染谷悟さんは、柏原蔵書というペンネームで活動していたフリーライターです。しかしプチエンジェル事件を取材していた最中、東京湾で遺体となって発見されました。
ここでは染谷悟さんのフリーライターとしての経歴や殺害事件、その犯人・桜井景三、そして真相についてまとめています。
この記事の目次
フリーライター染谷悟のプロフィールと経歴
染谷悟、柏原蔵書のペンネームでアングラ記事を執筆していた
染谷悟さんの経歴
ペンネーム・柏原蔵書(かしわばらくらがき)、山口六平太(やまぐちろくへいた)等
国籍:日本
生年月日:年齢不詳だが、亡くなった2003年9月時点で38歳だったため、1965年頃生まれと考えられる
職業:フリーライター(フリージャーナリスト・フリーカメラマンとも)
染谷悟さんとは、ペンネーム”柏原蔵書”で活動していたフリーライターでした。しかし2003年9月12日に、東京湾で遺体となって発見。享年38歳。
1991年からライターとしての活動を始め、著作以外にはアングラ系雑誌(ブブカ等)で記事を書いていたこともありました。
著作には歌舞伎町アンダーグラウンド(2003年6月刊行/ベストセラーズ)や鍵の聖書 鍵と鍵屋の選び方 の編集(2002年刊行)など。
なお染谷悟さんの画像ですが、ご本人と思われるものはありません。ネット検索すると顔画像が出てくることがありますが、それは別人の”染谷悟”さんのようです。
フリーライター染谷悟殺害事件の概要…東京湾で遺体となって発見
染谷悟さん殺人事件概要
発見日時:2003年9月12日
発見場所:東京都江東区東雲2丁目の東京港(東京湾)
死因:肺に達した刺し傷が致命傷
(つまり殺されたあとに、海に沈められた)
発見者:通りすがりのトラック運転手
プチエンジェル事件が公になったのが2003年7月。そしてその2ヶ月後に事件を調べていたとされる染谷悟さんが何者かに殺害され、東京湾で遺体となって発見されました。
染谷さんの遺体の状態は凄惨で上半身は鎖で拘束された上、両手は紐で縛られ、頭を2か所殴打され(陥没骨折)、背中には8か所の刺し傷があったそう。さらに腰には重しがついていたといいます。今時ドラマでも聞かないような悍ましい殺害方法ですね。
当時の報道によると、染谷悟さんは殺害される前の2002年頃から空き巣や窓ガラスを割られるという被害を受けており、事件前には周囲に「中国人に狙われている。殺されるかもしれない」などと話していたことがわかっています。また合わせて各方面に借金をしており、金銭面で困っていたことなども報じられていました。
また染谷さんがフリーライターでアングラ系の記事を書いていたことからも、当初から仕事でのトラブルが殺害事件につながったと見られていました。
フリーライター染谷悟殺害事件・犯人は鍵業者の桜井景三ら3人
染谷悟、桜井景三と取材記事と金銭問題で揉めていた
染谷悟さん殺害で逮捕された犯人は鍵屋!?
主犯:桜井景三(豊島区の鍵業者)
共犯:熊本恭丈(無職の元潜水士)と藤井亮一(無職)
2003年9月に染谷悟さんが殺害された事件で、その後に殺人容疑で逮捕されたのは「木原武士」という名前でメディア出演などもしていた鍵業者・桜井景三ら3人でした。当時の週刊誌報道によると、桜井は帰化した在日朝鮮人でヤクザ、前科者などという話も…。
桜井ら3人は2003年9月6日に染谷さんを拉致監禁し、連れ去った新宿のマンションで暴行。その後同日中に船に乗り込むとそこで背中に刺し傷を複数負わせ、そのまま海に落としました。(実際に刺し傷を負わせたのは共犯の熊本)
桜井らの供述によると、染谷さんとの間には当初の報道でもあった通り仕事絡みでトラブルがあり、染谷さんの記事で名指しで批判されたことや金銭問題で揉めていたといいます。
ちなみにその名指しで批判されたという記事の内容は「(桜井は)復讐請負人」と書かれたとのことですが、それ以外にも染谷さんの次作で桜井の鍵は「イスラエル製の鍵をまねたもの」であることを暴露しようとしたためとの見方も。
桜井景三については、それ以前からかなり悪評が多かったようで、同じ鍵業者や捜査関係者まで敬遠していたような人物だったとされます。さらに捜査で判明したところによると、桜井は染谷さん以外にも2人の鍵業者を殺害しようとしていたことがわかっています。
その後の公判で、主犯の桜井景三は懲役16年の判決が確定しています。
フリーライター染谷悟殺害事件の真相と闇…プチエンジェル事件との関係は?
