風俗スカウト会社「ナチュラル」を率いる東京アウトロー界のビッグネーム木山兄弟ですが、2020年には歌舞伎町でヤクザから「スカウト狩り」にあうなど世間を騒がせました。
この記事では、「立川の狂犬」との異名を持つ木山兄弟の経歴や顔写真、関東連合との関係、歌舞伎町「スカウト狩り」騒動、その後の逮捕や現在についてまとめてみました。
この記事の目次
木山兄弟とは…双子のアウトローで風俗スカウト会社「ナチュラル」を経営していた
木山兄弟、元消防士で弟は「立川の狂犬」との異名を持つ元不良だった
「木山兄弟」とは、人気漫画「闇金ウシジマくん」の獅子谷兄弟のモデルとなったことでも有名なアウトローであり、身長が190㎝前後ある上に筋肉隆々なマッチョすぎる双子でした。
「木山兄弟」の少年時代については、弟の方が地元である東京都立川市界隈で暴れており、「立川の狂犬」との異名を取るほど不良だったとか。
その後、兄弟そろって消防士となるなどカタギの世界で暮らしていた「木山兄弟」でしたが、いつしか道を踏み外して「ランコム」という風俗スカウト会社で働くようになってしまったそうですね。
スカウトは繁華街で女性に声をかけ、風俗店やキャバクラ、ガールズバーで働くよう誘う。一般的に店と雇用関係はなく、女性の紹介料として報酬を受け取る。
「木山兄弟」が消防士を辞めた理由については不明となりますが、不祥事があったとの噂も存在しないため、弟の不良仲間経由でおいしい話でも回ってきた結果、風俗スカウトマンに転身したのかもしれませんね。
木山兄弟、「ランコム」で頭角を現して独立し「ナチュラル」を設立した
「木山兄弟」が働いていた「ランコム」については、住吉会傘下の風俗スカウト会社だったそうで、新宿や六本木といった聖地以外にも進出しているような一大組織でした。
・東京23区外(立川市や町田市、多摩地区)
・神奈川県(横浜市や相模地区)
・宮城県(仙台市)
「木山兄弟」については、風俗スカウト業の天賦の才能があったようで、最終的には「ランコム」の幹部クラスにまで上り詰めていたと言われております。
その後、「ランコム」で学んだノウハウを活かしてさらなるお金儲けを企んだ「木山兄弟」は、東京都新宿区歌舞伎町にて「ナチュラル」を設立して、自ら風俗スカウト利権の元締めとなりました。
木山兄弟と関東連合の関係は?
東京出身のアウトローというと、伝説の半グレ集団である「関東連合」との関係性も気になるところです。
とはいえ、後述する逮捕騒動時に1984~1985年生まれであることが判明した「木山兄弟」は、「関東連合」の年少世代である石元太一(1981年生まれ)とも世代がズレていたため、少年時代にこれといった面識があったわけではないとか。
ただし、「ナチュラル」を設立して以降の「木山兄弟」は、風俗スカウト利権をめぐって「関東連合」に真っ向から喧嘩を売って回っていたと言われております。
木山兄弟の評判は悪い…仁義知らずのならず者集団のトップだった?
木山兄弟、名経営者で武闘派だった
「木山兄弟」が設立した「ナチュラル」に関しては、2020年時点で数百人ものスカウトマンが所属する組織に育っており、東京でも有数の風俗スカウト会社に成長していたそうですね。
「ランコム」から独立した経緯もあり、住吉会の四次団体である「賢総業」がケツモチとなっていた「ナチュラル」でしたが、勢力拡大の原動力となっていたのは「木山兄弟」の腕力でした。
縄張り拡大のために東京都港区六本木や西麻布に進出をはかった際には、一帯を牛耳る「関東連合」の構成員を誘き出すために、現地の会員制の高級ラウンジにて「ケツモチを出せ!」と叫んで暴れるほどだったとか。
その他、六本木や西麻布の利権を奪い取るために「関東連合」の構成員を探して回るなど、「木山兄弟」の武闘派ぶりは伝説となっていました。
「木山兄弟」の攻撃性は、半グレ系勢力だけではなく本職のヤクザにも向けられていたそうで、極東会や稲川会系山川一家といった有力暴力団の幹部たちにまで喧嘩をふっかけ、ボコボコにしていたと言われております。
そんな「木山兄弟」の口癖は、「住吉会も関東連合も怒羅権も極東会も山口組も稲川会も雑魚、弱い」でした。
木山兄弟、ならず者との噂もあった
「木山兄弟」が率いる「ナチュラル」に関しては、急激に勢力を拡大した風俗スカウト会社だったため、闇社会での縄張り争い以外の面でも強引さや非道さが目立っていたとも言われております。
これは歌舞伎町のスカウト狩りが始まる前の3月から貼られてたみたい。
— 新宿の女 (@GloriaAnsell) June 7, 2020
相当恨みを買ってたのね。。
「ヤクザにも
ホストにもなれない奴らに
不景気にされちまった」
なんて哀愁帯びた言葉なの。。
情報提供→万次郎(@takushan2 ) pic.twitter.com/kMRyT0afBi
