2022年12月に宮城県仙台市で佐藤大貴さんが殺害され、遺体が切断されていたことが発覚し、前田広樹と山口優が逮捕されました。
事件の概要と逮捕された前田広樹の生い立ちや実家・親・家族、経歴や山口優との結婚の有無、佐藤大貴さんを殺害した動機や現在をまとめました。
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前田広樹は仙台殺人切断事件の犯人
前田広樹は宮城県仙台市で佐藤大貴さん(当時22歳)を殺害し、遺体をチェーンソーで切断した容疑で逮捕された男性です。
事件当時、前田広樹は住所不定で無職、年齢は30歳でした。前田広樹は恋人の山口優と共謀し、同居した佐藤大貴さんを殺害しています。
前田広樹が逮捕された仙台殺人切断事件とは
逮捕された前田広樹・山口優と被害者の佐藤大貴さんは、宮城県仙台市青葉区のアパートで同居していました。
2022年11月上旬、前田広樹と山口優は佐藤大貴さんに暴行を加え、さらに佐藤さんの首にタオルのようなものを巻き付け、それぞれがその両端を持って引っ張って窒息死させました。
前田広樹は佐藤さんを殺害後、自責の念に駆られて救命行為を行おうとしましたが、救命はできず、山口優と共に遺体を遺棄することを決断します。
前田広樹と山口優は近くの量販店でチェーンソーやキャリーケースを購入して、自宅アパートの浴室で佐藤さんの遺体をチェーンソーで切断し、キャリーケースに詰め、仙台市若林区荒浜に遺棄しました。
その後、2人は逃亡しましたが、山口優の反対を振り切る形で前田広樹は警察に自首し逮捕されています。
逮捕後の供述で佐藤大貴さんの遺体が発見され、事件が発覚しました。
前田広樹の生い立ちや実家・親・家族
出典:khb-tv.co.jp
前田広樹の実家の親・家族や生い立ちなどはほとんど明らかになっていません。しかし、生い立ちは壮絶なもので、「恵まれた子供時代」というわけではなかったようです。
前田広樹の本籍地は山梨県南アルプス市ですので、実家は南アルプス市にあると思われます。ただ、幼少期は家族・親と一緒に過ごしたわけではなかったようです。
前田被告:
「自分は小さいころ養護施設にいた。友達はおらず、自分の周りにも人が集まってほしかった」
「小さいころ養護施設にいた」ということは、家庭環境に何らかの問題があったことは間違いありません。親がいなかったのか、虐待を受けていたのか、経済的な理由で一緒に生活することができなかったのか…。
また、前田広樹は難聴の障害がありました。この難聴の障害をいつから抱えているのかは不明ですが、もし先天性のものであれば、幼少期は障害が原因でいじめられたり、苦労をしたことも多かったでしょう。
もちろん、壮絶な生い立ちだからと言って、犯罪を犯して良い・仕方がないというわけではありませんが。
前田広樹の経歴
前田広樹の最終学歴は中学卒業です。高校には進学していなかったようです。養護施設出身だったことも関係しているのでしょう。経済的な理由もあり、高校には進学しなかったと思われます。
中学卒業後は仕事を転々としていました。
本籍は山梨県南アルプス市の前田被告。中学卒業後、職を転々。
引用:「自分の障害をバカにしている」同居する知人男性を殺害し遺体を切断遺棄 逮捕された男が暴行を始めたきっかけは 前編 | TBS NEWS DIG (3ページ)
いつ頃前田広樹が宮城県仙台市に引っ越したのかは不明ですが、少なくとも20代後半からは仙台市に住んでいたようです。
逮捕当時は「無職」と報道されてたので、定職にはついていなかったと思われます。
暴力団に憧れていた
中学卒業後に職を転々としていた前田広樹ですが、暴力団関係者が周辺にいるような環境で生活していました。
前田被告:
「自宅アパートのこと。友人や先輩が暴力団の一員で、常に周りに人がいてうらやましかった」
前田広樹自身は暴力団組員ではなかったものの、友人や先輩に暴力団組員がいて、憧れや羨望の気持ちを持っていたようです。
30代になっても暴力団組員に対して憧れ・羨望の気持ちを持っていたということは、きちんとした定職についてコツコツと仕事をできるタイプではなかった。仕事を転々として、常に不平不満を持っていたタイプと推測することができます。
そもそも、前田広樹には刺青が入っていました。裁判時の報道で手の甲や指、首などに色鮮やかな花やドクロの刺青が入っていると報じられています。逮捕後から裁判開始前までに刺青を入れる機会はないはずなので、逮捕前からタトゥーを入れていたのでしょう。
前田広樹と山口優は同棲!結婚はない
前田広樹は山口優と交際していました。
事件当時、前田広樹は30歳、山口優は31歳です。
前田広樹と山口優は事件の4年前から交際を始め、仙台市青葉区のアパートで同棲していました。
山口優は前田広樹にベタ惚れだったようです。前田広樹が事件後に自首することを提案した時は「2人でいられなくなる」という理由で自首を拒否しています。
また、逮捕後は前田広樹を庇うような供述をしていました。
ただ、山口被告は供述調書で、当初「私一人がやった」と警察に話した理由について「世界で一番大切な前田被告を守るためだった。これ以上、苦しい思いをしてほしくなかった」と話していたことが明らかにされた。
引用:電動ドライバー刺し大便食べるよう強要 知人を殺害し切断…カップルが凶行に至るまで【宮城発】|FNNプライムオンライン
「世界で一番大切な前田被告を守るため」。非常に重い愛ですね。ただ、あまりにも重い愛で、しかも間違った方向の愛だったことが、この事件を引き起こした原因の1つだったのかもしれません。
アラサーの2人の男女が4年間交際していて同棲もしていた。そして、少なくとも山口優は前田広樹にベタ惚れだった。それでも2人は結婚はしていませんでした。結婚しない理由が何かあったのか?それとも、経済的な理由やそのほかの理由があったのかは不明です。
前田広樹は佐藤大貴に同居後暴行
前田広樹と被害者の佐藤大貴さんはどのようにして知り合い、なぜこのような凄惨な事件が起こってしまったのでしょうか?
