片山祐輔といえば、「PC遠隔操作事件」で冤罪を主張し、一時期は時の人となった人物となります。
この記事では、片山祐輔の生い立ちや弟など家族情報の他、「PC遠隔操作事件」の詳細、そしてその後の判決や現在についてまとめてみました。
この記事の目次
片山祐輔が起こした「PC遠隔操作事件」とは
片山祐輔、PC遠隔操作で4人を誤認逮捕に追い込む
片山祐輔は、2012年の初夏から秋にかけて「PC遠隔操作事件」を起こしています。
「PC遠隔操作事件」での片山祐輔は、インターネット掲示板を介して「トロイの木馬ウイルス」に感染させた被害者たちのPCを遠隔操作して、「匿名掲示板2ちゃんねる」や「はちま起稿」といった人気サイトなどで犯罪予告の書き込みを行っております。
その結果、2012年7月から9月にかけて、6人の男性が警察より事情聴取を受けて、4人が誤認逮捕されるといった悲劇が生まれてしまいました。
ちなみに、男性たちが誤認逮捕をされたとの一報を聞いた時の片山祐輔は、罪の意識に苛まれることもなく、「警察をはめ込んでやった!」という喜びの感情が湧いてきたそうですね。
一連の遠隔操作事件で、一時4人が誤認逮捕されたことについて「意外に簡単だった。逮捕されたと聞いて『やった』という気持ちになった」とも話したという。
片山祐輔、2013年2月10日に逮捕
片山祐輔は、2012年10月になると、弁護士やラジオ番組へ向けて、自身こそが「PC遠隔操作事件」の真犯人であることを主張する匿名メールを送っています。
2012年10月9日23時22分 – ネット上のトラブルに詳しい弁護士・落合洋司宛に真犯人から上記事件の犯行告白を主旨とするメールが送信される。
2012年10月10日22時20分頃 – TBSラジオの番組『ニュース探究ラジオ Dig』宛に、番組生放送中に真犯人から前述の事件に関して犯行目的や犯行内容の詳細、および他の類似の犯罪予告事件への関与などが記述された投稿が送られてくる。なお、この日はコンピューターウイルスの問題を取り上げており、「ネットウイルスの実態」を放送中であった。落合もこの日の番組に生出演していた。引用:パソコン遠隔操作事件
その結果、誤認逮捕されていた被害者たちの無罪が証明されて名誉が回復されることに繋がりましたが、「PC遠隔操作事件」は、ありふれた犯罪予告事件からマスコミ注目の大事件へと発展してしまうことになりました。
以降も報道機関や記者たちに匿名メールを送り続けた片山祐輔ですが、2013年1月5日に送り付けたメール内に、自身の特定に繋がるヒントを残してしまうという致命的なミスを犯してしまいました。
報道機関などに「犯行声明メール」が送り付けられ、世の中を騒がせたこの事件。とりわけ大きな反響を呼んだのが、真犯人を名乗る人物から昨年1月5日、報道機関に届いたメール。江の島の野良ネコに、犯人につながるヒントを取り付けたという内容で、実際に江の島で「グレイ」と呼ばれるネコのピンクの首輪から、メモリーカードが見つかった。
ITには詳しかったものの、江の島のあちこちに防犯カメラが設置されていることまでは念頭に置いていなかった片山祐輔は、警察により防犯カメラの映像を洗い出されて身元を特定された挙句、2013年2月10日に逮捕されております。
片山祐輔、冤罪を主張するもアリバイ工作が裏目に
警察に逮捕されて以降の片山祐輔ですが、江の島の防犯カメラの映像の中に、猫に首輪をつけるシーンまでは映っていなかった幸運に恵まれたこともあり、冤罪を主張しています。
その他にも、江の島の猫につけた首輪を万引きで入手していたことが功を奏し、購入歴などで証拠を残していなかった片山祐輔は、弁護団やジャーナリストたちを味方につけて、一時期は冤罪事件の被害者として注目を集めることにも成功しております。
