2018年5月に起こった「千葉一家4人殺傷事件」は、犯人が元千葉市議である小田求さんという予期せぬ展開となりました。
この記事では、「千葉一家4人殺傷事件」の詳細情報に加えて、小田さんの経歴や家族情報に関してまとめてみました。
小田求の経歴~2013年に父親に対する傷害事件を起こしていた
本名:小田求(おだ もとむ)
愛称:小田求(おだ きゅう)
生年月日:1972年5月13日
出身地:千葉県
学歴:桐朋学園大学音楽学部声楽科卒業
職業:元オペラ歌手/元千葉市議
小田求は元オペラ歌手でイタリアへの音楽留学の過去があった
小田求さんは、1995年に桐朋学園大学の音楽学部声楽科を卒業しております。
桐朋学園大学といえば、日本きっての名門音楽大として知られており、OBに指揮者の小澤征爾さん、OGにヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんがいることでも有名です。
大学を卒業後は、日本にてバリトン・オペラ歌手として活動していた小田さんですが、2001年から2003年にかけてイタリアへ音楽留学しており、サンタキアーラ国際音楽アカデミーを修了しています。
その後日本へ帰国をした小田さんは、2004年に「イタリア声楽コンコルソ」にて入選を果たした他、2006年には「大阪国際音楽コンクール」にてエスポワール賞を受賞するなど、バリトン・オペラ歌手として順調に実積をあげていきました。
イタリア声楽コンコルソは、日本イタリア協会と毎日新聞社が主催する日本の声楽のコンクール。1970年創設。
引用:イタリア声楽コンコルソ
大阪国際音楽コンクールとは、大阪府大阪市において2000年(平成12年)から毎年に行われているコンクール。
ピアノや管楽器、弦楽器など、多数のジャンルを網羅した総合音楽コンクール。年齢上限が無く、民族楽器、アマチュアなど珍しいジャンルの部門も存在しているのが特徴。
元ピアニストの北野蓉子により創設。引用:大阪国際音楽コンクール
ちなみに、2009年に千葉市議選の補欠選挙に立候補した時点での小田さんの肩書は、ベルカント・オペラ研究所サロン・ヴィーノ代表となっておりました。
ベルカント・オペラ研究所サロン・ヴィーノに関しては、声楽レッスンなどを行う音楽サロンだったようですね。
小田求が政治家へ転身をした理由は衆議院議員・田嶋要のスカウト?
政治家には縁遠い、芸術家としてのキャリアを歩んできていた小田求さんが、市議とはいえ政治家に転身した背景には、政治界隈からのスカウトがあったようですね。
稲毛区の居酒屋での親族刺傷事件。
— Original Vision (@originv) 2018年5月13日
たまたま稲毛区で音楽サロンを開いていただけの、政治とは全く無関係のオペラ歌手だった容疑者を、同じく声楽好きで稲毛区からの立候補を表明し面識もあった田沼たかし氏の対抗馬として議員に仕立てたのは民主党の田島要議員。
そこが原点だと思ってます。
小田さんを政治の世界へスカウトした人物に関しては、2009年当時民主党に在籍していた衆議院議員の田嶋要さん(56)だと言われております。
田嶋さんは、管内閣時代(2010~2011年)に経済産業大臣政務官を務めた経験があり、民主党系の流れを組む政治家の中でも中々のビッグネームな人物だったりします。
大物政治家の支援もあり、2009年10月に行われた千葉市議選の補欠選挙に当選をした小田さんは、2015年4月まで千葉市議を2期務めることになりました。
千葉市議時代の小田求は年収1200万円!
