騒音おばさん事件では「引っ越し、引っ越し」と大声で叫ぶ騒音おばさんの異常さが目立ちましたが、実は真実が異なる可能性が指摘されています。
今回は騒音おばさんの本名(河原美代子)や事件詳細、隣人の被害者夫婦(山本)の言動と創価学会の関係、映画化などその後と現在をまとめます。
この記事の目次
騒音おばさん事件(奈良騒音傷害事件)とは
騒音おばさん事件とは奈良騒音傷害事件のことです。
奈良県生駒郡平群町の主婦が長年にわたり(事件認定されたのは2002年11月から2005年4月までの約2年半)、近所の被害者夫婦に対して騒音を出し続け、被害を与えた事件です。
騒音おばさんが出した騒音は、次のようなものです。
・布団を大きな音で叩き続ける
・大きな声で暴言を吐く
・車のクラクションを鳴らす
これらの騒音によって、被害者夫婦は不眠や目眩、頭痛などの症状が現れ、病院への通院を余儀なくされました。
この騒音おばさんは、鬼のような形相で引っ越しを迫ったり、暴言を吐いたりしていました。
そして、被害者夫婦はその様子を動画に撮ってマスコミ各社に流したことで、この事件は全国的に有名になりました。
騒音おばさん事件を時系列で説明
騒音おばさんの事件を時系列で追っていきましょう。
1990年:騒音おばさんと被害者夫婦の間にトラブルが起こる
1996年:騒音おばさんがCDラジカセで大音量の音楽を流すようになる
1999年:民事訴訟で騒音おばさんの敗訴決定。騒音おばさんは罰金を支払う
2000年:被害者夫婦が監視カメラを設置(騒音おばさんが玄関を蹴る様子が映る)
2002年:騒音おばさんが器物破損で逮捕
2004年:2度目の民事訴訟が行われる
2005年4月11日:傷害容疑で騒音おばさんが逮捕
騒音おばさんの事件で「傷害事件」として認定されたのは、2002年11月から2005年4月までの2年6ヶ月のことです。
でも、事件として認定される10年以上前から、騒音おばさんと被害者夫婦の間にはトラブルがあったんです。
ただ、証拠が不十分だったため、事件として認定されることはありませんでした。
騒音おばさんの名言集
騒音おばさんの暴言は被害者夫婦によって録画され、その録画された動画はマスコミ夫婦によってマスコミ各社に提供されました。
マスコミ各社は騒音おばさんの異常さ・鬼のような形相に飛びつき、ワイドショーなどで一斉に特集し、騒音おばさん事件は全国的に知られるようになりました。
・早く、荷物をまとめて、お・引・っ・越・し!
・布団!布団!ふとーん!とっとと入れんかー!
・悪質な嫌がらせ!イ・ジ・メ、分かった?抑圧!
・干すなって!!干すな言うたやろ!!
・9時半だー!布団を庭に干してまーす!抗議しまーす!
・ハイ今日も抗議するぞ!抗議するぞ!今日も!
・朝7時5分からシャリシャリ出てきた、それに対して抗議する!分かったか!
・はーやーく!お引っ越し!絶対早よーにお引っ越し!私の勝ちよ!
騒音おばさんのセリフを第三者的目線で見ると、面白いの一言です。もちろん、これを毎日のように浴びせられたら、うんざりしてしまいますし、体調不良になるのも納得ですが。
ただ、このようなパワーワードを連発できる騒音おばさんは、コピーライターに向いているのでは?と思ってしまします。
視聴者も「引っ越~し♪引っ越~し♪さっさと引っ越~し!シバくぞ!!!」とリズミカルでキャッチーで覚えやすく、面白いパワーワードを騒音おばさんが連発する姿に食いつきます。
さらに、騒音おばさんの表情がユニークなことも加わり、世間の騒音おばさんへの興味は加速していきました。
騒音おばさん事件は全国的に有名になり、「話題の人物」として扱われるようになったのです。
騒音おばさんがここまで話題になったのは、傷害事件でも、そこまで深刻な被害が出ていなかったからかもしれません。
騒音おばさんの本名は河原美代子
出典:ameblo.jp
騒音おばさんの本名は「河原美代子」と言います。
