マダニに刺されることによって発症する感染症のライム病は、現在までに対応できる医師が少なく病名特定までに時間がかかる難病として知られています。
この記事では、ライム病の症状や原因と完治までの流れや、罹患した芸能人・有名人について詳しくまとめましたのでご紹介します。
この記事の目次
ライム病の症状や原因…日本では1986年に初のライム病患者が報告
ライム病の原因は野生のマダニ
マダニに刺されることで感染することがある感染症
ライム病とは、野生のマダニに刺咬された後に原因不明の神経症状が起こる病気で、細菌(スピロヘータ)による感染症です。
19世紀後半より欧州で症例が報告されるようになり、1970年代以降はアメリカ北東部を中心に世界中に広がりを見せてきました。
流行地 欧米では現在でも年間数万人のライム病患者が発生し、報告数も年々増加しています。 日本では、1986年に初のライム病患者が報告されて以来、現在までに数百人の患者が、主に本州中部以北(特に北海道および長野県)で発生しています。
引用:ライム病
ライム病の症状について
日本では重篤なライム病患者は報告されていない
ライム病の主な症状としては、関節炎や遊走性皮膚紅斑、良性リンパ球腫、慢性萎縮性肢端皮膚炎、髄膜炎、心筋炎などがあり、以下のステージによってその重症度は変わってきます。
【感染初期(ステージ1)】
【播種期(ステージ2)】
【感染後期(ステージ3)】
ライム病患者の画像と治療方法…早期発見できれば2週間程度で完治
ライム病患者の画像①
ライム病患者の画像②
マダニに刺咬された直後の急性期のライム病は、一般的な抗生物質の投与により2週間程度で完治すると報告されています。
また詳細には、マダニ刺咬後の遊走性紅斑にはドキシサイクリン、髄膜炎などの神経症状にはセフトリアキソンが第一の有効薬として使用されています。
ライム病の第一の予防はマダニに刺咬される環境に身を置かないことであり、登山などで野山に入る必要がある場合には、入念に虫よけスプレーをしてむやみに藪の中に入らないことや、肌を露出しない格好やズボンの裾を靴下の中に入れるなど、マダニが直接皮膚に到達しないようにすることが大切です。
それでも万が一マダニに刺咬された場合は、マダニをつぶさないように除去した上で、口器を体内に残さないようにし、その後十分に消毒することです。
ライム病に罹患した芸能人・有名人① ジャスティン・ビーバー
唐突にライム病を公表しまたもや世間を騒がせた
カナダ出身の歌手であるジャスティン・ビーバーは、2020年1月8日に自身のインスタグラムでライム病に感染していたことを報告し世間を騒がせました。
ジャスティン・ビーバーの報告によれば、ライム病だけではなく脳の機能を含む全身に関わる健康を害していたことも明かし、後にYouTubeチャンネル上で詳細を説明することを伝えていました。
「ジャスティン・ビーバーは××××みたいだとか薬物をやっているとか言う人も多かったけれど、そういう人たちは分かっていない。僕が最近になってライム病と診断されたことを。それだけでなく、皮膚や脳の機能、エネルギー、全般的な健康に影響する慢性疾患の深刻な症状を抱えていたことも」
「こうしたことについては、近いうちにユーチューブに投稿するドキュメンタリーシリーズで詳しく説明する」
「僕がずっと戦ってきたこと、そして克服しつつあることを知ってもらえると思う。苦しい数年だったけれど、適切な治療を受けることが、これまで治療不可能だった疾患を治療する助けになる。僕は復帰して、今までよりずっと良くなる」
このジャスティン・ビーバーの突然のカミングアウトについて、ネット上では注目を浴びるための”毎度のお騒がせ”と見られている傾向があったようですが、実際に皮膚病や頭痛、倦怠感などに悩まされ、妻のヘイリー・ボールドウィンが友人のジジ・ハディッドの家族に宛ててツイッターで「サポートをありがとう」と投稿したことから、闘病を助けられていたとみられています。
ライム病に罹患した芸能人・有名人② アヴリル・ラヴィーン
ライム病の闘病から啓発活動を始めた
アヴリル・ラヴィーンはカナダ出身のシンガーソングライターとして、17歳だった2002年にデビューし、デビューアルバム『レット・ゴー』が全世界で約2000万枚を売上げるなど、世界的な人気を誇ってきました。
しかし、そうした祝福の裏側ではアヴリル・ラヴィーンはライム病との闘病をしており、2014年にライム病を患っていることを公表し、2015年6月には5ヶ月もの間寝たきり生活をしていたことをテレビ番組で明かしていました。
そして、日本時間の2018年9月7日に自身のウェブサイト上でファンに対して死を意識した闘病だったことを明かしました。
「肉体的にも精神的にも今までの人生で一番辛い日々でした」
「私は死を受け入れ、体の機能が停止していくのを感じていました。まるで水の中にいるような息苦しさを感じて、とにかく空気を求めて這い上がりたい気持ちでした。神に助けを求め、この苦しみを乗り越え、この嵐の中で何か希望が見えるようにと祈りました」
