2019年9月に起こった「池袋ラブホ殺人事件」ですが、被害者・荒木ひろみさんが犯人・北島瑞樹に殺害を要請した嘱託殺人というのが真相でした。
この記事では、「池袋ラブホ殺人事件」の詳細に加えて、犯人・北島瑞樹の生い立ち&出身高校と大学など経歴、そして現在についてまとめてみました。
この記事の目次
「池袋ラブホ殺人事件」とは
池袋ラブホ殺人事件、当初は変態プレー中の事故だと思われていた
「池袋ラブホ殺人事件」とは、2019年9月12日に、東京都池袋にあるラブホテルの一室にて、荒木ひろみさんが変死体で発見された事件となります。
9月12日午後8時半ごろ、東京都豊島区池袋1丁目のホテルから、「シーツにくるまれたものがあり、遺体かもしれない」と110番通報があり、2階の一室から30~40代ぐらいで身長約165センチの女性の遺体が見つかった。司法解剖の結果、首の圧迫による窒息死で、足首はビニール製のひもで縛られ、手首にも粘着テープが巻かれている状態だった。
通常の殺人事件とは違い、荒木さんがビニール製の布団圧縮袋に詰め込まれた状態で発見された「池袋ラブホ殺人事件」は、当初は変態プレー中の事故だったのではないかと思われていました。
報道関係者らとさっき電話で話していたんだけど、池袋のラブホテルでの女性殺人事件。やっぱり布団圧縮袋を用いた窒息系SMプレイの一環で誤ってSMクラブ勤務の風俗嬢を殺してしまった線で捜査中。犯人はいまだ逃走中。ってか警察は布団圧縮袋がSMプレイで使用されることを知らんかったらしい。 pic.twitter.com/UlBmnmbkKO
— Fetish Stage Mikey (@Fetish_Stage) September 14, 2019
「池袋ラブホ殺人事件」に関しては、ラブホテルの防犯カメラ映像により犯人の身元特定は容易だったようで、2019年9月18日になると、埼玉県入間市在住の大学生・北島瑞樹が逮捕されています。
「池袋ラブホ殺人事件」被害者・荒木ひろみの経歴…事件当時は無職で精神のバランスを崩していた
「池袋ラブホ殺人事件」の被害者の荒木ひろみさんに関しては、当初はネット上で風俗関係者との憶測も流れていたものの、実際のところは無職の36歳の女性でした。
一時期は派遣会社に登録して事務員として働いていたこともあったという荒木さんでしたが、近年は大腸の病気を患い体調を崩しており、東京都江東区にある実家のマンションで暮らしていたそうですね。
病苦から精神のバランスまで崩すようになっていたという荒木さんは、自殺サイトにアクセスするなど奇行が目立ったことから、心配した両親が携帯電話を止めていたとも言われております。
「池袋ラブホ殺人事件」犯人・北島瑞樹の生い立ちと経歴…出身高校や大学はどこ?
