2004年9月に発生した未解決事件「愛知豊明母子4人殺人放火事件」が話題です。
この記事では愛知豊明母子4人殺人放火事件の詳細や、被害者の旦那や愛人のホステスが犯人が真相だと疑われている件や、仰天ニュースで特集されネットで話題なった件、その後や現在などについてまとめました。
この記事の目次
愛知県豊明母子4人殺人放火事件の詳細① 事件概要
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「愛知県豊明母子4人殺人放火事件」は、2004年9月9日の未明に、愛知県豊明市沓掛町の民家に住む母親と子供3人が何者かに殺害された後、建物に放火された殺人放火事件です。
被害者は、主婦・パート事務の加藤利代さん(当時38歳)、長男の佑基君(当時15歳)、長女の里奈さん(当時13歳)、次男の正悟君(当時9歳)の4人でした。
事件発生時、旦那の加藤博人さん(当時45歳)は仕事の残業で家におらず無事でしたが、その後、警察がこの旦那を容疑者として調べた事や、週刊誌やワイドショーなどの一部のメディアがこの旦那の疑わしい点などを報じた事などから、旦那犯人説も浮上しました。
現在も犯人は逮捕されておらず、未解決事件となっています。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件の詳細② 事件の発生は9月9日未明
被害者家族の旦那の加藤博人さん(以下、旦那)は、事件当時、大手自動車会社の子会社である愛知県小牧市内の自動車部品メーカーに勤めていました。
旦那は、事件発覚の前日2004年9月8日の夜は会社に残業していて、同日23時頃に妻の利代さんに残業する事を電話で伝えています。旦那はそれまでこんな時間まで残業する事はありませんでしたが、その日は10日締め切りの下半期の利益計画書の作成に追われ同僚とともに夜通し残業する事になりました。
日付が変わって9月9日の午前4時5分頃、加藤さん宅から火災が発生しました。近所に住む旦那の兄が旦那の勤務先に連絡を入れ、5時半過ぎに旦那は作業着のままで現場に戻っています。
この時の旦那の様子は狼狽し、「子どもはー、子どもはー!」、「利代ー!」などと泣き叫んでいたという事です。また、旦那は家族を助けようと、まだ燃えている自宅内に入ろうとしますが、消防団員や兄に制止されています。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件の詳細③ 遺体や現場の状況
家族4人は自宅の中から遺体となって発見されました。次男の正悟君は1階のリビングから、他の3人は2階の各寝室から発見されています。
母親の利代さんと長女の里奈さんの女性2人は刃渡り20cmのサバイバルナイフと見られる刃物を使って殺害されており、利代さんは背中を中心に顔や頬など10数ヶ所を、里奈さんは肋骨が折れるほど上半身を何度も刺されていました。
一方、佑基君と正悟君の男性2人はバールのような鈍器で頭部を強く殴打されており、それぞれ、急性クモ膜下出血と脳挫傷が死因と特定されています。
遺体の肺の中からは微量の煤が発見されている事から、家が放火された時には4人ともまだ息があったと見られています。肺に残された煤の量から、正悟君、利代さん、里奈さん、佑基君の順に死亡した可能性が高いと見られています。
4人とも抵抗した形跡は見られず、犯人に就寝中に襲われたと見られています。また、犯行に使用された凶器は発見されていません。
遺体の状況から犯人は被害者の返り血を浴びた可能性が高いですが、庭や周辺の道路からルミノール反応は検出されませんでした。この事から、犯人は宅内で着替えてから逃走した可能性が高いと見られています。
2階の長男・佑基君の自室の窓が網戸になっていた他は全て施錠されていましたが、2階の窓に梯子をかけて侵入したような形跡は確認できませんでした。
現場からは、マッチの燃えかす、灯油が染みこんだ新聞紙、蚊取り線香を使った時限発火装置などが発見されており、犯人が発火する時間を工作した形跡が残されていました。
また、貴金属や通帳、カード類はそのまま残されており、被害者の財布の中の現金はなかったものの、犯人が奪い去った証拠などはなく、物取りではなく怨恨による犯行との見方が強まりました。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件の詳細④ 事件前に被害者家族周辺で不審な出来事があった
事件から約1年前の2003年7月下旬20時半頃に、何者かが加藤さん宅の玄関を無理矢理に開けようとしてドアノブを触るという不審な出来事があったようです。
この時、母親の利代さんは地域の夜間パトロールに出ていて不在で、旦那の博人さんも何らかの理由で不在だったようです。家にいた次男の正悟君が利代さんの携帯電話にかけてこの事態を伝えていますが、利代さんは「絶対開けちゃダメ」と伝えただけで夜間パトロールを続けたという事です。
さらに2004年に入ってから、利代さんが自宅の様子を伺う不審な人物を目撃した事を周囲の人に話しています。
こうした事から、事件前には家族の間で防犯意識が高まっていたという事です。
また、火災発生時に消化にあたった消防団員が、普段は見かけない尾張小牧ナンバー(この地域は名古屋ナンバーだった)のハイエースのスーパーGL(色はモスグリーン)を目撃しています。運転者は30代から40代の男だったようです。
この他、事件の前日の16時頃に、近隣住人が女性の悲鳴のような声を聞いているとの証言も上がっています。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件では被害者の旦那が犯人と疑われた
