藤藤沢陽二郎は仮面ライダーなど特撮作品に出演した俳優で、当時恋人だった女優を殺害し逮捕されました。
今回は藤沢陽二郎の経歴や出演作品、菊容子さんと石ノ森章太郎さんの関係や事件の動機、菊容子さんの死因と墓、現在を紹介します。
この記事の目次
藤沢陽二郎は仮面ライダーに出演していた元俳優で殺人犯
藤沢陽二郎(ふじさわ ようじろう)
年齢:23歳(1975年4月時点)
藤沢陽二郎とは、「菊容子殺人事件」を起こした元俳優です。
俗に言うちょい役俳優でしたが、「仮面ライダー」のヤモゲラス(柴田)役を演じるなど、特撮番組にはたびたび出演していました。
・柔道一直線(1969年)
・好き!すき!!魔女先生(1971年)
・シルバー仮面(1971年)
・返ってきたウルトラマン(1972年)
・仮面ライダーV3(1973年)
・ロボット刑事(1973年)
・それぞれの秋(1973年)
・イナズマン(1973年)
・プレイガール(1974年)
また、事件の影響もあり、一部の好事家たちの間で過去の出演作が注目を集めているようです。
帰マン40話に藤沢陽二郎を確認?(ノンクレジット) pic.twitter.com/aAyiKJbJst
— モリリン(Jun_Morishima) (@morilyn00123) November 16, 2022
#プレイガール
— 北の大田黒 (@Tokusou1977) September 4, 2021
257話「女が男を寝かすとき」
258話「女は裸で一発勝負」#丘野かおり(山田圭子)さん出演で喜んでいたら、その恋人役には、あの藤沢陽二郎…これは見たくない顔だったな。純子とやよいは久々の登場。
一転258話は山城新伍さんゲスト回。この人がゲストの話は面白くて大体スケベです。😅 pic.twitter.com/3hbY4Y1UtT
『仮面ライダーV3』第45話より。
— ヨッシー (@00Yoshii) September 2, 2019
『仮面ライダー』12話の柴田助手(ヤモゲラス)などの藤沢陽二郎さん。#仮面ライダーV3 #仮面ライダー pic.twitter.com/If2kcu30sn
藤沢陽二郎の経歴:実家が整体医院だった?
藤沢陽二郎は売れない役者だったため、詳しい経歴については分かっていません。
ネット上の噂では、実家が整体医院を営んでいたとの情報がありますが、真偽のほどは不明です。
藤沢陽二郎に殺された被害者・菊容子のプロフィール
菊容子の父親は会社役員だった
菊容子(きく ようこ)
本名:菊池洋子
生年月日:1950年9月26日
出身地:神奈川県横浜市
菊容子さんは、1975年に起こった「菊容子殺人事件」の被害者です。
亡くなった当時、父親の菊池武次さんが72歳だったとの報道があるため、父親の年がかなりいってから生まれた子供だったことになります。
また、当時の武次さんの肩書は会社役員で、実家は裕福だったかもしれません。
そんな菊容子さんは、お嬢様校として有名な聖和学院高校を卒業している他、6歳の頃より日本舞踊を習っており、15歳で名取の免状を取得しています。
菊容子の芸歴は実は長かった
菊容子さんは2歳の頃より子役モデルとして活動していました。
・富士フイルムのモデルに抜擢される(2歳の頃)
・雑誌「少女クラブ」の表紙モデルで芸能デビュー(6歳の頃)
・映画「城ヶ島の雨」で子役デビュー(9歳の頃)
中学進学を機に、学業専念のために芸能活動を休止しますが、中学3年生時にNHK主催の新人オーディションで2位合格となったことで芸能活動を再開。
芸能活動再開後の菊容子さんは、「でっかい青春」や「信子とおばあちゃん」といったドラマに出演し、滑り出しは順調でした。
1968年、竜雷太主演『でっかい青春』第26話より、女生徒・丸山しぐれ役でレギュラー出演。当時の紹介記事では「この番組に出演したおかげでクラスメイトがたくさんできた感じです。学生生活の楽しさをドラマで味わいたい」と述べている。
引用:菊容子
代表作は「好き! すき!! 魔女先生」
子役から女優への転身に成功した菊容子さんは、21歳の頃に、特撮ドラマ「好き! すき!! 魔女先生」の主人公・月ひかる(アンドロ仮面)役に抜擢されます。
「好き! すき!! 魔女先生」は、特撮変身ヒロイン物のパイオニア的作品で、放送から半世紀以上経った現在も、一部のマニアの間で話題を集めています。
昨日は菊容子さんの誕生日だったので『好き!すき!!魔女先生』を観る。
— まきしろう (@kyoto_kaimasu) September 26, 2020
第6話「僕の弟はロボットだ!」は市川森一脚本、佐伯孚治監督。少年が交通事故で死んだ弟の代わりに作ったロボットにひかる先生が命を吹き込むが、ロボットもまた車にひかれてしまうのは残酷。「命を奪う魔法なし」が心に残る。 pic.twitter.com/t7hBkLnBIF
また、菊容子さんは、1972年から1973年の間、NHKの人気クイズ番組「連想ゲーム」にレギュラー出演していました。
藤沢陽二郎と菊容子は元恋人同士だった
馴れ初めは?
