梅田悟といえば、2014年にAKB48の握手会にてアイドル襲撃事件を起こした問題人物となります。
この記事では、梅田悟の生い立ちや経歴情報に加えて、事件の詳細や判決など現在の様子についてまとめてみました。
この記事の目次
梅田悟の生い立ちと経歴~いじめにより全日制高校を中退していた
梅田悟、中学時代は県下トップクラスの陸上選手だった
名前:梅田悟(うめだ さとる)
生年月日:1990年5月16日
出身地:青森県十和田市
梅田悟の実家は青森県十和田市内にあり、家族は病弱な母親と1つ年上の姉の母子家庭で育ちました。
梅田悟の少年時代については、中学時代は陸上部に所属しており、800m走で県2位の成績を残すような有望なアスリートでした。
中学時代の梅田悟は、寡黙な性格ながらも部内では憧れの存在だったらしく、友達などもしっかりいたようです。
梅田悟、部活内のいじめにより高校を中退
将来有望なスポーツ少年だった梅田悟の人生に狂いが生じたのは、三沢市内の高校に進学して以降でした。
高校進学後も陸上部に所属することとなった梅田悟は、入部早々に先輩部員たちによるいじめを受けてしまったようですね。
梅田悟が受けたいじめは、言葉による陰湿ないじめだったそうなので、恐らくは並外れた実力の新人が入部したことにより、先輩たちの嫉妬を招いてしまったのではないかと思われます。
梅田悟の姉も同じ高校に通っていたこともあり、姉経由で学校の方にいじめを報告したものの、教師側たちはいじめを黙殺する一方でした。
陸上部の先輩たちからのいじめは、梅田悟にとっては自殺も考えるほど辛い物であったらしく、本人は高校を辞めたがってもいました。
しかしながら、母親が高校中退に反対していたためいじめを受けながら学校に通う羽目になった梅田悟は、次第に家庭でも話さなくなり、不登校化してしまったそうですね。
結局、2年の夏に高校を中退して通信制の高校に再入学することとなった梅田悟ですが、病弱な母親に迷惑をかけたくないといった想いが強かったため、授業料などはアルバイトをして稼いだお金の中から支払っていたと言われております。
梅田悟、通信制高校を卒業後は大阪に上京
通信制高校卒業後の梅田悟については、しばらくの間は地元でアルバイトをしていたものの、2012年頃に大阪に上京して派遣会社に登録。その後は、人材派遣会社の社員寮に住みながら交通整理の仕事をしていたようですね。
地元で働いていた頃からアルバイト代を全額家に入れるような孝行息子だった梅田悟は、大阪に上京した後も月20万円の給料の内17万円を実家に仕送りしていたとの情報があります。
母親「私が丈夫じゃないから、楽させたいと思ったのかもしれない。言葉はあまりいわない。給料をもらうとすぐ振り込んでくれるんです」
梅田悟は発達障害~コミニュケーションが苦手で話す人がいなかった
母親に楽をさせたいという想いから大阪に上京して懸命に働ていた梅田悟ですが、人間関係に悩んだ末に精神が不安定となり、病院で診察を受けることになりました。
病院で診断を受けた結果、精神病の兆候などは見当たらなかった梅田悟でしたが、先天的に発達障害があったことが発覚します。
母親「『オレは仕事ができないんだ』といっていましたね。自分は仕事がしたいのに、コミュニケーションとかが苦手だから友だちができない、話す人がいないと。仕事がしたかったと思うんだけどね」
その後の梅田悟は、2013年5月頃に実家に帰り、青森県から精神障害者保健福祉手帳2級を交付されています。
とはいえ、この時点では就労意欲を失っていなかった梅田悟は、青森県内の警備会社に再就職すると、十和田市役所に障害者手帳を返却していたそうです。
しかしながら、青森に帰って来ても人間関係に悩む日々は変わらなかったらしく、2014年1月に警備会社を退職してしまった梅田悟は、以降は実家に引き籠り状態になっていたと言われております。
当時の梅田家は、姉は既に独立して実家から離れており叔父が同居していましたが、梅田悟は叔父との関係も上手く行っていなかったようですね。
一緒に住むオジが梅田の暮らしぶりを話した。「人の話を聞かない。こうした方がいい、ダメだと言っても、自分の思ったように行動する。何を言ってもだめだった」「人に会いたがらない。閉じこもってしまうタイプ」「何を考えているかサッパリわからない。しゃべらないからね」
梅田悟が起こした「AKB48握手会傷害事件」の詳細
梅田悟、のこぎりで川栄李奈と入山杏奈を切りつける【2014年5月】
梅田悟は2014年5月25日に「岩手産業文化センター」で開催中だったAKB48の握手会イベントにて、アイドル襲撃事件を起こしています。
事件が発生したのは、AKB48のCDに封入されている参加券があれば誰でも参加できる「全国握手会」とよばれるイベントである。グループのメンバーとファンが握手を行う区画(レーン)のひとつに男が入り、のこぎりを取り出して川栄李奈と入山杏奈、および2人を守ろうとした男性スタッフを切りつけた。男は周囲にいたスタッフに取り押さえられ、警察に殺人未遂の容疑で現行犯逮捕された。切りつけられた3人は骨折や裂傷を負い、病院へ搬送されてただちに縫合手術を受けた。3人は事件翌日に退院した。
引用:AKB48握手会傷害事件
梅田悟、AKB48にはまったく興味がなかった
「AKB48握手会傷害事件」に関しては、事件発生直後はネット界隈でもアイドルオタクによる凶行だと思い込まれており、オタクバッシングを心配する声すらありました。
