2021年5月6日に横浜市内で脱走し世間を騒がせていたニシキヘビが無事発見捕獲され話題です。
この記事では横浜市戸塚区のニシキヘビ脱走事件の経緯と、脱走ヘビの種類や大きさ、飼い主、アパートの屋根裏で発見された経緯や、騒動のその後や現在などについてまとめました。
この記事の目次
ニシキヘビ脱走事件(横浜市戸塚区)の経緯
出典:https://www.nagae-takako.jp/
2021年5月6日の21時半頃に、神奈川県横浜市戸塚区のアパートから、住人がペットとして飼育していた大型のニシキヘビが脱走し、飼い主の男性から管轄の警察署に「飼っていた蛇がいなくなった」との通報があり、翌7日の朝7時頃から警察官14人体制、警察犬も出動しての捜索が開始されました。
飼い主男性は、ニシキヘビを入れていたケージの扉が開いており、ベランダの窓が開いた状態でそこから脱走したと見られると説明。飼い主男性が住む横浜市のアパートの裏手には雑木林があり、警察はその雑木林を中心に捜索して周辺にも捜索範囲を広げて捕獲を急ぐと発表しました。
脱走したニシキヘビは毒は持っていないものの、体長3.5m、体重13kgとかなりの大きさで、怒ると噛み付いたり巻きついたりして襲ってくる事もある、死亡事故に至る恐れもあるなどとメディアで報じられたため、周辺地域の住人からは「怖い」、「子供を外で遊ばせられない」といった声が多数上がりました。
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捜索開始から数日が経過しても脱走したニシキヘビは発見されず、消防署や市役所職員、ボランティアなどからの増援も受け、周辺の山や川、道路の側溝下、一般住宅の敷地内や軒下にまで捜索範囲を広げて大規模な捜索活動が続けられました。
同年5月10日の報道では、飼い主の男性がメディアのインタビューに応じ、「手のひらに乗る大きさの頃から飼っていて、私にとっては大切なペット」と話し、市の許可を受けて飼育している事などが報じらました。
一方、飼い主男性がニシキヘビを飼育していた横浜市内のアパート管理会社からは、このアパートはペットの飼育は禁止であり、男性がニシキヘビを飼育している事は一切把握していなかったという情報がもたらされた事から、飼い主男性への批判的な声が増加しました。
この頃からニシキヘビ脱走事件は全国ネットで連日放送されるようになり、全国からの注目を集める事態へと発展。飼い主男性も仕事先を休職し、連日捜索に参加している映像も報じられていました。
同年5月13日からは、専門家として日本爬虫類両生類協会の理事長で、国内最大の爬虫類・両生類体感型動物園「iZoo(イズー)」の園長でもある白輪剛史さんも捜索に参加し、捕獲罠を設置する作戦も試みられましたが、捕獲には至りませんでした。
さらに、その翌日の5月14日には、飼い主男性の部屋で飼われていた他のヘビ複数匹や、ワニガメが爬虫類業者に引き取られていく様子も報じられています。同時に、飼い主男性が居住している横浜市内のアパートからの退去を求められている事なども判明しました。
その後も脱走ニシキヘビの捜索は続けられましたが、痕跡すらも見つけられず、一つの目撃情報も上がらないまま、同年5月21日16時付けで行政による捜索は打ち切りとなりました。
ニシキヘビ脱走事件のアミメニシキヘビは横浜市内の飼い主自宅アパート屋根裏で発見
行政による捜索が打ち切られた翌日の2021年5月22日、脱走していたニシキヘビが、なんと飼い主自宅の横浜市内のアパートの屋根裏から発見されました。
行政による捜索が打ち切られた後も、飼い主からの依頼を受けて捜索に協力していた日本爬虫類両生類協会の理事長である専門家の白輪剛史さんが独自に捜索を継続し、それ以前から目星をつけていたというアパートの屋根裏にスタッフと共に自ら入り、脱走していたニシキヘビを見事発見し捕獲に成功しています。
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このアパート屋根裏は、この発見以前に警察や消防が点検口からの確認や、隙間からカメラを入れるなどして調べていたのですが、その時には発見できていませんでした。
白輪剛史さんは、発見の数日前に「アパート内に潜んでいる可能性が高いと思っている」、「人間が実際に入って確かめなくてはいけない」と話しており、見事その予想が当たっての発見となりました。