藤沢陽二郎と菊容子さんは、実は「菊容子殺人事件」当時は恋人同士でした。
2人は、共に東京俳優生活協同組合という芸能事務所に所属していたことで出会ったと言われています。
また、菊容子さんの代表作である「好き! すき!! 魔女先生」に、藤沢陽二郎がちょい役で出演。
そのため、以前より顔見知りで、菊容子さんが藤沢陽二郎のことを気に入り、積極的にアプローチをかけた末に、1975年初頭頃より交際を開始したようです。
交際は前途多難だった
藤沢陽二郎と菊容子さんの交際は、芸能人としての格の違いから、収入格差問題が常に付きまとっていたようです。
具体的には、菊容子さんが東京都新宿区諏訪町にある高級マンションに住んでいた一方で、藤沢陽二郎は安アパート住まいだったと言われています。
そのため、菊容子さんの父親の菊池武次さんも交際には反対していたそうです。
また、役者仕事が少なかった藤沢陽二郎は、暇を持て余し、菊容子さんの撮影現場に顔を出すこともありました。
しかしながら、無名役者だったせいで見学を許可されずに、テレビ局を追い出されてしまったようです。
藤沢陽二郎は格差交際で精神を病んでいた?
幸運にも人気女優の恋人となった藤沢陽二郎ですが、格差交際だったせいでノイローゼ気味になっていたとの情報もあります。
そして、被害妄想に囚われた藤沢陽二郎は、菊容子さんが浮気をしているのではないかと疑い始めるようになりました。
そのため、毎日のように深夜に電話をかけるようになったり、仕事場に忍び込んだりするようになったりと、今なら明らかなストーカー行為と言えることをしていたといいます。
菊容子さんも藤沢陽二郎の行動に不安を覚え、自宅マンション近くの寿司屋の女将に悩みを相談していました。
相談を受けた女将は「ちゃんと対応しないとあの男に殺されちゃうよ」と、菊容子さんに警告していたそうです。
藤沢陽二郎が起こした「菊容子殺人事件」の詳細① 動機は石ノ森章太郎?
一見、思い込みが強すぎる人物に思える藤沢陽二郎ですが、被害妄想に陥った原因がちゃんとあったとも言われています。
実際には藤沢陽二郎に隠れて浮気はしていなかった菊容子さんですが、過去に漫画家の石ノ森章太郎さんの愛人だったようです。
代表作は『サイボーグ009』『佐武と市捕物控』『009ノ1』『さるとびエッちゃん』『人造人間キカイダー』『マンガ日本経済入門』『HOTEL』など。仮面ライダーシリーズを始め、特撮作品の原作者としても活躍した。
引用:石ノ森章太郎
・仮面ライダーシリーズ
・人造人間キカイダーシリーズ
・東映不思議コメディシリーズ
・燃えろ‼ロボコン
・変身忍者 嵐
・快傑ズバット
菊容子さんの意外な過去が発覚したのは、事件後に、石ノ森さんが自伝的エッセイで「愛人だった女優が惨殺された」と述懐したことがきっかけでした。
実際、生前の2人の仲はかなり親しかったようで、「菊容子」という芸名の名付け親は石ノ森さんだったと言われています。
また、菊容子さんの代表作である「好き! すき!! 魔女先生」は、石ノ森さん原作の特撮ドラマだった他、「変身忍者嵐」や「人造人間キカイダー」にも菊容子さんは出演していたようです。
藤沢陽二郎は売れない役者だったとはいえ、同じ業界人であり、菊容子さんとは同じ事務所に所属していたこともあり、石ノ森さんとの噂を耳にしていたのかもしれません。
藤沢陽二郎が起こした「菊容子殺人事件」の詳細② 経緯と菊容子の死因
「菊容子殺人事件」は、1975年4月29日の深夜に起こりました。
その日、菊容子さんのマンションに無断で侵入した藤沢陽二郎は、菊容子さんが電話で男性と話している場面に遭遇します。
そして、電話相手に「指輪が欲しい」「明日9時にモーニングコールで起こして」とお願いしている菊容子さんの姿を見て、浮気相手との密談だと思い、逆上。
しかし、菊容子さんの実際の電話相手は父・菊池武次さんで、翌日に出演予定だった水前寺清子さん主演の舞台に寝過ごさないようにと、モーニングコールをお願いしていただけでした。
また、「指輪」についても、死んだ母親の形見をお守り代わりに持ってきて欲しい、と頼んでいたようです。
