2019年10月に発生した当時20歳の嶋田友輝さんが殺害された東尋坊での殺人事件が注目されています。
この記事では、被害者の嶋田友輝さんや東尋坊での殺人事件の概要、親などの家族、加害者ら少年6人と当初主犯格と見做された上田徳人、加害者らの動機、現在などについてまとめました。
この記事の目次
嶋田友輝は東尋坊殺人事件の被害者
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嶋田友輝さん(事件当時20歳)は、2019年10月19日に福井県坂井市の自殺の名所東尋坊で発覚した「東尋坊殺人事件」の被害者です。
事件当時の報道では、滋賀県東近江市在住で職業不詳と報じられていましたが、高校を2年で中退後に介護の仕事や建設現場などで働いていたようです。
東尋坊殺人事件の約1ヶ月前には、家族から嶋田友輝さんの行方不明届が警察に出されており、事件の数週間前の10月上旬には東近江市のコンビニの前で、嶋田友輝さんは男性複数人(東尋坊殺人事件の加害者らとは別のグループ)とトラブルを起こして暴行を受けて警察沙汰になり、その際に家族に連絡をするように促されていたとの情報も出ています。
事件の直前のこうした流れから嶋田友輝さんが何らかのトラブルを抱えていたと見られていますが、これが東尋坊殺人事件と直接的に関係しているのかなどのはっきりした事は裁判記録などを見てもネット上には公開されていません。
また、これらの情報を見ると嶋田友輝さんも非行少年だった印象を抱いてしまいますが、友人からは「友達想いの良いやつ」、「見知らぬ人にケンカをふっかけるやつじゃない」との証言が出ています。また、落ち込んでいる友人がいれば駆けつけて慰めてくれるような優しい性格だったといった証言も出ています。
嶋田友輝が殺害された東尋坊殺人事件の概要
同年10月17日の深夜、滋賀県彦根市で、嶋田友輝さんは、顔見知りだったというとび職の男、上田徳人(当時39歳)と、当時17歳〜19歳までの少年6人の合計7人から、手錠をつけられるなどして身動きを封じれた上、ハンマーで歯を折られる、鼻の穴に火のついた状態のタバコを入れられる、脚を車で轢かれるなどの激しい暴行を受けています。
その後、嶋田友輝さんは車のトランクに監禁された上、最初の暴行現場から100キロ以上離れた東尋坊へと無理矢理連れ去られました。
加害者らは東尋坊に到着後、嶋田友輝さんにさらに暴行を加え、約20メートルの高さの崖の端に追い詰めて取り囲むようにして、「お前は死ぬしかない」、「早く飛び降りろ」などと言って、崖から海へ飛び降りる事を強要し、飛び降りさせました。
嶋田友輝さんは崖下の岩で頭部を強く打つなどして死亡したと見られ、遺体発見後に警察から死因は「脳挫滅」と発表されています。また、嶋田友輝さんの遺体には複数の打撲痕が残されており、これは加害者らによる暴行によって付けらた可能性が高いとも発表されました。
17日の深夜には、滋賀県警彦根署に嶋田友輝さんの友人から「嶋田友輝さんが集団暴行を受けている」という通報が入っており、県警が捜査を開始。18日の22時半頃に、滋賀県多賀町のサービスエリアで加害者の上田徳人と少年らが乗っていたレンタカーを発見して監禁の容疑で逮捕しています。
19日の朝、東尋坊の海に浮かんでいる嶋田友輝さんの遺体が発見されるに至り、その後、上田徳人と加害者少年らの7人は滋賀県警に嶋田友輝さん監禁及び殺人の容疑でも再逮捕されています。
加害者らのうち少年6人は、未成年ということから監禁や殺人などの非行内容で大津家裁に送致されましたが、「執拗で苛烈な暴行、非常に悪質である」として、2020年1月に検察官送致(逆送)されています。
嶋田友輝の親や家族
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嶋田友輝さんの親や家族などの情報としては、東尋坊での殺人事件後の週刊誌などの報道などから、事件の15年ほど前に両親が離婚しており、嶋田友輝さんと兄を母親が引き取ってシングルマザーとして育てていた事などが判明しています。
