吉里弘太郎は2003年に起きたプチエンジェル事件の主犯とされ、その後練炭自殺しました。容疑者の逮捕前死亡などにより、多くの謎を残したまま打ち切られた当事件は、日本犯罪史上もっとも闇が深い事件として知られています。
ここではプチエンジェル事件の犯人・吉里弘太郎の生い立ちや父親など家族情報、関東連合との関係、そして事件にまつわる情報などについてまとめています。
この記事の目次
「プチエンジェル事件」犯人・吉里弘太郎のプロフィールと生い立ち
吉里弘太郎(よしざとこうたろう)
生年月日:1974年頃
没年月日:2003年7月(享年29歳)
吉里弘太郎は2003年に起きたプチエンジェル事件の主犯とされる。事件を起こしたのちに練炭自殺。
プチエンジェル事件の犯人・吉里弘太郎は、家庭環境は比較的裕福だったと見られています。
学生時代は神奈川で過ごし大学は東京学芸大学を卒業。その後はデザイナーとして活動していたことがあったとの情報も。
こうしてみると特に変わった生い立ちを持っていませんが、吉里が20歳前半の1990年代後半に入ってから父親や兄が自殺するなどしています。
また吉里弘太郎は18歳ぐらいから一人暮らしを始め、大学時代はヒモのような生活をしていたそうです。
いつの時期かはわかりませんが、ホストとしての経歴も有。こういった経験から、やがて件の風俗店経営への道を歩んでいってしまったのかもしれませんね。
吉里は相当な荒稼ぎをしていたようで、預金口座に35億円、愛車フェラーリ(2500万円)など複数台の高級車を乗り回すなどかなり羽振りがよかったようです。
吉里の父親(あるいは母親)が特に資産家だったという話もありませんので、これも風俗店経営で得たお金だったのかなと考えると、いろいろな意味で怖いですね。
「プチエンジェル事件」犯人・吉里弘太郎の家族…父親と兄は自殺、母親は自殺未遂
ここでは吉里弘太郎の家族情報をご紹介していきます。
・父親…朝日新聞西部本社社会部長・警察庁キャップをつとめるような人物でしたが、1993年に難病・頭頸部ジストニアを患い、1996年に自殺。
(※ジストニアは生命にかかわるものではないが、脳あるいは神経などの障害により筋肉が収縮したり、硬くなる難治性疾患。つまり筋肉が自分の思い通りに動かなくなるというような症状が出るそうです。精神科的異常を伴うことが多いとも。遺伝性ジストニア(指定難病120))
・母親…沖縄出身とされる。2001年に自殺未遂するも、その後の消息は不明。
・兄…父親の自殺後、それを追うように自殺。原因は不明。
・吉里弘太郎(本人)…三兄弟の真ん中。持病のアトピーがひどく、友人には死にたいと漏らしたこともあったそうです。
・弟…詳細不明だが、精神病との噂があり病院に入っているとの話も…。現在の消息は不明。
「プチエンジェル事件」犯人・吉里弘太郎経営のデートクラブの顧客には皇族もいた?
プチエンジェルの実態とは
プチエンジェルは、主犯とされる吉里弘太郎が経営していた児童買春デートクラブの名前です。それ以外にも児童ポルノ等を1000本以上販売しており、かなりの売り上げをあげていたとされます。
吉里は都内繁華街で女子高生スカウトを使ってローティーンの少女にチラシを配って勧誘し、男性客に斡旋するなどの商売をしていました。
プチエンジェルに所属していた少女の証言とは
・プチエンジェルは会員制デートクラブで入会金が高いため、ある程度の地位ではないと入れない
・会員は社長・医者・弁護士など2000名以上
・女の子の年齢は小中高生
・なかでも人気のある年齢は「小5・小6・中1」ぐらい
・小学生を勧誘すると3万、中高生の場合は1万円もらえる
「プチエンジェル事件」犯人・吉里弘太郎は逮捕直前に練炭自殺で死亡
プチエンジェル事件
2003年7月に起きたプチエンジェル事件。これは小学校6年生の女子4人が赤坂のマンションに誘拐・監禁された事件になります。
事件は2003年7月に被害にあった少女のうち一人が、渋谷で吉里の経営するデートクラブ「プチエンジェル」に勧誘されたことから始まりました。
その後7月13日に少女4人は吉里から「部屋の掃除をしてほしい」と頼まれ、数日前に契約したばかりの赤坂のウィークリーマンション(事件現場)に招かれることに…。
しかし部屋についた途端に吉里が豹変し少女らを監禁。逃げないようにと重しをつけられた子もいたといいます。
その夜に少女たちの親はすぐに捜索願いを出し、マスコミも連日誘拐事件を報じるようになりました。7月16日には警察が吉里の逮捕状を取り(誘拐監禁とは別件で、2003年3月の買春容疑で)、捜査が始まりましたが、同日中に吉里は室内で練炭自殺をはかり死亡。
翌17日になると、室内の音がしなくなったことで監禁された少女のうち一人が近所に助けを求め、その後に警察が被害者たちを無事保護するに至りました。
「プチエンジェル事件」の真相…犯人・吉里弘太郎他殺説や関東連合との関係
プチエンジェル事件は多くの謎を残したまま捜査終了
プチエンジェル事件後は以下のような不可解な点がいくつもあり、多くの謎が残されたまま捜査終了しました。そのため大きな権力によって?闇に葬られた事件として、人々の記憶に残りつづけています。
①マスコミが一斉に報道しなくなった
②事件を追っていたフリーライター染谷悟さんが殺害された(ただ逮捕された染谷さん殺害犯人曰く、金銭問題等からのものだったと供述)
③誘拐監禁された少女たちの不可解な言動
④買春クラブに関連する逮捕者ゼロで、吉里の単独犯だと決めつけ捜査終了
