フジテレビで放送されていたバラエティ「退屈貴族」のロケが原因とされる「老人火あぶり致死事件」が話題です。
この記事では老人火あぶり致死事件の概要や事件発生回の退屈貴族の出演者、事件の原因となった犯人、事件の真実や嘘でデマだとする説などについてまとめました。
この記事の目次
老人火あぶり致死事件の概要…フジテレビ「退屈貴族」の中で起きたと言われている死亡事件
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「老人火あぶり致死事件」は、2003年12月4日に撮影され、2004年1月19日に放送されたフジテレビ系のバラエティ番組「退屈貴族」の中で起きたと言われている死亡事件です。
この、老人火あぶり致死事件は、フリージャーナリストの中川一徳さんが「週刊文春」2012年3月8日号(2012年3月1日発売号)に掲載された「フジテレビがひた隠す”火渡り”で老人に重傷を負わせた最低の番組」と題された記事で告発した事で広まりました。
まずはその週刊文春の記事を元に広まった「老人火あぶり致死事件」の経緯を紹介します。
老人火あぶり致死事件の経緯① 「退屈貴族」に出演した老人が火傷を負う
老人火あぶり致死事件が起きたとされるフジテレビのバラエティ番組「退屈貴族」とは、お笑いコンビ「ココリコ」の遠藤章造さんと田中直樹さんと、その週のゲスト2名の計4名が「世界のありとあらゆるものに飽きてしまった退屈な貴族」に扮し、番組側が制作した退屈を凌ぐVTR(面白いVTR)を視聴し、笑ったり驚いたりしないように耐えるという内容です。
老人火あぶり致死事件は、この「退屈貴族」で、「幽体離脱をして火渡りをする」として「東洋のランボー」と称された当時74歳の老人が、段ボールに3リットルもの灯油を撒いて火をつけ、燃え上がる炎の中に突入するという内容のVTRが放送された中で発生したとされています。
なお、灯油を撒いたのはフジテレビのスタッフの独断で、老人は事前にその事を聞かされていなかったという事です。
この時の「退屈貴族」の動画は現在もYouTubeなどで公開されているので興味がある方は検索してみください。(年齢制限があるためここでは紹介できません)
週刊文春の記事によれば、撮影終了後に老人の両足は火傷を負って真っ赤に焼けただれ、足の裏の皮膚の皮はめくれ上がっていたそうです。しかし、老人はその火傷の部分にオロナインを塗る処置をしただけで済ませてしまったそうです。
その後、フジテレビの番組スタッフは老人をタクシーに乗せ、病院へ行くかと尋ねたものの、老人が「大丈夫」と答えたため、そのまま自宅へと送り、出演料2万円を支払った後、フジテレビ本社に帰社したという事です。
老人火あぶり致死事件の経緯② 隣に住む兄に痙攣している所を発見され救急搬送
「退屈貴族」出演から5日後、番組内で炎に突入し火傷を負った老人が、一人暮らしの自宅内で痙攣しているところを、隣の家に住んでいた老人の兄が発見し、すぐに病院に救急搬送されています。
この時、老人は足の裏から太ももにかかて、皮膚の表面積の3割近い火傷を負っており、多臓器不全に陥っていたという事です。
老人火あぶり致死事件の経緯③ 事件性を疑った病院が警察に通報
老人が搬送された病院は、老人が火傷を負った状況などを聞いて事件性を疑い、警察に通報。
警察による捜査が開始されますが、どういった理由かフジテレビの上層部は撮影の存在自体を否定しています。しかし、警察はこのフジテレビ側の説明を信じ、老人の虚言だと断定しそれ以上の捜査はされなかったという事です。
これは、警察に対する説明をフジテレビに顧問として天下りしていた元警察幹部が行った事も影響したと言われています。
老人火あぶり致死事件の経緯④ このVTRが「退屈貴族」でそのまま放送される
こうした騒動が起こったにも関わらず、2004年1月19日に放送された「退屈貴族」の中で、老人が炎に突入するVTRはそのまま放送されました。
このVTRでは、老人の腰のあたりまで炎が燃え盛っている中に、老人が突入する様子が映されていたため、一部の視聴者から、「さすがに危険すぎるのではないか」、「老人虐待ではないか」といった抗議が寄せられました。
この視聴者からの抗議を受けて、フジテレビの「退屈貴族」制作スタッフは、老人の兄夫婦に謝罪に赴いていますが、兄夫婦はこの話は老人の方からフジテレビ側に持ちかけたものと誤解(実際にはフジテレビ側が老人に出演を依頼した)していました。
ところが、フジテレビの制作スタッフはその老人の兄夫婦の誤解をあえて解く事なく帰ってしまったという事です。(兄夫婦からの責任追求を回避するためか)
老人火あぶり致死事件の経緯⑤ 老人は何度も手術を受けた後2007年に死去
そして、この老人は、何度も皮膚移植手術を受けたものの回復する事なく、歩くこともできず、退院する事もできないまま2007年9月に亡くなったという事です。
老人の死因は、火傷の後遺症による可能性が高いとみられる「腎不全」だったそうです。
以上が、「週刊文春」で、フリージャーナリストの中川一徳さんが暴露した事をきっかけに広まった「老人火あぶり致死事件」の内容です。
老人火あぶり致死事件が発生した回のフジテレビ「退屈貴族」の出演者は?
