2004年に発生した強盗強姦殺人事件「千葉県茂原市女子高生殺人事件」が話題です。
ここでは「千葉県茂原市女子高生殺人事件」の被害者の女子高生・高中香織さん、斎藤義仁、神明勝信ら犯人5人、裁判や判決、犯人たちの現在などについてまとめました。
この記事の目次
千葉県茂原市女子高生殺人事件の概要
遺体が発見された廃墟「ホテル活魚」
「千葉県茂原市女子高生殺人事件」は、2004年12月22日に千葉県茂原市で発生した強盗強姦殺人事件です。
その日の午前4時半頃、千葉県茂原市町保のJR茂原駅の前を歩いていた女子高生2人が、5人組の男達に突然襲われて暴行を受けてお金を奪われた上、当時17歳の高校2年生だった高中香織さんが軽自動車に無理矢理乗せられて連れ去られました。
一緒に歩いていた高中香織さんの友人は、ポーチを奪われたものの逃亡し、「5人くらいの男に口を塞がれバッグを奪われた。友達も連れ去れらた」と警察に通報した事で警察の捜査が開始され、すぐに地元の不良グループによる犯行だと判明。
千葉県警茂原署は不良グループのリーダー・斎藤義仁(当時20歳)らを取り調べたところ、供述の通り、同県東金市油井にある「活魚」というホテルの廃墟に遺棄された被害者・高中香織さんの遺体が発見されました。
被害者・高中香織さんの遺体は、同廃墟内に放置されていた冷蔵庫の中に入れられており、犯人らが高中さんの遺体を隠蔽しようとした形跡が見られました。
これを受けて、千葉県警茂原署は、千葉県茂原市下永吉に住む無職・斎藤義仁(当時20歳)をはじめ、いずれも同市内に住む、配管工の少年(当時18歳)、県立高校1年生の少年(当時16歳)、無職の少年(当時16歳)の4人を殺人及び死体遺棄の容疑で逮捕しています。
また、警察は神明勝信(当時21歳)という男を共犯者と断定し指名手配しました。神明勝信は逃亡しましたが、犯行から1週間後の12月29日に埼玉県上尾市内の友人宅アパートに隠れていいたところを逮捕されています。
犯人らが高中香織さんを殺害した動機
出典:https://lh3.googleusercontent.com/
犯人らはひったくり目的で高中香織さんらを襲い、軽乗用車に乗せて高中さんを連れ去って市内の某トンネル内で性的暴行を加えています。
その時、犯人らの1人が高中さんが中学校の同級生の妹で、顔見知りである事に気がつき、それを他の4人と話し合った上で、強盗と強姦がバレる事を恐れて殺害することに決め、廃墟「ホテル活魚」へと連れ去った上で、同日午前6時半頃、落ちていた電気コードで首を絞めて殺害し、放置されていた冷蔵庫の中に隠したと警察の取り調べに対して供述しています。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の被害者は高中香織さん(当時高校2年生)
事件発生現場となったJR茂原駅前
「千葉県茂原市女子高生殺人事件」の被害者の高中香織さんは3人姉妹の次女で事件当時17歳、千葉県茂原市新小轡の「千葉県立長生高等学校」の定時制に通う高校2年生でした。
経済的な事情で昼間はアルバイトをし、夜間に高校を通っていたという事で、教科書代などを免除される奨学生に選ばれるなど優秀で真面目な生徒だったそうです。
同高校の当時の教頭は被害者の高中香織さんの人柄について「生活態度も落ち着いており、友人関係も良好だった」とコメントしています。
また、近隣に住む女性は高中香織さんのことを「気持ちの優しい子だった」とコメントしています。
事件にあった時間が午前4時半の深夜帯であった事などから不良少女なのでは?との噂も流れましたが、この日はたまたま友人とカラオケ店で遊んだ帰り道だったそうで、普段から夜遊びをしていたというわけではなかったようです。
また、被害者・高中香織さんは中学時代から交際していたという男性と結婚の約束をしていたとの情報も出ています。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の犯人① 無職・斎藤義仁
「千葉県茂原市女子高生殺人事件」の主犯格とされる犯人は当時20歳の無職・斎藤義仁という男です。
斎藤義仁は「千葉県茂原市女子高生殺人事件」を起こす前にも何度も犯罪しており、この事件をきっかけに起訴された事件だけでも強盗強姦罪1件、強盗傷人罪2件、恐喝・傷害罪1件、窃盗4件に上ります。これ以外にも起訴されていない余罪が相当あると思われます。
斎藤義仁は事件の半年ほど前に「藤友会」というグループを結成し、10人ほどのメンバーで暴れ回り、窃盗などを繰り返していたようです。この事件で逮捕された他の4人もこの「藤友会」のメンバーでした。
斎藤義仁は父親が暴力団の組長で、5歳の時に両親が離婚し当初は母親に引き取られて暮らしていましたが、1994年からは父親の下で暮らしていました。
