アウトセブンとは、大阪・ミナミを拠点に活動している半グレグループであり、「拳月グループ」との異名でもお馴染みとなります。
この記事では、アウトセブンの結成までの経緯やメンバー情報、逮捕歴の他、現在の様子についてまとめてみました。
この記事の目次
アウトセブンとは?…大阪を代表する半グレグループだった
アウトセブン、拳月グループとの異名も持つ半グレグループだった
「アウトセブン」とは、大阪の繁華街・ミナミを拠点に活動している半グレグループであり、全盛期には100人近い構成員を誇った一大組織でした。
「アウトセブン」に関しては、実は本人たちがそう名乗り始めたわけではなく、メンバーたちがたむろしていたBARの名前から、周囲が勝手に「アウトセブン」との通称をつけただけだったとか。
そのため、近年はリーダーの拳月の名前をもじって「拳月グループ」と呼ばれることが多いようですね。
そんな「アウトセブン」の前身については、山根真一が結成した大阪のアマチュア地下格闘技団体「強者」だったと言われております。
2007年に立ち上げられる。「強者」はストリートファイトに明け暮れている不良の若者たちを起用した、いわゆる「地下格闘技」イベントを主催していた。創立者はこれらのイベントを主催した理由として「さらに強い相手と戦いたいという選手や引退又は挫折した選手に戦いの場を提供し、プロへの登竜門としたい」としており、「強者」第1回大会にはホイス・グレイシーがゲストとして参加していた。
引用:強者
アウトセブン、前身である「強者」は西の関東連合を目指すもとん挫した
「アウトセブン」の前身となった「強者」については、表向きはアマチュア地下格闘技団体を装っていたものの、西の関東連合を目指して結成された組織だったと言われております。
そのため、「強者」関係者の間では地下格闘技自体を利権の1つにしようと考えていたらしく、前田日明さんが主宰する「THE OUTSIDER」が関西進出を図った際には、嫌がらせをして逮捕者も出しています。
とはいえ、「強者」がヤクザの強い関西で独り立ちすることは不可能だったようで、当初は六代目山口組の三次団体の幹部・Aがケツモチとしてついていたようですね。
しかしながら、ミナミの繁華街で好き放題暴れる「強者」メンバーたちに辟易してしまったAは、ほどなくしてケツモチから手を引いてしまったそうで、最終的には別の暴力団の下部組織化してしまったとか。
強者、解散の原因は警察の取り締まり強化のせいだった
「強者」のシノギについては、自身が主宰する地下格闘技イベントのチケットをミナミの繁華街で押し売りしていた他、クラブやキャバクラなどからもみかじめ料を徴収していたそうですね。
腕自慢の猛者たちが集まっていた「強者」は、クラブなどからみかじめ料を徴収する際には、それまで店の面倒を見ていたヤクザを呼び出させて、その場でボコボコにリンチするなどやりたい放題でした。
ヤクザ顔負けの活動を続けていた「強者」に対しては、大阪府警も取り締まりを強化していたそうで、2013年に解散に追い込まれることになりました。
解散後の「強者」関係者に関しては、引き続き大阪に残りミナミを拠点に活動していた人物が多かったそうで、「強者」の創設者であった山根真一などは「アウトセブン」の幹部だった時期もあります。
アウトセブンの主要メンバー情報…リーダーは拳月だった
アウトセブン、リーダーは元格闘家の拳月だった
拳月(けんむん)
本名:相良正幸(さがら まさゆき)
生年月日:1984年5月14日
出身地:鹿児島県奄美市
身長:182㎝
「アウトセブン」のリーダーといえば、鹿児島県奄美市出身の元格闘家・拳月こと相良正幸となります。
大阪に上京後は、ストリートファイトに明け暮れる毎日を過ごしていた拳月は、「強者」関係者にスカウトされたことをきっかけに格闘家デビューを果たし、一時期は「K-1」や「GLORY」といったプロのリングにもあがっていました。
しかしながら、「THE OUTSIDER」の関西進出をめぐるトラブルの際に脅迫騒動を起こしてしまったため、プロ格闘家としてのキャリアを絶たれることになりました。
拳月の逮捕容疑は昨年11~12月、前田日明さんが大阪府門真市で開くイベントに出場予定だった選手(30)に電話し「(出場するなら)兵隊集めて行ったるから、覚悟して来い」などと脅し、出場を辞退させた疑い。拳月は「脅迫した覚えはない」と容疑を否認している。
「強者」解散後の拳月に関しては、引き続き大阪・ミナミに残り続け「アウトセブン」を結成しています。
「アウトセブン」については、「強者」の看板選手だった拳月や創設者だった山根真一が所属していたことから、世間では「強者」の後継グループと目されている一方で、本人たちにとっては「気の合う仲間たちで集まっただけで強者とは無関係」という認識になっているようですね。
大阪・半グレ界の大物になって以降の拳月は、我が物顔でミナミを闊歩していたようですが、2018年に保険金詐欺容疑で逮捕されて以降は、強制性交罪や強要罪などでも立件されており、累犯による服役は避けられない情勢と言えます。
アウトセブン、元幹部・山根真一は石垣島で半グレグループを結成していた
