将来を嘱望されていたプロボクサーの穴口一輝さんが試合1ヶ月後に死去しました。
この記事では穴口一輝さんの身長、家族や嫁との結婚や子供、自宅、試合後の痙攣や年間最高試合に選ばれた試合動画、緊急手術から死去までの経緯、現在や死因などについてまとめました。
この記事の目次
穴口一輝のプロフィール
穴口一輝のプロフィール
生年月日:2000年5月12日
没年月日:2024年2月2日(没年23歳)
出身地 :大阪府岸和田市
身長 :166cm
血液型 :不明
穴口一輝(あなぐち・かずき)さんは、アマチュア76戦68勝8敗という申し分のない成績で2021年にプロに転向し、プロデビュー戦以来無敗の6連勝を飾り、いずれは世界も狙える逸材として注目されていた若手のプロボクサーでした。
しかし、プロ7戦目となった2023年12月26日の「バンタム級モンスタートーナメント決勝大会日本バンタム級タイトルマッチ」にて、堤聖也さんと互いに一歩も譲らぬ壮絶な打ち合いを演じ、終盤までポイントでリードしながらも計4度のダウンを奪われて逆転負けを喫し、身体も深刻なダメージを受け、試合終了後に控え室で意識を失い病院に緊急搬送されました。
穴口一輝さんは右硬膜下血腫と診断され、緊急の開頭手術が行われましたが、そのまま意識が回復せずに2024年2月2日に23歳という若さで亡くなりました。
穴口一輝の経歴
穴口一輝さんは大阪府岸和田市の出身で、6歳の時から地元・岸和田市内のジムに通ってボクシングを始め、岸和田大芝小学校5年生と6年生時に全国制覇を成し遂げています。
小学校卒業後は、スポーツにも力を入れる私立の中高一貫校「芦屋学園中学校・高等学校」にスカウトされて進学しボクシング部に所属。高校では1年生時にライトフライ級で全日本UJボクシング大会で優勝するとフライ級で2冠を達成するなど実績を残しました。
高校卒業後は、芦屋大学へ進学してボクシングを続け、関西学生リーグで1年目から5戦5勝をマークしバンタム級階級賞を獲得し子供の頃からの夢だったという東京2020オリンピック出場を目指すも予選で敗退。この時に穴口一輝さんは1度ボクサーを辞めようとして1年間にわたってボクシング競技から離れています。
しかし、両親と以前から親交があったという真正ボクシングジム会長の山下正人さんから「必ずチャンピオンにするから」とスカウトを受けました。
これをきっかけに、穴口一輝さんは再びボクサーとして戦う事を決め芦屋大学を3年で中退して真正ジムに入門。2021年6月にB級プロテストに合格し2021年7月にプロデビュー戦でKO勝ちを収めると、連勝を重ね2023年8月30日のバンタム級モンスタートーナメント準決勝まで負けなしの6連勝を飾りました。
そして、穴口一輝さんは2023年12月26日にWBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 井上尚弥VSマーロン・タパレス戦の前座として行われた、「バンタム級モンスタートーナメント決勝大会」を兼ねたJBC認定バンタム級タイトルマッチ賞金1000万にて、第75代日本バンタム級王者の堤聖也さんと対戦しました。
この試合では、序盤から穴口一輝さんが持ち前の技術とスピードを活かして優勢に展開し、5ラウンド終了後のオープンスコアではポイントでリードしていました。
しかし、堤聖也さんも得意の打ち合いの展開に持ち込み、4ラウンドで1度目のダウンを奪うと、7ラウンドでも右フックでダウンを奪い、終盤9ラウンド10ラウンドと立て続けにダウンを奪いました。ダウンのたびに立ち上がった穴口一輝さんでしたが、最後の判定では0-3で逆転負けを喫し、プロになって初の敗戦となりました。
この試合終了直後、穴口一輝さんは足を激しく痙攣させるなど立っていられない状態になり、控え室に戻った後に意識不明の状態となって病院に救急搬送されました。その後、緊急手術を受けた穴口一輝さんでしたが、そのまま意識が戻らず23歳の若さで死去しています。
穴口一輝さんのプロボクサーとしての生涯戦績は「7戦6勝2KO1敗」でした。
穴口一輝の身長は166cm
穴口一輝さんの身長は「166cm」です。バンタム級のボクサーとしては平均より若干だけ高い身長でした。
