2013年に起こった「しまむら土下座事件」ですが、ネットで大炎上したあげく、犯人が逮捕されるといった結末を迎えています。
この記事では、「しまむら土下座事件」の詳細と犯人のその後についてまとめてみました。
この記事の目次
ネットが大炎上した「しまむら土下座事件」とは
しまむら土下座事件、きっかけはツイッターの投稿
出典:https://katintokei.at.webry.info
「しまむら土下座事件」は、2013年9月3日に投稿された上記のツイートを発端に始まっています。
投稿者が上記の投稿をした背景には、同年の9月2日に、札幌市内にある「ファッションセンターしまむら苗穂店」にて購入したタオルケットに穴が開いていたといったトラブルがあったようですね。
そのため激昂した投稿者は、翌日になると「ファッションセンターしまむら苗穂店」にクレームを入れに乗り込み、女性店員2人に土下座を強要。
その様子を携帯電話で撮影した他、自宅に直接謝罪に来るように一筆を書かせるなど、暴走をしてしまうことになりました。
当然ながら、投稿者のモンスタークレーマーぶりには、ツイッター上でも非難の声が殺到することとなり炎上事件へと発展しています。
しまむらで客が店員を土下座させたと話題になっているようだ。いかなる理由があっても、たとえ損害が客に出ているとしても、土下座はやりすぎ。 損害が出た場合は、結局お金でしか解決できないし、土下座で解決するならそれは最初から、客にとっては大した問題ではなかった、ということ。
— ひなひな @ TOS ライマ (@hinata_hinako) September 22, 2013
その結果、自身へ殺到する批判の声に耐えきれなくなった投稿者は、ツイッターのアカウントを削除する羽目になってしまいました。
しまむら土下座事件、鬼女たちにより犯人が特定された
「しまむら土下座事件」では、類似の炎上事件同様に、投稿者の特定作業が進みました。
「しまむら土下座事件」の特定作業で活躍することとなったのは、「匿名掲示板2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」の「既婚女性板」の住民こと「鬼女」たちでした。
投稿者は、ツイッターの他にもmixiやFacebookといったSNSを利用しており、個人情報を垂れ流し状態であったため、身元の特定作業は意外と簡単だったようで、札幌市内に住む青木万利子であることが判明します。
しまむら土下座事件、土下座させられた店員は辞めたとの噂も
「しまむら土下座事件」では、2013年9月下旬になると、「匿名掲示板2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)」にて、「土下座させられた女性店員は2人とも退職している」とのリーク情報まで投下されています。
「しまむら」では、各店舗に正社員は店長の1人だけという特色があり、土下座させられた女性店員たちはM社員と呼ばれる区分のパート社員でした。
そのため、「しまむら土下座事件」をきっかけに退職をしていてもおかしくはない立場であった2人でしたが、週刊誌などで後追い記事が存在しないため、真偽のほどは定かではない噂となります。
「しまむら土下座事件」犯人・青木万利子(まりこ)のプロフィール【画像あり】
犯人・青木万利子は3人の子供の母親だった
青木万利子(あおき まりこ)
生年月日:1969年12月30日
出身地:北海道函館市
ネット上のあだ名は「プリティピンク」
ピンクが大好きなようです。
「鬼女」たちにより身元を特定されてしまった青木万利子でしが、旧姓は居村万利子といい、北海道函館市出身だったようですね。
事件当時の青木万利子には、21歳の長男と高校2年生の次男、幼稚園年長の長女がいたようですが、専業主婦ではなく訪問介護士として働いており、愛車は日産のマーチでした。
青木万利子は、「鬼女」たちにより、実兄が水産大学校の教職員をしており練習船の操機長であることまで突き止められていました。
犯人・青木万利子、旦那と別居中で娘と2人暮らしだった
青木万利子の次男と長女
青木万利子については、「しまむら土下座事件」当時は夫と別居中だったらしく、札幌市内のアパートで娘と2人暮らしをしていました。
別居中の夫に関しては、青木万利子がツイッター上で青木姓のとある薬剤師をやたら誹謗中傷していたことから、その人物が夫だったのではないかという話になっています。
