2001年3月6日に北海道室蘭市の繁華街にて、高校1年生の千田麻未さん(当時16歳)が行方不明になる「室蘭女子高生失踪事件」が発生しました。
この記事では、千田麻末さんの事件の真相や、犯人と疑われたパン屋の店長の現在の様子などについて詳しくまとめましたのでご紹介します。
この記事の目次
「室蘭女子高生失踪事件」とは
当時16歳の女子高校生・千田麻未さんが突如行方不明に
未解決の失踪事件では最も注目度が高い事件
「室蘭女子高生失踪事件」は2001年3月6日未明に発生した、北海道室蘭市に住む当時16歳の女子高校生・千田麻未さんが突如行方不明になった神隠し的な事件です。
千田麻未さんは当時パン屋でアルバイトをしていましたが、学校が入学試験で休みの日に、パン屋の本店にてオーナーからコーヒーの淹れ方を教わる予定でした。
しかし、バスに乗った千田麻未さんはパン屋の本店がある停留所「東通」では降りず、その3つ先の「東町2丁目」で下車して、オーナーと会う時刻の13時過ぎを回っているにも関わらず、スーパー「室蘭サティ」の化粧品売り場にいたところを監視カメラに映っていました。
その後、彼氏からの電話があるも「今は話せないから、あとで電話するね」と電話を切った切り、千田麻未さんは行方不明になってしまいました。
両親が警察に捜索願いを出し、神隠しのように姿を消した千田麻未さんの捜査が始まりましたが、まず疑いの目が向けられたのは会う約束をしていたパン屋のオーナーでした。
しかし、オーナーは千田麻未さんが来ないため探しに出たが、体調が悪くなったため自宅で寝ていたというアリバイを話し、警察が徹底的に調べても事件に繋がる証拠は挙がらなかったため暗礁に乗り上げてしまい現在に至っています。
現在までに、千田麻未さんは北朝鮮に拉致されたという説や、友人との怨恨説などさまざまな憶測が飛び交っていましたが、その消息に繋がる新しい情報は出ておらず2019年現在も消息は不明になっています。
千田麻未さん、事件当日の足取り
不可解な点がある千田麻未さんの行動
【12:00頃】
【12:25】
千田麻未さんはバスの後部座席に座っており、友人が見かけたことから手を振りあっていたことを証言している。
【12:53】
【13:00】
道路越しに同級生の男子2人が千田麻未さんを見つけて挨拶をしている。
【13:04】
【13:26】
【13:42】
この”下”というのは地元民が繁華街周辺を呼ぶ時に使う言葉で、この時の千田麻未さんのPHSの交信記録によるアンテナ中継地点は「東通」停留所だった。
そのため、「サティ」から再びバスで「東通」に戻り、パン屋の本店に向かったものと思われる。
【13:46】
この時のアンテナ中継地点も「東通」停留所付近だった。
この後、千田麻未さんは消息を絶って連絡が取れなくなり、PHSの電源が切れたままになっていました。
「室蘭女子高生失踪事件」千田麻末さんの人物像~学業優秀で校内のマドンナ的存在だった
千田麻未(ちだ あさみ)
生年月日: 当時16歳
身長: 153cmぐらい
体型: やせ型
頭髪: 黒髪のストレート
服装: ベージュ色のブレザー、紺色のジーンズ、バーバリー製チェックのマフラー、緑色の革靴
住所: 北海道室蘭市白鳥台1丁目
千田麻未さんは北海道でも有数、室蘭市内だと一番の進学校だと言われる北海道立室蘭栄高校に通っており、勉強熱心なことから成績は優秀で常にトップクラスだったと言われています。
また、千田麻未さんは人目を引く美人だったことから校内にはファンクラブがあり、校内のマドンナ的存在だったと言われています。
性格は真面目で、事件によりパン屋のオーナーとの約束をすっぽかしたという情報には、同級生らが「律儀な千田麻未さんがそんなことするはずがない」と否定的でした。
自宅は北海道室蘭市白鳥台1丁目にあり、両親と弟の4人暮らしで、近所の大型スーパーに入っていたパン屋でアルバイトをしていました。
行方不明になった日の千田麻未さんの服装は、ベージュ色のブレザー、紺色のジーンズ、バーバリー製チェックのマフラー、緑色の革靴とどこにでもいるような女子高生のファッションでした。
「室蘭女子高生失踪事件」の謎~千田麻未さんはなぜ遅刻した?
