自身の女性器を模った作品”デコまん”を公表し、わいせつ物頒布等の罪に問われたろくでなし子こと五十嵐恵さん。
この記事では、ろくでなし子の逮捕から裁判、結婚した旦那や子供について現在までの活動について詳しくまとめましたのでご紹介します。
この記事の目次
ろくでなし子のプロフィール
ろくでなし子
本名: 五十嵐 恵(いがらし めぐみ)
生年月日: 1972年3月14日
別名: いがらし めぐみ、いがらし惠
ろくでなし子さんは元々本業は漫画家ですが、現在では自らの性器を型取りして制作した”デコまん”の作品から美術家やフェミニストとしての活動がメインであり、日本性器のアート協会会員を務めています。
また、「いがらしめぐみ」、「いがらし惠」などの名義による作品もあります。
ろくでなし子さんは”デコまん”がきっかけで逮捕された後、不思議な縁でイギリスのロックバンド「ザ・ウォーターボーイズ」のリーダーであるマイク・スコットさんと結婚、現在は一児の母でもあります。
ろくでなし子の学歴~国学院大学文学部哲学科を卒業
普通の家庭に生まれ育ったろくでなし子
ろくでなし子さんは詳しい出身地を明かしていないようですが、山に囲まれた田舎町にて普通のサラリーマンの家庭で生まれ育ったようです。
1990年に国学院大学文学部哲学科に入学し上京。同大学を卒業後に地元に帰らずに近所の不動産屋で事務のアルバイトをしながらデザイン専門学校に通っていましたが、その後に中退しています。
ろくでなし子の経歴~自身の女性器を型取った“デコまん”制作を開始
ろくでなし子、漫画家としては大成せず
漫画家としては花開かず
ろくでなし子さんは1996年末頃に元恋人の勧めで出版社に漫画の持ち込みを始めましたが、1998年にラブコメ作品「不動産屋の山田さん」で「講談社『Kiss』新人漫画賞」に佳作入選しました。
これがきっかけで漫画家デビューを果たしたろくでなし子さんですが、同期には400万部の大ヒットをしドラマ化された「きみはペット」の作者・小川彌生さんがいます。
ろくでなし子さんは不定期連載漫画「ミヨコ、握りまーす!」や、ショート漫画「ペッ父ちゃん」などがありますが、他にも「いがらし惠」名義で裁判傍聴漫画を執筆していました。
しかし、ろくでなし子さんは漫画家としての本願である連載をデビュー2年経っても持つことができなかったため、ストーリー漫画を諦めて体験物のショートエッセイ漫画を描くようになりました。
仕事のえり好みをしていられないろくでなし子さんは、ギャンブル好きではないもののパチンコ体験漫画なども描いていたものの、不評により連載打ち切りとなりました。
ろくでなし子、“デコまん”制作に拒否反応を示した旦那と離婚
不倫から離婚し、不倫体験を漫画にしたろくでなし子
ろくでなし子さんは2002年に30歳を目前にして当時の彼氏と結婚しましたが、ほどなくしてmixiのオフ会で知り合った男性と不倫をしてました。
この不倫体験を漫画「ウワカツ」として描いたこともありましたが、旦那や家族にばれないようにこの時から「ろくでなし子」名義で活動しており、メディアに出演する際にはウィッグや眼鏡で別人に変装していました。
”ろくでなし子”として性体験談漫画を描く中で女性器の整形手術の存在を知り、ろくでなし子さんは取材もかねて自身も整形手術を受けました。
そして続編を執筆する際に整形して綺麗になった局部の型取りをし、ろくでなし子さんは”デコまん”と称した作品を制作するようになりました。
しかし、旦那が”デコまん”制作に拒否反応をしめし、結婚10年目の2012年2月に離婚しました。
ろくでなし子さんはアルバイト生活をしながら”デコまん”制作に明け暮れましたが、毎日死にたいと思うような日々だったようです。
ろくでなし子、”デコまん”制作を始めた経緯
ろくでなし子は女性器に関する縁で”デコまん”を始めた
ろくでなし子さんは前述のとおり、性的体験漫画を描く関係で取材のために陰毛エステサロンについて調べていたところ、女性器の整形手術があることを知り、自身の陰唇を切除する整形手術を受けています。
そして、とんでもない芸術作品”デコまん”を作り続けるきっかけとなったのは、批判を浴び続けたためだと語っています。
もそも女性器アートを始めたのは、こんなもの作るなって批判してくるおじさんたちへの反発心からです。「女性器を面白くするな」って言われたから「もっと面白くしてやれ」と思って、女性器をリモコンで走らせたり、照明器具だったり、水が飛び出す女性器の作品を作った。評論家にも「こんなもん」ってけなされるし、常に敵がいるというか、批判され続けてきて、「それじゃあもっと!」と対抗してきたんですけど、ついに出てきたラスボスが「国」だった。
ろくでなし子さんはこうした批判をする男性らを「頭の固い人」として軽蔑してきましたが、そうした人への反骨精神が”デコまん”を発展させていくきっかけとなっていたようです。
ろくでなし子、わいせつ物頒布等の罪等の疑いで逮捕
ろくでなし子、局部の3Dデータを不特定多数に送信
