佐野研二郎さんは、2020年の東京五輪エンブレムを含むパクリ騒動で注目を浴びたデザイナーです。さまざまな批判を受け、東京五輪エンブレムに決定していた自作を取り下げ、以降表舞台にはほぼ姿を現していません。
しかし2016年11月に入り、自身とは関係ないところで”葬式ごっこ”を催され、再び注目を集めています。
この記事では、佐野研二郎さんの一連のパクリ騒動や家族のこと、現在の動向(問題となった”葬式ごっこ”含)についてまとめています。
この記事の目次
佐野研二郎のプロフィールや経歴
名前:佐野研二郎
愛称:サノケン
出身地:東京
生年月日:1972年7月29日
最終学歴:多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科
佐野研二郎さんは、2020年の東京五輪エンブレムのパクリ騒動(後述)で注目を浴びたデザイナーです。
多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業後の1996年に、大手広告代理店の博報堂に入社し、2008年には「MR_DESIGN」を立ち上げ独立してます。2014年には、川村元気さんとの共作の絵本「ティニー ふうせんいぬのものがたり」が、NHKにて「ふうせんいぬティニー」としてテレビアニメ化。
2014年4月からは多摩美術大学の教授を務めていました。
これまでにいくつもの賞を受賞しています。グッドデザイン賞、スポニチ広告賞グランプリ、2013毎日デザイン賞、第17回亀倉雄策賞など。
佐野研二郎の家族~嫁と子供・兄や親族について
佐野研二郎の嫁・子供について
- 佐野研二郎さんは、博報堂時代の同僚と結婚し、子供が一人います。
佐野研二郎さんの嫁・佐野恵子さん。
佐野研二郎さんの嫁・佐野恵子さん。
嫁・恵子さんは。一連のパクリ騒動で佐野さんの会社広報として注目を浴び、その言動が話題になりました。
「ヒステリック気味に『弁護士をこっちはつけている』『こっちは記録に残したいんだから責任者を出しなさい』と声高に語っていました。しまいには『上の人間を出せ』『そっちの弁護士を呼びなさい』とまで‥‥。記事を掲載するたびに電話がかかって来ているようです。苦情を聞く担当者は『また、押し問答を繰り広げなきゃいけないのか』とため息をついてますよ」
引用:社会Posted on 2015年9月8日 5:59 AM 記者たちも辟易、佐野研二郎氏の妻が行う恐怖の「抗議活動」とは?
佐野家。
娘が一人います。
佐野研二郎さんが語る子育て。
「子育てで広がる世界を一緒に楽しむ」
佐野研二郎の父親・兄など親類がエリート
佐野研二郎さんのご実家はご両親、兄・妹の5人家族。ウィキペディアや雑誌記事によると、それぞれ以下のようなご職業のようです。
・父親は慶應義塾大学医学部出の内科医
・母親は看護師
・兄は東京大学出の経済産業省キャリア官僚
・妹はデザイン系の仕事ではない
また親戚には、国立競技場に関わるJSCに勤めている方もいるようです。
佐野研二郎さんの親類。
佐野総一郎さんは、JSC理事長の右腕とも言われています。
佐野研二郎のパクリ騒動まとめ~東京五輪エンブレムやその他
佐野研二郎の東京五輪エンブレムのパクリ疑惑
東京五輪エンブレムのパクリ問題。
2020年東京五輪エンブレムに選ばれた佐野研二郎さんの作品でしたが、海外の作品に似ているという指摘があがり、騒動に。海外のデザイナー(ベルギー劇場のロゴ作成者)からは使用差しどめを求められながらも、一貫して「盗用ではない」とし疑惑を否定し、五輪組織委員からも「オリジナルと確信している」と擁護されています。
ただ結局、盗用ではないとしながらも、ご本人より取り下げられました。
