風船おじさんこと鈴木嘉和さんといえば、1992年ゴンドラ風船に乗って琵琶湖湖畔より旅立ったものの、その後行方不明となってしまった自称冒険家となります。
この記事では、風船おじさんこと鈴木嘉和さんの経歴や自称冒険家になった経緯、行方不明事件のその後の死んだ説や生きてる説などの真相をまとめました。
この記事の目次
風船おじさんこと鈴木嘉和のプロフィール
名前：鈴木嘉和（すずき よしかず）
本名：石塚嘉和（いしづか よしかず）
生年月日：1940年
出身地：東京
風船おじさん、アメリカを目指してゴンドラ風船で飛び立っていた
風船おじさんこと鈴木嘉和さんといえば、1992年に起こった「ファンタジー号事件」にて、一世を風靡した自称冒険家となります。
1992年11月23日に、ゴンドラ風船「ファンタジー号」の上昇実験をするとの名目で、琵琶湖湖畔にマスコミ関係者や支援者たちを集めた鈴木さんは、いざ実験がスタートすると牽引用のロープを外して飛び立つ暴挙に出てしまいました。
鈴木さんが暴挙に出てしまった背景には、「ファンタジー号」での太平洋横断を計画していたものの、国土交通省から許可が下りなかったため、騙し討ち的な手段でしか計画を実行出来ないとの判断があったようですね。
運輸省（現・国土交通省）は安全性に疑問があることから飛行許可は申請を受理しておらず、あくまで地上に係留したままの試験飛行という条件で受理していた。しかし実際には「僕がもし、太平洋横断を決行したら、マスコミが大騒ぎして家に押しかけてくると思う」と家族にホテルに宿泊するよう事前に手配しており、鈴木は密かにアメリカまでの飛行を強行しようと考えていた。
引用：鈴木嘉和
風船おじさん、1992年11月25日に行方不明となっていた
鈴木嘉和さんの太平洋横断計画については、「ヘリウムガスを詰めた風船に乗って、高度1万メートルに上昇すれば、ジェット気流に乗り約40時間でサンフランシスコに行ける」というシンプルなものでした。
しかしながら、「ファンタジー号」が用いている風船では、ジェット気流に乗るために必要な高度まで上昇出することが不可能だったことから、上記の計画はまさに企画倒れの代物でもあったようですね。
そのため、琵琶湖湖畔を旅立ってから40時間後でも、アメリカに到着するどころか宮城県金華山沖800キロを漂っていたという鈴木さんは、1992年11月25日に、海上保安庁の捜索機に姿を確認されたのを最後に行方不明となってしまいました。
その後は海上保安庁の捜索機が彼の生存を確認したのが最後。前日夜半の救難信号を受けて発進したが、捜索機がゴンドラを見つけると彼は手を振ったり、ゴンドラから荷物を次々に投げ落として高度を上げたため“飛行意志あり”と見なされ、3時間の監視の後に捜索機は帰還した。
風船おじさんこと鈴木嘉和の経歴…冒険家に転身した真相とは？
風船おじさん、脱サラに失敗して借金まみれになっていた
1940年に東京に生まれた鈴木嘉和さんに関しては、親の職業だったピアノ調律師となるために、国立音楽大学附属高校に進学した後ヤマハに就職しています。
その後44歳までピアノ調律師を続けていた鈴木さんですが、バブル経済前夜の雰囲気に後押しされて、音楽教材販売会社「ミュージック・アンサンブル」を起業することになりました。
起業当初は、ピアノレッスン用の「マイナスワンテープ」を商材に営業していた「ミュージック・アンサンブル」でしたが、1986年に銀座で音楽サロンを開業したことをきっかけに多角化へ邁進してしまったそうですね。
その結果、麻雀荘やコーヒーサロン、パブレストランといった音楽に無縁な業種にまで手を伸ばしてしまった「ミュージック・アンサンブル」は、1990年になると4～5億円もの借金を背負って倒産してしまったとか。
風船おじさん、冒険家に転身した理由は借金返済のためだった
「ミュージック・アンサンブル」倒産後の鈴木嘉和さんに関しては、債権者たちに対して「ゴンドラ風船で太平洋横断して借金を返済する」とうそぶいていたようですね。
