日本の夏の風物詩とも呼べる24時間テレビですが、その中心企画であるチャリティマラソンに関しては、ネット上でのやらせ疑惑が絶えません。
この記事では、歴代の24時間マラソンランナー、およびネット上での「チャリティマラソンやらせ疑惑」の真実についてまとめてみました。
この記事の目次
24時間テレビ 「愛は地球を救う」とは
放送開始時期:1978年8月26日
制作局:日本テレビ
放送国:日本
1978年より始まった24時間テレビですが、元々はアメリカのチャリティキャンペーン「レイバー・デイ・テレソン」を真似て始まった番組だったそうです。
スポンサーの消極的な反応や局内の反対意見などにより、1回限りの特別番組の予定だった24時間テレビですが、視聴者からの募金額の大きさに次回以降の継続が決定したと言われています。24時間テレビに関しては、いわば民意が継続させた番組とも呼べる成り立ちがあることになります。
そんな24時間テレビの名物企画であるチャリティマラソンですが、歴史は案外浅かったりします。
番組がスタートして十数年も経てば、企画面でのマンネリ化の声も聞こえ始めて来ます。そのため、日本テレビが1992年に、「24時間テレビの改革」として始めた企画の1つがチャリティマラソンとなりました。24時間テレビのテーマ曲として有名な「サライ」も、実はこの年から採用されたものだったりしますね。
以降は「サライ」共々24時間テレビの顔へと成長したチャリティマラソンですが、2000年代に入るとネット社会化の影響か、やらせ疑惑も囁かれるようになっていますね。
24時間テレビのチャリティマラソンは初回から波乱含みだった
1992年より始まった24時間テレビ内企画であるチャリティマラソンですが、記念すべき第1回目のランナーはお笑い芸人の間寛平さんでした。
第1回のチャリティマラソンに関しては、企画としては失敗に終わっています。スタッフの不手際により、マラソンコースが事前に漏洩してしまったせいでコース上に人が集まり、間さんがゴールまでたどり着くことが出来なかったためです。
以降は、マラソンコース情報を非公開にするなど野次馬対策を取ることにより、ランナーが安心してゴールを目指せる体制となりました。
24時間テレビの歴代マラソンランナーと走行距離まとめ
1993年:間寛平→200キロ再チャレンジ
1994年:ダチョウ倶楽部→100キロ
1995年:間寛平→600キロ神戸~東京を7日間で完走
1996年:赤井英和→100キロ
1997年:山口達也→100キロ
1998年:森田剛→100キロ
1999年:錦野旦→110キロ
2000年:トミーズ雅→150キロ
2001年:研ナオコ→85キロ
2002年:西村知美→100キロ
2003年:山田花子→110キロ
2004年:杉田かおる→100キロ
2005年:丸山和也→100キロ
2006年:アンガールズ→100キロ
2007年:萩本欽一→70キロ(ゴール時刻21:05)
2008年:エド・はるみ→113キロ(ゴール時刻20:42)
2009年:イモトアヤコ→126,585キロ(ゴール時刻21:12)
2010年:はるな愛→85キロ(ゴール時刻20:45)
2011年:徳光和夫→63,2キロ(ゴール時刻20:44)
2012年:佐々木・北斗一家→120キロ(ゴール時刻20:58)
2013年:森三中・大島→88キロ(ゴール時刻21:20)
2014年:城島茂→101キロ(ゴール時刻20:48)
2015年:DAIGO→100キロ(ゴール時刻20:44)
2016年:林家たい平→100.5キロ(ゴール時刻20:46)
2017年:ブルゾンちえみ→ 91.45キロ(ゴール時刻20:48)
2018年:みやぞん→161.95キロ(水泳1.55km→自転車60.4km→マラソン100km、ゴール時刻20:45)
2019年:近藤春菜・よしこ・水卜麻美・いとうあさこ→合計148.78km(駅伝形式、ゴール時刻20:58)
2020年:高橋尚子・土屋太鳳・吉田沙保里・陣内貴美子・松本薫・野口みずき→高橋以外の5人で合計120km、高橋は116km(ランナーが5km走るごとに10万円募金、高橋以外は日曜夕方に完走、高橋は目標距離を完走した後も番組終了時まで続行)
2021年:岸優太・水谷隼・新川静香・川井梨沙子・川井友香子・五郎丸歩・田中理恵・長谷川穂積・丸山桂里奈・林咲希・城嶋茂→合計100km(リレー形式、ゴール時刻20:50)
2022年:兼近大樹→100km(ゴール時刻20:43)
1992年、1993年、1995年の計3回ランナーに選出されています。
24時間テレビのチャリティマラソンですが、特に初期の頃に関しては、企画定着のためかその時代に旬となっている芸能人がランナーに選ばれる傾向にありました。
1996年には、当時「セカンド・チャンス」や「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」といった人気ドラマで主演をしていた赤井英和さんが、チャリティマラソンのランナーに選ばれています。
この頃の山口さんは、「番茶も出花」や「小児病棟・命の季節」といったテレビドラマで活躍していました。
続く1998年には、当時人気絶頂期だったV6から森田剛さんがランナーに選ばれていますね。この人気者路線が変更されたのは、1999年にランナーに選ばれた「にしきのあきらさん」からとなります。
24時間テレビマラソンの都市伝説:やらせ疑惑について
テレビ番組には、基本的に演出という名のやらせが多かれ少なかれあるものですね。24時間テレビのチャリティマラソンに関しても、ネット上ではやらせ疑惑が囁かれていたりします。チャリティマラソンのやらせ疑惑に関しては、まずランナーが日本武道館に到着するタイミングがおかしいとの声が挙がっています。
チャリティマラソンはゴール到着時間を調整している?