室蘭女子高生失踪事件の謎① コーヒー講習の遅刻
コーヒー講習の時間を守らなかった謎
事件当日は2001年3月6日の火曜日で、公立高校の入学試験1日目だったことから千田麻未さんも学校が休みでした。
アルバイト先のパン屋は近所のスーパー内に入っていますが、本店は自宅から7kmほど離れた室蘭市の中心繁華街に近い知利別町にあり、この日は本店オーナーからコーヒーの淹れ方の講習を受ける予定でした。
千田麻未さんは正午過ぎに本店に電話をかけ、「午後1時過ぎに行きます」と同店従業員に伝えた後、午後0時25分に自宅を出発しました。
自宅近くのコンビニに立ち寄った後、道南バスの停留所「白鳥台中央」から12:25発に乗車しましたが、この時に通りかかった友人が千田麻未さんがバスの後部座席から手を振ってくれたことを証言しています。
千田麻未さんはパン屋本店のある停留所「東通」を通過して、3つ先の停留所「東町2丁目」で下車しましたが、この時すでにオーナーと会う約束の午後1時を過ぎていました。
そして、同バス停で降りた千田麻未さんを同級生の男子2人が見かけており、道路越しに挨拶を交わしたと証言しています。
千田麻未さんはそれからスーパー「室蘭サティ」に立ち寄って化粧品売り場で15分ほど過ごしており、その様子は店の防犯カメラに収められており、これが最後の目撃情報となりました。
この頃、約束の時間を過ぎても店に来なかった千田麻未さんを心配したオーナーは、外へ探しに出たと証言していますが、なぜ電話をかけなかったのかという疑問が持たれています。
室蘭女子高生失踪事件の謎② 彼氏との最後の電話
彼氏との電話が最後となった
「室蘭サティ」を出てからおよそ16分後と思われる午後1時42分に、千田麻未さんのPHSに彼氏から電話があったため地元で繁華街周辺を指す「下に着いた」と伝えました。
PHSのアンテナ中継地点から千田麻未さんがパン屋本店がある「東通」に戻ってきたことが分かっており、オーナーと会う約束を果たすためだと考えられます。
そして、午後1時46分に再び彼氏から電話がかかってきた際に、千田麻未さんが「いま話せないから、あとでかけ返す」と伝えたことから、千田麻未さんはパン屋本店での用事があるためだと思われます。
この後に千田麻未さんの消息が絶たれたことから、千田麻未さんはパン屋本店に到着してから何らかの事件に巻き込まれてしまった可能性が濃厚だと考えられています。
「室蘭女子高生失踪事件」パン屋店長の不可解なアリバイと根強い犯人説
パン屋店長の事件当日のアリバイ
パン屋本店オーナーの不可解なアリバイ
警察の聞き込み調査に対して、パン屋本店のオーナーは「千田麻未さんが来ないため午後1時30分まで待ったが、それでも来ないため心配になり外に出た」と語り、さらに「その後体調が悪くなったため自宅で寝ていた」と証言しました。
なお、他にも「千田麻未さんとは会っておらず母親と一緒にいた」というアリバイを主張したという情報もあります。
警察はパン屋本店のオーナーが犯人で間違いないと判断し、3日間に渡って取り調べをし、家宅捜査や車を押収して徹底的に調べましたが、千田麻未さんの髪の毛1本見つからず、証拠となるような物は一切見つかりませんでした。
それでも警察はオーナーが怪しいと踏んでいたため、しばらくの間は24時間体制で張り込みを続け、徹底的に監視を続けていました。
ここまで警察が疑ったということは、オーナーが犯人で間違いない何かしらの嗅覚が働いたのでしょう。
パン屋が閉店しても店長は疑われ続けた
学校の同級生もパン屋本店のオーナーが怪しいと思っていた
パン屋本店の裏口を見渡せる場所に警察車両が24時間体制で張り込んでおり、オーナーは気になって仕方が無かったのか30分おきに裏口に顔を出しているのが確認されています。
後ろめたいことが無ければたとえ警察が張っていても警戒することは無いと思いますが、度々警察の存在を気にしていたということはオーナーは、もしかしたら千田麻未さんのことがバレるのを恐れていたのかもしれません。
このパン屋オーナーは地元では変人として知られていたようで、犯人だと疑われていたことから客足は遠のいており、その後ほどなくして閉店に追い込まれていました。
また、千田麻未さんの同級生の間でもかねてからパン屋のオーナーが変人であることを話しており、「絶対にあのオーナーが犯人」と話し合っていたそうです。
パン屋店長は千田麻末さんを狙っていた?
オーナーが女好きだったことを証言した従業員
2001年4月12日の週刊誌「週刊新潮」において、パン屋本店の従業員がオーナーに関する従業員間での評判を明かしていたようです。
「パートで働いていた30代後半の既婚女性と不倫」「若いバイトの女の子には積極的に食事を誘っていた」「オーナーが贔屓にする女性は目が大きくて髪が長く細身。Sさんも同様の美少女だったのでまさかと……」と元女性従業員は話したという。
週刊誌の記事なので信憑性のほどは確かではありませんが、事実だとすればよりオーナーが犯人である信憑性が増すでしょう。
コーヒー講習は無かったと語る従業員証言も
千田麻未さんが来ないことを心配して探しに外に出たと証言したオーナーですが、電話をかけてしまうと最後に電話をしたのが自分だと記録が残ってしまい疑われると考えたのかもしれません。
また、コーヒー講習は無かったという従業員の証言もあるようで、千田麻未さんはかねてからストーカー被害に悩んでいたことを支店長やオーナーに相談していたという話から、コーヒー講習ではなくオーナーに相談のために訪れていたのかもしれません。
そして、オーナーは千田麻未さんと2人きりになった瞬間を狙っていたのかもしれません。
私の親戚が室蘭栄高校のOBとOGなんだけど、室蘭女子高生失踪事件が発生して直ぐに、パン屋のオーナーが犯人なんじゃないかとみんな噂していたらしい。つまり、あのパン屋のオーナーは普段から気持ち悪いと思われていたんだな。しかも、警察の覆面パトカーがパン屋の前で張り込んでいたそうな。
— 平松真次 (@hirasindao) February 18, 2019
パン屋は監禁しやすい立場だった?
