2019年8月5日に発生した那須ハイランドパークで遊戯中の客が死亡した事故が注目されています。
この記事では、那須ハイランドパーク死亡事故の概要や事故のあった遊具の動画、事故の原因とされるアルバイトスタッフと、その後の書類送検などについてまとめました。
この記事の目次
那須ハイランドパーク死亡事故の概要
2019年8月5日の午前11時50分頃、栃木県那須郡那須町の大型レジャーランド「那須ハイランドパーク」で、客として来園していた神奈川県相模原市の自動車板金塗装業者・横尾一範さん(当時51歳)が、同園のボルダリングなどが楽しめる屋内アスレチック型のアトラクション「NOBORUNGMA(ノボランマ)」の「リープ・オブ・フェイス」という遊具での遊戯中に落下し、頭を強く打つなどして死亡する事故が発生しました。
亡くなった横尾一範さんが事故時に遊んでいたのは、高さ約8メートルの鉄柱から空中に吊るされたサンドバッグに飛び移るという遊具で、2018年3月にオープンしたばかりでした。
横尾さんはサンドバッグに飛び移ろうとした際に失敗して約5メートルの高さから地面に落下して頭を強く打ち、病院に救急搬送されたもののその後死亡が確認されました。
その後の調べで、横尾さんが落下した際、本来装着されていなければならない命綱が装着されていなかった事が判明し、これが死亡事故の原因になったと見られています。
那須ハイランドパーク死亡事故の動画は?
那須ハイランドパークの死亡事故の瞬間を捉えた動画はありませんが、事故があったアトラクション「NOBORUNGMA(ノボランマ)」の「リープ・オブ・フェイス」で遊んでいる様子の動画はネットに上がっているので紹介します。
動画を見るとわかりますが、この「NOBORUNGMA(ノボランマ)」、「リープ・オブ・フェイス」の床部分にはクッションなどは設置されていないようです。
この動画のコメント欄にも、「クッションがあれば死亡事故は防げた」、「下にマットも敷いていないのはありえないと思う」といったコメントが目立つようです。
ネット上でも下にマットが敷かれていなかった事に違和感を抱いた人が多いようです。
那須ハイランドパークのサンドバッグに飛びつく遊具で頭から落ちて転落死
— エクレアさん (@gn01exia) August 8, 2019
なんで死亡事故?って意味がわからなかったんですけど、どうやら
「命綱つけても普通、下には安全マットがあるだろう?」
って私の思い込みのせいだったようです。
安全マットは、無かった。
えっ!? pic.twitter.com/KBFYdOjRew
7月に入った10代のアルバイト学生に1番危険なアトラクションのハーネス担当を一人でやらせて、命綱がなければ成功しても落下する遊具に下にネットもマットも敷かず実施。
— naonao (@byNaonaoooo) August 7, 2019
明らかな管理ミスによる死亡事故なのに1時間だけ遅らせて開園。
こんな施設絶対に行かない。#那須ハイランドパーク
那須ハイランドパーク死亡事故の原因はアルバイトが命綱をつけ忘れた事
那須ハイランドパークの死亡事故は、その後の安全委員会の調査で、事故時にこの「NOBORUNGMA(ノボランマ)」を担当していた当時20歳のアルバイトスタッフが、横尾一範さんにヘルメットとハーネスだけを装着して命綱をつけ忘れた事が事故の直接の原因になったとの報告が出されています。
このアルバイトスタッフはこの事故の日が出勤6日目で経験が浅かったという事です。
運営会社が社内に設置した安全委員会が事故の4か月後に公表した調査報告書では、この遊具の係員を務めていた出勤6日目だった元アルバイト従業員が命綱をつけ忘れたことが事故の直接の原因だとしました。
また、警察関係者からは、現場責任者の当時49歳の男性社員が、このアルバイトスタッフに十分な指導をせず、事故当日もこのアルバイトスタッフ男性に現場の運営を任せて、安全確認や注意管理を怠っていた事なども事故原因として指摘されています。
捜査関係者によりますと、その後の警察の捜査で当時、現場の責任者を務めていた元社員が経験の浅い元アルバイト従業員1人に遊具の運営を任せ、事故を未然に防ぐための注意義務を怠っていたことが分かったということです。
那須ハイランドパーク死亡事故はその後アルバイトと担当上司を書類送検
出典:https://amd-pctr.c.yimg.jp/
那須ハイランドパーク死亡事故のその後は、安全委員会の調査報告や捜査員による報告をうけた栃木県警は、2021年2月1日に、事故当日に「NOBORUNGMA(ノボランマ)」を担当していた当時20歳の元アルバイトスタッフと、その上司で現場責任者だった元社員の当時49歳の男性を、業務上過失致死の容疑で書類送検しています。
栃木県那須町の遊園地「那須ハイランドパーク」で令和元年8月、客として訪れていた自動車板金塗装業、横尾一範さん=当時(51)、相模原市=が遊具から転落して死亡した事故で、同県警は1日、事故当時この遊具の担当スタッフだった男性(20)=同県大田原市=と上司で現場責任者だった男性(49)=同県那須塩原市=を、業務上過失致死の疑いで書類送検した。
この事故で死亡した横尾一範さんの妻は弁護士を通じて「主人の無念はいかばかりか、想像すると未だに涙が止まらない。」、「会社に対しては、安全性について、もう一度真剣に向き合って頂きたい」などのコメントを発表されています。
運営会社の藤和那須リゾート株式会社から被害者遺族への補償内容の詳細などは現在のところ発表されていません。
「NOBORUNGMA(ノボランマ)」は事故のその後に運営が中止されており、2021年2月の現在も再開予定などの発表は出ていないようです。
まとめ
今回は2019年8月に発生した那須ハイランドパークでの死亡事故についてまとめてみました。
この事故は、同園に客として訪れていた神奈川県相模原市の当時51歳の横尾一範さんという方が、ボルダリングなどが楽しめる屋内アスレチック型アトラクション「NOBORUNGMA(ノボランマ)」での遊戯中に、高さ5メートルの高さから落下し、頭を強く打つなどして死亡したものでした。
安全委員会や警察の捜査関係者からは、当時まだ勤務6日目で経験の浅かったアルバイトスタッフが、本来装着しなくてはならない命綱を横尾さんにつけ忘れたのが事故原因だったとの発表が出されています。
その後、2021年2月1日に、このアルバイトスタッフと、その上司の元社員が業務上過失致死の容疑で書類送検されています。