「たった1回の虫刺されが、深刻な事態を引き起こします。ライム病が早急に処置されなければならないことを人々は知らないのです。ライム病と診断されず、何も処置が施されないケースが多々あります。そしてライム病と診断されたとしても、治療費が高額で払えないことも多いのです」
アヴリル・ラヴィーンは自身の闘病経験からライム病の周知・啓発活動に従事するようになりました。
自身の財団ではライム病を未然に防ぐため、ウェブサイト上で予防方法などの情報を提供している他、ライム病の治療に関して熟知している医者などを紹介し、一流の科学チームと提携してライム病研究を進めているようです。
ライム病に罹患した芸能人・有名人③ リチャード・ギア
愛犬を媒介してライム病になった
ハリウッド俳優として映画『HACHI 約束の犬』や『シカゴ』など、名だたる名作で主演し続けてきたリチャード・ギアですが、過去に飼っていた愛犬に付着していたマダニに刺されてライム病を発症したことがありました。
リチャード・ギアは早期発見だったため重篤化する前に抗生物質により完治することができましたが、2000年当時に撮影中だった映画『オータム・イン・ニューヨーク』は治療のため度々延期になったと言われています。
その後、完治してからもリチャード・ギアは愛犬と仲良く暮らしているそうです。
ライム病に罹患した芸能人・有名人④ ソフィー・ワード
中国旅行中にパンダに触れてライム病になった
ソフィー・ワードはイギリス出身の女優として映画『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』や『トスカニーニ』などに出演しました。
ソフィー・ワードは2008年に家族と中国旅行に訪れた際に、パンダと触れ合う中でマダニに刺されてしまいライム病を発症しました。
ソフィー・ワードは感染初期に、倦怠感や異常発汗、吐き気などを覚えたため病院にかかったところ、ライム病とは診断されずに解熱剤と抗生物質だけが処方されました。
ソフィー・ワードは女優になる前はイギリスで有望な競泳選手で、将来はオリンピック出場が期待されていましたが、ライム病の症状により競技に集中することができず選手生活を終えることになってしまいました。
治療のためにソフィー・ワードは数百件の病院で診察を受けましたが、ライム病だとようやく診断され適切な治療が開始されたのは罹患から実に約9年後となる2017年3月のことでした。
しかし、ソフィー・ワードは長期間治療できなかったことにより重篤化して弱っていたため抗生物質での治療ができず、ハーブ治療を受けながら車椅子生活をしています。
その後現在までに、ソフィー・ワードはイギリスのライム病団体に所属して、啓発活動や治療に関する研究などに携わっています。
ライム病に罹患した芸能人・有名人⑤ ベン・スティラー
膝痛からライム病が発覚した
ハリウッド俳優として映画『ナイトミュージアム』シリーズや『メリーに首ったけ』などで主演を務めてきたベン・スティラーは、2010年にライム病の診断を受けたことを公表していました。
ベン・スティラーは元々持病として膝痛がありましたが、緩和されるどころか年々酷くなっていったため病院にかかったところ、ライム病であることが分かりました。
ベン・スティラーは自身の知名度を活かして周知できると思い、ライム病であることを公表しました。
日本の芸能人・有名人にライム病罹患者はいない?
日本の芸能人、有名人でライム病を公表した人はいない
海外に比べて日本ではライム病患者が少なく、前述のように重篤化した症状の患者の報告例も現在までにあがっていません。
そのため、日本の芸能人、有名人でライム病に罹患したという報告例も現在までに無いようです。とはいえ、油断せずに野山や藪の中に入る必要がある場合はしっかりと対策をしましょう。
ライム病って本当に大変なんだな
— スナバ@銀魂/ハイキュー/コナン/ヒロアカ/鬼滅/ヒプマイ (@tottoriganba) January 13, 2020
韻踏んでラップしたくなる病気だったら皆幸せだろうに
ジャスティン・ビーバーさんはじめ、ライム病で治療してる人が一日も早く軽い症状になり、日常生活送れるようになりますように
ライム病や罹患した芸能人・有名人をまとめると…
・ライム病はマダニによって感染し、犬やその他動物とのふれあいから感染するケースも多い
・ライム病は海外で多く、罹患した日本の芸能人・有名人はいない
ライム病は知らないうちにマダニに刺されるケースが圧倒的に多いため気づきにくい病気ですが、遊走性紅斑はわかりやすいため日頃から体のチェックをする習慣を身につければ早期発見に繋がるかもしれません。
特に愛犬の散歩やハイキングで野山や藪に行ったり、動物園で動物と触れ合った日などは特に注意したいところです。
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