染谷悟が追っていた「プチエンジェル事件」とは
染谷悟殺害事件の真相とは…。
染谷悟さんは、プチエンジェル事件を追っていたことで殺害されたと噂されています。
プチエンジェル事件について簡潔にまとめてみると、以下の通りです。
2003年7月に主犯の吉里弘太郎により赤坂のマンションに当時小学校6年生の女の子4人が誘拐・監禁されました。その後に少女の一人が部屋から脱出し、隣の花屋さんに助けを求めたことから拉致監禁事件は解決。(吉見は事件発覚前に練炭自殺していた)
ただ問題となったのは、吉里が秘密デートクラブ「プチエンジェル」を経営し、未成年の少女たちを勧誘し客に斡旋していたことでした。プチエンジェルは売春のほか、わいせつビデオなども販売しており、多額の利益を得ていたとされます。
その後の捜査では、吉見の関係先から警察が2000名にも及ぶ顧客名簿を押収していますが、その多くが偽名だったという理由で捜査終了。結局主犯とされる吉里が自殺しただけで、デートクラブ組織関係者や顧客などが逮捕されることなく、事件真相は謎のまま捜査が打ち切られました。
不可解な点が多いため都市伝説的にさまざまな噂が流れており、それも含めて日本犯罪史上もっとも闇が深い事件として語られています。
この事件は闇が深く、政治家や皇族、三菱商事など大物が多く関与していたとも噂されています。
染谷悟殺害と「プチエンジェル事件」は無関係?
プチエンジェル事件の真相としては「中国マフィアが絡んでいた」「ヤクザ(あるいは海外の巨大組織)がデートクラブのバッグにいた」「大物政治家(あるいは国家権力)が関わっていた」などなど、「権力者に握りつぶされたとされる闇が深い事件」としてさまざまな憶測を呼んでいます。
①秘密クラブを運営していた吉見が少女たちの誘拐・拉致を起こす
②事件後に練炭で吉見は自殺するも、その状況からして死ぬのは不可能だった?(=他殺説)
③秘密クラブは複数人が関わっていたにも関わらず、最終的には吉里の単独犯ということで捜査終了
④少女誘拐事件として連日報道していたマスメディアが、一斉に報じなくなる
⑤顧客名簿には日本各界の超大物が名を連ねていた
(医者、政治家、警察官、果ては皇族までいたとのトンデモ都市伝説も?)
⑥事件を追っていたフリーライター・染谷悟さんが殺害される
ご紹介してきたように染谷悟さんの殺害事件は桜井景三ら3人の犯人が捕まっており、犯人の殺害動機とプチエンジェル事件との関わりはないようにみえます。
ただあまりの闇深さから、プチエンジェル事件を追っていた染谷悟さんの殺害も、一緒くたに考えられることが多いようです。
またプチエンジェル事件で調べると、染谷悟さん殺害事件についてはあまり詳細が触れられていないケースが多いように感じます。
そのため「プチエンジェル事件を調べていたフリーライターが殺された!」という部分だけが一人歩きしているという事もあるのではないでしょうか。
現状それ以上でも以下でもありませんが、ただあまりにもプチエンジェル事件は謎が多すぎて、謎が謎を呼んでしまっているようにも見えますね。
染谷悟が殺された原因についてネットの意見は
染谷悟さんが殺害された原因として、ネット上では「プチエンジェル事件」の真相を掴んだからと考える人も多いようです。
71:朝まで名無しさん:2006/08/05(土) 09:30:45ID:d4ml2qyB
ライターって命がけなのね…。
97:朝まで名無しさん:2006/09/04(月) 00:35:42ID:H+u4UifF
誰かを殺して無言の圧力を掛けるのは裏社会の常套手段だなw
119:朝まで名無しさん:2006/09/18(月) 13:10:26ID:v+mRacv2
このような事件がTVに出ないおかげで、一般的な事件としてかたずけられる。
基本的にライターが追っている事件て一般メディアが手を出さない事件はやばいのがほとんどだから、殺せば誰も手を出せなくなり闇の中へ葬り去られる。
これが今の日本の現状で真実でもある。警察も手を出せないとなるとかなりの上から押さえつけられて要るに違いない。
135:朝まで名無しさん:2006/10/17(火) 02:38:29ID:BEFcVamE
つーかこれって原因は金銭トラブルで容疑者もすでに捕まってるでしょ??
