満員電車内で携帯電話を使用している稲川みゆきを注意をした沖田光男さんが、その腹いせに痴漢の冤罪被害を被った「沖田光男痴漢冤罪事件」。
今回は沖田光男痴漢冤罪事件の犯人の顔写真の有無、被害者、裁判や判決、現在を紹介します。
この記事の目次
沖田光男痴漢冤罪事件とは
男性にとって痴漢の冤罪をかけられることは、家族や会社からの信用を失墜させ、それまでの人生をも揺るがしかねない重大な事件です。
しかし、特に首都圏の満員電車の中では、痴漢の冤罪事件が少なからず発生しており、1999年9月に起きた「沖田光男痴漢冤罪事件」が特に顕著な事例です。
電車内で注意されたことに腹を立て、痴漢されたと偽った犯人は稲川みゆきという女性です。
被害者である沖田光男さんは、この汚名を晴らすべく約10年間戦い続けてきました。
沖田光男痴漢冤罪事件の犯人「稲川みゆき」は仮名…顔写真はない
本名:稲川みゆき
年齢:事件当時(1999年)20歳
住所:東京都立川市若葉町
出身校:市立第九中学校
身長:170cm(一説には175cm)
趣味:カラオケ(カラオケスクールに通っていた)
犯人の稲川みゆきに関する情報は年齢くらいしか判明しておらず、「稲川みゆき」という名前も仮名です。
その理由は、当初は警察も検察も稲川みゆきが被害者だとの認識で、個人情報が公開されなかったからです。
ただし、ネット上の特定班により特定されたとも言われていますが、ネット上では見当たりませんでした。
沖田光男痴漢冤罪事件の犯人・稲川みゆきの顔写真は無い
偽証を働いた稲川みゆきは、身長170cm以上ある高身長の女性で、ネット上ではモデルのような美人の印象が強いようです。
しかし、稲川みゆきに関する個人情報が公開されていないように、顔写真などもネット上には上がっていません。
沖田光男痴漢冤罪事件の被害者は沖田光男さん
沖田光男痴漢冤罪事件の被害者は、事件名の通り、当時56歳だった会社員の沖田光男さんです。
事件当日、沖田光男さんは、JR中央線の車内で携帯電話を使用していた稲川みゆきを注意をしたところ、痴漢だと訴えられました。
逮捕された沖田光男さんは幸いにも不起訴となりましたが、拘留された日数は21日間と長いものでした。
沖田光男痴漢冤罪事件の経緯など詳細
沖田光男さんが電車内で稲川みゆきを注意した
出典:https://pixabay.com/
沖田光男痴漢冤罪事件は、1999年9月、東京のJR中央線・国立駅で発生しました。
当時、一般会社員の退社時刻だったことから電車内は満員だったとみられ、沖田光男さんと稲川みゆきの距離は20cmもなかったと言われています。
乗客同士がほとんど密着する満員状態の車内で、犯人の稲川みゆきは大声で携帯電話で話をしていました。
10分以上話し続ける稲川みゆきに対し、沖田光男さんは「電車の中で携帯電話は止めなさい」と注意をします。
稲川みゆきは「わかったわよ」と言って電話を切り、この時はトラブルに発展することもなく終わりました。
稲川みゆきが沖田光男さんを痴漢だと偽った
電車が国立駅に停車すると、沖田光男さんは下車し、南口のロータリーを歩きだしました。
するとそこに警察官が駆けつけてきて、電車内で稲川みゆきに痴漢行為をしたという疑いで、沖田光男さんは現行犯逮捕されてしまったのです。
警察は沖田光男さんの言い分を全く聞いてくれず、署まで連行して拘置所に勾留しました。
沖田光男さんは不起訴釈放となった
現行犯逮捕された沖田光男さんは、そのまま21日間も拘留され続けました。
それまで真面目な会社員として働いてきたにも関わらず、手錠と腰縄をかけられ連行されて取り調べを受けるという屈辱を味わったのです。
警察は沖田光男さんの話を全く信じる様子はなく、痴漢の自白を強要しましたが、しかし、沖田光男さんは圧力に屈せず無罪を主張したため、嫌疑不十分で不起訴、釈放されています。
しかし、沖田光男さんにとっては釈放で事件は終わりではありませんでした。世間は、痴漢をした男という目でしか見てくれなくなったそうです。
沖田光男さんはその後、事件の真実を伝えるためにホームページを立ち上げ、「社会的信用を傷つけられるなど、大変な損害を被った」と訴えています。
沖田光男痴漢冤罪事件の裁判・判決とは
沖田光男さんは損害賠償を求め裁判を起こした