千葉市議時代の小田求さんですが、2011年3月には、東日本大震災の復興支援チャリティコンサート(上記動画参照)を開催するなど、社会福祉活動にも熱心な人物でありました。
また、小田さんは音楽サロンの経営者兼オペラ歌手ということもあり、物腰の柔らかさに加えて、街頭演説の際の声の通りの良さなどでも評判が高かったとか。
ちなみに、元々は民主党系の市議であった小田さんでしたが、2010年11月に民主党を離党して以降は、「未来創造ちば」と名付けられた、無党派議員による会派に所属しておりました。
千葉県千葉市は、日本有数の議員報酬の高さ(市議:平均924万円)で知られている自治体でもあったため、オペラ歌手活動などの収入も含めると、市議時代の小田さんの年収は1200万円ほどあったようですね。
転落の始まりとなった父親への暴行事件
小田求さんの人生が躓くきっかけとなったのは、2013年3月に起こしてしまった実父への暴力事件となります。
期目途中の25年3月には、父親=当時(66)=をスチール製の棒で殴り、左腕などに全治3週間の打撲を負わせたとして県警に傷害容疑で逮捕され、その後起訴猶予になっている。
66歳の老人を金属製の棒で殴打するという行為は、下手をすれば被害者の命を奪いかねない悪質な犯罪ですが、この時は、小田さんの将来を憂慮した父親が被害届を取り下げてくれたおかげで、起訴猶予処分となったようですね。
不起訴の理由は主に3つあり、起訴猶予はその一つだ。捜査の結果、法律違反は認められたが、あえて起訴はしないという内容。違反が軽微だったり、被害者側と示談が成立していたりする場合などに起訴猶予となることがある。
ちなみに、傷害事件が起訴猶予処分となったため、辞任の意思がなかった小田さんは、2期目の任期満了まで市議を続けることとなりました。
小田求が父親に暴行をくわえたのは精神の病気のせいだった
小田求さんが、現役市議時代に父親へ暴行を働いてしまった理由に関しては、精神障害が原因でした。
元々、音楽家として芸術を追求する純粋な世界で生きてきた小田さんにとっては、生臭い利害関係が入り交じる政治の世界は、精神にかなり負担がかかる状況だったようですね。
そのため、2013年頃には、小田さんの挙動不審ぶりが周囲でも話題になっていたらしく、心配をした家族が病院での診断を進める事態にまで進展していたとか。
市議会関係者の話によると、「最近、小田市議は精神的に悩んでいた様子で、挙動がおかしかった」と証言している。また、家族も本人のことを心配して病院に行くことを勧めたが、「これに反発したのではないか」という見方もある。
父親への暴行事件の際も、2人の間に口論すらなかったらしく、錯乱した小田さんが一方的に父親を殴打することとなりました。
当時の警察の調べでは、実家に上がるなり、いきなり殴りかかったとされています。特に家族とのトラブルもなく、両親によると情緒不安定だったそうです。母親の『息子が暴れている』という通報で発覚したのですが、本人は『殴ったことは覚えていない』と供述していた。
事件後、病院で診察を受けた小田さんには、医師より「一過性の妄想性障害」との診断が下され、一時入院をしていた時期もあったそうですね。
妄想性障害とは、持続した妄想が続く精神病性の精神障害である。
診断においては、奇異でない妄想が最低1か月続き、かつそれが他の精神疾患によらないことが求められる。統合失調症の場合妄想の他に幻覚、支離滅裂な言動、陰性症状(意欲低下や引きこもりなど)を引き起こすが、妄想性障害の場合は主症状として妄想のみが現れる。
引用:妄想性障害
小田求は結婚しているの?~Facebookには女性からのコメントも多い
小田求の結婚歴を報じるメディアはない
小田求さんの気になる婚姻情報ですが、結婚歴を報じているメディアがないため、現在まで独身であったのではないかと思われます。
市議時代までは大変にイケメンなうえ、物腰の柔らかい芸術家ということで、女性にはモテそうな小田さんだけに、結婚歴がないのは少し意外な気もします。
2014年で更新が止まっている小田さんの公式Facebookには、女性からのコメントも多数見受けられるため、女性の友人・知人が多かったことは確かなのでしょうね。
しかしながら、イタリアへの音楽留学から6年後には市議となるなど、慌ただしい人生を送って来た小田さんにとっては、結婚のタイミングなどがなかったのかもしれませんね。
小田求の現在~妹家族への殺人未遂容疑で逮捕された
2018年5月13日に妹家族への殺傷事件を起こした小田求
小田求さんの現在ですが、2018年5月13日に千葉市内の居酒屋「三代目浜包丁稲毛店」にて、妹一家に対する殺傷事件を起こして、逮捕されております。
13日午後7時すぎ、千葉市稲毛区の飲食店で男が一緒に来店していた家族4人を、いきなり包丁で切りつけました。男は、入店からおよそ10分後、個室の中で、隣にいた父親を切りつけ、その後、斜め向かいに座っていた6歳の長女、続いて母親と1歳の次女の順に次々と襲ったということです。4人は病院に運ばれましたが、長女の高木彩友美ちゃん(6)が死亡。父親と母親が重傷、1歳の次女が軽傷です。
事件の犠牲者となった高木彩友美さんは、小田さんの姪となるわけですね。
当然ながら、事件の背景には、小田さんと妹一家との間に確執があったという情報が、テレビや新聞などで報じられている状況だったりします。
事件の背景には妹夫婦との確執があった
殺人事件の犯人として再び世間に姿を現した小田求さんですが、以前の爽やかな容姿とは別人のような変わり果てた姿となっておりました。
任期満了を持って千葉市議を退職した後の小田さんは、沖縄県の方で療養生活を続けていたと報じられています。
しかしながら、夫婦揃って地方公務員というお堅い職業であった妹一家には、そんな兄の存在が好ましく思われていなかったようで、日頃から仕事について小田さんを咎めるような言動があり、かなり関係が悪化していたようですね。
ちなみに、事件当日の小田さんは、滞在先の沖縄からわざわざ千葉まで上京をしていたとか。
小田求は事件現場となった居酒屋に包丁を持参して来店していた
事件の舞台となった居酒屋「三代目浜包丁稲毛店」の個室を予約したのは、小田求さんだったと言われております。
事件当日の2018年5月13日は、小田さんの46歳の誕生日だったため、小田さんは自身の誕生日祝いを口実に、妹一家を事件現場にまで誘い出したということになります。
千葉市稲毛区の居酒屋で13日夜、同区に住む一家4人が切り付けられ、幼稚園児の高木彩友美(あゆみ)ちゃん(6)が死亡した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された母親(42)の兄の元千葉市議、小田求(もとむ)容疑者(46)が自身の誕生会を名目に個室を予約し、犯行に及んだことが15日、関係者への取材で分かった。
小田さんは、「三代目浜包丁稲毛店」には、バックの中に包丁を忍ばせて来店していたとの報道があるため、最初から妹一家を害することを目的として、この舞台を整えていた可能性もあります。
小田求は妹家族への強い殺意があった?