「騒音おばさん」こと河原美代子は、1947年に富山県で生まれます。そして、1968年に21歳の若さで結婚、女の子2人・男の子1人に恵まれます。家族構成はこちらです。
・夫
・長女(1968年生まれ)
・次女(1971年生まれ)
・長男(1976年生まれ)
26歳の時(1973年)に大阪府八尾市に引っ越し、1988年に事件を起こした奈良県生駒郡平群町に引っ越しました。
そして、被害者夫婦と最初のトラブルを起こすのは生駒郡平群町に引っ越してから約2年後のことです。
騒音おばさんは隣人とトラブルを起こしていた
騒音おばさんは奈良騒音傷害事件を起こす前にも、隣人とトラブルを起こしていました。
騒音おばさんが生駒郡平群町に引っ越したのは1988年のことです。引っ越し後すぐに隣人とけんかになり、民事訴訟にまで発展しています。
このトラブルでは、騒音おばさん(河原美代子)の勝訴となり、隣人は別の場所に引っ越していきました。
このエピソードだけ見ると、騒音おばさんはご近所トラブルを起こしやすい人なのかと思いましたが、生駒郡平群町に引っ越してくる前に住んでいた八尾市ではトラブルはなかったそう。
民事訴訟でも勝訴、つまり、騒音おばさんに非はなかったと認定されていることから、このエピソードだけで騒音おばさんはご近所トラブルをいつも起こすとは決めつけることはできません。
騒音おばさん事件の真実① 騒音おばさんは被害者だった説
騒音おばさん事件は、マスコミの報道・裁判での判決だけを見ると、騒音おばさんが一方的に悪くて、騒音おばさんの異常性ばかりが際立っています。
しかし、いろいろな情報・噂を集めていくと、騒音おばさん事件の真実は違うところにあるという事実が浮かび上がってくるのです。
今から説明していく騒音おばさんの真実は、あくまでも推測・仮説でしかありません。裁判での判決はあくまでも騒音おばさんが加害者ということになります。
真実①:騒音おばさんは家族の介護をしていた
騒音おばさんは事件当時、家族の介護をしていました。
騒音おばさんは1968年にお見合い結婚していますが、結婚した旦那さんは実は遺伝性疾患「脊髄小脳変性症」を患っていて、騒音おばさんがそのことを知るのは結婚した後のことでした。
脊髄小脳変性症とは、うまく歩けない・ろれつが回らないなどの症状が出て、次第に動けなくなり死に至る病気です。ドラマ「1リットルの涙」の主人公(沢尻エリカ)と同じ病気ですね。
遺伝性疾患ですので、旦那さんだけでなく、3人の子供も、この脊髄小脳変性症の遺伝子を持って生まれ、脊髄小脳変性症を発症しました。
そのため、騒音おばさんは1人で家族4人の介護をすることになったのです。
2000年に長女が亡くなり、2002年には次女が亡くなって、旦那さんは入院しています。
真実②:被害者夫婦からの嫌がらせが始まる
騒音おばさんと被害者夫婦の最初のトラブルは、庭灯と布団干しから始まりました。
被害者夫婦は庭灯を設置しましたが、その庭灯は騒音おばさんの自宅を眩しく照らすものだったんです。
騒音おばさんは自宅で家族の介護をしていましたので、眩しすぎると病気の家族が眠れないとして、被害者夫婦にせめて囲いを作って、こっちに光が来ないようにしてくれとお願いします。
しかし、被害者夫婦は騒音おばさんのお願いを無視しました。それどころか、早朝から布団を激しく叩くなどの嫌がらせを始めたんです。
また、騒音おばさんは病気の子供たちに清潔な布団を用意したいと、頻繁に布団を干していました。そうしたら、被害者夫婦は「布団叩きがうるさい」と文句を言うようになったのです。
さらに、亡くなった娘の悪口や長男が「キチガイだ」と近所に言いふらされるなどの被害者夫婦から騒音おばさんは嫌がらせを受けていたのです。
真実③:騒音おばさんが受けた嫌がらせ
出典:youtube.com
騒音おばさんが受けた嫌がらせにはどんなものがあったのでしょうか?