飲食店で知り合い3人で生活
前田広樹と被害者の佐藤大貴さんが知り合ったきっかけは、飲食店です。佐藤大貴さんが働いていた飲食店に、前田広樹と山口優が客として訪れて知り合いました。
前述のとおり、前田広樹は難聴の障害がありました。そのため、コミュニケーションは筆談やスマホを使うことが多いようです。佐藤大貴さんは前田広樹に対して、きちんと丁寧に筆談やスマホでコミュニケーションをとってくれたことに、前田広樹が好感を抱き、2人は仲良くなりました。
そして、2024年7月ごろには、佐藤大貴さんは前田広樹と山口優が同棲するアパートで寝泊まりするようになりました。ここから、3人での同居生活が始まります。
関係性が変化
前田広樹と山口優が同棲するアパートに、佐藤大貴さんが転がり込む形で3人の同居生活が始まりましたが、この生活に山口優が不満を抱きます。
その理由は前田広樹との時間をとれなくなったからです。恋人と同棲しているのですから、2人の時間を大切にしたいという女性側の気持ちは良く理解できます。それなのに、知らない男性が同棲しているアパートに転がり込んできて、前田広樹と仲良くしていたら、「邪魔な存在」だと思うのはごく普通のことですよね。
3人の同居生活が始まった当初から、この3人の関係性はすでに破綻していました。
そして、同居スタートから約1ヶ月後、前田広樹は佐藤大貴さんが自身の障害である難聴をバカにしていることを知ります。スマホや筆談でコミュニケーションをとってくれたから仲良くなったのに、実は陰でバカにされていたと知った前田広樹はショックを受け、佐藤大貴さんへの憎悪を募らせていきました。
ただ、佐藤大貴さんが本当に前田広樹の難聴をバカにしていたのかは不明です。これはあくまでも前田広樹の供述によるものですから。あくまでも推測ですが、佐藤大貴さんの存在が邪魔になった山口優が、前田広樹に嘘を吹き込んだ可能性も考えられますよね。
凄惨な暴力をふるう
自分の障害をバカにされたと思った前田広樹は、山口優と共に佐藤大貴さんに暴行を加えるようになります。
2人の供述によると、前田広樹と山口優は佐藤大貴さんにアパートから出ていくように命じますが、佐藤さんは「一緒にいさせてください」と懇願しました。そこで2人は「暴行を加えれば出ていくだろう」と思い、暴行を加えるようになりました。
そして、その暴行は日に日にエスカレートしていきます。しかも、暴行を加えるだけでなく、お金を用意させました。
佐藤さんに嘘をつかせて、父親や親族からお金を借りさせ、そのお金を巻きあげました。お金を用意できなくなると、暴行はさらにエスカレートし、佐藤さんを肉体的にも精神的にも追い詰め、コントロールするようになるのです。この頃には、佐藤さんは恐怖心から前田広樹と山口優に逆らえない状況になっていたと考えられます。
さらに、暴行はエスカレートしました。電動ドライバーで佐藤大貴さんの足を刺したり、大便を食べるように強要したのです。
電動ドライバーの先端で足を刺してけがをさせ、「大便を食ったらアパートにいさせてやる」と男性に強要。怖がらせて大便を食べさせたという。
引用:電動ドライバー刺し大便食べるよう強要 知人を殺害し切断…カップルが凶行に至るまで【宮城発】|FNNプライムオンライン
佐藤さんはその命令に背くことなく大便を食べたそうですので、佐藤さんは恐怖のあまり拒否できない状況になっていたのでしょう。
前田大樹と山口優による暴行はどんどんエスカレートし、とうとう殺人事件に発展することになりました。
前田広樹と山口優が佐藤大貴を殺害した動機
前田広樹と山口優が佐藤大貴さんを殺害した動機は、部屋を荒らされてムカついたことです。
2022年11月10日、前田広樹は佐藤大貴さんを蹴ったことで足の指の骨を折り、山口優に付き添われて病院に行きました。病院から自宅アパートに戻ると、佐藤大貴さんがてんかん発作を起こして、室内で倒れていました。
てんかん発作を起こした際に部屋の家具等にぶつかったようで、ソファーの位置はずれていて、テーブルの上の物は倒れ、ゲームソフトなどが床に散らばっていました。