とはいえ、元々風俗スカウト業界自体の評判が悪く、芸能事務所の関係者を装って女性を騙し、風俗やセクシービデオ関連の仕事を強引に斡旋するといった行為が社会問題化もしていました。
そのため、「ナチュラル」関係者が特別に悪質だったのかどうかは眉唾な話になります。
「木山兄弟」が悪評を流された背景には、気に入らないホストをリンチしたりもしていたため、夜の街の住人たちから恨みを買っていた部分もあったのかもしれませんね。
ナチュラルがホストをボコってるムービー載せちゃおうかな♀️
— 壱弐参 (@1_2_3_sisisi) July 1, 2020
この白い服で映ってる奴が通称木山くんね♀️
世間様にはナチュラルというスカウトグループがどんなものなのか、少し理解がほしい。
次のツイートでナチュラルの警察対策について話す#歌舞伎町 #スカウト #ナチュラル #木山 pic.twitter.com/Z9Dvu4Kmym
木山兄弟、羽振りが良く高級外車を乗り回していた
「木山兄弟」率いる「ナチュラル」は、全盛期には東京23区内のみならず横浜にも進出していたと言われております。
・東京23区内(歌舞伎町、六本木、渋谷)
・神奈川県(横浜市)
「ナチュラル」の風俗スカウトマンについては、女性を斡旋した場合、店側から1人あたり5~15万円程度の紹介料を得ていたそうですね。
こちらの紹介料に関しては、「ナチュラル」側からのピンハネはなく、全額が風俗スカウトマンの懐に入っていたとか。
とはいえ、「木山兄弟」は羽振りが良く、高級外車を乗り回していたと言われているため、通常は風俗スカウトマンに入る歩合ボーナス(斡旋した女性の売上の数%)が「ナチュラル」側の収入となっていたのかもしれませんね。
木山兄弟の顔写真は?…かなりのコワモテだった
「木山兄弟」に関しては、東京アウトロー界のビッグネームなれど、後難を恐れる人間が多かったせいか顔写真などは出回っていない状況でした。
しかしながら、後述する「歌舞伎町スカウト狩り事件」が起こると、「木山兄弟」を見限りネット上で顔写真をリークする人間が続出することになりました。
出典:https://daiwaryu1121.com/
気になる「木山兄弟」の顔写真については、武闘派との異名通りのコワモテな容姿となっています。
木山兄弟「歌舞伎町スカウト狩り事件」の勃発原因とは?…仁義破りが原因だった
歌舞伎町スカウト狩り事件、木山兄弟の仁義破りが原因だった
飛ぶ鳥を落とす勢いで東京アウトロー界に台頭していた「木山兄弟」でしたが、2020年6月4日になると、「歌舞伎町スカウト狩り事件」の標的にされています。
「歌舞伎町スカウト狩り事件」については、「木山兄弟」が業界の仁義を破り、別会社の風俗スカウトを引き抜いたことが発端でした。
引き抜き被害にあった風俗スカウト会社は、住吉会系の四次団体「聡仁組」がケツモチを務めていたため、当初は「木山兄弟」側のケツモチだった「賢総業」との間で話し合いが持たれていたそうですね。
しかしながら、「引き抜いたスカウトは譲らない」と和解案を拒否し続けた結果、「賢総業」から見限られる形となった「木山兄弟」は、住吉会と対立状態に陥ってしまったとか。
その後、新宿歌舞伎町を中心に両者間で小競り合いが続いていたそうですが、「ナチュラル」の風俗スカウトマンたちが住吉会系の暴力団員たちをリンチする騒動が勃発したことをきっかけに、「歌舞伎町スカウト狩り事件」に発展してしまうことになりました。
「あの動画は俺も見たけど、その3週間くらい前から騒動は始まっていたよ。N社に所属している8人組のスカウトマンが暴力団員の2人組と揉めたらしい。はじめは話し合いで収めようとしていたんだけど、スカウトマンが手を出して、ボコボコにしちゃったみたいだな。数日後、職安通り近くの『Tビル』の前で30人くらいの暴動、そのあとも何度か似たようなことが起きて、総勢80人の例の動画の暴動さ」
歌舞伎町スカウト狩り事件、小池都知事への疑問の声も
「歌舞伎町スカウト狩り事件」では、住吉会系暴力団員たちが「木山兄弟」と「ナチュラル」の風俗スカウトマンたちを探して、新宿歌舞伎町に私的検問をしく大騒動が数日間続くことになりました。
用があって歌舞伎きたんだが噂通りスカウト狩りやばいな。駅降りたらイヤモニつけた怖いおっさんが見張ってるし
— ruchi (@DK_ruchi) June 8, 2020
私はゲーマーです。PKされないようにしなきゃだ pic.twitter.com/38OPSnezg9
その後、事態を重くみた警視庁が機動隊を出動させるなどしたため、落ち着きを取り戻した歌舞伎町でしたが、明らかな異常事態なのにも関わらず東京都側の対応が遅れたことに対しては、批判の声もあったようですね。
歌舞伎町のスカウト狩りで暴動起きた時に、一切動かなかった小池百合子っていうおばさん無能じゃね?
