2019年4月19日に飯塚幸三さんが起こした池袋母子死亡事故で「上級国民」という言葉が話題です。
上級国民の意味や語源と2chでの広まり、そして上級国民は逮捕されない&無罪説を池袋事故や千野志麻事故のケースから検証します。
この記事の目次
上級国民の意味や語源とは~2015年9月に急速に広まったネットスラング
上級国民の定義・語源について
上級国民という言葉は、一般国民に対してそれ以外の特別な国民がいるかのような発言を受けて、それを皮肉るために生まれたネットスラングです。
昔は専門家側の上から目線の言葉を皮肉るために用いられていましがが、現在は政治家や役人・資産家などを批判的な意味合いにて指し示すようにも用いられています。
上級国民が広まったのは東京オリンピックエンブレム騒動
上級国民は2015年9月1日以後にネット上で急速に広まりました。広まった経緯は2020年東京オリンピックエンブレムに関する騒動です。
2015年7月、2020年東京オリンピックエンブレムのデザインに多数の応募作品がありましたが、その中からデザイナー佐野研二郎さんによるエンブレム案が採用されることが発表されました。しかしながら、その後、佐野研二郎さんのエンブレム案について、海外の劇場ロゴで先行する類似したデザインが使用されていたことが判明し、盗用ではないのかという疑惑が持ち上がりました。
さらに佐野研二郎さんの過去のデザインが調べられ、他にも他者の写真や作品からの無断流用・トレースがあったことが判明、本人も盗用を認めました。
その後、2015年9月1日に五輪組織委員会は佐野研二郎さんのエンブレム案の採用を中止することを決定し、その件について記者会見を開き、五輪組織委員会の武藤敏郎事務総長がこの判断に至るまでの経緯の説明を行いました。
その際に、「一般の国民の方々」「一般国民」という言葉が使用されていたのです。
『残念ながら、自分のこのような説明、それから佐野さんの説明は、専門家の間では十分・・・分かり合えるんだけれども、一般国民にはわかりにくい、残念ながらわかりにくいですね』(上の動画 10:13~あたりから)
この会見の後、掲示板「2ちゃんねる」のスレッドやインターネット上のまとめサイトの中には、この「一般国民」と言う表現を「上から目線」という論調で批判的に伝えました。
https://www.logsoku.com/search?q=上級国民&p=87
このようにして、「一般国民」の対比として「上級国民」という言葉が使われるようになったのです。
しかし、現在は意味が少し変わって来ていて、「上級国民」は政治家や役人・資産家などを批判的な意味合いにて指し示すようにも用いられています
上級国民は逮捕されない?飯塚幸三による2019年池袋母子死亡事故で話題に
出典:https://twitter.com/kyoka00524/status/1120167804974456833
池袋事故・飯塚幸三は元官僚の上級国民だから逮捕されないという噂が広まる
2019年4月19日午後0時25分頃、板橋区弥生町に住む飯塚幸三さん(87)の車が約150メートルにわたって暴走し、歩行者らを次々とはね、自転車に乗っていた母と娘2人が死亡、飯塚さんを含む40~90代の男女8人が重軽傷を負う事故が起きました。
事故直後、飯塚幸三さんは入院、警察に逮捕などで身柄を拘束されることはありませんでした。
飯塚幸三さんの経歴見ると、東京大学工学部応用物理学科卒業、旧通産省の元工業技術院長を務め、クボタの副社長に就任したエリートとなっています。
ネット上では、飯塚幸三さんが元官僚の上級国民だから逮捕されないのではないか?との噂が広まりました。
なぜ逮捕されないんだろうと思ってたけど、こういうことだったんですね、わかります。
— 初代全日本失敗王 (@1st_sippaioh) 2019年4月19日
「上級国民」
板橋区の無職、飯塚幸三さん(87)#池袋暴走事故 pic.twitter.com/aQQbXQO1ww
飯塚幸三、池袋事故後に上級国民っぷりを発揮とも噂に
飯塚幸三さんは逮捕されなかっただけではなく、不都合な情報がネット上からどんどん消えていくという事態が起きていました。
それゆえ飯塚幸三さんが上級国民っぷりを発揮したとネットで言われています。
池袋事故の加害者飯塚幸三(87)が上級国民ぶりを発揮してる…
— うみちゃん (@umiuminemui) 2019年4月21日
自宅電話番号・・変更
フェイスブック・・アカウント削除
ツイッター・・アカウント削除
ストリートビュー・・自宅にモザイク
ウィキペディア・・編集ページをロック
経済産業省の勲章贈呈ページ・・削除
Google検索ワード・・削除
Wikipediaから「#上級国民」が削除される pic.twitter.com/xNLFaqrESv
— 幸せになりたかっ太 (@realherusu) 2019年4月24日
Wikipediaの上級国民のページが@Sakaori_jawp 氏によって削除されてしまった。 さかおり氏も中野区に住んでいたというで、同区出身の飯塚幸三氏と関係があるのかな? pic.twitter.com/xAozJ7gD7W
— キョロ崎 (@kyorozaki) 2019年4月21日
上級国民は逮捕されない&無罪説…警視庁が飯塚幸三を逮捕しない理由を説明
出典:https://twitter.com/kyoka00524/status/1120167804974456833
警視庁が池袋事故の飯塚幸三を逮捕しない理由を説明
前述のように、飯塚幸三さんは上級国民だから逮捕されなかったのでは?という噂が広まりましたが、警視庁は飯塚幸三さんを逮捕しない理由を以下のように説明しています。
警視庁が逮捕していない理由を「飯塚元院長の入院」と説明する。飯塚元院長は事故の衝撃で胸部を強く打ち骨折、救急搬送された。刑事訴訟手続きについて定めた刑事訴訟規則は、容疑者逮捕の必要性を「逃亡や証拠隠滅の恐れがある場合」としている。
入院で元院長の所在が確認されていることに加え、警視庁は現場で目撃証言を集め、事故車両を押収している。これらの状況から、飯塚元院長が現時点で証拠隠滅を図る恐れがないと判断したとみられる。
飯塚幸三さんは事故で入院しており、「現時点で証拠隠滅を図る恐れがない」ため身柄を拘束する必要性がなかったということです。
池袋事故と他の事故を比較…似たようなケースでは一般国民は逮捕されている?