北島瑞樹、家族仲の良い家庭に育っていた
北島瑞樹(きたじま みずき)
生年:1997年
出身地:埼玉県入間市
「池袋ラブホ殺人事件」の犯人の北島瑞樹に関しては、埼玉県入間市出身であり、逮捕時にも実家のマンションで両親と一緒に暮らしていました。
幼少期より大人しい性格で反抗期らしい反抗期もなかったという北島瑞樹は、教育熱心な両親の元で育つこととなり、ピアノを習っていた時期があるなど、経済的に苦労することもありませんでした。
勉強がそれほど得意ではなかったという北島瑞樹は、地元・入間市にある県立豊岡高校(偏差値51)を卒業した後は、大東文化大学に進学し日本文学を専攻していたようですね。
大学進学後も特に生活を乱すこともなかった北島瑞樹は、「池袋ラブホ殺人事件」直前にも父親と一緒に車で買い物に行く姿が目撃されるなど、家族仲は良好に思われていました。
しかしながら、本人的には両親とは腹を割って話し合える関係ではなかったようで、日常的に会話する間柄ではあったものの、悩みを打ち明けることはなかったとか。
北島瑞樹、大東文化大学では劇団に所属していた
大東文化大学時代の北島瑞樹に関しては、2018年4月頃より学生演劇に打ち込むようになり、「池袋ラブホ殺人事件」時には「劇団でろり庵」という演劇サークルに所属していました。
「劇団でろり庵」での北島瑞樹については、温厚な性格からいじられ役だった一方で、脚本や演出を担当していたり主演として舞台に立ったりと、劇団内でも中心的な存在だったようですね。
一見するとリア充な学生だった北島瑞樹ですが、かねてより教師志望だったものの教育実習の現場で挫折を味わうなど、厳しい現実に晒されて悩んでいた一面もあったとか。
取り調べに対して被告人は、高校時代の演劇の先生が憧れの存在だと語っています。国語も教えていた先生で「先生になろう」と思い、大学でも教員になるためのコースを選択。2018年6月3日〜21日には教育実習生として学校に行きました。実習は終わりましたが、生徒達とコミュニケーションが上手くいかず「向いていないのかな」と本気で悩んでいたそうです。
「池袋ラブホ殺人事件」の真相…嘱託殺人事件だった
北島瑞樹、教員試験に不合格となり自暴自棄になっていた
当初は変態プレー中の事故かと思われていた「池袋ラブホ殺人事件」ですが、逮捕後の北島瑞樹の供述により、嘱託殺人事件であることが判明しています。
平凡ないち大学生だった北島瑞樹が犯罪者に転落したきっかけに関しては、2019年7月に行われた教員試験の不合格が原因でした。
就活に失敗した形となった北島瑞樹でしたが、両親には事実を打ち明けることが出来ずに、教員試験に合格したと虚偽の報告をしていました。
自らの嘘により追い詰められていった北島瑞樹は、やがて自殺願望を抱くようになり、ツイッター上で同じ自殺志願者との交流を始めるようになったそうですね。
その際に、北島瑞樹がDMを送ったアカウントは183にも及んでいたそうで、ツイッターより危険行為とみなされて自アカウントを凍結されたことが何回もあったとか。
自殺志願者と交流している内に、より一層病んだ精神状態に陥ってしまった北島瑞樹は、やがて嘱託殺人の妄想に取りつかれるようになって行きました。
「殺してあげますよ」とDMを送るとどうなるのか気になったと。「私は一人で死にますから」という人がほとんどの中「殺してください」と返す人もいて驚いたといいます。被告人はDMを送っていく中で、「自殺する勇気が出ない人を殺して楽にしてあげたい。そして自殺したい」と考えていました。10人も20人も殺すことはできないけど、3〜4人ならいけると。
北島瑞樹、荒木ひろみと知り合ったのは2019年8月だった
北島瑞樹が荒木ひろみさんと知り合ったのは、2019年8月のことでした。
両親より携帯電話を止められていた荒木さんでしたが、Wi-Fiを利用してインターネットを利用し続けていたようで、自殺志願者を募集している北島瑞樹のツィートを見て「私を殺してくれませんか?」とDMを送っていたそうですね。
その後具体的な嘱託殺人の話に移行した2人は、流血沙汰を嫌った北島瑞樹の都合から殺害方法に絞殺を選択した他、「人目につかない場所、きれいな場所で死にたい」といった荒木さんの願望から殺害現場をラブホテルに決定することになりました。
ちなみに、当初の予定では荒木さんを殺害後に北島瑞樹も自殺する予定だったとか。
北島瑞樹、荒木ひろみさん殺害直前に正気に戻り悪あがきもしていた
「池袋ラブホ殺人事件」当日の北島瑞樹は、待ち合わせ時間の2時間ほど前となる午後3時40分には、事件現場となったラブホテルを訪れていました。
その後、家族に「病院へ行く」と言い残してラブホテルに合流した荒木ひろみさんと初めて顔を合わせることとなった北島瑞樹ですが、「体調不良で立っているのも辛い」という荒木さんを介抱したりもしていたとか。
荒木さんの体調不良はかなり深刻だったようで、殺害前にトイレに行き数十分くらい戻って来ないなど、日常生活にも支障が出るレベルでした。
いざ殺害する段階になると、正気が戻って来て怖気づいた北島瑞樹は、自分の自殺用に用意した睡眠薬を荒木さんに飲ませて眠らせた後に逃げ出そうかと考えたこともありました。
そのため、「証拠になるのでお互いのTwitterを消しましょう」と持ち掛け、荒木さんに関連ツィートを削除させるなど、無駄な悪あがきも見せています。
こちらの行動の真意については、自分が逃げ出した後に荒木さんが自殺した場合に、警察より自殺幇助の容疑で取り調べを受けることを恐れていたようですね。
しかしながら、既に死ぬ覚悟を固めていた荒木さんに睡眠薬を飲ませる隙はなく、最終的にはベットに横たわる荒木さんを両手で絞殺することとなりました。
北島瑞樹、遺体をラブホテルに遺棄した意外な理由とは?