とはいえ、鈴木さんもそんな夢物語をすぐに実行に移したわけではなく、経営していたパブレストランの出資者だったアルゼンチン人歌手・グラシェラ・スサーナさんのマネージャーをするなど、地道に借金返済に励んでいた時期もあったとか。
風船おじさんこと鈴木嘉和の事件歴…横浜博覧会で暴れていた
風船おじさん、横浜博覧会で鉄塔の頂上に立て籠もるトラブルを起こしていた
鈴木嘉和さんは、1989年になると、横浜博覧会でトラブルを起こして新聞沙汰になったこともありました。
当時の鈴木さんは、傾く一方の「ミュージック・アンサンブル」の経営を立て直すために、権利金や内装費を含め3000万円の費用をかけて、横浜博覧会に出店していたようですね。
当初は、マスコットキャラの「ブルアちゃん」の着ぐるみに入りサイン会を開催して集客を図っていた鈴木さんですが、夏休みに入ると立地の悪さが響き客足が半減するといった大逆風が待っていました。
切羽詰まった鈴木さんは、同年の7月30日になると、着ぐるみを着たまま会場敷地内にある鉄塔頂上までよじ登り、運営側に対する抗議活動を実施しています。
鈴木が出店した店は22店舗あるブルアちゃんモールの一角で高島町ゲート前だったが、直近の駐車場が業務用の団体バス駐車場だったため、マイカー利用者からの集客が期待できず、夏休みになると団体バスの利用数が半減していたことも「ガラ空きの業務用駐車場を開放して」と鈴木が訴える原因となった。
引用：鈴木嘉和
レスキュー隊員が出動する大騒動となった抗議活動は、7時間籠城した甲斐もなく、鈴木さんが厳重注意を受けるだけで終わってしまったとか。
その後も運営側と交渉をし、会場内にゴンドラ風船を自費設置して集客に励んでいた鈴木さんでしたが、翌年に「ミュージック・アンサンブル」が倒産していることを踏まえると、せっかくの努力も水の泡に終わってしまったようですね。
風船おじさん、飛行実験に失敗して民家に墜落していた
グラシェラ・スサーナさんのマネージャーを解雇されて以降の鈴木嘉和さんは、1992年4月になると、「飛行実験失敗騒動」を起こしています。
この時の鈴木さんは、東京・府中を流れる多摩川の河川敷から千葉・九十九里浜を目指して飛び立つことになりました。
しかしながら、専門的な見地のない鈴木さんの計画はアクシデント続きとなり、東京・大田区の民家の屋根に不時着する羽目になってしまったとか。
高く舞い上がった風船とおじさんは、重りの砂袋が落ちるというアクシデントに見舞われ、最大5,600メートルの高度まで上昇。マイナス10度を上回る極寒の中、飛行を続ける彼を、フジテレビの情報番組『おはよう!ナイスデイ』はヘリコプターで追跡しました。
ちなみに、不時着先となった民家には、屋根の瓦やテレビのアンテナが壊れる被害があったようですが、鈴木さんからの謝罪も弁償もありませんでした。
風船おじさんこと鈴木嘉和の家族情報…バツ2で義理の娘が3人いた
風船おじさん、1992年に3度目の結婚を果たしていた
鈴木嘉和さんに関しては、破天荒すぎる人生を歩んできたせいもあり、2度の離婚歴があったそうですね。
そんな鈴木さんは、1992年5月になると、高校の1年先輩であった国立音楽大学ピアノ講師・石塚由紀子さんと再々婚しています。
鈴木さんと石塚さんの馴れ初めについては、「ミュージック・アンサンブル」の音楽教材関連の仕事を手伝って貰っている内に男女の仲へと発展することになったとか。
ちなみに、結婚時は鈴木さんが石塚さんの戸籍に入ったようで、鈴木さんの本名も「石塚嘉和」へと変化していたようですね。
風船おじさん、義理の娘たちは音楽活動をしていた
鈴木嘉和さんの子供に関しては、石塚由紀子さんの連れ子となる3人の娘たち（長女：英美子さん、次女：優美子さん、三女：富美子さん）の存在が有名です。
音大出身であった英美子さんたちは、1991年より「Triole」という三姉妹ユニットで音楽活動を開始しています。
その後の「Triole」は、1994年になると母・石塚さんも加わった「ファミローザ・ハーモニー」というクラシック系の音楽グループへと進化することになりました。