佐野氏は「応募作品は盗用ではない」と改めて強調しながらも、(1)昼夜を問わず本人・家族への誹謗中傷が続いていること、(2)国民から受け入れられず、オリンピックのイメージに悪影響を与えていることから、「エンブレムの原作者として取り下げたい」と申し出た。
コメント全文はこちらから。
「人間として耐えられない」佐野研二郎氏がコメント 疑惑改めて否定
五輪エンブレム発表(2016年7月24日)から取り下げまで(2016年9月1日)、わずか1ヶ月ちょっとの出来事でした。
ちなみに、その後改めて選ばれた新エンブレム。
2016年4月に野老朝雄(ところ・あさお)さんの「組市松紋」に決定しました。
これについてもいろいろ言われていますが…。(東京五輪エンブレム 最終候補4作品は出来レースと元審査員がブログにぶちまける)
佐野研二郎のパクリ騒動はエンブレムだけじゃない…トートバックなども
しかし佐野研二郎さんに向けられたパクリ疑惑は、東京五輪エンブレムだけではありません。
トートバックデザインのパクリ騒動。
他の人の作品や一般人がブログにアップしたようなデザイン(絵柄)が使われ、最終的に30種類あるうちの8つを取り下げ。
トートバックのトレースを認めた佐野研二郎さん。
(トレースは敷き写し、なぞるといった意味。)
トートバック制作過程・謝罪などが記載されています。まとめると以下のようなことが書いてあります。
・トートバック制作過程…佐野さんがコンセプト発案→スタッフがデザイン・素材を作成→再び佐野氏が確認しレイアウト等の指示。
・謝罪…トレースがあったとは思いもしなかったとしながらも、プロとしての甘さやスタッフの教育が不十分だったとし謝罪。
・東京五輪エンブレムについて…盗用もなく”個人的な作品”。
・他のパクリ疑惑について…今のところ問題は確認されていない。
またこの件について目立ったのは、佐野さん本人よりも、嫁・恵子さんの方だったかもしれません。まず週刊誌の取材に応じ、トートバックの実務は部下がしていたと発言。
確かにトートバックのデザインを監修したのは佐野です。しかし、細かい実務を担っていたのは何人かの“部下”です。
また五輪エンブレムの話にも言及し(※この時はまだ取り下げしていなかった)、トートバックの件とは別問題と主張。
「トートバックの件については法的なことを待たずして取り下げた。それが誠意だと思って。それで『あなた、不祥事を起こしていますよね。エンブレムの資格あるんですか』と言われれば、それは結びつけ。トートバックとエンブレム制作のプロセス上、何か関連があるんですか」とまくし立てた。
さらに「普段の仕事で、佐野の確認なしに最終形として納品するということはないようにしてました。この件(トートバック)に関しては、それが漏れていた」とし、トートバック以外には問題がないことも明言。
佐野研二郎のパクリ疑惑まとめ
佐野研二郎さんのネットなどで言われたパクリ疑惑は、その他にもいくつか存在しますので、以下より画像とともにご紹介してきます。(※佐野さんが認めたパクリは、上記トートバックのみ)
その他も?佐野研二郎さんのパクリ騒動。
左が佐野氏デザイン。
右は2012年の秋田県団扇展のポスター。
多摩美術大学のポスターにもパクリ疑惑?
同じく多摩美術大学のポスターより。
佐野研二郎さんのパクリ作品集?
中には似てないと思うものもありますが、上のものも含め、さすがに疑惑が多すぎですね。
佐野研二郎の五輪エンブレム元選考委員がヤバイ?談合・出来レース疑惑も
佐野研二郎の関係者が多い?五輪エンブレム元選考委員
パクリ騒動で注目を浴びた佐野研二郎さんですが、それよりも闇が深そうなものが、その選考過程です。
佐野研二郎さんの周辺の人物相関図がありましたのでご紹介します。
佐野研二郎さんの周辺で埋め尽くされていた?