共犯の神明勝信は幼馴染の同級生で、中学卒業直後の2000年にもこの神明と2人で強盗致傷事件を起こし、初等少年院に送致されています。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の犯人② 職業不詳・神明勝信
「千葉県茂原市女子高生殺人事件」のもう1人の主犯格とされている犯人がこの神明勝信(当時21歳)です。
この神明勝信もまた、多くの余罪を追及されており、この事件の他に強盗傷人罪2件、恐喝罪2件、恐喝・傷害罪1件、窃盗罪4件で起訴されています。
犯行に使われた軽自動車はレンタカーで神明勝信の名義で借りられたものでした。また、被害者の高中香織さんは殺害される前に性的暴行を受けていますが、その性的暴行を主導したのがこの神明勝信だったようです。
神明勝信も少年時代から凶悪な不良であり、この逮捕以前にも強盗致傷等で中等少年院に少なくとも2度送致されています。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の犯人③ 10代の少年3名
主犯格の斎藤義仁と神明勝信以外の3人の犯人は事件当時未成年だったことから実名は公開されていませんが、ある程度の経歴などが明らかになっています。
まず、犯人のうち16歳の1人は斎藤義仁の実弟で、兄の影響もあって小学生の頃からシンナーを乱用。中学2年生だった2002年には引ったくりやバイクの窃盗事件を起こして2度の保護観察処分を受け、翌2003年には恐喝罪で初等少年院に送致されています。
少年院を仮退院した後はカラーギャング(当時流行した不良グループ)を結成し、兄の斎藤義仁に後見人を頼んでいます。しかしその後、この斎藤義仁の実弟は暴力団員になるためにこのカラーギャングをやめています。
もう1人の16歳の犯人はこの斎藤義仁の実弟の同級生で、斎藤義仁の実弟が結成したカラーギャングのサブリーダーを務め、実弟が抜けた後はリーダーを務めました。
18歳の少年の犯人は、斎藤義仁の父親の元で配管工として働いていました。
この少年3人も多くの余罪で追及されており、それぞれ複数の容疑で起訴されています。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の犯人の18歳少年は拘置中に自殺
「千葉県茂原市女子高生殺人事件」の犯人のうち、18歳の配管工の少年は2005年10月14日に拘置されていた千葉刑務所内で自殺しています。
詳細は不明ですが首吊り自殺だったようです。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の裁判と判決
「千葉県茂原市女子高校生殺人事件」の裁判は、千葉地裁で開かれ2005年11月16日に全員(自殺した1人を除く)の判決が下され確定しています。
裁判で下された判決はそれぞれ、主犯格の斎藤義仁と神明勝信の2人に無期懲役、斎藤義仁の実弟の16歳少年に懲役14年、その同級生の16歳少年に懲役13年というものでした。
犯人らは控訴せず、この判決が確定しています。
千葉県茂原市女子高生殺人事件の犯人の現在
2020年8月現在は、「千葉県茂原市女子高校生殺人事件」の犯人のうち16歳の少年2人はすでに出所しているはずですが現在どこで何をしているのかなどは不明です。
また、主犯の斎藤義仁と神明勝信の2人は、現在も刑務所に服役しているはずです。稀に見る凶悪犯罪による無期懲役刑であることに加えて、この2人は余罪があまりにも多く、そう簡単に仮出所が認められるとは思えません。
無期懲役刑の場合、仮釈放が認められるのは最短でも30年目です。その時に認められなければ次のチャンスはその10年後、それでも認められなければまたその10年後となります。その3度目の仮釈放審理でも釈放が認められなければ、その服役囚にはもはや釈放の機会はありません。
この斎藤義仁と神明勝信はその罪の重さから考えて、事実上の終身刑といっても良いでしょう。
なお、神明勝信は現在岐阜刑務所に収監されているとの情報もありますが、真偽は不明です。
まとめ
今回は、2004年12月22日に千葉県茂原市で発生した強盗強姦殺人事件「千葉県茂原市女子高生殺人事件」についてまとめてみました。
この事件は、なんの罪もない被害者の女子高生・高中香織さんが、当時20歳の斎藤義仁、当時21歳の神明勝信、そのほか3人の当時10代の少年ら5人の犯人に突然襲撃され、現金を奪われた上暴行を受け、強姦された後に首を絞められて殺害され遺棄された凶悪事件です。
裁判では、斎藤義仁、神明勝信の2人に無期懲役刑、当時16歳の少年2人にはそれぞれ懲役14年と懲役13年の判決が下されています。また、犯人のうち18歳の少年は拘置所内で首を吊って自殺しています。
現在、犯人のうち16歳の少年2人はすでに出所したと見られていますが、その後の行方は不明です。斎藤義仁、神明勝信の2人は現在も服役中です。この2人の凶悪性と余罪の多さから考えても仮釈放の可能性は低く、事実上の終身刑と言えるでしょう。