パン屋の入っているビルはオーナー所有だった
この「室蘭女子高生失踪事件」がミステリアスな雰囲気を持つのは、マスコミが「繁華街で起きた失踪事件」と大々的に報じていたためですが、実際にはパン屋の入っているビルの前を登別方向に横切り、左折すると人通りが比較的少ない道に入ります。
当時、パン屋の向かい側のビルでは大規模な改修工事を行っており、資材を乗せた中型トラックが頻繁に出入りしていたと目撃証言があります。
そのため現場は慌ただしい様子もあったと思われ、こうした背景からパン屋への宅配便や食材配達のアルミ車が怪しいという説もあります。
また、パン屋の入っているビルはオーナーが所有していたそうで、ビル内の空き室を居住スペースとして使っていたようで、監禁後に殺害したという見方もあります。
しかし、警察がそれを見逃すとも思えませんので、あくまでネット上の噂に過ぎないでしょう。
室蘭女子高生失踪事件で疑惑をもたれたパン屋のオーナーだけど、濡れ衣なら気の毒なことである。件のパン屋は一階で、その上はアパートだった(そのアパートのオーナーでもあった)。そして空き部屋があった。更に、若い女性を拉致監禁して凌辱するアダルトビデオを購入していたことも後に判明している
— ピンちゃん(自宅警備中) (@ping_chang) January 30, 2014
「室蘭女子高生失踪事件」ネットでは霊視した霊能者も出現
霊視でも千田麻未さんの居場所は掴めなかった
未解決の失踪事件などでよく霊視や透視能力のある人物が番組で実演することがありますが、千田麻未さんも霊視を番組で行ったが見つからなかったというネット上での噂があります。
しかし、実際には千田麻未さんを霊視で探すという番組は存在しませんが、ネット上で霊視をしたという人物が「千田麻未さんはあまり木が生えていない林の中に埋められている」と書き込みましたが信憑性は無いでしょう。
「室蘭女子高生失踪事件」のその後と現在
警察が更地となったパン屋店長の自宅跡を調査していた
現在までに千田麻未さんの行方に関する有力情報は一切無い
「室蘭女子高生失踪事件」のその後、パン屋のオーナーは店を廃業して他の土地に移り住みましたが、その際に店が入っていた建物を取り壊しました。
テナントとして貸し出せば家賃収入が見込めるところ、わざわざ費用をかけてまで取り壊したというところに警察は疑いを持ち、更地になった土地に重機を入れて基礎部分から掘り返しました。
警察は千田麻未さんの遺体が埋まっていると踏んでいましたが、それでも一切手がかりになるような証拠すら見つかりませんでした。
「パン屋のオーナーは店を閉めて、他の土地に移っていったのですが、その際に住んでいた家を取り壊したんです。警察は、更地になった土地にわざわざ重機を入れて、基礎からすべて掘り起こしているんです。彼女の遺体が埋まっているのではと疑っていたんです。警察からしてみれば、パン屋のオーナーが犯人に間違いないということだったんでしょう。しかし、千田さんに関連するものは何も出てきませんでした」
パン屋のオーナーは本当に犯人ではなくただの変人だったのか、はたまた千田麻未さんの遺体は他の場所に運んで埋めたのかはわかりませんが、今後も事件が解明されることは絶望的でしょう。
出典:https://i.imgur.com/ra5gf3j.jpg
警察が現在の顔を推定した画像を公開
2021年10月、警察が現在の顔を推定した画像を公開しました。公開された新たな画像は千葉県の科学警察研究所が作りました。
現在の顔を推定した画像を公開したものの、まだ有力な情報はないようです。
【事件に関する有力情報はこちら】
室蘭警察署 代表電話(0143)46-0110
「室蘭女子高生失踪事件」についてまとめると…
・千田麻未さんについて霊視した番組はないが、ネット上で霊視した霊能者によると「林の中に埋められている」と明かした
・千田麻未さんの有力情報は現在まで一切なく、警察が更地になったパン屋店長の自宅跡を掘り返すも何も出てこなかった
まるで神隠しのように繁華街で千田麻未さんが行方不明になった「室蘭女子高生失踪事件」についてご紹介してきました。
すでに事件から20年ほど経過し、迷宮入り事件ひとつとなっています。忽然と姿を消した千田麻未さんが、まだどこかで生きていることを祈ります。