老舗企業であるトンボ鉛筆ですが、2011年の東日本大震災時に就活に関わるパワハラ騒動でネット上で炎上しています。
震災直後に起こったトンボ鉛筆のパワハラ騒動、人事・佐藤佳弘さんの問題メール内容とその後のGM・長尾弘司さんの神対応、そして現在は佐藤佳弘さんがクビの噂についてまとめてみました。
この記事の目次
「トンボ鉛筆事件」とは…人事・佐藤佳弘が東日本大震災直後に送ったメール内容が問題に
社名:株式会社トンボ鉛筆
本社:東京都北区
資本金:9000万円
売上:141億円(2017年12月期)
従業員数:407人(2018年10月現在)
トンボ鉛筆は日本を代表する老舗文房具メーカー
トンボ鉛筆は、1913年創業の日本を代表する老舗文房具メーカーです。1913年に浅草で「小川春之助商店」として創業後、1939年に会社組織に移行し「トンボ鉛筆」と名称変更しています。
トンボ鉛筆の看板商品といえば「MONOブランド」シリーズがあげられますが、中でも「MONO消しごむ」は、誰もが1度は使ったことがある商品ではないでしょうか。
そんな大手文具メーカー・トンボ鉛筆の人事担当・佐藤佳弘さんが、東日本大震災直後に就活生に送ったメールが原因で大炎上した「トンボ鉛筆事件」とはどんな事件だったのでしょうか?
トンボ鉛筆事件詳細① 人事・佐藤佳弘が送った会社説明会参加者へのメール
ネット上で通称「トンボ鉛筆事件」と呼ばれている騒動が起こったのは、リーマンショック後の円高不況により、日本経済が絶不調だった2011年3月のことでした。
3月ともなると企業各社の会社説明会が解禁される時期ということもあり、トンボ鉛筆でも3月1日より会社説明会の予約が開始されることになりました。
2011年は大卒就職率が落ち込んでいる時期だったことも手伝い、トンボ鉛筆の会社説明会には応募が殺到し、インタ-ネットでの予約受付と同時に予約枠が埋まってしまいました。
当然ながら会社説明会の予約を取れなかった就活生たちも大勢出ることになりましたが、トンボ鉛筆側の対応は、予約が取れた就活生のみにエントリーシートなどを先行配布するというものだったようですね。
一番右が佐藤佳弘さん
ネット上ではMONO佐藤のあだ名までつけられ有名人物に
会社説明会の予約が取れた就活生たちには、人事担当である佐藤佳弘さんから下記のようなメールが届いたと言われております。
今回予約出来なかった方もまた一緒に加わり書類選考がされる可能性があります。
しかし、書類はまだ予約した皆さんしか持っていません。
運であろうとなんであろうと他人よりも先に1歩でたと言う事実に対してのメリットを皆さんに与えたいと思っています。
履歴書やエントリーシートを記入するまでもの凄く時間が与えられています。
説明会までの時間、みなさんがどんな風に過ごしたかで出来栄えが全然違ってくると思います。
一方で会社説明会の予約が取れなかった就活生たちに対しては、エントリーシートなどの配布時期を告知するメールは送られて来ませんでした。
会社説明会に参加する就活生にメリットを与えたいという企業側の心情は理解出来ますが、予約受付開始と同時に予約枠が埋まってしまう状況では、就活生のやる気を量る以前の問題であるため、いささか不条理な措置だったと言えます。
トンボ鉛筆事件詳細② 人事・佐藤佳弘、東日本大震災の安否確認メールを送信
会社説明会の予約が取れたか否かの違いにより、悲喜こもごもな日々を過ごすこととなったトンボ鉛筆の就活生たちですが、2011年3月11日になると、東日本大震災に被災することになります。
東日本大震災の死者・行方不明者の大部分は東北地方に集中していたものの、関東地方もインフラ面に少なくない被害を受けたため、震災当日は東京近郊でも交通機関が麻痺状態に陥ってしまい、帰宅難民も続出することになりました。
さらには、津波被害のせいで福島の原発が爆発してしまい、福島県双葉郡を中心に数万人単位の避難者が出るなど、東日本大震災からしばらくの間は日本中でパニック状態が続きました。
そんな中でトンボ鉛筆の就活生の元へは、震災直後に人事担当である佐藤佳弘さんからの「大丈夫ですか?ケガはないですか?」という安否確認のメールが届いております。
実は、佐藤さんは東京のトンボ鉛筆本社にて東日本大震災に被災して強い揺れを体験しており、本人の談によると咄嗟に安否確認のメールを送ってしまったそうですね。