例えば、遠隔操作ウイルスの設計図が入った記録媒体が見つかり、片山被告の逮捕の決め手になった神奈川・江の島の猫の首輪。捜査当局は江の島近くのスーパーで首輪を2個購入したとみていたが、弁護団の調べで購入記録がなかったことが分かり、無罪の心証を強めていた。
しかしながら、自身の逮捕のせいで憔悴し切った母親の姿に罪悪感を覚えた片山祐輔は、2014年5月16日の公判中に、真犯人より報道機関に匿名メールが届くようにアリバイ工作を試みたところ失敗。逆に、自身が犯人である絶対的な証拠を警察に掴まれてしまうことになりました。
5月16日の公判中、報道関係者などに対し、真犯人を名乗る「小保方銃蔵」からの電子メールが送られてきた。これを以って男性Xも自身の無実が証明されたと訴えたが、実際には男性X本人が秘密裏に入手していたスマートフォンを使って偽装工作を行っていたことが明らかになった。このスマートフォンについては15日夕刻に男性Xが荒川河川敷に埋めているのを警視庁の特殊捜査班に所属する捜査員が目撃しており、後に警察がこれを回収して調査したところ、公判中に発信されたメールの本文が発見され、またスマートフォンから男性Xと同じDNA型が検出された。
引用:パソコン遠隔操作事件
片山祐輔の生い立ちと経歴~脅迫罪で逮捕され1年6ヶ月服役していた
名前:片山祐輔(かたやま ゆうすけ)
生年月日:1982年5月10日
片山祐輔、学習院中等科時代にはいじめを受けていた
片山祐輔は、中学受験をして学習院中等科に進学するような優等生でしたが、本人的には小学3年時から受験勉強を続けていたのに第三志望の学校にしか受からなかったという挫折感を味わっていたそうですね。
学習院中等科時代の片山祐輔は、入学早々に同級生より物を隠されたり暴力を受けるといったイジメにあうこととなり、人生が暗転することになります。
入部した水泳部でも記録が伸びずに、後輩から1人だけ呼び捨てにされるような状況に陥るなど学校内に居場所がなくなった片山祐輔は、中学2年頃よりTVゲームに逃避するようになり、成績も大きく落ちてしまいました。
片山祐輔が、学習院中等科にて手酷いイジメを受けることとなった理由については、教師から「何を考えているか分からない」と言われるほどのコミュニケーション障害があったことが原因でした。
片山祐輔、内部進学出来ずに東京電機大学へ進学
学習院中等科進学以降の片山祐輔は、イジメによるストレスで成績ががた落ちしてしまったこともあり、高校はギリギリ内部進学出来たものの、大学は一般受験をして東京電機大学に通うことになりました。
環境を一新して新生活をスタートさせることとなった片山祐輔ですが、東京電機大学でも人間関係が上手く行かず、精神科に通い半年ほど休学したこともありました。
東京電機大学時代の片山祐輔は、対人問題をクリアすることが出来ずに、グループ課題の出る講義の単位が取得出来ない状況に陥ったため、4年通った末に中退しております。
大学中退後の片山祐輔は、IT技術を学ぶために専門学校に通うことになりましたが、学生時代に挫折を味わい続けたことで、自分の将来について何の希望も持てない状況だったようですね。
片山祐輔、専門学校時代に脅迫罪で逮捕され服役
片山祐輔には、専門学校時代の2005年に脅迫罪や名誉毀損罪で警視庁に逮捕された前科があります。
片山祐輔が脅迫騒動を起こしてしまった理由については、当時ネット界隈を騒がしていた「のまネコ問題」が原因となりました。
05年8月にモルドバ出身3人組・O-Zone(オゾン)のアルバム『恋のマイアヒ』がオリコン・アルバムチャート1位となり、日本で“マイアヒ旋風”が巻き起こった。そのPVでは、2ちゃんに書き込まれていた、いわゆる・アスキーアートと呼ばれた猫のキャラ・モナーなどが楽しそうに踊っていました。これは、2ちゃんで誰かが制作したフラッシュ動画を修正したものですが、エイベックスはPVのキャラクターを基に商用キャラを作成。グッズではこのキャラクターを『のまネコ』として『(C)のまネコ製作委員会』という著作権表示をしていました。それに対し、ネットユーザーが『長年インターネットの共有財産として愛されてきたモナーを改竄、私物化して金儲けをしようとしている』と指摘し、大騒動に発展。