— LONELY (@butako_savage) July 23, 2020
歌舞伎町スカウト狩り事件、木山兄弟は捕まってリンチをされた?
「歌舞伎町スカウト狩り事件」では、「木山兄弟がヤクザに捕まりリンチされた」といった情報の他、「ナチュラル一派は歌舞伎町から逃げ延びて無関係のスカウトが襲われている」といった悲鳴の声が錯綜しました。
とはいえ、当時の新宿歌舞伎町で何が起こったのか正確な情報は表に出て来ておらず、すべてが伝聞の範疇に過ぎない話となります。
「歌舞伎町スカウト狩り事件」後の「木山兄弟」に関しては、稲川会が仲介役を買って出てくれたおかげで住吉会側と和解することが出来たそうですね。
木山兄弟のその後と現在…警察に逮捕されて本名がバレた
暴力行為等処罰法違反などの疑いで逮捕される
「木山兄弟」のその後については、2020年10月になると「歌舞伎町スカウト狩り事件」の当事者の1人として警察に逮捕されています。
その際に、「木山兄弟」のどちらかの本名が「西田寛昭」であることに加えて、他に兄弟が1人いて「ナチュラル」の経営に携わっていたことが判明しております。
警視庁組織犯罪対策四課は10月28日、暴力行為等処罰法違反などの疑いで、指定暴力団住吉会の四次団体「賢総業」の吉川八代隆容疑者(49)ら2人、住吉会四次団体「聡仁組」の森岡英治容疑者(31)ら2人、スカウトグループ「ナチュラル」を率いる西田寛昭容疑者(35)ら三兄弟を逮捕した。容疑は6月4日夜、歌舞伎町の区役所通りで自転車までが武器として飛び交った大乱闘。
その後にさらなる情報が出てきて、木山兄弟の本名はそれぞれ、長男:ナチュラル会長の西田寛昭(逮捕当時35歳)、次男(双子の弟):ナチュラル幹部の桑村俊和(逮捕当時35歳)、三男:ナチュラル幹部の小長谷研人(逮捕当時30歳)であるようです。
「木山兄弟」は実の兄弟とニュースで報じられていますが、3人とも苗字が違います。歌舞伎町の事情に詳しい方の話によると、この3兄弟は養子縁組や結婚などで全員が本名を変えている可能性があるとの事です。
「ナチュラル」の幹部が逮捕される
「木山兄弟」の現在の動向については詳しい情報が入ってきていませんが、2023年11月には、「ナチュラル」の幹部ら15人が、グループの規約を破ったメンバーの男性に対し「制裁」と称して全治6か月間の大けがを負わせたなどとして逮捕されています。
幹部の沢田和哉や兼子エディら15人は、メンバーだった30歳代男性を新宿区のマンション一室などに監禁して暴行を加えた上、わいせつな行為をしたとして監禁と強制わいせつ致傷容疑で逮捕されたとのことです。
その後、この被害者男性に被害の届け出を断念させ、示談に応じるよう迫ったとして、ナチュラルの幹部である佐藤雄己とメンバーの佐久間裕也も、組織犯罪処罰法違反(強談威迫)の疑いで逮捕されています。
今年4月、幹部の佐藤容疑者はその男性に対し、「『事件化しません』っていう書面を用意すれば、『これで終わりね』ってできるじゃん」などという言葉で被害の届け出を断念させ、示談に応じるよう迫った疑いがもたれています。示談に応じるよう脅す電話は、数時間にわたっていたとみられることも警視庁への取材で明らかになりました。
一方、監禁事件をめぐっては、幹部の沢田和哉被告(32)や兼子エディ被告(30)らが起訴されていますが、警視庁は2人を近く、監禁事件の被害者への恐喝未遂の疑いでも立件する方針を固めたということです。
木山兄弟についてまとめてみると…
「木山兄弟」に関しては、風俗スカウト会社「ナチュラル」の経営者として東京の繁華街で一大勢力を誇っていたものの、慢心が祟り住吉会と揉めた結果、警察に逮捕されることになりました。
「木山兄弟」の末路については、闇社会でも余計な敵を作らない謙虚さが大事との教訓を残したと言えます。