母親は介護の仕事をしながら、母子手当や生活保護なども受けて女で一つで子供2人を育てていたようです。
当時を知る人物の証言によれば、嶋田友輝さんの兄は真面目な性格だという事で、事件から2年ほど前に家を購入して独立しているという事でした。
嶋田友輝さんの母親は東尋坊殺人事件の裁判にも出廷して意見陳述し、「無理だと分かっているが死刑を求めたい」、「一日でも長く刑務所に入ってほしい」ち、加害者らに対する厳罰を求めていました。
嶋田友輝の東尋坊殺人事件の加害者は39歳男と17歳〜19歳の少年6人
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嶋田友輝さんに激しい暴行を加えた上、東尋坊から飛び降りさせる凶悪犯罪を犯した加害者7名は、当時39歳のとび職・上田徳人、当時17歳〜19歳までの少年6名です。
上田徳人以外は事件当時未成年ということで実名が公開されておらず、詳細は不明です。
ただ、少年6人の当時の職業などは判明しているので羅列しておきます。
少年A(当時19歳・とび職、裁判で主犯格と判明、後述)
少年B(当時19歳・無職)
少年C(当時19歳・アルバイト)
少年D(当時17歳・とび職)
少年E(当時17歳・通信制高校生)
少年F(当時17歳・通信制高校生)
なお、このうちの誰を指しているのかは明かされていませんが、この加害者少年らのうち1人が、過去に何らかの犯罪行為を犯して少年院に数回送致されており、今回の東尋坊での殺人事件も少年院からの仮退院してすぐに犯行に及んでいた事なども明らかにされています。
今回、犯行に及んだ少年の一人は、過去に数回少年院に収容され更生プログラムを受けたにも関わらず、仮退院後間もなく犯行に及んでおり、判決では「過ちの重大性や本質、自己の問題性に十分向き合えていない」と指摘された。
嶋田友輝の東尋坊殺人事件では当初39歳の上田徳人が主犯格と見做されていた
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当初の報道では、嶋田友輝さんが殺害された東尋坊殺人事件の主犯格は、加害者グループの中で唯一成人であった当時39歳のとび職・上田徳人と見られていました。
しかし、この上田徳人は知人だった加害者少年らに頼まれる形で犯行に参加したとの情報が出ています。
「報道で上田は1人だけ名前が出とって、年も離れとるから、主犯格に見えるけど、実は主犯格は19歳らしい。その子と上田は親戚か知人で、頼まれたのではないかと。その主犯格と被害者は同じとびの会社で働いていたとも聞いたよ」(同・関係者)
当初、主犯格だと見られていた上田徳人については、建設現場などを転々として働いていたということですが、とび職の現場での関係者からは、上田徳人は性格は穏やかで、仕事も真面目に来る、なんでこんな事になったのかわからないといった証言も出ていました。
しかし、そうは言っても、1人だけ成人の立場で犯行現場にいたにもかかわらず、加害者少年らの凶行を止めるどころか一部暴行にも加わっていたという事なので、その責任が重大である事だけは間違いないでしょう。
嶋田友輝の東尋坊殺人事件の主犯格は当時19歳の少年である事が裁判で判明
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嶋田友輝さんを殺害した加害者らの中で主犯格となったのは、19歳のとび職少年であった事が裁判などで判明しています。
この主犯格の少年と嶋田友輝さんは、東尋坊殺人事件が起こるわずか約1ヶ月前の2019年9月頃に知り合い、この主犯格少年の父方の家に、嶋田友輝さんが同居するなどしていたようです。この時期はちょうど、嶋田友輝さんの家族が警察に行方不明届を出していた時期と重なるため、嶋田友輝さんは何らかの形で家族との連絡を断ち、この主犯格少年の父方の家に身を寄せていた事などが推測されます。
この19歳の主犯格の少年と嶋田友輝さんが知り合ってから同居に至るまでの経緯などは、現在インターネット上に公開されている裁判記録では確認する事ができず不明です。