24時間テレビは、会場となる日本武道館を中心に、各地で同時進行している様々な企画がテレビ中継されるという方式の番組です。
とはいえ、毎回のように番組のフィナーレの時間に合わせてランナーがゴールする姿は、さすがに都合の良すぎる展開ではあります。
ランナーの性別や年齢に合わせて変動するチャリティマラソンの走行距離ですが、基本的には100kmが1つの基準となっていると言えます。この100kmという走行距離は、それなりの市民ランナーレベルならば、10時間もあればゴールまでたどり着ける距離だったりしますね。
そのため、チャリティマラソンには、本来はもっと早くゴール出来るはずなのに、エンディングに合わせて到着時間を調整しているという疑惑がネット上で囁かれ続けている状況です。
チャリティマラソンは走行距離を水増ししている?
コース上に野次馬が押し寄せることを避けるために、チャリティマラソンの走行ルートは非公開となっている24時間テレビですが、その方針のせいで生じているやらせ疑惑があります。
チャリティマラソンに関するやらせ疑惑に関しては、走行距離の水増し疑惑もある状況です。
確かに、走行ルートが非公開である以上は、公表された走行距離分をランナーが走っている保証はどこにもありません。100kmと公表されているものの、実際の走行ルートの距離はその半分だったということすら考えられます。
この走行距離水増し疑惑に関しては、チャリティマラソンのやらせ疑惑の中でも最もメジャーな話題の1つだったりします。
ランナーが車でワープしている疑いもかけられていた
チャリティマラソンのやらせ疑惑の中でも、現在では実行不可能となったものの1つに、車でのワープ疑惑があります。要するに、中継シーンが終わった後は、ランナーが車で移動しているのではないかという疑惑となります。
ネット社会化した現在では、目撃情報をSNSに投下されるため、あえてやろうとする人間すらいないであろうやらせと言えます。
しかし、1990年代は、一般人が広範囲に情報を拡散する手段がない時代でした。そのため、チャリティマラソンには、人気のない場所や夜間・早朝といった時間帯では、スタッフが用意した車でランナーが移動しているんじゃないかという疑念を持たれていた時期がありました。
24時間テレビマラソンのやらせが実際に発覚したことも?西村知美ワープ事件とは
そのため、西村知美さんも稚拙な演出(やらせ)に巻き込まれてしまった被害者の1人という考え方も出来ます。
24時間テレビのチャリティマラソンに関しては、やらせの決定的な証拠が露呈しまったこともあります。その中でも最も有名なやらせ騒動が起こったのが、西村知美さんがランナーを務めた2002年のチャリティマラソンになります。
チャリティマラソン2日目の午後6時過ぎには、走行距離100km中70kmを走破していた西村さん。けれど、24時間テレビは2日目の午後9時で終了となってしまいますから、残り3時間で30kmを走りきらないとならないというちょっとキツめの距離が残っていた状況だったりしました。
普通に考えると、西村さんがエンディングまでに武道館にたどり着くことは不可能な情勢です。しかし、1時間後、中継に再び西村さんが現れた際にある不自然な情報が視聴者の目に飛び込んで来ます。それは、テレビ画面に表示されている残りの走行距離が、一気に10kmまで減っていたというものでした。
この表示が本当ならば、1時間に20kmを走破するという、とんでもない脚力を披露した西村さん。これは、ハーフマラソン(21.0975km)の女子世界記録が1時間4分52秒であることを踏まえると、西村さんが世界記録級の走りを見せたことになります。
恒例の24時間テレビのマラソン、今年は選手を当日指名するらしいな。いきなり言われたって走れるわけないやん。それか、昔西村知美が10kmを30分で走ったみたいにヤラセかな(笑)。#24時間ランナー #西村知美
— Sho @9/17SYD,10/29横浜 (@hamd12345678) 2017年7月31日
さすがに、このようなやらせを見過ごす視聴者も少なく、ネット界隈では「西村知美が車でワープした!」と大騒ぎになった一件となりました。この「西村知美ワープ事件」に関しては、チャリティマラソンのやらせの代表例として、現在まで語り継がれています。
24時間テレビマラソン西村知美ワープ事件以降は追跡班が結成された?