局部の3Dデータを不特定多数に送信し逮捕
ろくでなし子さんは自身の局部の形をした一人乗りボート「マンボート」を制作するため、2013年6月18日にクラウドファンディングで100万円の資金提供を募集しました。
資金集めを達成したことからろくでなし子さんは資金提供者らに自身の外陰部の3Dデータをネット上で送信。
ろくでなし子さんはボートの制作所と協力して「マンボート」を完成させ、2013年10月19日には進水式が行われ、いくつかの海外メディアも報じて話題になりました。
しかし、この3Dデータ送信が逮捕のきっかけとなってしまいました。
ろくでなし子、わいせつ物頒布等3つの罪で逮捕
突然の逮捕で身の回りの物を留置所で購入したろくでなし子
警視庁は2014年7月12日にわいせつ物頒布等の罪等の疑いで逮捕。その後、12月にデコまん3点を女性向けアダルトショップ店内で展示したとして、わいせつ物公然陳列の疑いで再逮捕されました。
警察が3Dデータをわいせつ物と認定するのは全国で初のケースとなりましたが、ろくでなし子さんは自身の手足と一緒だと主張し、警察がわいせつ物だと認めたことに納得せず容疑を否認しました。
ろくでなし子さんの自宅にある日突然警察官数人が訪れての逮捕となったため、身の回りのものを整理する暇もなく、持ち込みも制限されたため、留置所でパンツや歯ブラシセットなど身の回りの物を購入したと語っています。
最終的にろくでなし子さんは「わいせつ物陳列」「わいせつ電磁的記録等送信頒布」「わいせつ電磁的記録記録媒体頒布」の3つの罪で逮捕・起訴されたようです。
ろくでなし子、釈放要求に1万5000人の署名集まる
ろくでなし子の即時釈放を求める活動が始まった
ろくでなし子さんが逮捕されて3日後の7月15日に、表現の自由や思想の弾圧だとする声が挙がり、とある男性により署名を募るサイト「change.org」にて即時釈放を求める署名活動が開始しました。
翌16日までにろくでなし子さんの釈放を求める賛同者は目標の1万5千人に達し、署名は警視庁に送られました。
一方で、ろくでなし子さんは警察に提示された罰金40万円を支払って留置所を出ることも考えましたが、自身の活動の否定につながると思いなおし、裁判で警察に勝って自身が間違っていないことを証明する道を選びました。
7月15日に裁判所が出していた拘留決定に対して弁護側が準抗告を申し立てていたため、これが認められてろくでなし子さんは同月18日に釈放されました。
ろくでなし子さんは釈放された後の周囲の人の変化について以下のように語っています。
留置所から外に出たら、今までは私のことを目の敵にする人たちばかりだったのに、味方になってくれる人も出てきました。「あなたのやっていることをみていると元気付けられる」って言われたり、私の作品をみて大笑いしている人の楽しそうな顔をみていると、私も元気づけられた。一人じゃないんだっていうのを感じて心強かったし、自分の意思を曲げずにやり続けるべきだっていう思いがどんどん強くなりました。
ろくでなし子、逮捕が最高のプロモーションになっていた
逮捕は恰好のプロモーションになった
ろくでなし子さんは逮捕されたことでアルバイト先を首になってしまったものの、ニュースが世界中のメディアで報じられたことで格好のプロモーションとなり、得たものが大きかったことを語っています。
世界のメディアに逮捕や裁判のニュースが発信されて、日本に来ている海外の人が「君のこと知ってるよ」って声をかけてくれることもあるし、活動を広めることができた。逮捕前はインターネット上で「ちょっと変な人がいる」と一部の人たちの間で知られていた程度でしたから。それが、単行本も出せたし、英語版も発売されることになって、今月11日からトロントとニューヨークにプロモーションに行きます。そういったことも逮捕がなければなかったことです。1円もかけずに私の活動が世に広まったのは逮捕のおかげなので、むしろ警察に感謝しています。
逮捕されたことがプロモーションに繋がるというのも、失うものが何もなく活動自体が特殊過ぎるろくでなし子さんらしいことですが、芸術家としての活動の幅が広がったことや、世界的に注目されるようになったことは、警察が強く出ることができなくなった要因となったかもしれません。
ろくでなし子、裁判で一部無罪を勝ち取る
作品展示行為については無罪
ろくでなし子さんは”デコまん”の作品展示行為について1審・2審判決ともに無罪(わいせつ物陳列罪)となりましたが、3Dデータ送信によるわいせつ物頒布等の罪においてはどちらも有罪となり、罰金40万円が言い渡されていました。
なお、作品展示行為での無罪が確定したのは、「愛のコリーダ事件」以来35年ぶりのことでした。
刑事事件において「わいせつ」無罪の確定は昭和57年の愛のコリーダ事件以来、約35年ぶりのことです。担当案件ながら、快挙であると思います。最高裁において、全面無罪を求めて戦いを続けますので、引き続きのご支援をお願いいたします。