「のまネコ問題」では、「匿名掲示板2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」のユーザーたちの中に、エイベックスに対して脅迫的な書き込みをした人間が多数出たため、警察に逮捕される事例が続出していました。
片山祐輔も「のまネコ問題」でエイベックス社員への殺害予告をしていたらしく、脅迫罪などで警察に捕まってしまい、懲役1年6ケ月の実刑判決が下っています。
一見すると転落人生まっしぐらだった片山祐輔でしたが、刑務所生活では人付き合いや友達作りといった基礎的なコミュニケーション術を学べたこともあり、本人的にはかなり有意義な時間だったようですね。
片山祐輔、出所後はIT関連会社に就職していた
出所後の片山祐輔については、ニートにはならず東京・品川区にあるIT関連会社に就職をすることになりました。
就職後の片山祐輔に関しては、服役中にコミュニケーション術を学べていたこともあり、以前のような人間関係に苦労する状態には陥らず、同僚からは明るい社交的な人間だと思われていました。
また、旅行やバイクでのツーリングといったアウトドアな趣味も身についていたらしく、人生において一番充実した時期だったようですね。
片山祐輔の家族情報~弟は妻子もいる実業家のリア充だった
片山祐輔、日本IBMエリートの社員だった父親は58歳で死去
片山祐輔の家族には、2009年1月に58歳の若さで亡くなってしまった父・丑田俊二さんがいました。
福島大学を卒業後に日本IBMに勤務していた丑田さんは、2000年には「コンサルティングSEへの道―こうして高めるあなたの市場価値」という本を日刊工業新聞社から出版するほど、その筋では有名なSEでした。
その他にも、市井のアマチュア数学研究家でもあった丑田さんは、2002年には中央出版社から「数学が思わず好きになってしまう本」を出版するなど、充実した日々を送っていたようですね。
しかしながら、2005年に長男である片山祐輔が脅迫罪で逮捕されて以降は、息子の保釈金1800万円を負担する羽目になった他、日本IBMの出世レースから外れてしまったとの噂まであるほど不遇な晩年を過ごしています。
ちなみに、片山祐輔は元々は丑田祐輔が本名だったようですが、父親の病死直後から母方の片山姓を名乗るようになりました。
片山祐輔が丑田姓を捨てた理由については、「のまネコ問題」での「丑田祐輔」としての逮捕記事がネット上に残ってしまっているため、前科バレしてしまうなど、不自由な部分があったのではないかと思われます。
片山祐輔、母親との仲は良好だった
片山祐輔の家族には、母・Aさんもいます。小学時代は、お受験ママだったAさんを苦手に思っていた時期もあったという片山祐輔ですが、成人後は一緒に旅行に出かけることもあるほど良好な母子関係となりました。
後述する「PC遠隔操作事件」で片山祐輔が逮捕された際には、老後の貯えから1000万円の保釈金を負担しているAさんですが、前科2犯となった息子を見捨てることもなく、出所の日を待っていたようですね。
事務所で事件への関与を説明し終え、片山被告がスマートフォンの電源を入れると、母親からのメールが届いていた。「あなたが真犯人だったとしても受け入れる」。そんな文面を読み、片山被告が母親に電話をかけた。「悪かった、悪かった」。こう繰り返しながら、母親からのメールや電話の時だけ、片山被告は涙ぐんだという。
片山祐輔、2歳下の弟は実業家として活躍
片山祐輔には、2歳年下の弟もいたようですね。兄同様に中学受験をして学習院中等科に入学した弟は、高校を卒業後は有名私大を受験して外部進学をしたと言われております。