身長166センチの左ボクサーとして注目されていた期待のホープだった。
穴口一輝の家族① 両親
穴口一輝さんの家族については、両親と祖父母、兄弟は弟、妹、また結婚していて嫁と子供がいる事が明かされています。
穴口一輝さんの両親については具体的な情報は明かされていませんが、穴口一輝さんの死去報道後「ボクシングチケット・ドットコム」のXで両親のコメントが発表されています。
この度の穴口一輝選手へのご厚意につきまして、ご両親から皆様へのお礼の連絡がありましたので、この場を借りてお知らせいたします。
— ボクチケ.comのナカノひと (@boxing_ticket) February 3, 2024
皆様のご厚意、本当にありがとうございました。
感謝の言葉しかありません。
こんなに沢山の方々が息子の応援をしてくれているのかと思うと胸がいっぱいです。…
穴口一輝の家族② 弟は穴口一誠さん
穴口一輝さんの弟は穴口一誠さんという方です。
岸和田市のボクシングジム「ボクシングアカデミーBB」のブログに以下の投稿がありました。同ブログには弟は穴口一誠さんの画像も紹介されていました。
穴口一誠が兄の一輝のポスター持って来た!穴口一輝メイウェザーみたい!笑頑張れよ‼️^_^
穴口一輝の家族③ 年齢の離れた妹
穴口一輝さんには年齢の離れた妹さんもいるようです。
2014年に穴口一輝さんは妹の幼稚園に送ってきたとXに投稿されていました。
今日は学校やすみなので妹の幼稚園に送ってきたった笑笑 pic.twitter.com/N5CcAdqj4M
— 穴口一輝 (@Kazukiidatenko1) September 28, 2014
2014年に幼稚園という事は、現在は小学校高学年か中学生ではないかと思われます。
穴口一輝の家族④ 結婚していて嫁がおり子供も1歳になる娘が1人
穴口一輝さんは結婚されていて、1歳になる子供もいる事が一部報道で明かされています。
穴口一輝さんが亡くなった時、両親や兄弟、祖父母、いとこ、嫁と子供で看取ったと真正ボクシングジム会長の山下正人さんが明かされています。
山下会長は後楽園ホールでの主催興行前に、気丈に穴口さんの最期の状況を説明。「苦しむことなく、穏やかな顔をずっとしたままで呼吸停止した。ご両親、兄弟、おじいさん、おばあさん、いとこ、奥さん、娘さんと自分が最期まで看取った」
穴口一輝さんの嫁についての具体的な情報はありませんが、子供はまだ1歳の娘で、試合の賞金で家族で旅行に行く事を楽しみにしていた事などが一部報道で明かされています。
1歳の娘を持ち、優勝賞金で家族旅行に行くことを楽しみにしていた。
穴口一輝の自宅
出典:https://kobehigashinada.goguynet.jp/
穴口一輝さんの自宅は明かされていませんが、所属していた「真正ボクシングジム」は兵庫県神戸市東灘区青木にあるため、穴口一輝さんの自宅も神戸市内にあった可能性が高いと思われます。
穴口一輝さんは結婚されていて子供もいたという事なので、ジムの近くに自宅を構えて何か仕事をされながらジムでトレーニングを積む日々を送られていたのだと思われます。
穴口一輝は試合後に足が激しく痙攣して立てない状態だった
穴口一輝さんは2023年12月26日、東京・有明アリーナでの日本バンタム級トーナメント決勝戦で日本王者の堤聖也さんと対戦し10ラウンドにわたる壮絶な打ち合いを演じました。
この試合終了後、穴口一輝さんは足が激しく痙攣し、自力では立てない状態になってセコンドにサポートされながらリングを降り控え室へと戻りました。
穴口は試合後、足が痙攣し立てない状態に。セコンドにサポートされながらリングを降り、病院に直行した。
穴口一輝さんの足が激しく痙攣する様子は試合のテレビ中継でも映し出されており、その場面の動画がネット上でも拡散されていましたが、あまりに衝撃的で精神的なショックを受ける方も多いためか現在はほとんどが削除されています。
穴口一輝さんが足を激しく痙攣させ、明らかに様子がおかしく見るからに危険な状態であったのに、なぜ担架を使ってすぐに救急搬送しなかったのかと試合後の対応についての意見も少なからず見られるようです。
穴口一輝選手!頑張れ!