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) April 27, 2017
なお、ろくでなし子さんの弁護側は完全無罪を主張して上告しているため、今後の高等裁判所での争点は3Dデータの部分のみとなります。
ろくでなし子の現在~イギリスのバンドマンと再婚・高齢出産していた
ろくでなし子、旦那は「ザ・ウォーターボーイズ」のマイク・スコット
マイク・スコットの熱烈な求愛があった
ろくでなし子さんの国と戦う姿勢は海を越えてイギリスのロックバンド「ザ・ウォーターボーイズ」のリーダーであるマイク・スコットさんの心を動かし、現在では最大の支援者で旦那となっています。
マイク・スコットさんは、ろくでなし子さんの主張を支持するとして「ROK ROK ROKUDENASHIKO」を制作、発表していました。
そして、2015年9月にマイク・スコットさんがろくでなし子さんのツイッターをフォローし、リフォローするとDMで想いを伝えてきたそうです。
2月2日の裁判の次の日に「日本に行くから会おう」っていわれてお会いして。会ってもまだプッシュしてくるので、どうやらこの人は本気なんだと思いましたね。私の歌を作ってくれたり、熱の入れ方がすごいんです。断る理由もなくて、お付き合いすることになりました。結婚したら日本を離れます。元々、日本は息苦しいし、出られたらいいなとは思ってましたが、お金もないし、英語もしゃべれないしと思っていたところに、こういう話が舞い込んで、乗っかってやるか、みたいな(笑)。
その後、ろくでなし子さんとマイク・スコットさんは2016年10月22日に婚約パーティーを開き、出席者によれば、当日は新郎のマイク・スコットさんが新曲の「ぱよぱよち〜ん」を披露したそうです。
ろくでなし子、44歳で第1子男児を出産
45歳の誕生日1ヶ月前に出産
ろくでなし子さんは2017年2月2日に第1子となる男児を44歳で出産しています。
現在は旦那と息子と3人でアイルランドの首都・ダブリンに住んでおり、子育てについての発言も注目を集めているようです。
ワイングラス片手に子供をあやしていても、「お母さんが昼間からお酒を飲んで!」とたしなめたり、眉をひそめる人もいません。むしろ隣の席の人から「あなたが落ち着いて食べられるよう、子供を抱っこしててあげましょうか?」と言われたりします。
【速報】ろくでなし子 @6d745 さんが報告「無事に元気な男の子を出産しました」「逮捕を機に人生が大変化し続け、まさかの子宝まで」https://t.co/X5PaG3yQMW … pic.twitter.com/HMX3VqD5uE
— 渡辺一樹 (@_gl_hf) February 3, 2017
ろくでなし子、現在の活動目的
ろくでなし子さんは”デコまん”のような性器アートだけでなく、画像や映像などでも女性器にモザイクをかけることが表現活動を阻止しているとして、媒体を通して女性器を大衆に公開しても罪に問われない世の中を作るために活動していくようです。
「なぜまんこにモザイクをかけたり、隠したりしないといけないのだろうか」と 感じ、彼女自身の表現活動を阻止しているようにも思えたのでした。 ろくでなし子は敢えて「まんこ」をわいせつなイメージから分断させたいと思い立ったのです。
引用:tagboat – ろくでなし子インタビュー
女性器がわいせつでないとするのはさすがに無理があるにしても、芸術であればモザイクは不要という範囲であれば十分実現は可能かもしれません。
もし、今後ろくでなし子が先頭に立ってそうした法律を変えることができたとすれば、それ以降は”ろくでなし”とは呼べないパイオニアになるかもしれません。
あのじじい、覚えていやがれ!と思ったが、わたしが逮捕された事で、その会社まで泥をかぶった。マンボート3d製作してくれた現場の人はとてもいい人だったから申し訳ないけど、まんこの呪いだと思ってる。
— ろくでなし子 祝デコまん無罪確定! (@6d745) October 25, 2019
ろくでなし子についてまとめると…
・ろくでなし子は女性器の整形手術をしたことをきっかけに“デコまん”制作を開始した
・ろくでなし子には離婚歴があり、“デコまん”制作に旦那が拒否反応を示したことで夫婦生活が破綻した
・ろくでなし子は2014年7月12日にわいせつ物頒布等の罪等の疑いで逮捕、その後再逮捕され、最終的に3つの罪で起訴された
・ろくでなし子はわいせつ物陳列罪について1審に続き2審も無罪を勝ち取った
・ろくでなし子は支援者だったイギリスのバンド「ザ・ウォーターボーイズ」のマイク・スコットと結婚、2017年2月に第1子男児を出産した
”デコまん”での逮捕により世間を騒がせたろくでなし子さんの現在までについてご紹介してきました。
現在ネットではモザイク無しの女性器はいくらでも検索ができるため、規制の境界があいまいになっていますが、こうした背景もろくでなし子の追い風となるでしょう。