この「愛知県豊明母子4人殺人放火事件」は、被害者家族の旦那が犯人ではと疑われて注目されている事件でもあります。
旦那が犯人ではと疑われている理由についてもまとめていきます。
旦那が犯人と疑われた理由① 事件前に合鍵を車庫に隠すよう妻に依頼していた
事件時、現場家屋の侵入路は2階の網戸を除いて全て施錠されており、2階から侵入した痕跡も発見出来なかった事から犯人の侵入経路は不明です。
そして、この事件時、旦那は残業で不在でしたが、8日23時頃に電話で嫁の利代さんに「残業で遅くなるので車庫の物置に合鍵を隠しておいて欲しい」と伝えていた事がわかっています。
この合鍵は、事件後にその車庫の物置から発見されていますが、犯人はこの合鍵を使って家の中に侵入して犯行に及び、その後施錠して同じ場所に戻してから逃走したのではないかと疑われました。
この合鍵の場所を知っているのは被害者の他には旦那しかいないため、旦那が犯人ではとの疑いにつながりました。
旦那が犯人と疑われた理由② ホステスと浮気をし妻に離婚を迫っていた
旦那の博人さんは、実は事件以前からホステスの愛人がおり、妻(利代さん)に離婚を迫っていた事が妻方の親族の証言などから判明しています。
「実は事件の数年前から、夫は自宅に帰ってこなくなっていました。離婚も迫られ、3人の子どもを抱えてどう生活していこうか利代は悩んでいました。それでも、元の優しい夫に戻ってくれると信じていたのです。それなのに……」
旦那は、この愛人のホステスにかなりの金額を貢いでおり、その後同棲を開始して生活費としてもかなりの金額を浪費していたという事です。
旦那は年収が1000万円以上あったという事ですが、このホステスとの遊興費や生活費でほとんど使い果たし、借金までしていたとの事でした。
夫は当時、名古屋市錦にある複数の会員制高級クラブを頻繁に利用し、知り合ったホステスと同棲を始めた。
年収は1000万円以上あったが、ホステスとの生活費や遊興費に困るようになり、消費者金融に手を出した。
こうした事情もあったため、警察もこの旦那を犯人ではと疑っていたようです。
旦那が犯人と疑われた理由③ 犯人に対して飼い犬が吠えていない
被害者家族は飼い犬を飼っていました。この飼い犬は普段よく吠えていたそうですが、犯人が侵入した当日に吠えていたという証言が出ていません。
そのため、この飼い犬が慣れている人物が犯人ではとの推測が出て、旦那にも疑いの目が向けられました。
さらに、この飼い犬の首輪は何者かによって外されており、事件後に合鍵が隠されていた車庫の中の車の下に隠れているところを発見されています。
旦那が犯人と疑われた理由④ 旦那は事件後に詐欺で逮捕されている
この旦那は、事件後の2005年3月11日に、会社のPCを不正に取得して横流しして現金約520万円を得たとする詐欺容疑で逮捕されています。犯行動機は愛人ホステスとの遊興費などで作った借金返済のためでした。
さらに、同年5月にも、この旦那は勤務先の会社から額面計約5500万円の約束手形を騙し取った詐欺容疑で再逮捕されています。詐取した金額は総額で約1300万円にものぼるという事です。
この逮捕時、愛知県警察は愛知県豊明母子4人殺人放火事件との関与についても旦那を厳しく取り調べていますが、ポリグラフを使用した取り調べでも反応が出なかったという事です。
この旦那はこの詐欺事件で懲役3年執行猶予4年の有罪判決を受けています。
この事件後に、旦那は弁護士と共に記者会見を開き、警察の強引な取り調べに抗議しています。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件は旦那のアリバイが立証され真相は闇の中
犯人ではないかと疑われている被害者家族の旦那ですが、旦那のアリバイは立証されていて、少なくとも実行犯ではない事は確定しています。
愛人のホステスがいて離婚を迫っていたとはいえ、妻だけでなく子供3人も殺害している事などから、旦那の犯行ではないという声も多いようです。
他に容疑者なども上がっておらず、事件の真相は現在も闇の中です。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件の真相は浮気相手のホステスが犯人の噂も
インターネット上では、愛知県豊明母子4人殺人放火事件の真相は、旦那の愛人のホステスが真犯人ではないかとの噂も浮上しています。
ネットでは、この愛人ホステスは旦那に黙って何者かに一家の殺害を依頼し、旦那はその事実を知らなかったため、ポリグラフ検査でも反応が出なかったのではとの仮説が立てられています。
この愛人ホステスは、事件後に週刊誌の取材に応じ、「多分旦那が犯人だと思う」との証言をしていますが、これも、この旦那に疑いの目を向けるための工作ではないかと疑われています。
なお、この愛人ホステスは名古屋市錦の高級クラブに勤務していたという事ですが、この週刊誌取材に「余命いくばくもない病気にかかったので、良心の呵責から取材に応じた」と話していました。そのため、現在はすでに死亡している事も考えられ、少なくとも現在はホステスとしては働いていない可能性が高いです。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件は世界仰天ニュースでも特集され話題に
2020年3月31日に放送された日本テレビのドキュメントバラエティ「ザ!世界仰天ニュース」で、この愛知県豊明母子4人殺人放火事件で取り上げられ、再びネット上でも話題になりました。
仰天ニュースを見た視聴者の間でも、犯人は旦那か愛人のホステスではと疑う声が多く上がっていました。
愛知県豊明市の事件その旦那と不倫していたホステスは容疑者ではないのかな?その後詐欺事件で逮捕されたならまだ関係は続いてたんじゃないのかな?