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「老人火あぶり致死事件」のきっかけとなったとされるVTRが放送された回の「退屈貴族」の出演者は誰か?という点もネット上では注目されています。
この回の出演者は「ココリコ」の遠藤章造さんと田中直樹さんと、ゲスト2人(グラドルの熊田曜子さんと、タレントのラサール石井さん)でした。
ただし、この「老人火あぶり致死事件」の話が真実であったとしても、その責任は番組を作ったフジテレビの「退屈貴族」のスタッフにあり、当たり前ですが、この放送回の出演者には全く責任はありません。
老人火あぶり致死事件の原因となった犯人は?
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「老人火あぶり致死事件」が、週刊文春に掲載された内容が全て真実であったとすれば、悪質な殺人的行為だと言わざるを得ませんが、このような事件が起こる原因となった犯人は誰だったのでしょうか?
この事件が起きた「退屈貴族」に関わったフジテレビのスタッフは、ディレクターが渡辺剛さんと飯村徹郎さん、演出が金子傑さん、 制作プロデューサーが辻村たろうさん、プロデュースが石井浩二さんである事がわかっています。
ネット上では、このうち演出の金子傑さんが、灯油で炎を強くする事を指示し、炎の強さに慄く老人に「行ってください」と促して、危険な火渡りをさせた犯人だとして、名指しで批判を集めています。
老人火あぶり致死事件の真実は作り話で嘘だという説もある
「老人火あぶり致死事件」については、情報のソースが週刊文春の記事しかなく、他の媒体でニュースにもなっていないので、真実ではなく嘘ではないかという見方もあるようです。
老人火あぶり致死事件が嘘だとする根拠としてあげられているのが、本当に番組ロケが原因で老人が死亡したのであれば、フジテレビの関係者は業務上過失致死や保護責任者遺棄致死などに問われてもっと大きな騒動になっているはずなのに、そのような事になっていない事や、遺族である老人の兄夫婦が訴訟などの動きを起こしていない事などが挙げられています。
また、老人火あぶり致死事件が嘘だと主張する人の中には、このVTRで大きな炎が巻き起こって見えるのはCGだろうという声までも出ているようです。
しかし、週刊文春にこの老人火あぶり致死事件を告発する記事を掲載したフリージャーナリストの中川一徳さんは、フジテレビの親会社であるフジサンケイグループの権力闘争を描いた著作「メディアの支配者」で、講談社ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞を同時受賞したほどのジャーナリストです。
これほどの実績のあるジャーナリストが、署名で嘘の記事を書くとは考えづらいように思えます。
加えて、現在もネット上に残されている老人火あぶり致死事件が起きた時の「退屈貴族」の映像からは、死に至るほどの大火傷を負ってもおかしくないと思わせる炎の勢いが確認でき、その炎の中を歩く老人の様子も、苦しげな様子が見て取れます。
こうした映像が証拠として残されている以上、「老人火あぶり致死事件」が嘘でデマであると言い切る事は難しいのではないかと思われます。
老人火あぶり致死事件の真実はフジテレビが隠蔽したという説も
インターネット上では「老人火あぶり致死事件」は炎上騒動に発展しており、フジテレビに対する批判も少なからず起きています。
しかし、何故かこの件はそれ以上大きな騒動には発展しておらず、警察が動く事もなければ、フジテレビ側が文藝春秋に抗議したり訴訟を起こすなどの何らかのアクションを起こすという事もなく、事件自体がなかった事のようにされているようにも感じられます。
こうした流れに、フジテレビ側が老人火あぶり致死事件の真実を隠蔽しようとしているのではといった説も上がっているようです。
まとめ
今回は、インターネット上で話題になっている「老人火あぶり致死事件」についてまとめてみました。
老人火あぶり致死事件は、2004年1月19日にフジテレビで放送されたバラエティ番組「退屈貴族」で放送されたVTRで、当時74歳の老人が3リットルの灯油が撒かれ燃え盛るダンボールの上を歩かされて足に大火傷を負い、それが原因で数年後に死亡したとされる事件です。
老人火あぶり致死事件が発生したとされる放送回の出演者はお笑いコンビ「ココリコ」の2人と、ラサール石井さんと熊田曜子さんでしたが、仮に事件が真実だったとしても、当然ながらこの4人には責任はなく、フジテレビの番組制作スタッフに責任があります。
インターネット上では、老人火あぶり致死事件の犯人は同番組の演出を担当していた金子傑さんだとされて批判を集めているようです。
一部では、老人火あぶり致死事件は嘘でデマだという見方もあるようですが、この事件を告発したのは、講談社ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞を受賞した実績のあるジャーナリストの中川一徳さんであり、また、老人火あぶり致死事件が発生した「退屈貴族」の放送回の映像もネット上に証拠として残されているため、真実だとする見方が有力となっています。