2000年に関東連合メンバー・石元太一ら23人によって一般人が人違いで襲撃され、小笠原一也さん一人殺害された「トーヨーボール殺人事件」が起きましたが、犯行車両が女優・三田佳子さん名義のもので次男の高橋祐也さんが使っていたことから話題となりました。
この記事では、「トーヨーボール殺人事件」の犯人や詳細、被害者遺族のその後について詳しくまとめました。
この記事の目次
トーヨーボール殺人事件の詳細
関東連合により少年1人が人違いで殺害される
人違いで少年1人が関東連合に殺害された凶悪事件
2000年5月13日午前1時頃に、東京都大田区池上にあるボウリング場「トーヨーボール」の駐車場にて、当時「関東連合」を名乗っていた23人の暴走族メンバーらにより人違いで少年1人が殺害される凶悪事件が発生しました。
当時飲食店勤務をしていた寿司職人見習いの18歳、小笠原一也さんが「関東連合」メンバーらにより執拗に暴行を受け、脳挫傷のため亡くなりました。
この「トーヨーボール殺人事件」では、女優の三田佳子さんの次男・高橋祐也さんの車両が犯行車両として確認されており、「関東連合」のパシリのような存在であることが分かったことでも注目を集めた事件でした。
関東連合に人違いで殺害された少年は小笠原一也さん
暴走族同士の抗争に巻き込まれた少年たち
2000年5月13日午前1時頃、大田区池上3丁目にある「トーヨーボール」の駐車場で小笠原一也さんが友人ら数名とダンスのトレーニングをしていました。
そこに突然複数の車が乗り込んできて、リーダー・石元太一をはじめ23人の「関東連合」メンバーが襲撃してきました。
少年たちは蜘蛛の子を散らすように慌てて車に乗り込んで逃げましたが、小笠原一也さんも車で逃げようとしたものの焦ってガードレールに車を乗り上げてしまい停車してしまいました。
車から引っ張り出された小笠原一也さんは、「関東連合」メンバーらにより1時間あまりも執拗に暴行を受け続け、解放されたものの間もなく脳挫傷により死亡しました。
「関東連合」は敵対グループの「狂走連盟」と抗争中であり、人違いにより少年たちを襲い小笠原一也さんを殺害してしまいました。
小笠原一也さんの父親の元に「遺体の確認をして欲しい」と警察から連絡が入りましたが、遺体の損傷具合が酷く、父親は「確認できない」と直視することが出来なかったそうです。
「トーヨーボール殺人事件」の犯人~主犯格は関東連合の石元太一と伊藤リオン
石元太一や伊藤リオンが所属していた関東連合とは
「関東連合」は準暴力団指定されている半グレ集団
「トーヨーボール殺人事件」を起こした「関東連合」メンバー23人の内、リーダーの石元太一、そして中心メンバーの柴田大輔や伊藤リオンなど、他の事件でも名前が挙がる凶悪な不良が関わっていました。
「関東連合」とは、東京都世田谷区や同杉並区を縄張りとして活動していた「ブラックエンペラー」を中心とする暴走族の連合体として1973年に結成され、2003年に一度解散したもののその後OBらの上下関係は続いており、明確な組織ではないもののそうした集団を「関東連合」あるいは「元関東連合」と呼び続けてきました。
2000年の「東洋ボール殺人事件」以降も2012年までにかけて、渋谷、六本木、新宿、西麻布などを中心に活動する「関東連合」メンバーがいくつかの凶悪事件を起こしてきました。
また、「関東連合」は振り込め詐欺や恐喝、麻薬、売春など闇社会での違法ビジネスで儲け、石元太一や見立真一らリーダー格のメンバーは億単位の資産を蓄えていました。
違法ビジネスや傷害・殺人事件を起こす集団として、警察は「関東連合」を準暴力団として指定しており、”半グレ”の象徴的な存在としてマークしてきました。
「トーヨーボール殺人事件」に関わった「関東連合」の元幹部・柴田大輔が2013年に出版した著書『いびつな絆 関東連合の真実』によれば、「関東連合」と呼ばれたメンバーは昭和53~58年までの6世代で、それ以外に唯一例外的に認められていたのが世田谷区の「用賀喧嘩会」出身の昭和52年生まれのみのようです。