池袋事故の2日後、神戸で似たような事故が起きましたが、神戸の件では運転手が逮捕され「容疑者」と呼称付きで報道されました。
東京・池袋では4月19日、87歳の男性の運転する乗用車が暴走し、30代の女性と3歳の娘がはねられ死亡。21日には神戸で市営バスが暴走し、巻き込まれた20代の男女2人が死亡した。
ともに歩行者が青信号の横断歩道で起きた事故だったが、前者の男性は逮捕されず、発生当日の報道では「さん」という敬称や肩書付きで報じられた。
一方、後者のバス運転手(64)は、自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で現行犯逮捕され、「容疑者」という呼称付きで報道された。
池袋事故と神戸事故の報道の違いに違和感を感じる人も少なくありません。
池袋の暴走事故と
— シバっち (@shibablaed) 2019年4月21日
今日の神戸路線バス暴走事故
池袋のは、
母子2人死亡8人重軽傷
飯塚幸三(87)
ブレーキを踏んでいない
救護活動無し、息子に隠蔽支持
神戸のは、
横断歩道で
20代男女2人死亡
6人重軽傷
大野二巳雄(64)
ブレーキを踏んでいた
救護活動有り
なんで記事に差があるの?
神戸三ノ宮のバス事故では7人を死傷させて運転手は即刻逮捕。これに対し池袋の事故は普段から車の操作に支障があることを自覚しながら運転し、10人も死傷させながら逮捕されずに任意で捜査。この違いは何だ。通産省工業技術院元院長だからか。
— M.TATEHANA (@bfjCTvMjjzKFEp3) 2019年4月21日
上級国民は逮捕されない説…過去の千野志麻の事故も話題に
2019年4月の池袋事故で飯塚幸三さんが逮捕されなかった件で、2013年に死亡事故を起こした千野志麻アナのケースも再び話題に上がっています。
池袋事故…なんで加害者に対して『さん』付けなん…?元官僚だったら何をしても許されるんだ…故福田赳夫元首相の孫にあたる夫を持つ、元フジテレビアナウンサーの千野志麻が、死亡事故を起こした時も罰金100万の略式命令だけで逮捕されてないからな…(-.-)狂ってるわ(-.-)
— Labo (@sunset0301) 2019年4月20日
2013年に事故を起こした千野志麻
2013年1月2日、静岡県沼津市のホテルの駐車場で自動車を運転中に場内を歩いていた38歳の男性看護師をはね、死亡させる事故を起こしました。
2013年12月27日、静岡区検察庁から略式手続に付され、沼津簡易裁判所で100万円の罰金刑に処され即日納付しました。
千野志麻アナは逮捕されることなく、罰金刑で済んでいます。逮捕はされなかったものの罰金刑の有罪なので無罪ではありませんでした。
千野志麻アナの父親は政治家で2003年から沼津市議会議員の千野慎一郎さん、また旦那・横手信一さんは福田康夫元首相の孫です。このケースも身内に上級国民がいたから逮捕されなかったのでは?と話題になっています。
「当時、千野が逮捕されなかったことが大きな話題となりましたが、彼女の場合は警察にすぐ届け、公式HPでも事故を報告。逃亡の恐れがないと判断されたようです。もっとも一部では、父親が沼津市議会議員であること、夫が福田康夫の甥であったことが関係しているとの声も上がっていましたが……」(芸能記者)
二人殺しても「さん」付けか。
— V.P.S_2018 (@vps_2018) 2019年4月20日
千野志麻の死亡事故も駐車場内に
関わらず”悪質性が低い”として
逮捕されず話題になった。
道路で寝ていた酔っ払いを
轢いても逮捕されるのにだ。
そもそも悪質性や逃亡の怖れなど
主観に過ぎずどうとでもなる。
名士や有力者は免れるなら
法の元の平等では無い。
上級国民について総まとめすると・・・
・上級国民は2020年東京オリンピックエンブレムに関する騒動にて、五輪組織委員会の武藤敏郎事務総長が「一般の国民の方々」「一般国民」という言葉を使用→ それを皮肉る対比の言葉としてネット民が「上級国民」を使うようになった。
・2019年4月19日に起きた池袋の母子死亡事故において、運転手の飯塚幸三さんが逮捕されないのは「上級国民」だからとネットで噂になった。警視庁は飯塚幸三さんを逮捕しない理由として、「怪我で入院をしており証拠隠滅を図る恐れがない」としている。
・過去には死亡事故を起こした千野志麻が逮捕されなかったケースもあった。父親は政治家、旦那は福田康夫元首相の孫など、身内に上級国民がいたからと噂になっている。
上級国民について総まとめしてきました。
今回紹介した飯塚幸三さんや千野志麻さんのケースでは、一般国民だったら即逮捕案件とネットでは批判の声が上がっています。
真相は闇の中ですが、上級国民については逮捕の可能性が減るということもあり得る気がしてしまいますね。