このようなエピソードを聞く限り、根は悪い人間ではないように思える佐藤さんですが、就活生側とすると、人事担当からの安否確認メールにどう対応すべきかと悩んだことでしょうから、独りよがりな行動だったように思われます。
この辺のエピソードは、後に露呈する佐藤さんの独善的な価値観を象徴していたのかもしれませんね。
トンボ鉛筆事件詳細③ 人事・佐藤佳弘が震災2日後に送ったメールに批難殺到
トンボ鉛筆の就活生の元には、2011年3月13日になると、人事担当の佐藤佳弘さんから下記の内容のメールが届いています。
このメールを配信した中には、被災されている方が多数いると思います。
直接的な力にはなれないですが、私自身、都内から自宅のある埼玉まで徒歩で8時間かけて帰宅して、実際の東北の方に比べる程のものではないですが被災の怖さを感じました。さて、先日は咄嗟のメールだったので、返信しなくても大丈夫ですからね。
会社は大丈夫です。揺れは大きかったですが、今のところ大きな事故・怪我の連絡は入っていないです。本当は週明けに全員に送ろうと思っていたメールです。
こんなことくらいしか出来ませんが、履歴書とESをお送りします。ただ、非常に厳しい条件をつけさせていただきます。
その条件とは1点だけです。書類選考を希望される方は、添付の専用履歴書とエントリーシートをご確認いただき、3月15日(火)消印有効でその2枚をセットにし、下記までご郵送ください。
直前に説明会へ予約が出来た場合は、ひとまず書類持参でお越しください。
会場で通り一遍等の説明・指示はします。
その指示が難しい場合は・・・その先は言う必要ないですよね。
自分で考えてみてください。皆様にも言いたいこと、不満があるのは重々承知していました。
全部ではありませんが、私も様々な心の奥にある声を見て・聞いています。
このメールに関して佐藤さんを擁護すべき部分があるとすれば、トンボ鉛筆は基本的に東京や愛知、大阪近郊の大学からの採用者がメインであることです。
そのため、採用実績自体が少ない東北地方の大学在籍者は、当時のトンボ鉛筆の就活生の中でもかなりの少数派であったことが想像が出来ます。
佐藤さん的には、3月15日までに指定書類を書き上げて郵送または説明会に持参出来ない環境下にある就活生は、ほとんどいないはずとの判断があったのかもしれません。
とはいえ、東京の大学は全国各地から学生が集まってくる場所ですから、大学は東京でも故郷は東北にあり、東日本大震災で実家が被災して就活どころではない状況にあった学生もいた可能性は高いと言えます。
そうでなくても東北地方の大学に在籍する就活生がまったくいない状況だったとは思えませんから、一部の人間に就活の機会を与えないと言っているのに等しい佐藤さんのメールは、就活生たちの怒りを買うことになりました。
トンボ鉛筆の人事担当である佐藤佳弘さんの高圧的なメールに関しては、就活生たちの怒りを買いすぎた結果、すぐさまネット上に流出して炎上することになりました。
トンボ鉛筆の事件をはじめて知った 人事の佐藤ってのは鬼畜みたいですね
— 脂肪肝 (@H2blocker) 2011年3月14日
マイナビでトンボ鉛筆からお詫びメールきた。白々しい。選考も受けないし商品も使わないよ。佐藤よしひろどんまい
— dddddddd (@DerrickSayHELLO) 2011年3月14日
トンボ鉛筆事件詳細④ 人事・佐藤佳弘の高圧的メールはもう1通あった
トンボ鉛筆の人事担当である佐藤佳弘さんですが、実は会社説明会の予約を取れなかった就活生向けに、もう1通のメールを送っていることが判明しています。
説明会予約者の方へは、先に書類を渡すと言うメリットを与えました。
皆さんには与えてません。
ただ、もし、この間、トンボ鉛筆への情熱を絶やさずにおられた方がいた場合、それが文章となり、私達へ伝達してくれると期待をしています。
(伝える努力はしてくださいね。伝えるって本当に難しいです。)
その気持ちを作り上げることは、予約している人よりも皆様方の方が可能性があると思います。
ましてや、こんな状況下です。
書類に関してのご不明な点はあればメールでお問い合わせください。
すみません、私自身まだ気持ちの整理が出来ないでいますので変な文書になっているかもしれません。
よろしくお願いします。
引用:こんにちは、トンボ鉛筆の佐藤です。改めて地震の方は大丈夫でしたか?