— Dark Knight (@DarkKnight_jp) December 31, 2023
試合では穴口選手はしっかりと立ち上がり、ファイティングポーズ取っているので、ジャッジも試合と止めることは困難。だが映像観直すと試合終了直後、コーナーで既に痙攣起き、立つことすら困難になっている。秒を争う状況なのに、何故その時点で担架で救急搬送しなかった。
穴口一輝の試合後の足の痙攣、あれは他でも見たことがあり、本当に危ない兆候。試合後、無事だといいのだが…。
— RYO KATAOKA with Cats 🇯🇵/🇲🇾 片岡亮 (@GENRON_NEKORON) December 27, 2023
ただ、その事は当のセコンドの方が最も後悔し悔やんでおり、現在も苦しんでいるのではないかと思われます。今後同じような事が起こらないようにボクシング関係者がこの件を心に刻む事は大切だとは思いますが、部外者が責任を追及するような事は絶対に避けた方が良いです。
穴口一輝の最後の試合の動画
出典:https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/
穴口一輝さんの最後の試合となった、2023年12月26日の「バンタム級モンスタートーナメント決勝大会日本バンタム級タイトルマッチ」での堤聖也さんとの対戦は、穴口一輝さんがその試合後に命を失ったという悲劇を考慮せず単純にボクシングの試合としてだけ見れば、スポーツとしてのボクシングの面白さが詰まった素晴らしい試合でした。
この試合は、日本ボクシングコミッションの2023年度年間表彰選手選考会で世界戦以外での年間最高試合に選出されています。
YouTubeに海外で放送された穴口一輝さんと堤聖也さんとの試合の動画がフルで上がっていたので紹介しておきます。
穴口一輝さんが試合後に亡くなった事は悲劇ですが、この試合そのものを否定するのは穴口一輝さんの人生も否定する事になるような気がします。ボクシングファンとしてはこの試合を伝説の一戦として語り継ぐ事しかできません。
穴口一輝は緊急手術を受けるも意識が回復せず
出典:https://static.chunichi.co.jp/
穴口一輝さんは12月26日の試合後に救急搬送された後、意識不明の重体で緊急手術を受けていた事が2023年12月30日に日本ボクシングコミッションから発表されました。
プロボクシングの日本バンタム級3位の穴口一輝(23)=真正=が、右硬膜下血腫により緊急手術を受け、現在経過観察中だと30日、日本ボクシングコミッション(JBC)が発表した。意識不明の重体で東京都内の病院に入院しており、JBCの安河内剛本部事務局長(62)によると、「大変厳しい状態で、ここ数日が山」だという。
引用:【ボクシング】穴口一輝が右硬膜下血腫により緊急手術を受け、経過観察中とJBC発表 26日に日本タイトルマッチで判定負け
穴口一輝さんの緊急手術と意識不明の重体の報道を受けて、プロボクシング4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥さんもXを更新し、穴口一輝さんを心配する投稿をされていました。
穴口選手の回復を心よりお祈り申し上げます。 https://t.co/PgPxxkflye
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) December 30, 2023
緊急手術後の2024年1月18日、穴口一輝さんの所属する「真正ボクシングジム」のインスタグラムで未だに意識が回復しておらず現在も懸命の治療が続いている事が発表されました。
すでに多くの方がネットニュースなどでご存じかと思いますが、
昨年12月26日(火)に、東京有明アリーナにて行われた、
日本バンタム級タイトルマッチに出場した当ジム所属 穴口一輝が、試合直後病院に搬送され、右硬膜下血腫と診断されました。
意識は未だ回復しておりませんが現在も懸命に治療を続けております。
こうした一連の発表を受けて、穴口一輝さんを心配する声がネット上でも多数上がっていました。
穴口一輝さんの最後の試合となった堤聖也さんとの激闘は多くのファンを感動させていただけに、強いショックを受けた方も多かったようです。
また、JBCは開頭手術を受けた選手の試合を許可していないため、この緊急手術報道で穴口一輝さんのプロボクサー引退も確定となりました。穴口一輝さんは世界も狙える逸材と期待を集めていたためにその才能を惜しむ声も多く見られました。