それ以来大手マスコミでこの事件に触れることはタブーに・この事件を追っていたフリーライター染谷悟は殺され東京湾に浮かぶ。
— きつねこ (@kituneponyo) March 2, 2010
それ以来フリーライターもこの事件には手を出さず、真相は闇の中に・被害者の少女達の所在は不明で、口封じのためすでに殺されているという噂もある。
フリーライター染谷悟殺害事件の犯人・桜井景三の現在…刑務官への賄賂で逮捕
染谷悟殺害犯・桜井景三、2019年7月に刑務官への賄賂で逮捕されていた
服役中の桜井景三の現在…賄賂で逮捕!?
懲役16年の判決が確定した主犯の桜井景三ですが、現在も服役中になります。そんな桜井が塀の中で刑務官への贈賄疑いで逮捕・起訴されたニュースが飛び込んできました。
宮城県警に贈賄容疑で逮捕された桜井景三容疑者(58)=宮城刑務所に服役中=が収賄の疑いで逮捕された刑務官藤田晋悟容疑者(31)=仙台市若林区古城2丁目=に、紙のメモを使って要望などを伝えていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。他に贈賄の疑いで逮捕されたのは、いずれも東京都板橋区、会社社長桜井克巳(47)、会社員淡路泰雄(47)の両容疑者。
2人は怪しまれないように刑務所内でメモでやりとりし、藤田元刑務官は桜井と外部のパイプ役となったり便宜を測ったり(協力者から渡された大福や会社資料などを渡していたそう)した見返りに、2018年9月〜2019年2月ぐらいにかけて現金198万円を受け取ったとされます。
(藤田元刑務官は数百万円の借金があったそうで、お金の振り込み等の実働は桜井弟ら関係者)
その後、桜井と藤田元刑務官は有罪を言い渡されました。
藤田被告に懲役3年(求刑同)、追徴金198万円、執行猶予5年、桜井被告には懲役2年(求刑懲役2年6カ月)を言い渡した。
※桜井関係者ら2人は不起訴(起訴猶予)
桜井は懲役16年の判決でしたので、そろそろ出所していてもおかしくありませんでしたが、2019年に贈賄し有罪判決。一体これが意味するところとは…、、プチエンジェル事件は闇深い事件として言われるだけあって、いろいろと想像してしまいますね。
フリーライター染谷悟殺害事件についてまとめると…
・染谷悟は2003年9月12日に東京湾で遺体となって発見され、後に記事内容と金銭問題でトラブルになっていた桜井景三と共犯者男性2人が逮捕された
・染谷悟は生前に「プチエンジェル事件」を追っていたため、事件の真相を掴んだことで殺害されたとも噂された
・染谷悟を殺害した主犯の桜井景三は、2019年7月に服役中の宮城刑務所刑務官に賄賂を渡したことで逮捕されてる
フリーライター染谷悟についてまとめてきましたが、彼の殺害事件はプチエンジェル事件と絡めて考えられていることが多いようです。具体的な因果関係は不明ですし、それぞれ別の事件のようにも見えます。
しかし「事実は小説より奇なり」という言葉もある通り、時として真実は想像していたよりもっと闇が深いことがあるかもしれませんね。