佐藤さん本人的には、急遽指定書類を書き上げる状況に追い込まれた就活生たちに向けた、フォローのメールのつもりだったのでしょうね。
しかしながら、「伝える努力はしてくださいね」や「伝えるって本当に難しいです」といった余計な一文まで含まれていたメールだったため、全体的に高圧的な印象を与えてしまうことは避けられず、就活生たちの怒りに火を注ぐ結果になってしまいました。
「トンボ鉛筆事件」GM・長尾弘司の神対応でネット炎上を消化
トンボ鉛筆総務部GM・長尾弘司の早急な謝罪で事態は沈静化
ネット上の炎上騒動に対してのトンボ鉛筆の対応はとても迅速なものがありました。
トンボ鉛筆は、佐藤佳弘さんが炎上メールを送った翌日となる2011年3月14日には、総務部ゼネラルマネージャーである長尾弘司さん名義にて、騒動の謝罪文を発表しています。
3月13日付 件名「トンボ鉛筆選考専用履歴書・エントリー送付」に関するお詫び
日頃から弊社へ格別のご理解を賜りまして深く御礼申し上げます。
さて、平成23年3月13日付で、弊社人事グループ担当社員より発信しました弊社採用活動に関する文書の中に、不適切かつ配慮に欠く表現が多々ありましたことを深くお詫び申し上げます。
先ず、東日本大震災発生の2日後に、罹災した地域への配慮を欠いたかたちで書類選考用紙等をメールし、締切を15日消印有効としたことは言語道断であります。また、随所に平等を欠く表現もありました。さらに、弊社担当者の立場上の驕り昂ぶりが現れた言葉遣いが随所にあり、重ね重ねお詫び申し上げます。
早速、公に発信する文書の事前社内校閲ルールを設置し、再発を防止してまいりますと同時に、当該担当者を厳しく指導しました。
改めてこの度、不適切かつ配慮に欠く文書を発行しましたことを深くお詫び申し上げます。
平成23年3月14日
トンボ鉛筆 総務部ゼネラルマネージャー
長尾弘司
結果的には長尾さんの迅速な対応が功を奏し、佐藤さんの高圧的なメールにより始まった炎上騒動は、わずか2日足らずで鎮火しています。
この一連の騒動は、ネット上では通称「トンボ鉛筆事件」と言われており、人事担当の立場に驕ってしまった人間の末路として語り継がれています。
「トンボ鉛筆事件」の現在…人事・佐藤佳弘は事件後に懲戒解雇の噂も
トンボ鉛筆、佐藤佳弘は本当に解雇されたのか?
「トンボ鉛筆事件」を巻き起こしてしまった佐藤佳弘さんに対しては、ネット上では炎上騒動後にトンボ鉛筆を懲戒解雇されたとの説が主流派となっています。
一方で、総務部ゼネラルマネージャーである長尾弘司さんの謝罪文では、佐藤さんへの対応は「当該担当者を厳しく指導」となっており、解雇どころか処分の文字すらない状況でした。
そのため冷静に考えると、佐藤さんは人事担当から外されてしまっただけで、現在も在職している可能性があります。
トンボ鉛筆、一社員の暴走に管理体制の甘さを指摘する声
「トンボ鉛筆事件」に巻き込まれながらも、総務部ゼネラルマネージャーである長尾弘司さんの素早い対応のおかげで企業イメージを守ることに成功したトンボ鉛筆ですが、ネット上ではチェック体制の甘さを指摘する声も存在します。
3:名無しさん@おーぷん:2018/03/14(水)12:12:08 ID:F3Z ×
長尾とかいう有能
5:名無しさん@おーぷん:2018/03/14(水)12:13:24 ID:rlk ×
>>3
そもそも最初から校閲しとけ定期
8:名無しさん@おーぷん:2018/03/14(水)12:14:46 ID:KWd 主 ×
>>5
これ毎回思うんやけどtwitterとかならともかく公式メール誰もチェックしてないとかそもそもおかしいんだよなぁ
11:名無しさん@おーぷん:2018/03/14(水)12:16:20 ID:rlk ×
残念ながらマネジメント不足やね…
一説には佐藤佳弘さんは、事件当時20代後半の若手社員だったとの情報もあります。
そうなると人事採用の職務に対して経験不足な面があることは否めませんから、佐藤さんの文章をチェックし、就活生に圧迫感を与えない文章か否かを判断する体制は整えておくべきだったのかもしれませんね。
「トンボ鉛筆事件」を総まとめすると…
・トンボ鉛筆は、炎上直後に総務部GMである長尾弘司さんが謝罪文を発表し、事態は沈静化した。
・トンボ鉛筆事件後に、人事・佐藤佳弘さんは懲戒解雇されたと噂されているが真相は不明である。
「トンボ鉛筆事件」とは、買い手市場が長らく続いた日本の就職事情が巻き起こしてしまったパワハラ事件だと言えます。
景気が悪くなると、庶民は色々な方面から理不尽な目にあうという典型例だったのかもしれませんね。