2002年に起こった「西村知美ワープ事件」以降は、24時間テレビのチャリティマラソンを監視しようという動きが、ネット上で急激に拡大して行きました。特に、SNSが普及し始める頃になると、ツイッターなどに専用アカウントを作成して、チャリティマラソンのランナーを追跡・実況する猛者たちが現れ始めました。
お知らせ:このアカウントは24時間テレビのマラソンランナーの軌跡をお知らせします。追跡中はほとんどTL見てないし、ナルト投げられてもあまり反応できませんのでよろしくやで。
— Q☆@24時間テレビマラソン自転車追跡班 (@24tv24tv) 2016年8月27日
追跡班により発覚したはるな愛のやらせはガセ?
2010年のチャリティマラソンのランナーには、はるな愛さんが選ばれました。2010年のチャリティマラソンでは、はるなさんがあまりに番組終了ギリギリの時間帯に日本武道館に到着するなど、視聴者がリアルタイムでも時間調整という名のやらせ臭を感じていた状況でした。
24時間テレビ、はるな愛は番組終了ギリギリでゴール。って、かなりできすぎな感じがして、やらせすら覚える。それにしても、徳光うるさい。
— けんと (@tmn4001) 2010年8月29日
はるなさんには、公表85kmと公表された走行距離が、実際は65kmだったのではないかという疑惑が、ネットユーザーから指摘されていました。
はるなさんのやらせ疑惑を告発したのは、チャリティマラソン中、はるなさんを自転車で追跡していたという、匿名掲示板「2ちゃんねる」OFF板のユーザーとなります。けれど、これはユーザーの勘違いだったようで、OFF板住民たちが再検証したところ、はるなさんは本当に85km走っていたという結論で終わっている模様です。
では実際に65キロしか走っていないのか? その後のオフ板住人の再検証により85キロ走っていることが確認できたようだ。しかし『2ちゃんねる』のログを読まない『Twitter』のユーザー間では65キロという情報だけが拡散しており多くの人がリツイートしている。まさにデマの一人歩き状態だ。また『mixi』には『24時間テレビが嫌』コミュニティがあり、そこでも今回のマラソンについて議論されている。
しかし、ツイッターなどでは、当初の「はるな愛走行距離水増し疑惑」だけが拡散されてしまったため、現在でもはるなさんがやらせを行ったと信じている人間が多い状況だったりします。
24時間テレビマラソンやらせ疑惑の中にはガセネタも存在?
はるな愛以外のガセネタやらせ説!徳光和夫のやらせはガセ?
24時間テレビのチャリティマラソンのやらせ説に関しては、近年はガセネタも横行している状況です。2011年にランナーに選出された徳光和夫さんのケースでも、ネット上で走行距離水増し疑惑が浮上したことがありました。
当時70歳という高齢だった徳光さんは、公表されていた走行距離自体が63kmしかなく、歴代ランナーの中でもかなり短い距離でした。しかし、地図を参考にすると徳光さんは43kmしか走っていないと主張するネットユーザーがいたため、ネット上でも走行距離水増し疑惑の検証が進みました。
結論を言ってしまうと、スタート地点から日本武道館までの直線距離が44kmだったというオチでしかなく、走行距離水増し疑惑は完全な言いがかりだったことが判明しています。「チャリティマラソン=やらせ」というイメージがネット上に浸透しているために、火のないところ煙が立つ機会が増えているのかもしれませんね。
大島美幸のやらせ説もやっぱりデマだった?
森三中の大島美幸さんがランナーを務めた、2013年の24時間テレビのチャリティマラソンに関しても、ネット上ではやらせ疑惑が浮上していました。
近年のチャリティマラソンのやらせ疑惑は、総じて走行距離水増し説が多かったりします。車を使ってのワープに関しては、現在の1億総監視状況である日本国内では実行不可能なネタなため、必然的に実行可能そうなやらせ説が囁かれるのだと思われます。
大島さんのケースでも、88kmの公表走行距離が実際は48kmではないかという疑惑がネットユーザーから指摘されました。これに関しては、スタート地点から日本武道館までの最短距離が48kmというだけであり、大島さんがそのようなコースを辿っているわけではないというオチがついています。
まとめ
ネット上で言いがかりをつけられる機会が多い24時間テレビですが、それだけ注目度が高い証拠なのかもしれません。今後もチャリティマラソンのランナー一行を追いかけ、監視する猛者たちが大勢出るのでしょうね。
自分たちの番組を肴に、ネット界隈であれやこれやと議論が起こる光景は、番組制作者にとってクリエイター冥利に尽きることなのかもしれませんね。