多摩美術大学・(元)博報堂・エンブレム選考委員の相関図です。複数のつながりを確認できます。
持ち回り?と疑いたくなるような…。
ただ、このことについてはデザイン業界ならではの見方ができるようです。
デザイン業界に詳しい人物は「デザイン業界は狭い世界。超が付く一流のデザイナーはごく一握りだから、当然お互いに知っている人だらけになる。結果として賞を回し合っているような状態になっている」と信じられない実情を語っていた
だからといって、さすがに関係者が多すぎではないでしょうか…。
佐野研二郎、選考を経て選ばれたのに2回もの修正
さらに2度にも及ぶ修正の何故?
原案段階で類似性のあるものが他に確認されたため、2度にわたる修正をしたとしています。
佐野氏の原案では当初は赤の日の丸が右下にあり、「T」が強調されていた。しかし、商標登録手続きの中で、若干の類似性があるものが見つかり「原案のは断念した」(武藤事務総長)という。その後、佐野氏の2度の修正を経て、現在のものが採用された。ただ、審査委員の1人でデザイナーの平野敬子さんは、「審査で選んだのは原案」として、現在のエンブレムの承認は拒否したという。
(※ちなみに平野啓子は、上記でご紹介した「組市松紋」エンブレムへの選考に関して疑問を呈した”元審査員”でもある)
修正があったことを発表(8月末)する前でしたが、著名デザイナー・画家である横尾忠則さんのツイートも話題に。
五輪のエンブレムの件。もし審査の段階でベルギーの劇場のロゴの存在に気づいていたら、採用作は「似ている」ということで選外になったはずだ。調査の網の目からこぼれたための入賞だと考えると応募者に責任はない。むしろ選んだ審査員側にある。審査員の説明が必要ではないだろうか。
— 横尾忠則 (@tadanoriyokoo) 2015年8月6日
普通にそうなると思ってしまいますが、2度の修正を経ても起用された佐野さんのデザインでした。
疑惑に対する五輪組織委員の調査結果
2015年12月に明らかになったエンブレム問題に関する報告書では、選考過程で不正が見られたものの、「佐野当選は不正ではない」と結論付けています。
永井氏は元組織委マーケティング局長の槙英俊氏らと協議し、昨年9月、公募前に佐野氏を含むデザイナー8人に応募を要請する文書を送った。
8人は作品を応募したが、1次審査の投票で2人の作品が通過条件の2票を獲得できなかった。永井氏は事前要請した8人の作品は無条件で2次審査に進めて審査する意向だった。このため、槙氏らが永井氏に2人の作品への追加投票を促し、1次審査を通過させたという。報告書は「いわば『隠れシード』で明らかな不正」と指摘した。
その後の審査では不正投票は行われず、2人の作品は2次審査で落選した。佐野氏の作品はいずれの審査過程でも最多得票で通過しており、報告書は「佐野氏の当選があらかじめ決まっていた『出来レース』ではない」としている。
佐野研二郎さんの関係者が何人か確認でき、さらに修正案を二度までして決定された東京エンブレム。この過程には、パクリ騒動よりももっと深い闇を感じてしまいますが、不正はなかったとされています。
佐野研二郎の現在は?最近の様子や葬式ごっこについて
2015年7月に佐野研二郎さんのデザインした東京五輪エンブレムとして発表されましたが、たび重なるパクリ騒動により、同年9月1日にご本人が取り下げ。そのことによって事態は一気に終結したかのような雰囲気になりました。
また佐野研二郎さん自身も、ほとんど表舞台に出ることがなくなっています。そんな彼の現在についてまとめています。
佐野研二郎は多摩美術大学教授として復帰?