殺害後、荒木ひろみさんの遺体の手足を縛り布団圧縮袋に詰め込んだ北島瑞樹は、当初は持参したキャリーケースに入れて運び、池袋の廃墟に遺棄するつもりでした。
とはいえ、実際の荒木さんは肥満体型だった上に身長165cm前後ある大柄な女性だったため、遺体がキャリーケースに入りきらなかったそうですね。
そのため、他の持ち運び方法を思いつかなかったこともあり、やもえず殺害現場に遺棄するという選択肢を取らざるを得なかったとか。
ちなみに、荒木さんを殺害した後に自殺をする予定だった北島瑞樹でしたが、前述の通り正気に戻ったこともあり、実行出来ないまま逮捕されることになりました。
「池袋ラブホ殺人事件」犯人・北島瑞樹の現在…懲役5年の判決が下っていた
逮捕後の北島瑞樹は、殺害を要請された証拠として荒木さんの遺書やノートなどを受け取り自宅で保管するなど自己保身に抜かりはなかったため、嘱託殺人であるとの主張が通ることになりました。
その後、嘱託殺人罪で起訴された北島瑞樹は、2020年4月6日になると東京地裁より「懲役5年」の実刑判決が下っています。
SNSで知り合った初対面の女性を本人の依頼で殺したとして、嘱託殺人罪に問われた北島瑞樹被告(22)=埼玉県入間市=に対し、東京地裁は6日、懲役5年(求刑懲役7年)の実刑判決を言い渡した。井下田英樹裁判長は「事情を深く知りもせず軽々しく自殺に関与することが(被告の言う)人助けであるはずはなく、非常に悪質」と述べた。
嘱託殺人罪は「7ヶ月以上7年以下の懲役または禁錮刑」と規定されているため、判決はかなり重い部類に入ります。
とはいえ、嘱託殺人罪の罪自体がもっと重くても良いのではないかと不満に感じたネットユーザーも少なくなかったようですね。
嘱託殺人罪(自殺関与・同意殺人罪)だと6ヶ月以上7年以下の懲役又は禁錮にしかならないので、赤の他人同士の場合は量刑が重くなるよう法改正しないと悪用されそう。👨⚖️ #池袋 #殺人 #北島瑞樹
— iwbjp (@iwbjp) April 6, 2020
元私大生に懲役5年 ホテル遺体、嘱託殺人―東京地裁:時事ドットコム https://t.co/gkPNZvJuiF
「池袋ラブホ殺人事件」と犯人・北島瑞樹についてまとめてみると…
当初は変態プレー中の事故だと思われていた「池袋ラブホ殺人事件」でしたが、実際のところは、病気に苦しむ荒木ひろみさんの願いから生まれた嘱託殺人事件だったというオチとなりました。
荒木さんのご冥福を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。