「私はアパート内部にいまだ潜んでいる可能性が高いと思っています。点検口から屋根裏を警察がチェックしているが、見落としがあるかもしれないので人間が入って確かめないといけません」
17日間の大規模捜索でも見つからなかったニシキヘビを、見事な推理力で発見して見せた白輪剛史さんは、「さすがは専門家」と絶賛され時の人となっています。
ニシキヘビを見つけた大ヒーロー白輪園長のグランメゾン東京感。
— Koji@Captain&Crew🚢 (@johnnys_oyaji) May 22, 2021
プロってすごい。#ニシキヘビ発見 #izoo#木村拓哉 pic.twitter.com/FjP3Bd2Aay
ニシキヘビ発見。
— ザキ@T:DF (@momomosumomo517) May 22, 2021
さすが専門家だね。
「日本爬虫(はちゅう)類両生類協会の白輪理事長は、ヘビは屋根裏にいる可能性が高いとみて、22日午後から捜索を開始、午後5時前、アパートの飼われていた部屋の天井裏でニシキヘビを発見、捕獲した。」#ももクロChan pic.twitter.com/IJqkyuoRp4
ニシキヘビ脱走事件のニシキヘビの種類は「アミメニシキヘビ 」
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今回のニシキヘビ脱走事件で脱走したニシキヘビは「アミメニシキヘビ」という種類で、動物愛護管理法で人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがあるとする「特定動物」に指定されています。
このアミメニシキヘビという種類は、世界最長のヘビの一種としても知られ、過去には最大で体長990cmの大きさのものも確認されているようです。
2012年4月14日には、茨城県宇久市で同様の種類のニシキヘビによる死亡事故(外部への脱走が原因ではなくペットショップ飼育場で発生)が発生しています。
地方自治体の許可の上での飼育が可能でしたが、2020年6月1日からペットとしての飼育は禁止になっています。今回の横浜市のニシキヘビ脱走事件の飼い主男性はこの法改正以前に許可を得て飼育していたという事です。
ニシキヘビ脱走事件のニシキヘビの大きさは体長約3.5mで体重約13kg
今回のニシキヘビ脱走事件で脱走したアミメニシキヘビの大きさは「体長約3.5m」、「体重約13kg」と発表されています。平均の大きさ(小学館の日本大百科全書では大きさは5〜8メートルとされている)よりは小さなサイズでした。
ニシキヘビ脱走事件の飼い主は元ツイキャス配信者の24歳男性
今回の横浜市のニシキヘビ脱走事件では、ニシキヘビの飼い主男性(当時24歳)にも注目が集まりました。
騒動中には、インターネット上では特定作業が進み、飼い主男性のTwitterアカウントやInstagram(削除済)、過去にツイキャス配信を行なっていた事なども判明。
その内容から、この飼い主男性が過去にも飼育していたイグアナやワニを脱走させていた疑惑が浮上しネットで小規模ながら炎上に発展しました。
暴露系YouTuberコレコレチャンネルに飼い主男性が生出演し話題に
さらに、脱走ニシキヘビの捜索真っ只中であった2021年5月13日には、暴露系YouTuber最大手のコレコレチャンネルに、渦中の飼い主男性が生出演し大きな話題になっています。
飼い主男性は上のアーカイブ動画の冒頭「9:45」頃から出演しています。
この動画出演時に飼い主男性は、虚言の疑いや過去の脱走事件疑惑、無資格でブリーダー業をやっていた疑惑などでかなり詰められていました。
さらに動画途中に、父親から電話で呼び出され帰ってしまい「飼い主も脱走した」といじられてしまいました。
ニシキヘビ脱走事件のその後と現在① 飼い主が動物愛護法違反容疑で書類送検
自身の不注意からニシキヘビを脱走させてしまい、世間を騒がせてしまった飼い主男性ですが、脱走騒動解決後の2021年6月10日に、動物愛護法違反容疑で書類送検された事が報じられています。
報道によれば、この飼い主男性は飼育許可は取っていたものの、ニシキヘビが成長して大きさが変わり、当初は水槽で飼っていたのをケージ(自作の木製ケージ)へと飼育場所を変更した際に、許可の申請をしていなかったという事です。