時として海外公演まで行う活躍ぶりを見せている「ファミローザ・ハーモニー」については、現在は石塚さんの代わりに、孫（英美子さんの長女）の彩香さんが加入しているようですね。
また、「ファミローザ・ハーモニー」のコンサートでは、2019年頃より英美子さんや富美子さんの息子たちが結成した「ファミローザ・ボーイズ」がゲスト出演を開始しているとか。
8月3日のコンサートまで、あと一週間となりました♪今回のコンサートでは、我がファミリーのボーイズたちが
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風船おじさんこと鈴木嘉和のその後…死んだ疑いが濃厚も書類上は生きていた？
風船おじさん、自身に多額の保険金をかけていた？
「ファンタジー号」と共に消息を絶った後の鈴木嘉和さんですが、荒唐無稽すぎる計画とその末路が世間の関心を呼び、一時期はワイドショーの主役化していました。
その過程でお金にまつわる醜聞も飛び出していた鈴木さんは、「ファンタジー号事件」前に、自身に5000万円とも2億円とも言われている保険金をかけていたとの報道も存在していたようですね。
また、数億円の借金を背負っていた身である鈴木さんは、「ファンタジー号」制作のための資金すら自前で調達出来なかったようで、支援者が千数百万円の費用を肩代わりしていたとか。
風船おじさん、遺体はまだ発見されていなかった
「ファンタジー号事件」により行方不明となった鈴木嘉和さんですが、当時の気象条件を加味するとロシアのカムチャッカ半島方面に飛んで行ったのではないかとの推測がある一方で、風船のガスが持たずに海面に墜落した疑いが濃厚となっています。
風船は1日に約1割ほどガスが抜け、放っておいても勝手に高度が下がる状態であったが、識者の見解では、「捜索機の最終確認から早くて3日、最長でも1週間で高度はゼロになっただろう」という。
海面に墜落していた場合、親潮の流れに乗り日本列島の太平洋沿岸部に打ち上げられているのではないかと思われる鈴木さんでしたが、現在までに遺体はおろか「ファンタジー号」の残骸すら発見されていない状況となります。
風船おじさん、書類上はしばらくの間生きていた
様々な状況を加味すると1992年11月中に亡くなっているものと思われる鈴木嘉和さんですが、妻・石塚由紀子さんが1999年くらいまで捜索願を更新していたために、書類上は失踪からしばらくの間生きていたようですね。
また、鈴木さんが残した借金に関しては、家が抵当に入っていたことや会社の共同経営者の立場だったこともあり、石塚さんが返済し続けていたとか。
そのため、石塚さんが娘たちと一緒に「ファミローザ・ハーモニー」の活動を開始した理由については、鈴木さんが残した借金を返済するためだったのかもしれませんね。
風船おじさんこと鈴木嘉和の現在…嫁・石塚由紀子さんが死亡していた
鈴木嘉和さんの現在については、2017年4月になると、元妻・石塚由紀子さんが胆管がんで亡くなっています。
石塚さんは、2016年8月にフランシスコさんというポルトガル人男性と再婚していたようですが、その直後となる2017年1月に医師より余命宣告を受けていました。
ちなみに、フランシスコさんは、石塚さんの次女・優美子さんの夫の叔父だそうで、10年間もの交際期間を経て結ばれていたとか。
余命宣告を受けて以降は、東京で緩和ケアを受けていたという石塚さんでしたが、2017年3月中旬頃に新たな生活基盤であるポルトガルに戻り息を引き取ったようですね。
風船おじさんこと鈴木嘉和についてまとめてみると…
風船おじさんこと鈴木嘉和さんに関しては、事業で背負った借金が原因でゴンドラ風船による太平洋横断企画にチャレンジし、行方不明になってしまった人物ということになります。
鈴木さんのご冥福を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。