穴口一輝の現在① 緊急手術から約1ヶ月後に23歳という若さで死去
緊急手術から約1ヶ月後の2024年2月2日に穴口一輝さんは23歳の若さで亡くなりました。
昨年末のボクシング日本バンタム級タイトル戦後、右硬膜下血腫のために開頭手術を受けていた元日本同級ランカー穴口一輝さん(真正)が2日午後5時38分、死去した。23歳だった。
穴口一輝さんの家族と一緒に穴口一輝さんの最期を看取られた真正ジムの山下正人会長によると、試合が終わって救急搬送され緊急手術を受けてからずっと穴口一輝さんは苦しむ事なく穏やかな顔をしたまま呼吸停止したとの事でした。
また、両親や兄弟、祖父母、いとこ、お嫁さんや子供も試合から1ヶ月間の期間で覚悟ができていたために、取り乱す方もいなかったとも山下会長は明かされていました。
穴口一輝さんの死去報道を受けて、WBA世界スーパーフライ級チャンピオンの井岡一翔さんがインスタグラムを更新し、その死を悼むコメントを発表されています。
あの日拳を交えた少年は穴口選手だったんだね先日、それを知った時は本当に驚いた
果敢に一生懸命パンチを当てようと打ち込んできた姿は今でも鮮明に覚えてるよこんなにも立派なファイターになったんだね穴口選手の勇姿は忘れないご冥福をお祈りします
実は過去に、穴口一輝さんと井岡一翔さんはスパーリングをした事があったそうです。穴口一輝さんは生前憧れの選手として井岡一翔さんの名前を挙げていました。
穴口一輝の現在② 葬儀には約300人が参列
穴口一輝さんの遺体は出身地で実家のある大阪府岸和田市に運ばれ、通夜は2024年2月5日に、葬儀・告別式は6日に行われました。
穴口一輝さんの葬儀・告別式には約300人の方が参列されたという事です。最後の試合で対戦した堤聖也さんも参列されたという事でした。
右硬膜下血腫のため2日に亡くなったプロボクシング元日本バンタム級3位・穴口一輝さん(享年23)=真正=の葬儀・告別式が、地元の大阪・岸和田市内の葬儀場で行われ、約300人が弔問に訪れた。真正ジム・山下正人会長や同ジム先輩の元WBO世界ミニマム級王者・山中竜也(28)のほか、昨年12月26日の日本バンタム級タイトルマッチで穴口さんと対戦した前同級王者・堤聖也(28)=角海老宝石=も参列。
穴口一輝の死因は右硬膜下血腫
穴口一輝さんの死因は「右硬膜下血腫」と発表されています。
穴口一輝さんの死因となった「硬膜下血腫」は、社会福祉法人恩寵財団済生会オフィシャルサイトの急性硬膜下血腫の説明によると以下の内容です。
頭蓋骨の下にある硬膜(脳と脊髄を覆う膜の一つ)と脳の間に出血が起こり、そこに出血した血液が急速にたまることで、脳を強く圧迫する状態です。
ほとんどの場合頭部の外傷が原因となるという事で、外傷によって脳が傷ついて脳挫傷になり、その出血によって引き起こされるとの事です。また、頭部に大きな力がかかって脳の表面の血管が損傷し出血して引き子される場合もあるという事です。
急性硬膜下血腫は、脳の損傷を伴うため発症直後から意識障害が見られるという事です。穴口一輝さんの意識が回復しなかったのは脳の損傷による意識障害が起きていた事も関係しているのかも知れません。
まとめ
今回は、2023年12月26日の「バンタム級モンスタートーナメント決勝大会日本バンタム級タイトルマッチ」で、第75代日本バンタム級王者の堤聖也さんと壮絶な打ち合いを演じた試合後に救急搬送され意識不明のまま23歳で死去したプロボクサーの穴口一輝さんについてまとめてみました。
穴口一輝さんは身長166cmのバンタム級のプロボクサーで堤聖也さんとの試合までプロで6戦全勝の成績を残し将来を期待されていた若手のホープでした。
穴口一輝さんの家族んついては、両親と弟、妹、祖父母の他、結婚されていて嫁と1歳になる子供(娘)がいる事などが明かされています。
穴口一輝さんの自宅は非公表ですが、所属ジム「真正ボクシングジム」が兵庫県神戸市にある事から神戸市内に自宅を構えていた可能性が高いとみられています。
穴口一輝さんは2023年12月26日の試合後に足が痙攣して立てなくなるなど尋常でない様子を見せ控え室で意識を失って救急搬送されています。その後、病院で緊急手術を受けるも意識が回復せず約1ヶ月後の2024年2月2日に23歳という若さで死去しました。
穴口一輝さんの死因は「右硬膜下血腫」と発表されています。
現在も穴口一輝さんの早すぎる死を悲しむ声や、将来は世界を狙えるとも言われていたその才能を惜しむ声が多く上がっています。