「関東連合」は暴力団のように事務所を持たず明確な組織も無いため、警察は暴力団に比べて非常に取り締まりにくいところが強みだったようです。
トーヨーボール殺人事件の犯人・石元太一の生い立ち
石元太一の父親は暴力団組員で、幼い頃から「強い男になれ」と言われて育ってきたことから当たり前のようにアウトローの道に進みました。
石元太一は東京都台東区浅草で生まれ、世田谷区で育ちましたが、世田谷区立烏山中学校を卒業した16歳から「千歳台ブラックエンペラー」の総長を務めるなど父親の望む男になっていきました。
石元太一は10代の頃から喧嘩に明け暮れており、10代の大半は少年院か鑑別所で過ごしており、起こしてきた数々の犯罪の中でも特に凶悪だったのが「東洋ボール殺人事件」でした。
石元太一は同事件の首謀者でしたが、後に自叙伝「不良録」の中で被害者への懺悔の気持ちを綴っていました。
石元太一は自殺した上原美優や藤井リナと交際していた
自殺したタレント、上原美優と交際していた
石元太一は2011年に自殺したタレントの上原美優さんと交際していたと言われており、自殺の原因を作った張本人とも噂されました。これについて2012年8月の東京スポーツからの取材で「親しい間柄にあった」と交際を否定しませんでした。
また、2010年に起きた「市川海老蔵暴行事件」の現場には当時彼女だと噂されたモデルの藤井リナさんもおり、2012年9月の賃貸契約詐欺や振り込め詐欺事件で逮捕された時にも家にいたと言われていることから上原美優さんと二股交際していたと言われています。
石元太一は経営者・芸能人としての顔もあった
石元太一は振り込め詐欺の首謀者だった
石元太一は六本木や西麻布を中心に社交界に顔を出していたことから実業家との繋がりも持っており、大王製紙の元会長・井川意高さんやABCホームの元会長・塩田大介さんとも親交があったようです。
逮捕直前の2012年からは「SOUL MATE(ソウル・メイト)」と呼ばれる総合格闘技のジム「EXCITING GYM SOUL MATE ALLIANCE」を東京都渋谷区猿楽町内の、代官山駅近くの雑居ビル地下にオープンさせていました。
トレーナーには2018年にガンで亡くなった山本“KID”徳郁さんもいましたが、同ジムは「関東連合」のトップと言われた見立真一から支援を受けて開業したもので、石元太一は雇われオーナーでした。
また、石元太一はその他にもファッションブランド経営や俳優など芸能活動など、幅広い分野で活動していました。
石元太一は2010年1月から3月にかけて、他人名義で借りた部屋で藤田周作ら3人と共謀して振り込め詐欺をしており、「パチンコ店のサクラをすれば高額な報酬が手に入る」と大阪市内在住の女性を騙して約136万円をだまし取ったとして2012年9月に逮捕されました。
なお、この時石元太一の自宅を家宅捜査したところ、犯罪により手に入れた資金約7億円が押収されています。
自宅に7億円ものお金を隠し持っていた石元太一の生活ぶりは派手で、南麻布の家賃数百万円する高級マンションの最上階に住んでいて、月3~4回は仲間とともに沖縄や海外でバカンスを過ごし、毎日3食は外食や出前でした。
石元太一は風俗通いや競馬・宝くじなどのギャンブルは一切しなかったようです。
石元太一、現在は「六本木クラブ襲撃事件」で逮捕され服役中
2度の殺人事件に関わった凶悪犯人・石元太一
「トーヨーボール殺人事件」の主犯格となった石元太一が初めて世間にその名が知られたのは、2010年11月25日に起きた「11代目市川海老蔵暴行事件」でした。
報道では「関東連合」のリーダーと言われるようになり、一時期指定暴力団「住吉会住吉一家青田会」に所属していましたが波紋されています。
石元太一は2012年9月に六本木のクラブ「フラワー」で起こした客を人違いで殺害した事件「六本木クラブ襲撃事件」で逮捕され、2016年6月15日に最高裁判所にて懲役15年の実刑判決が言い渡されました。