また、青木万利子は元々ひどい癇癪持ちだったそうで、急に怒り出して娘を泣かせてみたり、娘をアパートの外に追い出して反省させるといったDVじみた行動を取ることがあったようですね。
そのため、2013年の春頃には、大声で怒鳴りつられる娘の身を案じたアパート住民が110番通報し、警察官が駆け付ける騒動まで起こっていたとか。
犯人・青木万利子、在日韓国人説も浮上していた
青木万利子には、在日コリアンだったのではないかとの説も存在します。
青木万利子に在日コリアン説が流れた原因については、鬼女たちの調査の結果、娘にチマチョゴリを着せた画像をSNSに投稿していたことが発覚したためでした。
青木万利子ではないかと言われている女性(写真左のピンクの洋服の人物)
その他、子供が北海道朝鮮初中高級学校に通っており、PTAの役員をしていたとの情報まで浮上した青木万利子には、鬼女たちの間で在日コリアン説が定着してしまったようですね。
とはいえ、青木万利子の在日コリアン説については、特に裏付けは取れていないらしく、その証拠として提示された画像も顔が確認できないため、本人たちであるとの確証はない状況となります。
「しまむら土下座事件」のその後~青木万利子は強要罪で逮捕されていた
しまむら土下座事件、2013年10月に青木万利子逮捕
不注意な投稿により、一躍ネット界の有名人となってしまった青木万利子ですが、2013年10月7日になると、強要罪(後に名誉棄損罪でも追起訴)で逮捕されています。
どうやら、「しまむら土下座事件」にて土下座をさせられた店員が、同年の9月下旬頃に被害届を提出していたらしく、刑事事件として警察が捜査を開始していたようですね。
青木万利子の行動には非難轟々だったネットユーザーたちでしたが、まさか警察沙汰になるほどの騒動だとは思っていなかったらしく、逮捕の一報に対しては驚きの声があがっていました。
逮捕になるんだね。びっくりだ
— ぴろぴろクローバー (@momoiroZZZ69) October 7, 2013
でも、土下座写真アップは引く
定員さんもわざと不良品販売してた訳でないし、しまむらでパートしてただけだもん写真まで撮られて、ネットに上げるってタオル自分買うとき気付かなかったのかなぁ不思議
ちなみに、逮捕後の青木万利子は、警察の取り調べに対して「土下座を強要した覚えはない」と否認を続けていたようですね。
しまむら土下座事件、強要罪が適用された理由
一般人には聞きなれない言葉である強要罪ですが、元々は暴力団関係者が一般人を脅迫した際に適用されることが多かった罪状であり、有罪となった場合は3年以下の懲役刑が処される規定となっています。
強要罪とは、暴行や脅迫によって『義務のないことを行わせる』、または『権利の行使を妨害する』こと。よくあるのは、暴力団関係者が相手を脅してカネを巻き上げようとするケースなどです。
そのため、2013年当時としては、お客が店員に土下座をさせるといった程度の騒動で強要罪が適用されることは稀でした。
実際の話、「しまむら土下座事件」の際に実施された街頭インタビューでも、顧客に土下座を強要させられた経験のあるサービス業勤務の女性は案外多かったらしく、情報番組のコメンテーターたちを驚かせていました。
そういえば、朝ちらっと見たテレ朝モーニングバードで、例のしまむら店員に土下座強要で逮捕の件で街頭インタビューが流れたのだが、「私も顧客に土下座させられたことがある」という女性の声がやたらと多くて、スタジオもそっちの反応にびっくりしていた。
— perspective (@prspctv) 2013年10月8日
「しまむら土下座事件」に限り、警察が逮捕に動いた理由については、社会的に注目を集める騒動に発展していたため、周囲へのアピール目的だったのではないかとの識者の指摘も存在します。
いま社会問題になっているネット炎上に、警察として何とか食い込みたい。ネットに絡む犯罪を摘発し、『道警は先進的な課題に取り組んでいる』と警察内の評価を高めたいという考えがあるのでしょう。
強要罪が適用された事例~あおり運転でも適用されていた
強要罪の適用事例① 「ボウリング場土下座強要事件」
「しまむら土下座事件」以降の日本において、強要罪が適用された事例として真っ先にあげられる案件が「ボウリング場土下座強要事件」となります。