・娘の悪口を言いふらされる
・家の中を盗み聞きされて、それを近所に言いふらされる
・監視カメラで家の中を盗撮される
・自作支援の塀の落書きを騒音おばさんのせいにされる
・鍵穴をふさがれる
・30人の集団で抗議を受けていた
騒音おばさんは被害者夫婦から、このような嫌がらせを受けていたと言います。これが本当だとしたら、騒音おばさんと被害者夫婦の立場は全く変わってきますね。
騒音おばさんがCDラジカセから大きな音で音楽を流していたのも、家の中の音を盗み聞きされたくなかったためと証言しています。
「子供の泣き声がうるさいなど近所から苦情を言われ裁判を起こされたので、生活音を消すためするようになった。亡くなった娘の悪口を言いふらされたり、鍵穴を塞がれるなど虐めに遭っていた」
真実④:騒音おばさんは精神的に追い込まれて事件に発展
2000年に長女が亡くなり、2002年には次女が亡くなります。そして、旦那さんと長男の病状が悪化していく中で、騒音おばさんは介護を続けました。
そのような状況の中、近所の被害者夫婦からは毎日のように嫌がらせをされ続けたことで、騒音おばさんは追い込まれていき、精神のバランスを崩してしまうのです。
このような事情があって、騒音おばさん事件が起こりました。
騒音おばさんは家族を守ろうとしていただけなのかもしれません。そして、それが行き過ぎてしまっただけなのかもしれません。
真実⑤:被害者夫婦に加害者に仕立て上げられた
出典:youtube.com
精神的に追い込まれていった騒音おばさんは、家族を守ろうとして、CDラジカセで大きな音を鳴らし、暴言を吐いて対抗しようとしました。
しかし、被害者夫婦にそれをうまく利用され、証拠として警察とマスコミに提出され、「騒音おばさんが一方的に悪い」という状況にされてしまったんです。
騒音おばさんの動画を警察だけでなく、マスコミにまで提出したのは、確かに不思議ですよね。
騒音が鳴りやまないから、最終手段としてマスコミに情報を流したとも言えますが、騒音おばさんを一方的な悪者にしようとしている算段があったとも考えられます。
このようにして、騒音おばさんさんは本当は被害者なのに加害者に仕立て上げられてしまったのです。
ただ、繰り返しますが、これはあくまでも推測・仮定の域を出ません。そして、裁判の結果、騒音おばさんが加害者であるという結論になっています。
騒音おばさん事件の真実② 創価学会の勧誘を拒否したことが原因?
では、騒音おばさんはなぜ被害者夫婦から嫌がらせを受けることになったのでしょうか?これは創価学会の勧誘を拒否したからと言われています。
被害者夫婦は創価学会の信者だったという噂があります。
創価学会の信者だった被害者夫婦は、引っ越してきた後に騒音おばさんに近づき、創価学会に入信するように勧誘した可能性は高いでしょう。
創価学会はしつこく勧誘してくることは皆さんご存知の通りです。創価学会に興味のない人にとって、勧誘は迷惑でしかありません。
騒音おばさんは勧誘を断固拒否したため、創価学会の恨みを買って、被害者夫婦の嫌がらせが始まったのかもしれません。
それなら、被害者夫婦が騒音おばさんへの抗議に30人もの人を引き連れていたというのも納得がいきます。創価学会総出で、騒音おばさんへの嫌がらせをしたのかもしれませんね。
ただ、1つ疑問があります。創価学会の人たちにとって、勧誘を断られるのは日常茶飯事のはずです。それなのに、なぜ騒音おばさんにだけこんなに恨みを持つようになったのでしょうか?
騒音おばさんが創価学会の人にとって絶対に許せない断り方をした可能性が考えられます。やんわり断らずに創価学会自体を否定したり、池田大作氏を真っ向から否定したのかもしれません。
また、被害者夫婦は騒音おばさんに「旦那や子供たちが病気なのは、信心が足りないから」と言って勧誘したのかもしれません。弱みに付け込んで勧誘するのは、宗教勧誘の常とう手段です。
頑張って介護をしていた騒音おばさんにとっては、そんなことを言われるのは心外であり、そこから創価学会の地雷を踏んでしまった可能性は十分にあると思います。
近所の人の話によると、最初は騒音おばさんと被害者夫婦は仲良くお茶を飲んでいたこともあったそうです。
その後、被害者夫婦が勧誘のために近づいて仲良くなったものの、トラブルが起こり、嫌がらせに発展したと考えられます。
生駒郡平群町には創価学会の施設はありませんが、近隣の生駒市にはありますし、創価学会員は施設周辺に住んでいるとは限りません。
創価学会の施設が近くにないから、「被害者夫婦は創価学会員ではない」ということにはなりません。
騒音おばさん事件の真実③ 被害者夫婦(姓:山本)は怪しい言動をしていたとの噂も
被害者夫婦は「山本」という姓で、奥さんは「山本良子」さんという名前だという情報があります。
実はこの山本さん夫婦の言動が怪しいと言われています。