沖田光男さんは痴漢の冤罪被害を訴えて、稲川みゆきに対して損害賠償訴訟を起こしました。
逮捕された時は不起訴処分となった沖田光男さんでしたが、第1審と2審で有罪判決を受けています。
沖田光男さんは上告し、最高裁第3小法廷で差し戻し控訴審判決が確定しました。
しかも裁判の途中で、本来保管が義務付けられている事件記録を、検察庁が処分していたという証拠隠滅も発覚しています。
沖田光男さんと稲川みゆきのやり取りから冤罪だと分かる
ここからは、 沖田光男さんと稲川みゆきの裁判の詳細を見てみましょう。
最高裁が第2審の判決を破棄し、審議のやり直しを求めた結果、稲川みゆきが偽証をしている可能性が出てきました。
【稲川みゆきの証言】
稲川みゆき:(電話相手の男性に)変な人が近づいてきた
稲川みゆき:(沖田光男さんに向かって)離れてよ
沖田光男さん:電車の中で携帯電話は止めなさい
稲川みゆき:変なことしておいて何言っているんですか
沖田光男さん:電車の中で携帯電話は止めなさい
稲川みゆき:分かったわよ。切るわよ。
この稲川みゆきの証言からすると、「変なことしておいて」という言葉を発していることから、沖田光男さんに痴漢をされたというのが事実だという認識です。
これに対して、稲川みゆきの電話相手だった男性の証言を見ると、稲川みゆきが痴漢をされたととれる言葉は発していません。
【通話相手の男性の証言】
稲川みゆき:変な人が近づいてきた
沖田光男さん:電車の中で携帯電話は止めなさい
このことから、稲川みゆきは法廷において偽証をしたということになり、偽証罪に問われてもおかしくない行動をしたと言えるでしょう。
沖田光男さんが冤罪である確固たる状況証拠
事件当時、沖田光男さんと稲川みゆきの周辺にいた乗客からは、痴漢の目撃証言は出てきませんでした。
さらに、沖田光男さんと稲川みゆきの身長差からも、痴漢が冤罪であった可能性が濃厚になっています。
沖田光男さんは身長は164.5cm、稲川みゆきの身長は170cmで、さらに当時7cmのヒールを履いていたため、実際の身長は177cmであり、2人の身長差は10cm以上あったのです。
稲川みゆきは「腰に股間を押し付けられた」と証言していますが、沖田光男さんとの身長差から物理的に難しいと言わざるを得ない状況でした。
仮に強引に痴漢行為をしたとしてもあまりに不自然な格好になり、満員電車の中で目撃証言がないはずがないということになります。
「女性は身長170cmで7cmのヒール、沖田さんは身長164・5cm。二人には10cmもの身長差があり、女性の『腰に股間を押し付けられた』という主張はかなり無理がありました」(前出のジャーナリスト・日高氏)
だが、東京高裁の安倍嘉人裁判長はこんな独特な見解で沖田さんを断罪した。
〈控訴人が背伸びをしながら接触したことも十分、考えられる〉
電車が揺れている中、背伸びして股間を押し付ける—もはや荒唐無稽とも言える判断で、二審でも有罪。
引用:この人たち、信用できない——勉強はできても人間はできてません 顔と名前を全員公開!「おかしな判決」を書いた裁判官はこんなにいる
ちなみに、同様の痴漢冤罪事件でも、偽証をした女子校生について「可憐な女子校生が嘘をつくわけがない」という法の番人とも思えない短絡的な思考で冤罪が生まれたこともあります。
そして2012年、最高裁が沖田光男さん側の再上告を退ける判決を決定。これにより、損害賠償請求は沖田さんの敗訴で幕を閉じました。
「稲川みゆきの証言が偽証だとは立証できない」からというのが理由でした。
沖田光男痴漢冤罪事件のネットの反応
沖田光男痴漢冤罪事件についてネット上の反応は、沖田光男さんの肩を持つ声が多いようです。
ここでは、その一部を紹介します。
3 :名無しさん ~君の性差~:05/02/24 01:54:44 ID:2ZPO3fm6
筒井康隆の小説『懲戒の部屋』を地で行くような話だな。
5 :名無しさん ~君の性差~:05/02/24 07:41:59 ID:yn+Q5xL8
女に小言は言わないように。
満員電車に女が乗ってきたら皆で注意して、
暴れないようにさせましょう。
8 :hahaha:05/02/24 08:32:19 ID:xVEzlxHR
沖田さん ガンガレ!
