「バカの壁」「遺言。」の著者である養老孟司さんですが、愛猫まるの飼い主としても知られています。
今回は養老孟司さんの経歴や著作、結婚した嫁と子供、愛猫まるの死去と死因、心筋梗塞での入院、現在の活動などをまとめました。
この記事の目次
養老孟司は医師&バカの壁の作者
養老孟司
生年月日:1937年11月11日
出身:神奈川県鎌倉市
活動:医学博士、解剖学者、作家
養老孟司は東京大学医学部出身の医師です。また、解剖学の東京大学教授を務め、現在でも東京大学名誉教授も務めています。
また、超ベストセラーである「バカの壁」の作者としても知られていて、作家としても多くの著作を持っています。
東京大学医学部出身で解剖学の東京大学教授+東京大学名誉教授というすごい経歴に加え、超ベストセラー作家である一方、昆虫大好きという親しみやすい一面もある人物でもあります。
箱根にある別荘には約10万点もの昆虫標本があり、その別荘は「養老昆虫館」とも呼ばれています。箱根の別荘で自分で昆虫採取を続けているそうです。
養老孟司の経歴
養老孟司さんの経歴を見ていきましょう。
「どうせ超エリートなんでしょ?」と思うかもしれませんが、養老さんなりに挫折も経験している人生を歩まれているようです。
生い立ち~子供の頃
出典:brutus.jp
養老孟司さんは、1937年に神奈川県鎌倉市で生まれます。母親は養老静江さんで、鎌倉市内で小児科医をしていました。
母親の養老静江さんは再婚だったため、養老孟司さんには父親が違う姉と兄がいました。
養老さんの父親は三菱商事に務めるエリートでしたが、結核療養のために鎌倉に住んでいて、母親の養老静江さんの書生をしていました。そして、男女の関係になり、結婚に至ったそうです。
養老さんのご両親はそのような出会いだったこともあり、母親の方が父親よりも9歳も年上だったとのことです。
父親は結核が良くならず、養老さんが4歳の時に亡くなっています。それからは、女手一つで育てられています。
東大医学部卒ながら挫折
鎌倉市内の中学校・高校を卒業後、養老孟司さんは東京大学医学部に合格します。医学部を卒業後は、東京大学病院で研修医として働き始めました。
東大医学部という超エリートの養老孟司さんに、ここで大きな挫折がやってきます。
養老さんは手術の時、患者の血液型を間違えるところだったというミスを犯します。そして、そのような重大な医療事故につながるミスを3回も経験します。
そのことで、自分は医者に向いていない、患者を死なせてしまうと医者としての自信を完全に失ってしまいました。
そして、医師としての道を諦めることになります。
解剖学者の道に
出典:sankei.com
医師を諦めた養老孟司さんは、精神科医を目指すものの抽選に外れたこと、さらに解剖学者である中井準之助先生と出会ったことで、解剖学者としての道を歩みだします。
解剖学を選んだことについて、「医学においては死んだ人間を扱う解剖学が最も確実なものだ」と述べています。
そして、基礎医学で博士課程に進み、大学院を修了して医学博士号を取得しました。
その後は1981年に東京大学の解剖学第二講座の教授となり、1989年からは東京大学総合研究資料館館長、1991年からは東京大学出版会理事長を歴任しています。
退官後は幅広い活動
養老孟司さんは57歳で東京大学を退官します。
退官後は、北里大学教授や大正大学客員教授を務めました。その後は、次のような役職・活動をしています。
・京都国際マンガミュージアム館長(名誉館長)
・ムシテックワールド館長
・小林秀雄賞、毎日出版文化賞、山本七平賞選考委員
・日本ゲーム大賞選考委員会委員長
非常に幅広い役職・活動をしているのが分かりますね。さすが、養老孟司先生です。
養老孟司は「バカの壁」で人気作家に
養老孟司と言えば、解剖学者・東京大学教授などの肩書よりも、まずは「バカの壁」を思い浮べる人が多いと思います。
次は作家としての養老孟司さんについて見ていきましょう。
バカの壁は400万部を超える大ヒット
出典:amazon.co.jp
養老孟司さんは2003年に「バカの壁」を出版しました。「バカの壁」は新潮新書の編集部が養老孟司さんの口述筆記をした形での著作です。
内容は「人間同士が理解し合うというのは不可能であり、理解できない相手を人間はバカだと思う」というもの。
帯の「『話せば分かる』なんて大ウソ!」、POP広告の「バカの壁は誰にでもある」という印象的な言葉も話題になりました。
2014年時点で436万部を突破している大ベストセラーで、戦後の日本のベストセラー第4位を記録しています。
2003年の毎日出版文化賞特別賞を受賞し、「バカの壁」は流行語大賞も受賞しました。
本のタイトルが流行語大賞になるなんて、いかに「バカの壁」が売れたかが分かりますよね。
「遺言。」や「死の壁」も
出典:amazon.co.jp
養老孟司さんの著作は「バカの壁」だけではありません。
続編にあたる「死の壁」や「超バカの壁」なども話題になりました。毎年複数の著作を発表しています。また、単著だけでなく、共著も多いのが特徴ですね。
2017年には80歳になって、これだけは言っておきたかったという「遺言。」という新書も出版しました。
養老孟司が結婚した嫁は茶道家
出典:facebook.com
解剖学者であり、作家でもある養老孟司さんの家族について調べました。
養老孟司さんが結婚した嫁は茶道家の女性で、養老朝枝さんという方です。
鎌倉市内にある自宅で嫁と一緒に暮らしていて、奥様には茶道の弟子もいるとのことです。
鎌倉の養老邸には茶室もあるんだとか!