この主犯格の少年は、「自分に一番責任がある」などと、裁判で自分が主犯格だった事を認める供述をしています。
被告人質問で、元少年は、事件でほかに起訴された少年ら6人との関係について「けんかの強さによる力関係があり、格闘技経験がある自分の意見は通りやすかった」と述べ、「(嶋田さんを連れ)東尋坊に行くことを決めたのは自分だ。殺害することや、暴力を止められたのも自分だと思う」などと証言した。
嶋田友輝の東尋坊殺人事件の加害者らの動機
上田徳人ら加害者7人が嶋田友輝さんを殺害した動機にも注目が集まっています。
ネット上で確認できる裁判での判決文からは、主犯格の少年の1人がブラジル人に暴行された際に、嶋田友輝さんが助けなった事を恨みに思っていた事や、暴力団関係者とトラブルになったのが嶋田友輝さんのせいだとしてさらに恨みを募らた事などが犯行動機として確認できます。
この暴力団関係者とのトラブルについては、事件の数週間前の2019年10月上旬頃に東近江市のコンビニの前で、嶋田友輝さんが別の男性グループに喧嘩を売り、逆に暴行を受けて警察沙汰になった事件を指している可能性が高いようです。
加害者の主犯格の少年は、その恨みを晴らすためにスパーリングをするなどと称して、仲間らの少年らと嶋田友輝さんに暴行をくわえたという事です。嶋田友輝さんへの暴行は断続的に27時間にも及び、骨折や全身挫傷などの重傷を負わせています。
また、直接的な動機となったのは、友人の通報を受けた警察官が嶋田友輝さんの監禁場所であった加害者少年の自宅を訪れた事だったようです。この時、加害者らは嶋田友輝さんを自動車のトランクに監禁していたため発見されなかったものの、警察官が訪れたことで加害者らは傷害事件の発覚を恐れて、口封じのために嶋田友輝さんを殺害する事を考え始めています。
加害者らのうち、個人的な恨みが動機になっているのは主犯格の当時19歳の少年のみで、他の加害者らは主犯格少年からことの経緯を聞いて同調して怒りを募らせたのが動機となった者と、仲間らに流されるような形で消極的にはっきりした動機がないまま犯行に加わった者に分かれています。
嶋田友輝の東尋坊殺人事件の加害者らの現在
現在既に、東尋坊で嶋田友輝さんに対する殺人事件を起こした加害者7人全員に対する判決が大津地裁で下されています。
まず、主犯格とされた犯行当時19歳だった元少年は、最長懲役19年の実刑判決が下されています。
さらに、彦根市の当時19歳のアルバイトだった元少年には懲役10年〜15年の不定期刑、当時17歳の通信制高校生に懲役6年〜12年の不定期刑、彦根市の当時19歳無職の元少年には懲役5年〜10年の不定期刑、残る当時17歳の少年2名には懲役5年〜9年6ヶ月の不定期刑がそれぞれ下されています。この当時少年5人への判決は既に確定しています。
加害者の中で事件当時39歳で唯一成人だった上田徳人には、懲役10年の判決が下されています。上田徳人はこの判決不服として現在大阪高裁に控訴中です。
まとめ
今回は、2019年10月に発生・発覚した東尋坊での殺人事件の被害者である嶋田友輝さんや、事件概要、加害者らについてまとめてみました。
嶋田友輝さんは知人だったという17歳〜19歳の少年と当時39歳の上田徳人という男ら7人から暴行を受けた上、車のトランクに監禁されて東尋坊へと連れ去れ、約20メートルの崖の上から飛び降りることを強要されて殺害されました。
嶋田友輝さんの家族は母親と兄が1人で、家族からは事件の約1ヶ月ほど前に行方不明届が出されていました。事件発生以前には加害者のうち主犯格と見られる少年も絡むトラブルを起こしており、それが今回の事件の動機になったと見られています。
現在、この事件の加害者らへの判決は全て出ており、主犯格の当時19歳だった元少年には懲役19年が、それ以外の少年ら5人にそれぞれ、懲役5年〜最長で懲役15年までの実刑判決が下されています。これらの少年5人の判決は既に確定。
事件当時、唯一成人だった当時39歳の上田徳人には懲役10年の実刑判決が言い渡されていますが、上田は判決を不服として、現在大阪高裁に控訴しています。