などなど
ただ偽名が多かったため、この秘密デートクラブ「プチエンジェル」の実態についてはほとんど解明されることもなく、捜査は打ち切りに。
結局プチエンジェル事件は、吉里単独犯による監禁事件という形で終わることとなってしまいました。この不自然な結末には、何かしらの権力(警察・闇勢力・国家権力・海外巨大組織等等)が事件をもみ消したためではないかという見方が多く、闇が深い事件として現在でもネットで語り継がれています。
吉里弘太郎、自殺ではなく他殺だった可能性も
謎の練炭自殺を遂げた吉里弘太郎
監禁された少女たちが警察に保護される前日(7月16日)に、吉里弘太郎は練炭自殺をしました。吉里は7月13日に誘拐監禁をしていますので、そのわずか4日後の急死になります。
さらに吉里は7月12日に練炭や七輪を購入しており、誘拐監禁前からその先を決めていたかのような不審な行動が目につきます。
また吉里弘太郎の自殺方法ではビニール袋が溶けてしまい、死ぬのは不可能だったといったメディアもあり(のちの再検証では可能とも報じられていますが)、その不可解な死には疑問が残りました。
それ以外にも、吉里弘太郎の周囲には明らかに複数人が「プチエンジェル」に関わっていたと見られています。
・事件現場の赤坂のマンションを契約した人物(支払いは吉里)
・事件前にマンションに出入りしていた謎の男女2人組(一人は警察幹部の子ども?だったとの話も)
・2000名もの顧客名簿があるようなデートクラブを一人で切り盛りするのは無理
プチエンジェル事件で児童買春クラブの存在が明らかになったものの、組織関係者も客側も少女たちも誰一人捕まることなく、主犯とされる吉里弘太郎の死で終結となったことだけは、事実です。
ただ吉里弘太郎自身もそれ以前から児童買春で捕まっている性犯罪者です。2001年に中学生買春で執行猶予1年半の判決を受けており、自殺直前にも児童買春容疑で指名手配されるなど、警察からは目をつけられるような人物であったことは間違いないでしょう。
吉里弘太郎は関東連合も関係があった?
謎が多いプチエンジェル事件
あの闇組織との関係は…?
プチエンジェル事件は多くの謎が残されたまま捜査が打ち切られました。そのため、未だに都市伝説のようにいろいろな噂がなされます。
そのうちの一つが、プチエンジェル事件と関東連合の関わり合い。秘密クラブ・プチエンジェルもアンダーグラウンドな世界の商売ですので、何らかの関連があっておかしくなさそうです。しかし、とくに具体的な関係情報はありませんでした。
ネットでは、「黒幕が関東連合」「プチエンジェルの顧客名簿が関東連合に流れている」といったものが見受けられましたが、いずれもどこから出てきたのか不明な情報です。
関東連合は2000年代以降、悪質で闇深い事件をいくつも起こしています。そのため、日本犯罪史上もっとも闇深い事件として知られるプチエンジェル事件を関連づけて考えてしまう人もいるようです。
ただプチエンジェル事件は、それ以上に大きな力が働いているような気もしてしまいますが…。
「プチエンジェル事件」の現在…被害者少女が行方不明になっていた?
その後、わかった事件真相は?
プチエンジェル事件の真実は、吉里弘太郎の死とともに闇に葬られてしまいました。すでに10数年の月日が経過していますが、裏付けのない都市伝説的なエピソードは一人歩きせど、新たな事実がわかったということはないようです。
ただプチエンジェルは運営関係者・顧客・少女たちなど、関わりを持った人物が少なくありません。
そもそも顧客名簿には2000名いたとありますし、数千人の人がその買春組織の存在を知っていたと考えると、未だに暴露者等が出てこないということの不自然さ・不気味さは言うまでもありません。
また、ネット上では被害者少女が行方不明になったといわれていますが、なんの証拠もないため真相は不明です。
プチエンジェル事件?知らなかった。2003年7月に発覚した少女監禁売春、顧客は政界財界、医者に、上級国民とか。その2ヶ月前の2003年5月23日にあっという間に個人情報保護法が成立してましたね。この事件を暴かれないためだったのか。
— Sanae (@myo44) March 6, 2020
最近でいうと、プチエンジェル事件と似たようなアメリカのエスプタイン事件(富豪による児童買春・性的虐待スキャンダルや韓国のN番の部屋事件(脅された被害者女性の性的な画像・動画が、SNSで会員数十万人と共有されたデジタル性犯罪。この会員には韓国の社長・芸能人・アスリートなども含まれていたとも)が脚光を浴びています。
やはりどの国でも同じような性犯罪は後をたたないものですね。エスプタイン事件は訴追された富豪が自殺。それでも、プチエンジェル事件のように全てが暴かれることはないのかもしれませんが…。
「プチエンジェル事件」犯人・吉里弘太郎についてまとめると…
・吉里弘太郎の父親は朝日新聞に勤務していたが難病を苦に自殺、兄も父親の後を追うように自殺し、母親も自殺未遂を図った過去があった
・吉里弘太郎は自身に捜査の手が迫っていることを知り、練炭自殺を図り死亡した
・吉里弘太郎が起こした「プチエンジェル事件」は闇が深く、関東連合との関係や他殺説など様々な噂が飛び交っている
プチエンジェル事件の主犯・吉里弘太郎についてまとめましたが、事件から10数年経った現在でも、謎が多く闇が深いままです。
もしかしたら知らないままの方が幸せな事件なのかもしれません。