部屋の中の状況を見て、前田広樹と山口優はてんかん発作を起こした佐藤大貴さんの心配をするのではなく、部屋を荒らされたことに怒り狂います。
そして、暴行を加えて、首を絞めて殺害したのです。
前田広樹と山口優は事件後に北海道へ
前田広樹と山口優は佐藤大貴さんの遺体をチェーンソーで切断し、キャリーケースに詰めて、仙台市内の荒浜地区の地中に埋めて遺体を遺棄しました。
そして、その後は北海道へ旅行に行きます。前田被告の供述によると、事件現場となったアパートにいるのが嫌だったから、旅行に出たとのこと。北海道にした理由は、山口優が「スキーがしたい」と言ったからだそうです。
佐藤大貴さんを殺害しておいて、「スキーがしたいから北海道に行く」というのは、あまりにも身勝手で能天気ですね。
ちなみに、この旅行の代金は佐藤大貴さんから脅し取ったものでした。
2人は事件後、男性の友人を脅すなどして得た105万円を元に、ホテルを転々として暮らすようになった。
引用:電動ドライバー刺し大便食べるよう強要 知人を殺害し切断…カップルが凶行に至るまで【宮城発】|FNNプライムオンライン
北海道の他にも秋田県や青森県のホテルを転々としていたことが分かっています。約1ヶ月半もの間、2人は脅し取ったお金を使いながら、旅行兼逃亡生活を送っていました。
前田広樹は肝炎で入院し自首
前田広樹が自首したきっかけは入院です。事件後に逃亡生活をしていた際、急性肝炎を発症して青森市内の病院に入院することになりました。この時に使用した健康保険証が、佐藤大貴さんのものでした。
佐藤大貴さんの健康保険証を使用したことで、佐藤大貴さんのご家族に何らかの連絡が行ったのでしょう。退院予定日に、佐藤さんの父親と兄が見舞いに訪れました。
その場は何とかやり過ごしましたが、前田広樹は「2度目はバレる」と思って、自首を決意し、病院から110番をしました。
ご遺族としては、佐藤大貴さんが青森市内の病院に入院していると思ってお見舞いに行ったのに、そこにいたのは知らない男女。しかも、その男女は佐藤大貴さんを殺害した犯人だったというのですから、怒りが収まらないどころの話ではないでしょう。
なぜ、前田広樹が佐藤大貴さんの健康保険証を使ったのかは不明です。もしかしたら、健康保険料を納めておらず、自分の保険証は使えない状態になっていたのかもしれません。
そうでないと、自分が殺害した被害者の保険証を使いませんよね。もう、そのあたりの正常な判断ができなくなっていたのかもしれませんが。
前田広樹の現在
前田広樹は現在、控訴中です。
2024年11月に前田広樹の第一審の判決が出ました。殺人や死体遺棄、死体損壊、恐喝、詐欺の罪に問われていて、判決は懲役25年(求刑懲役27年)。
裁判では前田広樹は「事件は山口優が主導していて、強い殺意はなかった」と主張していましたが、「殺害の動機は身勝手で残虐な犯行」と断じられています。
前田広樹は判決を不服として、控訴しています。控訴審はいつ開かれるのかは不明ですが、おそらく山口優の第一審判決が出た後になるでしょう。
また、現在は車椅子生活になっています。自首して逮捕された後、心不全を起こして歩行不能になったとのこと。裁判も車椅子で受けることになり、裁判初日は体調不良を理由に早く閉廷することになりました。
心不全の原因は不明ですが、30代前半で車椅子生活になったというのは、若い頃からよほど不摂生だったのか、元々何らかの持病があったのか。
病気だから仕方がないにせよ、懲役25年の実刑判決だとしても、普通の「入院生活」に近いような状態になるかもしれません。遺族としてはきちんと刑務所で罪を償わないのは、納得がいかないのではないでしょうか。
前田広樹のまとめ
仙台殺人切断事件の概要や犯人の前田広樹の生い立ちや家族・親、経歴と山口優との交際・結婚の有無、佐藤大貴さんとの関係や事件の動機と現在をまとめました。前田広樹と山口優の判決が完全に確定するのはいつになるのでしょうか。