養老孟司さんのインタビューを見ると、結構アクティブな方のようですね。
千年以上の歴史を持つ京都は、日本の古都として絶大な人気を誇っています。家内などは私よりもせっせと京都に通っては、茶道の稽古に励んでいます。
奥様は養老孟司さんの体調管理もしっかりやっているそうです。また、養老孟司さんの虫好きにも理解を示しているとのことです。
僕は好きな虫をやるけど、女房は虫に関心がない。でも、「好きなことなら常識の範囲を外れてもいい」という価値観は一致しているんです。
普段は養老さんは奥様には歯向かわないで、口答えすることはないとのこと。普段はそのような関係性だから、養老さんが虫にのめり込んでも文句を言わずに、認めているのかもしれませんね
養老さんの奥様は後妻であり、養老さんは再婚であるという情報もありますが、真偽のほどはわかっていません。また、結婚時期についても公表されていません。
養老孟司の子供(息子と娘)や孫について
養老孟司さんには娘がいることが明らかとなっていますが、一般の方のため情報の公開は控えます。
養老孟司さんには息子がいる説といない説があり、2014年に防衛大学校で行われた講演で「私の息子が」と話していたという情報もあります。これが事実であれば、息子もいることになります。
養老孟司さんの子供が結婚しているかどうかは不明で、孫の存在は明らかになっていません。
養老孟司の愛猫「まる」が大人気
出典:ameblo.jp
養老孟司さんと言えば、「バカの壁」の作者であり、解剖学の権威である学者ですが、一部の猫ファンからは「まる」の飼い主としても知られています。
まるは2002年生まれのスコティッシュフォールドで、胡坐をかくように座る様子が、とても愛らしいと人気になりました。
出典:columbia.jp
まるは愛猫家たちから話題になり、「養老孟司先生と猫の営業部長そこまるぶろぐ。」を開設して、主に養老さんの娘の暁香さんがまるの様子をアップしていました。
また、まるの写真集は3冊出版しています。
・うちのまる ~養老孟司先生と猫の営業部長
・まる文庫
さらにDVDも出ていいますし、まるのInstagram(まるすたぐらむ)も開設しています(現在は閉鎖)。
また、養老孟司さんと愛猫のまるは、2018年3月にNHKで 『ネコメンタリー 猫も、杓子も。特別編 「養老センセイと“まる”鎌倉に暮らす」 』が放送されました。
このネコメンタリーはかなり好評で猫好きからもそうでない人からも、「まるがかわいい!」と話題になりました。
養老孟司の愛猫まるは2020年に死去… 【死因は心不全】
養老孟司の愛猫まるは、2020年に死去しています。死因についても見ていきましょう。
2020年12月に死去
出典:sankei.com
養老孟司さんの愛猫まるは、2020年12月21日の午前に亡くなりました。18歳(人間でいうと90歳くらい)の大往生でした。
まるは養老さんの家で、養老さんからはもちろん訪れる編集者からも愛される存在でした。
養老さんは「遺言。」の中で次のように語っています。
家にいるときは、私がかならずまるに餌をやる。まるも心得ていて、私の顔を見ると、腹がすいていれば、かならず餌をねだる。だから餌をやる。問題はそのあとである。食べ終わると、『ごちそうさま』の一言もない。フンと横を向いて、外に出て行ってしまう。
引用:養老孟司、愛猫「まる」の死について語る 今でも守る習慣…「もうそんなことする必要ないのに」(デイリー新潮) – Yahoo!ニュース
それでもかわいいのが猫ですよね。
養老さんは、まだまるが生きている頃の感覚が抜けない。生前は音を立てないで縁側のそばを歩くようにしていたが、いまでもついそうしてしまう。
引用:養老孟司、愛猫「まる」の死について語る 今でも守る習慣…「もうそんなことする必要ないのに」(デイリー新潮) – Yahoo!ニュース
まるが死去したことは、養老さんにとってとても大きな事件で、まるの存在がいかに大きかったを実感しているようですね。