逮捕後の小田求さんですが、警察に対して、犯行のきっかけとなったのは、妹一家が自分を邪険にする言動を取ったからだという供述をしております。
捜査関係者によると、小田容疑者が「子供の頭をなでようとしたら嫌がられ、父親にも止められた」と供述していることも明らかになった。直後に怒り出して4人に切りつけたという。
ただし、前述の通り小田さんには「妄想性障害」の気があるため、妹一家が本当にこのような言動を取ったかどうかの部分は謎だと言えます。
警察も一貫性のない供述を繰り返す小田さんに困惑しているとの報道があるため、小田さんが病気のため、現実と妄想の区別がつかない状況である以上は、事件の全容を把握することは困難な事件なのでしょうね。
動機について、小田容疑者は一貫性のない供述をしており、千葉県警は治療中の家族の回復を待って当時の状況を聴くなどして慎重に調べる。
しかしながら警察は、亡くなられた高木彩友美さんの遺体の損傷状況や妹夫婦の負傷具合から、小田さんが妹一家に明確な殺意を持っていたとの判断を下し、殺人容疑も視野に入れた捜査を開始しているようですね。
父親(44)は最初に太ももを刺されたが、長女をかばい、他にも複数回切りつけられた。母親も抱いていた次女(1)をかばって抵抗し、腕などを複数回切りつけられた。次女は軽傷だが、両親は重傷で病院で治療を受けている。
彩友美ちゃんの背中の刺し傷は肺に達していたことが既に判明しており、県警は4人を執拗に襲った疑いがあるとみている。
精神の病気の小田求に責任能力はあるのか?
精神病での入院歴や目の焦点があっていない逮捕後の小田求さんの姿を見ていると、事件の論点の1つとなるのが、責任能力の有無となります。
警察側も、小田さんの責任能力の有無に関しては、かなり慎重に調べているようですね。
責任能力は、一般的に、自らの行った行為について責任を負うことのできる能力をいう。刑法においては、事物の是非・善悪を弁別し、かつそれに従って行動する能力をいう。
引用:責任能力
ただし、事件現場となった居酒屋「三代目浜包丁稲毛店」に自ら予約を入れた上に、バックに包丁を隠して来店していたという計画性を踏まえると、検察官が小田さんに対して責任能力を問えないという判断を下す可能性は低いのではないかと思われます。
「千葉一家4人殺傷事件」に対するネットの反応は?
小田求さんの「千葉一家4人殺傷事件」に対するネットの反応に関しては、テレビなどで事件の報道自体が少ないことに憤りを覚えているユーザーが多いようですね。
新潟女児殺害の報道が多いのはわかるが小田求をもっと報道しろ
— 爺 (@U_Nsyuramiaruwa) 2018年5月15日
マスコミはアニメ好きなオタク小林遼を徹底的に追い込むだろうな
— 絶滅危惧種★リア充☆ NEM卍XEM (@kingqueen7777) 2018年5月15日
被害者宅との距離100mで1家全員自殺のシナリオまで描いている(その方が視聴率取れるという、、、)
その裏で政治的権力のある小田求殺人犯は完璧に見逃している
いかに報道が偏っていて為にならないか。。。#新潟女児殺害事件
「千葉一家4人殺傷事件」は、同時期に「新潟小2女児殺人事件」の犯人が逮捕されていたため、事件の衝撃性に反して、テレビニュースなどの報道量が少ない特徴があります。
【小林遼】新潟小2女児殺人事件の犯人の家族&経歴や前科まとめ【顔写真あり】
そのため、事件に心を痛めているネットユーザーたちからは、より野次馬的関心度が高い「新潟小2女児殺人事件」の報道にかかりきりだったマスコミの視聴率優先な姿勢に対して、批判の声が挙がっている状況となっております。
実際のところ、テレビニュースの公共性の高さを踏まえると、視聴率優先で特定のニュースにかかりきりになりがちな近年のマスコミの姿は、あるべき姿には程遠いことは確かですね。
まとめ
「人生一寸先は闇」という言葉を体現してしまったと言える小田求さんですが、精神病に無理解な人間が多いと言われている日本社会の犠牲者の1人でもあります。
小田さんが沖縄での療養中にどのような治療を受けていたのかは、マスコミの詳細報道がないため不明となっておりますが、小田さんの現状を見る限りでは、適切な治療を受けられていたとは言い難いものがあるように思います。
小田さんが適切な治療を受けられいてれば避けられたように思える事件だけに、日本社会全体で精神病に対する理解が進んで欲しいものです。