「ボウリング場土下座強要事件」では、2014年12月6日深夜に、滋賀県内のボーリング場を訪れた舗装工・寺方和哉と2人の少女(17歳女子高校生、16歳無職)が、30代の女性店員に年齢確認を求められたところ逆上。45分に渡り因縁をつけた後、女性店員を脅迫して土下座させることになりました。
これが気に食わなかった男は「前に来たときはそんなこと聞かれんかった」「未成年と分かってて受付通したんか」などと罵声を浴びせた。挙げ句の果てには「土下座して謝れ」「土下座せえへんかったら、店のもん壊す」と女性店員に詰め寄り、少女2人も「はよ、やりいさ」などとはやし立てた。
この時の事件も、少女の1人が土下座画像などをツイッターに投稿したところ炎上騒動へと発展し、2015年1月に寺方和哉ら3人が強要罪で逮捕されています。
強要罪で逮捕後の3人は、寺方和哉が懲役8ケ月の実刑判決を受けた他、少女2人も家裁に送致される処分を受けました。
強要罪の適用事例② 「常磐道あおり運転殴打事件」
強要罪は、2019年8月に起こった「常磐道あおり運転殴打事件」でも適用されています。
「常磐道あおり運転殴打事件」とは、常磐自動車道を走行中だった男性が、不動産会社経営者・宮崎文夫にあおり運転をくらい、車を強制停車せられた挙句に殴打された事件となります。
一般的な交通トラブルでは、明確な証拠がなくあくまで当事者同士の水掛け論になってしまいがちなため、あおり運転のケースでも強要罪で起訴することは難しい現実があります。
しかしながら、「常磐道あおり運転殴打事件」の場合では、被害者のドライブレコーダーに進路妨害や急な割り込み、急ブレーキをかけるなど宮崎文夫の悪行がばっちりと映っていたため、強要罪での起訴が可能になったようです。
刑法では強要罪は「3年以下の懲役」で、「2年以下の懲役」で罰金刑もある暴行罪よりも重い。茨城県警は当初、暴行容疑での立件を視野に入れていたが、映像の存在があったことで、より重い容疑での立件にかじを切った。
強要罪の適用事例③ 「兵庫・宍粟団体委託金不正受給疑惑」
強要罪は、2019年11月に発覚した「兵庫・宍粟団体委託金不正受給疑惑」でも適用されています。
「兵庫・宍粟団体委託金不正受給疑惑」とは、兵庫県宍粟市にある「宍粟市雇用創生協議会」が架空のセミナーを実施したと捏造し、国からの委託金を不正に受給していたのではないかという騒動となります。
「兵庫・宍粟団体委託金不正受給疑惑」では、兵庫労働局の調査に協力し「宍粟市雇用創生協議会」の不正を証言した職員たちに対して、村岡龍男事務局長が発言の撤回を強要する一幕もあったそうですね。
そのため、村岡さんが一部職員より強要罪で訴えられるといった騒動にまで発展しています。
強要罪の適用事例④ 「東須磨小学校教師いじめ事件」
強要罪は、「東須磨小学校教師いじめ事件」でも適用出来る事例が存在するようですね。
「東須磨小学校教師いじめ事件」とは、神戸市立東須磨小学校にて、2017年から2019年にかけて起こった教師間のいじめ騒動となります。
先輩教師4人組が後輩教師を一方的にいじめ続けるという内容の悪質さから、当時ワイドショーでも大騒ぎとなった一件でした。
「東須磨小学校教師いじめ事件」では、後輩教師が先輩教師たちより家から学校までの送り迎えを強要させられたり、同僚教師に卑猥なメールを送るように命令されていたことが発覚していますが、これらの行為は強要罪に該当するようですね。
「しまむら土下座事件」の現在~青木万利子に罰金30万円の略式命令
「しまむら土下座事件」の現在については、2013年10月中には決着がついており、強要罪に関しては起訴猶予となっており、青木万利子は名誉棄損罪でのみ裁かれる形となりました。
その結果、札幌簡裁より罰金30万円の略式命令が下っている青木万利子ですが、当時の肩書は既に無職となっており、訪問介護の仕事の方はクビになっていたようです。
その後の青木万利子の消息については、ネット上でも話題にあがっておらず、不明となっています。
「しまむら土下座事件」についてまとめると…
・青木万利子に子供は息子2人と娘が1人おり、事件当時は旦那と別居中で娘と2人暮らしだった
・青木万利子は2013年10月に強要罪で逮捕、罰金30万円の略式命令が下った
・しまむら土下座事件の他に、強要罪を適用された事件に「常磐道あおり運転殴打事件」などがある
青木万利子に関しては、ネットの炎上騒動で身を滅ぼした典型例と言えます。
SNS時代となった現在では、他人の顰蹙を買いそうな行動は、日頃から控えた方が良いということなのでしょうね。