— 明石家猫吉 (@mi_piece) April 1, 2020
#仰天ニュース
愛知県豊明市の殺人事件は夫か不倫相手としか思えない。
— akari( ‘﹃’⑉) (@akari85849696) March 31, 2020
夫も夫でそんなに犯人見つけたいなら妻の母や姉がしていたビラ配りとかを何でしないんだろうってなる。
#仰天ニュース
豊明放火殺人の件、旦那が疑われているが旦那が我が子を3人もやっちゃうのは考えにくいよな
— tttttttomo (@tomohiday) March 31, 2020
普通の思考回路で。
夫以外の妻、子供3人が死んだら一番得するの誰かな?#仰天ニュース
家族を省みずに身勝手な浮気をした上に、そのために借金や詐欺までしていたという状況から、旦那や愛人ホステスが疑われても仕方がないとは思えますね。
愛知県豊明母子4人殺人放火事件のその後と現在
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愛知県豊明母子4人殺人放火事件は、2021年9月の現在も犯人が捕まっておらず、愛知県警が殺人と現住建造物等放火の容疑で捜査を続けています。
毎年、9月9日には、事件現場の跡地(家屋は既に取り壊されて空き地になっている)に献花台が設けられ、追悼式が行われています。
なお、この追悼式には、旦那は現在まで1度も出席していないという事です。
現在まで、旦那は公の場に一切姿を見せませんでしたが、2021年9月に発売された「週刊女性2021年9月21日号」が、旦那に直撃取材を行っています。
それによれば、旦那は現在は事件現場から徒歩圏内の親族の家の離れに一人暮らししているようです。
事件現場から徒歩圏内にある住宅街の一角に、夫は親族と住んでいた。そこは母屋と離れに分かれ、夫は後者でひとり暮らし。帰宅時間帯の夜に訪問し、ドアを開けて呼びかけると、奥の部屋から足音がした。
真っ暗な玄関に現れた夫は、髪が短く、ぱっちり目の濃い顔立ち。
旦那は記者の取材に対して、メディアへの不信感を示し、改めて自分は愛知県豊明母子4人殺人放火事件には関係ないと主張しています。
旦那は最後に、メディアを揶揄うように「これが取材ということであれば、この場で話したことはすべて嘘です」と言い放ったという事でした。
1時間ほどの立ち話を終え、その場を辞した。別れ際、夫は平然とこう言い放った。
「これが取材ということであれば、この場で話したことはすべて嘘です」
夫は今年の追悼式も「行きません」と言い切った。はたして命日には何を思うのだろうか。
まとめ
今回は、2004年9月9日に発生した「愛知県豊明母子4人殺人放火事件」についてまとめてみました。
愛知県豊明市母子4人殺人放火事件は、豊明市沓掛町の住宅で、当時38歳の主婦と、当時15歳の長男、当時13歳の長女、当時9歳の次男が何者かに殺害され、家屋が放火された事件です。
この事件時に残業で不在だった旦那には、ホステスの愛人がいた事や、事件後に詐欺事件で逮捕され有罪判決を受けている事などから、犯人ではないかと疑われましたが、アリバイが立証され犯人(実行犯)では無いことが確定しています。
ネット上では、旦那の愛人のホステスが何者かに家族の殺害を依頼したのが真相ではないかとの噂が出ています。
2020年には「ザ!世界仰天ニュース」でこの事件が取り上げられた事で再び注目を集めました。
現在もこの事件は未解決のままとなっています。旦那は現在は事件現場近くの親族の家に住んでいるという事です。