18年ずっと一緒にいた愛猫が死去したら、誰だってぽっかり心に大きな穴が開いてしまいますよね。
死因は心不全
出典:ameblo.jp
まるの死因は心不全です。以前から拘束型心筋症を患っていたとのことです。
元々動きが鈍くて、一般的な猫のような俊敏な動きはしなかったというまる。
それは、性格的なこともあるとは思いますが、心臓が悪かったから、俊敏な動きができなかったのかもしれませんね。
ここ1年はよく鳴くようになり、さらに動かなくなっていて、2020年の11月からは頻繁に胸水を抜く処置もしていたとのことです。
そして、ほとんど寝たきりの状態になり、2020年12月21日に養老さんが目を離したすきに、息を引き取ったそうです。
死因は心不全ですが、人間で数えると90歳という年齢を考えると、老衰の一面もあったのではないでしょうか。
養老孟司は心筋梗塞で入院するも無事退院
出典:j-cast.com
養老孟司さんの愛猫は2020年12月に死去していますが、養老孟司さん自身はその半年前に大病を患いました。その大病とは心筋梗塞です。
養老孟司さんが心筋梗塞を発症して東大病院に入院したのは、2020年6月24日のことです。
その日、養老孟司さんは体調が悪かったそうですが、心筋梗塞や狭心症にありがちな「強烈な胸の痛み」などの典型的な症状はなく、ただ調子が悪いという感覚だけがありました。
普通なら、調子が悪い程度だったら養老さんは病院に行かないそうですが、その日は「調子が悪い」中でも、何か自分の中で異変のサインを感じ取ったようです。
そうそこでこれは不思議なんですけど、普通、心筋梗塞や狭心症みたいな病気は痛みがあってね。同時に重い病気だって言う感覚があるらしいんだけど、私はその痛みみたいなものが一切なくて、何か病気だって言う感覚だけがあった。それで病院に行ったんです。本当は行きたくないんだけど
本人は検査だけのつもりで東大病院に行きましたが、そこで心筋梗塞が発覚し、すぐに緊急入院となって、ICUに入室となりました。
幸いにも心筋梗塞自体は軽いもので、深刻な状況には至らず、2週間程度で退院できました。
病院食は味気ないという感想を語っていますので、現在は完全回復されているようです。
退院からわずか3ヶ月後には、1時間以上立ったままでの講義も行っています。83歳で、すばらしい体力ですよね。
養老孟司の現在① 執筆活動
出典:twitter.com
養老孟司さんは、2021年11月で84歳になりますが、まだまだ意欲的に執筆活動を行っています。
2020年6月に心筋梗塞で入院した経験を、教え子で養老さんの治療に当たった中川恵一医師と一緒に「養老先生、病院へ行く」という本にまとめて、2021年4月に出版しました。
「老い」と「病気」の違いについて改めて考え、愛猫「まる」の死を経て感じた「身近な存在の死」との向き合い方、医師の目線から見た、現在の医療システムのいびつな仕組みなどについて教え子である東大病院の医師・中川恵一氏と語り合います。
これまた面白そうで、いろいろと考えさせられる本であることは間違いなさそうです。
これからも養老孟司さんには、どんどんいろいろな本を書いてほしいですね。
養老孟司の現在② YouTubeチャンネル開設
養老孟司さんは2020年12月にYouTubeチャンネル「【公式】養老孟司」を開設しています。
【公式】養老孟司
https://www.youtube.com/c/【公式】養老孟司/
週1くらいで更新されていますが、気になる方は動画を見てみてはいかがでしょうか。
養老孟司のまとめ
養老孟司のプロフィールや経歴、「バカの壁」や「遺書。」等の著作、結婚した嫁、愛猫まるの死去と死因、養老さん自身の心筋梗塞と入院、現在をまとめましたが、いかがでしたか?
養老孟司さんのような柔軟な思考力が本当に羨ましいです。
その思考力を活かして、これからもたくさんの本を出版してもらいたいです。