しかしながら、激高した藤沢陽二郎は菊容子さんの言い分をまったく聞かずに、手や電話のコードを使って絞殺してしまいました。
藤沢陽二郎は現場に遺書のようなものを残していた
菊容子さん殺害後の藤沢陽二郎は、ふと我に返り、自分の犯した大罪に恐れおののいていたようです。
そのため、遺書のような走り書きを残し、犯行現場から逃走しています。
「おれの人生でもっとも愛した女、それが容子です
それゆえの結末です
互いに愛し合わなければよかった 互いに
神様 あの世で二人を幸福にして下さい
少なくとも容子だけは
愛していればこそです
みなさん、どうもすみません
今日でちょうど三ヵ月目の恋でした」
引用:菊容子
その後の藤沢陽二郎は、世田谷に住む友人のもとを訪れ、犯行を自白。「午後には警察に自首するつもりだから、警察に同行してほしい」と頼んできたそうです。
しかし、そのまま友人宅に居座ることはなく、すぐに立ち去ってしまったと言われています。
藤沢陽二郎のカミングアウトを受けた友人は、友情よりも社会的な責任感が勝ったようで、あわてて警察に通報しました。
第一発見者は菊容子の父親だった
「菊容子殺人事件」の第一発見者は、父・菊池武次さんでした。
約束通りモーニングコールをかけたのに、菊容子さんが電話に出なかったことを不審に思った武次さんは、娘が出演する予定だった舞台が開催されている新宿コマ劇場まで足を運びます。
そして、菊容子さんが新宿コマ劇場に来ていないことを知り、午前11時半頃に娘のマンションを訪れたところ、寝室のベッドの上で仰向けになっている菊容子さんの遺体を発見しました。
その後すぐに警察に通報した武次さんですが、藤沢陽二郎の友人の方が15分早く110番通報していたようです。
藤沢陽二郎は菊容子殺害事件直後に自殺未遂をしていた
「菊容子殺人事件」後、藤沢陽二郎は自首をする決意を固められず、事件当日の午後1時35分頃に、神奈川県小田原市内の有料道路上で橋の欄干に車で突撃して自殺未遂を起こしています。
しかし、全力でアクセルを踏むことができなかったのか、右脚の骨折程度の負傷で済んでしまい、病院に搬送後に警察に逮捕されました。
藤沢陽二郎が起こした「菊容子殺人事件」のその後:石ノ森章太郎が心霊現象に悩まされる?
菊容子は石ノ森章太郎のところへ化けて出た?
「菊容子殺人事件」の後、石ノ森章太郎さんの近辺で不可解な事故が続いたうえ、石ノ森さん本人も体調を崩すといった不気味な騒動が起きています。
そのため、思い悩んだ石ノ森さんは、周囲の勧めで霊媒師に除霊してもらったところ、「若い女性の霊が憑いている」と、祟りの原因が菊容子さんだと指摘されたそうです。
心霊現象を信じていなかった石ノ森さんですが、霊媒師が菊容子さんの名前まで出したことにびっくり仰天し、世の中には本当に幽霊がいることを実感したといいます。
ちなみに、石ノ森さんが心霊現象に悩まされた原因は、浮遊霊化した菊容子さんが自分の存在に気が付いて欲しくて暴れていたのでは?ともささやかれているようです。
藤沢陽二郎が殺害した菊容子のお墓の場所は?
「菊容子殺人事件」の被害者ということもあり、菊容子さんが眠るお墓の場所は非公開となっています。
関係者が一切情報を流さないせいか、一部の好事家すらも菊容子さんのお墓の場所を突き止められないようで、SNS上でもお墓参りをしたという報告はない状況です。
藤沢陽二郎の現在
逮捕後の藤沢陽二郎には、懲役7年の実刑判決が下っており、1980年代前半頃には出所し、社会復帰していることになります。
出所後の藤沢陽二郎の消息については一切不明で、前科者の更生問題もあり、マスコミも追いかけていない状況のようです。
とはいえ、その後情報がないことを踏まえると、再び罪を犯したり自殺をしたりといった問題もなく、静かに社会生活を送っているのだと思われます。
ちなみに、寿司屋の娘と結婚した噂もあり、寿司屋の大将になっているとの憶測も存在するようです。
藤沢陽二郎のまとめ
藤沢陽二郎は、人気女優と交際していた俳優で、疑心暗鬼に陥った結果、最愛の彼女を殺害してしまった人物です。
藤沢陽二郎が罪を償い更生をしていることを祈りつつ、この記事のまとめを終了させていただきます。