横浜市戸塚区のアパートでケージから一時逃げ出したアミメニシキヘビをめぐり、神奈川県警戸塚署は10日、市に無許可でヘビの飼育施設を変更したとして、動物愛護法違反容疑で、元飼い主の男性(24)=同市港南区=を書類送検した。
ニシキヘビ脱走事件のその後と現在② ニシキヘビは横浜市の野毛山動物園が保護
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2021年5月22日に、専門家の白輪剛史さんの見事な働きで、飼い主自宅アパートの屋根裏から発見捕獲されたニシキヘビですが、その後、一時的に横浜市が管理しており、現在は横浜市西区内の野毛山動物園で保護されているという事です。
ニシキヘビの今後については、茨城県内の販売業者に譲渡されるようです。
横浜市戸塚区のアパートで飼われていたケージから逃げ出し、22日に飼い主の男性が住んでいた部屋の屋根裏で捕獲された体長約3・5メートルのアミメニシキヘビが、近く茨城県内の販売業者に譲渡されることが24日、横浜市への取材で分かった。ヘビは現在、野毛山動物園(同市西区)で保護されている。
現在の法律では、このアニメニシキヘビという種類は一般での飼育はできないため、この脱走ニシキヘビは動物園などの施設や、研究施設などへと行く事になりそうです。ニシキヘビに罪はないので何処かで安全に暮らしてほしいと思います。
ニシキヘビ脱走事件のその後と現在③ 飼い主はカニとアロエを飼育中
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ニシキヘビ脱走事件で世間を騒がせてしまった横浜市内の24歳飼い主男性でしたが、現在は脱走ニシキヘビなど、大型の爬虫類は全て手放しています。
この飼い主男性のTwitterによると、現在はカクレイワガニやアロエ・ポリフィラの飼育をしている様子です。
カクレイワガニの交接と抱卵#カニの日 pic.twitter.com/QlhpLS2ynH
— 庚 (@palearis) June 22, 2021
アロエ・ポリフィラ
— 庚 (@palearis) June 22, 2021
一番枯れやすいであろう今の時期は、涼しい室内にてLEDを当てて育てています。
今のところは順調ですが、初めての夏を無事に乗り切れるかな、、、
秋になったら鉢をサイズアップしたいですね
フリーセア・ラシナエも横に並んでいます。 pic.twitter.com/NHBSjVPV1F
この飼い主については、この騒動解決後に「最後まで逃げずにマスコミと向き合っていた」、「自らも懸命に捜索し責任を果たそうとしていた」などの寛容な声が増えているようです。
投稿などを見ると、本当に生き物好きな方のようなので、今後は健全な飼育を続けて、生き物に関する興味深い情報発信を続けてほしいです。
まとめ
今回は、2021年5月6日の脱走から5月22日に無事発見捕獲されるまで、世間を騒がせた横浜市のニシキヘビ脱走事件についてまとめてみました。
この事件は、体長3.5メートルの大きさのアミメニシキヘビという種類のヘビが脱走し、怒った場合は噛み付いたり巻きついたりして大怪我や死亡事故につながる可能性もあるという事で大きな騒動になりました。
警察や消防、市の職員やボランティアなどによる大規模な捜索が続けられたにも関わらず、一向に発見されず、飼い主男性にも批判の声が集まりました。
脱走ニシキヘビは発見されないまま行政による捜索が打ち切りになりますが、その翌日に助っ人として捜索に参加していた日本爬虫類両生類協会の理事長・白輪剛史さんが、見事な推理を発揮して飼い主自宅アパートの屋根裏から見事脱走ニシキヘビを発見し捕獲に成功しました。
その後、ニシキヘビは横浜市の管理となり、現在は市内の動物園で保護されており、今後は茨城県の販売業者に譲渡される予定だという事です。また、飼い主男性はこの脱走ニシキヘビの飼育環境を無許可で変えたとして動物愛護法違反容疑で書類送検されています。
現在はこの飼い主に対しては寛容な意見が増えており、この飼い主もTwitterなどで現在も飼育しているカニについてのツイートなどを再開されているようです。
大勢の人を巻き込み迷惑をかける事となった今回の脱走ヘビ騒動でしたが、何はともあれ、怪我人などが出ずに解決した事は本当に良かったと思います。