マスコミの取材には、「あの人はとにかく恐ろしいんです。どのように攻撃してくるかわからない。こっちは家の中でじっと耐えているだけですよ」と答えています。
騒音おばさんがいかにも危険人物であると印象付けるような受け答えですよね。
さらに、裁判で次のような不可解な言動をしていました。
・さらに尋問される→「覚えていない」と逃げる
・塀の落書きの自作自演について質問される→「頭が痛い」と倒れ込む
・倒れ込んだ後にインタビューされる→「疲れた~疲れた~」と余裕の表情を見せる
これだけ見ると、明らかに怪しい、偶然かもしれませんが、都合の悪いことを聞かれて倒れ込むなんて、仮病なのかなと思ってしまいますね。
騒音おばさん事件の真実④ 騒音おばさんは近所・親族の評判は良かった
出典:bokete.jp
騒音おばさん事件の真実は、実は騒音おばさんは被害者だったという説を裏付けるものがもう1つあります。それは、騒音おばさんの近所・親族の評判です。
騒音おばさんは近所の人に植木の世話の仕方を教えたり、ゴミ捨て場の掃除を率先してやるなどしていたので、近所の評判は良かったんです。
また、被害者夫婦以外の近所の人には笑顔で挨拶したり、この騒動を申し訳ないと謝っていたという情報もあります。
親族からは、「愚痴一つこぼさずに家族の介護をしていた」という証言もあります。
先妻さんの血筋とはいえ、「本当に美代子には申し訳ねぇ」ってね。それでも美代子さん、愚痴一つこぼさなかったね。
一生懸命に子供らの面倒を見てたよ。いつも明るくて気丈でね。心の中は、たいへんな思いだったろうに…。だから余計に今回のことは信じられなくて悔しいよ。
引用:引越しおばさん
こんな評判の良い河原美代子が、狂気じみた騒音おばさんになってしまったのはなぜなのか?いろいろと勘ぐってしまいます。
騒音おばさん事件のその後と現在
騒音おばさん事件のその後と現在を見ていきましょう。
騒音おばさんは満期で出所
出典:youtube.com
騒音おばさんは2005年4月に逮捕されて、第一審では懲役1年、第二審では懲役1年8ヶ月の判決が言い渡されました。
騒音おばさんは上告しましたが、最高裁では上告が棄却され、2007年4月に懲役1年8ヶ月が決定しています。
2005年から拘留が続いていたため、判決が出た時点で残りの懲役は3ヶ月程度となり、騒音おばさんは2007年7月に満期で出所しています。
条例が作られる
出典:bokete.jp
騒音おばさん事件で、生駒郡平群町の名前は全国に広まったものの、印象が悪いということで、平群町は汚名返上で「平群町安全で安心な町づくりに関する条例」を可決し制定しました。
昼間は65デシベル以上、夜間は60デシベル以上を騒音と認定し、騒音を出している人には制止命令や警告ができるというものです。
騒音おばさんブームが到来
連日ワイドショーで騒音おばさんが取り上げられ、インパクトがあまりにも大きかったために、騒音おばさんブームとも言えるものが到来しました。
バラエティ番組では騒音おばさんのパロディコントが作られ、芸人が騒音おばさんのモノマネをしています。
インターネットでは2ちゃんねるを中心に、騒音おばさんの音声からリミックスが作られたり、AA職人によって騒音おばさんのAA(アスキーアート)が作られました。
騒音おばさんは2020年に映画化されている
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騒音おばさんは、なんと2020年に「ミセス・ノイズィ」という映画になっています。
騒音おばさん事件をモチーフにしているだけで、全部を踏襲しているわけではありませんが、些細なことから嫌がらせが発生し、家族やマスコミを巻き込んでいくというストーリー。
騒音おばさん事件を思い出さずにはいられない内容になっています。
・公開日:2020年12月4日
・吉岡真紀:篠原ゆき子
・若田美和子:大高洋子
第32回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門上映作品で、かなり評判が良いので、興味のある人はぜひ見てください。
騒音おばさん事件のまとめ
騒音おばさんの本名、事件の詳細、騒音おばさん被害者説や創価学会との関係・隣人の被害者夫婦の怪しい言動など真実、映画化などその後と現在をまとめました。
・連日ワイドショーで取り上げられ、かなりのインパクトを残した
・騒音おばさんの本名は河原美代子
・騒音おばさん事件の真実は創価学会がらみのトラブル?
・騒音おばさんが実は被害者の可能性あり
・被害者夫婦(山本)は怪しい言動があった
・騒音おばさんは近所や親族の評判は良かった
・騒音おばさんはすでに満期で出所
・2020年には映画化されている
騒音おばさん事件の真実は、いったいどちらなのでしょうか?
もし、騒音おばさんが先に嫌がらせを受けていたとしたらと思うと、なんだかやり切れませんね。