「アウトセブン」の元幹部には、「強者」の創設者である山根真一もいました。
前述の通り「強者」の解散後は「アウトセブン」の幹部に収まっていた山根真一でしたが、地元の暴力団幹部とトラブルになったせいで大阪にいられなくなったそうで、2015~16年頃に沖縄・石垣島に移住しています。
石垣島移住後の山根真一に関しては、現地で飲食店やマリンレジャー系の施設を経営していたようですが、カタギに戻ったわけではなく、相変わらず半グレ仲間と一緒に暴れまわっていたと言われております。
「山根は、石垣島の繁華街である美崎町に、キャバクラや居酒屋をオープンしましたが、他店に因縁をつけたり、強引な客引きで観光客とトラブルを繰り返すなどして、石垣島の治安を悪化させたと言われていました。さらにその一方で、昨年焼失した首里城の再建への善意につけ込んだ復興詐欺への関与も疑われています」(前同)
2019年には「桜を見る会」に招待され、前総理大臣夫人・安倍昭恵さんと2ショット写真を撮るほどの隆盛を極めていた山根真一でしたが、新型コロナウイルス騒動のせいで石垣島での事業が頓挫するまさかの展開が待っていたそうです。
そんな山根真一は、2020年4月になると再び大阪に戻り、オゾンで新型コロナウイルスを消滅させるという怪しい商売に手を染めているとか。
アウトセブン、テポドンの愛称でお馴染みな吉満勇介もいた
吉満勇介(本名:籠池勇介)
生年月日:1986年10月10日
「アウトセブン」の幹部には、テポドンの愛称でお馴染みな吉満勇介もいました。
拳月とは違い、「強者」関係者ではなかった吉満勇介は、本業の方は実業家をしていたそうで、実家のホルモン焼き屋の跡を継いでいた他、BARなども経営していたそうですね。
イケメンでオシャレなうえに、正業を持ち羽振りが良かったと言われている吉満勇介は、自分を頼って上京してきた若者の世話などをしていたため、人望も厚かったと言われております。
一方で、他の半グレ同様に粗暴な一面もあった吉満勇介は、自身が経営する店の従業員を恐喝した容疑などで2019年に逮捕され、現在は服役中となります。
アウトセブンのケツモチやシノギは?…敵対組織はアビスだった?
アウトセブン、ケツモチやシノギは?
「アウトセブン」については、神戸山口組時代の兼一会がケツモチだったと言われており、兼一会の代わりに飲食店からみかじめ料を徴収していたそうですね。
「アウトセブン」のシノギに関しては、その他にもガールズバーの経営や偽ブランド品の販売などがありました。
ちなみに、兼一会は神戸山口組系太田興行とシノギをめぐるトラブルを起こしことをきっかけに神戸山口組から絶縁されてしまい、2019年2月に六代目山口組に移籍しているため、現在も「アウトセブン」のケツモチかどうかは不明となっています。
アストセブン、敵対組織アビスとは?
「アウトセブン」に関しては、同じ大阪・ミナミを拠点とする「アビス」という半グレグループと敵対していたそうですね。
10代から20代前半の若者たちを主体に150人もの構成員がいた「アビス」は、「アウトセブン」同様に「強者」派生のグループだと言われており、ミナミでも最大の半グレグループでした。
両者の関係については、大阪・京橋でのぼったくりバー経営が摘発されたためミナミに流れてきた「アビス」を受け入れて世話をしたのが「アウトセブン」だったという経緯もあり、当初は友好状態にありました。
しかしながら、神戸山口組の分裂騒動によりケツモチのヤクザが敵対関係に陥ってしまった事情などもあり、いつしか対立関係に陥る羽目になってしまったとか。
そうして、お互いが金儲けできていたんだけど、ある日を境に“拳月グループ”が“アビス”に対して、ミナミから出ていけと言い始めたんや。それは金を毎日生み出すミナミの街を牛耳りたかったんやろ。当然ケツ持ちのヤクザの意向もあったんとちゃうか。“アビス”は任侠山口組に近いのが沢山いたから
アウトセブンの現在…幹部たちが逮捕されて壊滅寸前だった
「アウトセブン」の現在については、2018年夏頃より始まった大阪府警の「半グレ壊滅作戦」によりリーダー・拳月をはじめ、幹部たちが次々に逮捕されしまったそうですね。
警察の捜査の手は、「アウトセブン」の下部組織だった半グレグループ「モロッコ」にまで及んでおり、リーダー格だった岡本一樹や梶諒らが特殊詐欺や窃盗の容疑などで逮捕されています。
ちなみに、大阪府警は「アビス」や「軍団立石」といった府内の有力組織のメンバーたちも次々に摘発しており、2019年だけで大阪府内の半グレを300人ほど検挙しているとか。
しかしながら、大阪府内の半グレ汚染は想像以上にひどく、実態が掴めずに半グレ認定出来ないでいる反社会的グループが50近くあるそうですね。
そのため、大阪府警の「半グレ壊滅作戦」もイタチごっこに過ぎない現実があります。
アウトセブンについてまとめてみると…
「アウトセブン」に関しては、「拳月グループ」との異名も持つ大阪の半グレグループということになります。
現在は、警察の壊滅作戦により主要メンバーが次々と逮捕の憂き目となっている状態なため、このまま解散に追い込まれる可能性が高そうです。