2015年のパクリ騒動後、佐野研二郎さんが教授を務めている多摩美術大学は「処分なし」としています。
多摩美大を取材すると「(騒動による)処分などはありません。現在のところは、来年の春から講義をしていただく予定です」と明言した。
このコメントからも、2016年の春頃から大学教授として復帰してくるのでは、という見方もされていました。確かに現在もまだ多摩美術大学HPに教授として名を連ねているようですね(多摩美術大学 総合デザイン学科 佐野研二郎教授より)。
ただ現在は本人からの意向で授業の受け持ちはしていません。
佐野研二郎氏は、自らの意向で休職しており、現在、授業を持っていない
その他に2016年以降の活動して確認できたものとしては、以下の審査員ぐらいでした。
・優秀作品は仙台市内のシティスケープに掲出!第5回シックスシートアワード作品募集中
佐野研二郎の現在を週刊誌が報じる
週刊誌では東京五輪にも関わったパクリ騒動の張本人として直撃取材が行われ、現在の状況を何度か報じています。
カレー屋で目撃された佐野研二郎さん。
2016年3月の週刊誌「FLASH」より。
「マトンカレーを食べたんですか?」
「…はい」
消え入りそうな声で、それだけは答えたのだった。
新たに東京五輪エンブレムが決定するか否かの時期にも、週刊誌が直撃取材。(2016年4月の週刊ポストより)
─今、佐野さんのエンブレム案を再評価するという声が挙がっていますね。
「(軽く会釈しながら)とんでもないです」
──ところで、佐野さんは新案4作品の中で公式エンブレムとしてどの作品が良いと思っているかうかがいたく……。
すると、とたんに表情を強ばらせ、「いいえ」とぶっきらぼうに答え
いずれも、以前よりもややふっくらしているといった記述があります。確かに画像を見ると、若干太った感じに見受けられますね。
佐野研二郎、2016年11月に多摩美術大学祭で葬式ごっこ
そして2016年11月には、佐野研二郎さんが関知していない問題で再び話題に。
葬式ごっこ?
男性の手元には、笑顔の佐野研二郎さんの写真が…。
多摩美で佐野研ニ郎の葬儀やってる笑う pic.twitter.com/eNFII9lpkH
— しろ (@siro700) 2016年11月6日
なんだか言葉もでませんが…、これらは2016年11月6日に多摩美術大学で行われた芸術祭での出来事です。弔辞が読まれ、棺のようなものまで用意された不謹慎な”葬式ごっこ”には、もちろん非難が殺到。
多摩美術大学側は、”葬式ごっこ”はゲリラ的に行われた無許可のものであったとしています。
学園祭と関係があるかについては、「イベントは手続きが必要ですが、該当事例にはありませんでした」と言う。
これを見た人々の反応は、だいたいが批判的です。
2: サソリ固め(北海道) [US] 2016/11/06(日) 16:58:11.38さすがに下品
仮に芸術なんだとしても質が低い11: ファイヤーボールスプラッシュ(東京都) [CN] 2016/11/06(日) 17:02:01.19ひぇー。こんなのやって大丈夫なの?
「佐野研二郎の葬式ごっこ」は賛同できないけで、それよりもマスコミは「佐野研二郎の五輪エンブレムパクリ疑惑」の取材をするべきだろwww佐野研二郎は何の説明もせずにずっと逃げてるぞwww #tvasahi #モーニングショー
— 500円 (@_500yen) 2016年11月7日
佐野研二郎になら何を言ってもいいのか
— 常見陽平 (@yoheitsunemi) 2016年11月6日
多魔美の学生ならOBであり教員なのだから、批判は直接言えばいい
勝手に生前葬というのは、ユーモア、皮肉の域を超えている
これを小学生が同級生にやったら立派なイジメ問題https://t.co/cigg6xMDpr
(”葬式ごっこ”をしたといういじめ事件は、少し古い話ですが存在します。中野富士見中学いじめ自殺事件 wiki)
葬式ごっこについては一部で部外者(多摩美生ではない)の行動だったとする話もありますが、部外者なのか学生なのかも含め、現在多摩美術大学が調査中です。
まとめ
佐野研二郎さんの母校として話題になった多摩美術大学。2016年11月に入り、”葬式ごっこ”によって、はからずも再び注目を集めています。
佐野研二郎さんのパクリ騒動にしろ、”葬式ごっこ”にしろ、多摩美の真面目にやっている学生(出身者)たちがかわいそうに思えますね。