その後も有名企業に就職した後、若くして起業をした弟は結婚をして子供もおり、「PC遠隔操作事件」当時は実家からは独立した身となっていました。
片山祐輔のイケメンコラ画像が話題~特徴的な眉毛コラ画像も登場
「PC遠隔操作事件」で日本中の注目を集めることとなった片山祐輔ですが、ネット上ではそのインパクトのある容姿ゆえに、色々なコラ画像が作られています。
イケメン化画像その1
イケメン化画像その2
当初はイケメン化画像を作られることも多かった片山祐輔ですが、次第にその特徴的な眉毛が注目されてしまい、眉毛をいじった画像が量産されることになりました。
眉毛改造画像その1
眉毛改造画像その2
片山祐輔のその後~精神鑑定で「自閉症スペクトラム」だったと判明
真犯人であることがバレてしまい、逃げ道を完全に失ってしまった後の片山祐輔ですが、実は公判中に精神鑑定を行っています。
「PC遠隔操作事件」前後の片山祐輔は、人生で最も充実した日々を過ごしており、ストレスから犯罪に走るような悩みも抱えていない状況でした。
そのため、片山祐輔本人も何故犯罪に走ったのか明確な理由が思いつかない状況だったため、一度精神鑑定を受けて自身の状況を把握したいという想いが強かったようですね。
片山祐輔の精神鑑定の結果は、2014年11月に担当弁護士より明らかにされており、「自閉症スペクトラム」の障害を持っている可能性が高いとのことでした。
片山祐輔の現在~懲役8年の実刑判決・今は出所
片山祐輔、実刑判決を受け収監される
片山祐輔は、2015年2月に東京地裁より「懲役8年」の実刑判決が下り刑務所に収監されました。
4人が誤認逮捕された遠隔操作ウイルス事件で、威力業務妨害やハイジャック防止法違反などの罪に問われたIT関連会社元社員、片山祐輔被告(32)の判決公判が4日、東京地裁で開かれた。大野勝則裁判長は「無実の人への影響を顧みず、捜査機関を出し抜いてやろうとした悪質なサイバー犯罪だ」として片山被告に懲役8年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。
ちなみに、服役前に受けたインタビューでは、出所後の人生に関して不安を覚えてたようです。
前回の出所後には無事就職することが出来た片山祐輔でしたが、今回は悪名が全国に知れ渡ってしまったため、再就職先が見つからない可能性が高そうなことが本人的には不安要素だったようです。
片山祐輔、刑期を終え出所する
懲役8年の実刑判決を受けた片山祐輔ですが、刑期を終え2023年に出所しているようです。
出所後の足取りについてはつかめていませんが、その能力を社会貢献のために発揮してくれていることを願わずにはいられません。
そういえば、パソコン遠隔操作事件の片山祐輔くんは、今年刑期満了で出所予定なのか。
— まつる (@matsuru12) June 1, 2023
もう出所したのかなあ。
伝説の2014年組の片山(ゆうちゃん)出所したらしい pic.twitter.com/yL2YkPoRWC
— あんぱん.zip (@loveWindowPhone) June 20, 2023
片山祐輔についてまとめると…
・片山祐輔は専門学校時代の2005年に脅迫罪や名誉毀損罪で警視庁に逮捕され、1年6ヶ月の実刑判決を受け服役していた過去があった
・片山祐輔の父親は日本IBMに勤務していたが58歳で死去、弟は妻子もいる実業家のリア充だった
・片山祐輔はインパクトのある容姿ゆえに、イケメンコラ画像や眉毛をいじったコラ画像が多数量産された
・片山祐輔は2015年2月に懲役8年の実刑判決を受け服役していたが、2023年に出所している
生い立ちや障害を考えると、同情すべき部分もある片山祐輔だけに、罪を償い更生出来る日が来ることを祈っています。
片山祐輔が3度目の犯罪を犯す日が来ないことを願いつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。