ケツの毛までむしりとってやれ!
10 :名無しさん ~君の性差~:05/02/24 08:55:10 ID:HtChTAWs
この手の事件はフェミ団体は絶対ノーコメントだな。
所詮その程度ってことか。
沖田光男痴漢冤罪事件の犯人・稲川みゆきの現在
出典:https://pixabay.com/
稲川みゆきの現在の様子については、個人情報も公開されていないため、現在まで全く分かっていません。
事件当時は東京都立川市若葉町に住んでいたようですが、引っ越したという噂もあり、現在の住所は不明です。
2021年現在、稲川みゆきは42歳くらいになっているはずです。
痴漢事件を捏造した犯人でありながら、それを隠して結婚して普通の家庭を持っている可能性もあるでしょう。
沖田光男痴漢冤罪事件の被害者・沖田光男さんの現在
著書を出版
稲川みゆきに非があるにも関わらず、社会的信用を著しく落された沖田光男さんは、2010年4月にかもがわ出版から『裁かれる者―沖田痴漢冤罪事件の10年』を出版しました。
内容説明
これは、嘘の被害を訴え出た女性と警察官によってつくりあげられた痴漢でっち上げ事件である。もう、今年で事件から足掛け12年めである。にもかかわらず、未だ、裁判をたたかっている。このとてつもなく長い裁判は嘘を見抜こうとしなかった裁判官らが誤った判決を書き続けた結果、もたらされたものである。これが、私と私の家族の人生を狂わせることとなった。
目次
第1章 ある日突然のできごと(一介のサラリーマンだった私;ある日電車のなかで;「逮捕する!」 ほか)
第2章 国賠訴訟に踏み切る(国賠訴訟とは;刑事記録が廃棄されていた;東京地裁―「痴漢行為があった」と認定 ほか)
第3章 人権問題として考える(ジュネーブへ;痴漢について考えること;人生を悔やまないために ほか)
日常は非日常となり―国賠訴訟10年をたたかって(妻・沖田有美)
警察や裁判所はこうした日常的に起こる事件を速やかに解決するために、事前にマニュアルが用意されているとも言われており、そこに人権はないとも言われています。
最も裁かれるべき罪深い存在は、もしかしたら警察や裁判所なのかもしれません。
「痴漢えん罪被害者ネットワーク」で活動している
事件をすでに過去のものとしてのうのうと暮らしていると思われる稲川みゆきに対して、被害者である沖田光男さんは現在も冤罪と戦い続けています。
沖田光男さんは痴漢冤罪の撲滅を推進するため、「痴漢えん罪被害者ネットワーク」の一員として活動しており、痴漢の冤罪で社会的信用を失った同様の被害者を支援しています。
「痴漢えん罪被害者ネットワーク」は、現在も無罪を訴えて戦っている人もおり、痴漢冤罪の被害者がつながる場です。
満員電車対策など鉄道会社への要請を行なったり、警察や検察の不正な取り調べなどの実態を暴き、公正な裁判を要請したりしています。
また、被害者本人と家族をサポートし、泣き寝入りしている冤罪被害者を応援するための街頭演説活動も続けています。
まとめ
1999年9月に発生した「沖田光男痴漢冤罪事件」は、当時普通の会社員だった沖田光男さんが稲川みゆきの偽証によって痴漢の濡れ衣を着せられた冤罪事件です。
稲川みゆきにとっては、注意されたちょっとした腹いせのつもりだったかもしれませんが、この冤罪事件により、沖田光男さんや家族の人生をめちゃくちゃにしました。
沖田光男さんの戦う姿を通して、満員電車などでは女性の側には乗らない、両手は胸の前か吊革に上げておくなど対策をする人が増えたと言われています。