なお、石元太一は「六本木クラブ襲撃事件」について一貫して無罪を主張しており、2014年7月10日の拘留中に出版した著書「反証 六本木襲撃事件『逮捕からの700日』」で警察や検察にハメられたことを綴っており、刑務所に入ったあともブログを頻繁に更新し続けています。
トーヨーボール殺人事件の犯人には伊藤リオンもいた
「市川海老蔵暴行事件」で有名
「東洋ボール殺人事件」には2010年11月25日に起きた「市川海老蔵暴行事件」で有名となった伊藤リオンもいたようです。
伊藤リオンは同席していた市川海老蔵さんが酔っ払って、灰皿にテキーラを入れて石元太一に飲ませようとしたため、激怒した伊藤リオンが激しい暴行を加えて左頬の陥没骨折を含む顔面への重傷を負わせています。
その後伊藤リオンの名前を事件で聞くことは無くなりましたが、2018年5月30日に沖縄県那覇市松山の路上で、現地ヤクザの旭琉會系組員ら数人と乱闘騒ぎを起こしており、その様子は居合わせた人により動画に撮影されてYouTubeで公開されていました。
「トーヨーボール殺人事件」と三田佳子の息子・高橋祐也の関係性
トーヨーボール殺人事件の犯行車両は三田佳子名義の車
覚せい剤を「関東連合」繋がりで得ていた高橋祐也
女優・三田佳子さんの次男である高橋祐也さんは1998年から数えて4度も覚せい剤で逮捕されていますが、「関東連合」繋がりで入手していたと言われています。
「関東連合」メンバーから小間使いのように使われていたという高橋祐也さんは、「東洋ボール殺人事件」では三田佳子さん名義の車が犯行車両として使われたため話題となりましたが、三田佳子さんは高橋祐也さんと「関東連合」の関わりが無いことや、車は盗まれたことを涙ながらに訴えていました。
しかし、覚せい剤で逮捕され続けてきた高橋祐也さんの素行を見る限り、その釈明には説得力に欠けるようです。
「トーヨーボール殺人事件」のその後~被害者遺族に賠償と謝罪をしていた
石元太一と伊藤リオンだけが被害者遺族に誠実な対応
伊藤リオンは被害者に慰謝料を全額支払い謝罪していた
週刊誌「女性セブン」の2011年1月6・13日号が報じたところによれば、伊藤リオンを含む「関東連合」メンバーに殺された小笠原一也さんの父親が取材に応え、犯人ら23人の中でも伊藤リオンはとりわけ誠実な対応を見せていたことを語りました。
「伊藤リオンは、『申し訳ないことをした』『(亡くなったAさんが)毎晩夢に出てくる』っていって、とても反省してるといっているって聞いたよ。
今回の事件(海老蔵殴打事件)があって、段ボール箱をひっくり返して当時の調書を読み返したんだよ。彼はそんなに芯から悪い人間じゃないと思いますよ。ワルはワルなんだけども、筋は通っている。警察や検事の供述書類を見ても、きっちりと事件のことを振り返って正直に話している。他の暴行犯の証言と比べてもあの男だけは正直だった。素直な感想もいっていたしね。そこで嘘をついているかどうかは、他の22人の供述と照らし合わせればすべてわかりますからね」
「伊藤リオンと、グループのリーダーの両親だけが500万円を1回で払って、あとの5~6人の家族が200万円ずつぐらいかな。あとは一銭も払ってもらってません」
主犯格の石元太一と、その仲の良い後輩である伊藤リオンは被害者遺族へ対して誠実な謝罪をしているようですが、その他の「関東連合」メンバーは逃げてしまったようです。
慰謝料や損害賠償などは全体の7割が逃げるケースが多いと言われていますが、無関係な小笠原一也さんを死なせてしまったことについて石元太一と伊藤リオンは本当に後悔していたのでしょう。
「トーヨーボール殺人事件」について総まとめすると…
・トーヨーボール殺人事件の犯人23人おり、主犯格の石元太一と伊藤リオンは被害者遺族に賠償金を払い謝罪している
人違いで「関東連合」メンバーに小笠原一也さんが殺害された「トーヨーボール殺人事件」について総まとめしてきました。
「関東連合」が起こしてきた人違い殺人事件は入念な確認が無い”ノリ”で行われおり、殺人を何とも思わない半グレの恐ろしさを世に知らしめました。
「関東連合」は事実上存在しませんが、トップの見立真一は現在も国外逃亡中のため、いつか再び結成する日が来るかもしれません。