンさんの突然の訃報に追悼コメントを出しました。
「突然の訃報を、信じる事が出来ません。同じ試合で何度も戦い、何度も顔を合わせ挨拶をしていた事、当たり前に思っていたことが突然出来なくなった事がまだ受け止められていません。優しくて、礼儀正しくて、母国の為に尽くしてきて、こんな事で失う人では無いと深い悲しみが込み上げてきます。今は気持ちの整理がつかず、二度と演技を見る事が出来ないのが辛いです。僕は偉大なるデニス・テン選手を生涯忘れません。謹んでご冥福をお祈りいたします」
デニス・テンへの追悼コメント④ 荒川静香
「トリノオリンピック2006」で金メダルを獲得した荒川静香さんもデニス・テンさんの訃報に追悼コメントをツイッターで出しています。
「何かの間違いではないか…信じられない信じたくない突然の訃報に心が痛みます…思い浮かんでくるのは彼の明るく優しい笑顔ばかりで…いつもいつの間にか写真を撮ってくれていて送ってくれて…本当に信じられない…悲しい…心よりご冥福をお祈り致します」
デニス・テンへの追悼コメント⑤ 村上佳菜子
村上佳菜子さんもツイッター上でデニス・テンさんの訃報に取り乱した様子で追悼コメントをツイートしていました。
ソチ五輪に出場した村上佳菜子(23)は「デニス…。やだやだ!信じられない! 嘘って言って…!! お願いだから、大事な仲間を奪わないで!!!!!!! デニス戻ってきて…っ!」とツイート。浅田真央さんとの3ショット写真を添えて投稿した。鈴木明子さん(33)は「信じたくない。悲しい。悔しい。デニス…ご冥福をお祈りいたします」
デニス・テンへの追悼コメント⑥ 織田信成
2018年6月にカザフスタンの首都アスタナで開催されたアイスショーに招待されていた織田信成さんはデニス・テンさんと共演したばかりであり、涙ながらに追悼コメントを出しています。
「先月カザフスタンでのデニスのアイスショー本当に素晴らしかった。デニスもすごく満足してて喜んで、またこのメンバーでしようね!って話してたのに…本当に本当に信じられへんし悲しいし悔しい。。心よりご冥福をお祈り致します」
引用:スポーツ報知 – デニス・テンさんと6月共演の織田信成さん、訃報に「信じられへん」…小塚崇彦さんは「気持ちの整理つかない」
デニス・テンの訃報を受けて海外の反応
デニス・テンの訃報に世界中のフィギュアファンが悲しんだ
オリンピックで活躍したスター選手であるデニス・テンさんが突然強盗殺人に遭ったことで、世界中のフィギュアスケートファンの悲しみのコメントがSNSなどで多く挙がっています。
誰よりも努力を重ねてカザフスタンの英雄とまで言われるようになったフィギュアスケート界のスターであるデニス・テンさんが強盗殺人に遭うなど、あまりの理不尽さに世界中のファンが怒りや悲しみのコメントをツイッターやインスタグラムなどSNSで出しています。
・ドアミラーの為に失われた美しい魂。バカげてるわ!
・彼は華麗なフィギュアスケーターであり、こんな亡くなり方するような若者ではないわ!
・あなたは素晴らしいスケーターであり、ソチでそれを証明したわ!残念・・・
・彼の家族、友人、同僚、ファンに心から哀悼の意を表します。ホントに悲しい。人間の命を尊重することができない人に怒りを覚えるよ。
引用:Tamenal – 海外「間違いなく歴史の中で最高のスケーターの1人だったよ」ソチ五輪銅メダリストのデニス・テンさん訃報に世界が哀悼 海外の反応
デニス・テンさんを殺害したヌラトィ・キヤソフ容疑者とアルマン・クダイベルゲノフ容疑者は終身刑で二度と社会に復帰する可能性は低いとしても、カザフスタン国民は元より世界中のファンが許すことはないでしょう。
デニス・テン選手が最後に一緒に食事をされた方が、インスタにその時の様子をアップされています。
— ゆず(*´♡W) (YUZU) (@citrusjunos_yoi) 2018年7月20日
30分前迄一緒だった様で、最後は「君を遅らせなくてごめん、抱き締めなくてごめん、早く出させなくてごめん、許して欲しい」と…店を出るタイミングをずらせなかった後悔が…https://t.co/U7fbr2U5Nf pic.twitter.com/qqA1ZsIb78
デニス・テンさんが惜しまれるのは、単に素晴らしいフィギュアスケーターだからじゃない。その人間的魅力と能力はカザフスタンのみならず今後の国際フィギュア界になくてはならない存在であったし、外交的にも国と国の架け橋ともなる人でもあった。それ程の人格者だった。
— K (@ksuukyi) 2018年7月20日
悲しみを超える喪失感。
また、カザフスタン国内でデニス・テンさんと並んで英雄と呼ばれるボクシングのゲンナジー・ゴロフキンさんも米国でのトレーニングを中断して帰国し、市民葬に参列しました。
カザフスタンの2大英雄、デニス・テンとゲンナジー・ゴロフキンのツーショット写真
ゲンナジー・ゴロフキンさんはインスタグラムで「君は僕たちの思い出の中で生き続ける…安らかに眠れ」と追悼コメントを出しました。
羽生結弦、デニス・テンの死にすぐコメントできなかった悲しい理由
先述の羽生結弦さんのデニス・テンさんの死に対するコメントですが、コメントが出てきたのは遅く、また個人でのコメントではありませんでした。
羽生のコメントを待ちわびていたファンは安心したかもしれないが、個人で出さないことには理由があった。
「以前から注目されることが多かった羽生選手ですが、五輪2連覇を果たし、国民栄誉賞を受賞するなどますます注目の的に。“発言することで記事が書かれるし、本当もウソも、すべてがニュースになってしまう”と取材や記事に対してナーバスになっているようです」(同・スケート連盟関係者)
その理由として、自身のコメントがネットなどで色々書かれてしまい、羽生結弦さんはナーバスになっているということがあったようです。
デニス・テンについて総まとめすると…
・デニス・テンは2018年7月19日に車のミラーを盗もうとした暴漢2人に刺殺され、25歳の若さでこの世を去った。
・デニス・テンを刺殺した犯人の1人は、数日前にもミラーを盗もうとし警察に拘留され、事件数日前に釈放されていた。
・羽生結弦は世界選手権の公式練習中にデニス・テンに進路妨害を受け激怒。不仲も噂されたが和解している。
・デニス・テンの突然の訃報を受け、仲が良かったスケータ―の浅田真央らが次々と追悼コメントを発表した。
2014年のソチオリンピックでカザフスタン勢として初の銅メダルを獲得し、英雄と呼ばれたデニス・テンさんについて詳しく総まとめしてきました。
2018年7月19日にカザフスタンのアルマトイでふたりの強盗に殺害されてしまったデニス・テンさんですが、市民葬に5,000人が参列したということからも同国での存在の大きさが伺えます。
デニス・テンさんの両親や家族のことを考えれば胸の痛む思いですが、デニス・テンさんの意思を継ぐようなフィギュアスケート選手が現れ、カザフスタン勢として初のオリンピック金メダルを獲得した時にデニス・テンさんの魂も浮かばれるかもしれません。