オタクが全員宮崎勤ではないし、AKBファンが全員ノコギリ男ではないように、無罪を訴える人が全員片山祐輔ヒコクみたいな嘘つきではない……んだけど、元々世間から色眼鏡で見られているクラスタは、1つ特殊な例が出るだけで全体が偏見を浴びるからすごく迷惑だし、自浄努力とか言われても困るし。
— ClaraKeene (@clarakeene) 2014年5月25日
とはいえ、前述の通りかつてはバリバリの体育会系エリートだった梅田悟は、アイドル界隈どころか売れ筋のJ-POPにすら関心はなかったらしく、好きな音楽のジャンルはメタルやハードロックといったマニアックなものでした。
そのため、AKB48のメンバーの顔も名前もまったく分からない状況だったようですね。
そんな梅田悟が、「AKB48握手会傷害事件」を起こした動機については、同世代の若者たちが華やかな世界で活躍していることに対する嫉妬心からだったと言われております。
検察側は冒頭陳述で、梅田被告は勤務していた警備会社を1月に解雇され、再就職も失敗した経緯を説明。「仕事も収入もない中、テレビでAKB48を見て『多額の収入があるAKBは、収入も職もない、つまらない自分と正反対』と思った。不満を解消しようと犯行に及んだ」と指摘した。
ちなみに梅田悟は、警察の取り調べに対して「(襲うメンバーは)誰でも良かった」と供述しており、事件当日にファンの列が短いレーンを選んで並んで見たところ、たまたま川栄李奈さんらの前に辿りついたようですね。
梅田悟、2ヶ月前から入念な犯行計画を練っていた
事件当日は、「散歩に出かけて来る」と母親に告げて自転車で外出したという梅田悟ですが、同居している母親や叔父からすれば事件の前兆となるような異変は感じられなかったそうですね。
とはいえ、梅田悟は突発的に「AKB48握手会傷害事件」を起こしたわけではなく、「岩手産業文化センター」にてAKB48の握手会が予定されていることを知った2014年3月末頃には、襲撃事件を構想していました。
2014年4月上旬になると、握手会参加用にAKB48のCDを購入していたという梅田悟は、事件の凶器となったノコギリについても、殺傷能力を高めるための改良を施していたことが確認されています。
男は接着剤を用いて、のこぎりにカッターナイフの刃を4枚貼り付ける改造を加えた。カッターナイフの刃はそれぞれ刃渡りおよそ12.6cmであり、男はこれらをのこぎりの刃体の両面に貼り付けた。そして、男は実際にダンボールを切ってみることにより、改造を施したこの凶器の切れ味を確かめていた。男はこの凶器を使った理由について「リーチがあって切れやすいと思った」と話している。
引用:AKB48握手会傷害事件
梅田悟、ネット上では同情論もある
「AKB48握手会傷害事件」に関しては、若い女性アイドルたちを狙った犯行ということで、事件直後はネット上でも梅田悟に対して厳しい批判が目立ちました。
梅田悟容疑者は、ホントに最低な男やな。
— 古川@1278(白金&スナッピー箱推し) (@najimahiro1278) 2014年5月27日
誰でも良かったんだと。
あの二人(スタッフもだけど)には、なんの罪もない。
女の子に刃を向けるとは、ホントにホントに最低な男や。
自分で自分を刺せばええ。
しかしながら、梅田悟の生い立ちや母親想いの一面が報道されるにつれて、ネット上でも同情の声が挙がり始めるようになっております。
彼のやった事には一切同情しない。
— はるきさん@🇹🇭わず (@osaka_sirokichi) 2014年5月29日
しかし、発達障害者が生き辛い社会にも問題があると感じる。―AKB襲撃の梅田悟「発達障害」の診断!母親「私に楽させようとコツコツ仕送り」:J-CASTテレビウォッチ http://t.co/EEaFOAVKpV @jcast_newsから
事件後にAKBグループは握手会のセキュリティを強化
「AKB48握手会傷害事件」は、AKB48系列のグループの握手会のセキュリティ強化のきっかけにもなっています。
事件後の握手会では、会場に入る前にまず手荷物検査が実施されており、持ち込める荷物は1つだけとなりサイズにも制限がかけられるようになりました。
ペットボトルなどを持ち込む場合も、その場でファンが試飲することで劇物でないことを証明する必要があるそうですね。
また、金属探知機による検査も実施されるようになり、少しでも反応があった場合は、スタッフによるボディチェックをクリアしないと会場内に入れなくなってしまいました。
その他にも握手会会場では、レーン入り口でチケット確認と本人確認も行われています。
ここまでクリアしてようやくレーンに並ぶことが許可されるファンたちでしたが、お目当てのアイドルのいるブースに入るためには、荷物棚に手荷物を預けたうえ、スタッフによる手の平チェックを受けて合格しないと辿り着けない仕組みのようです。
アイドルのいるブースに入る前に手荷物を預けて、順番が回ってきたら握手をする前に手の平を広げて「手の平チェック」。スタッフが何も持っていないことを確認すると、そのまま手を広げた状態でブースに入ります。チェック後に、ポケットなどに手を入れると注意されることも…。
梅田悟の現在~懲役6年の実刑判決により服役中
梅田悟、傷害・銃刀法違反での起訴にファン憤怒
逮捕後の梅田悟については、警察の取り調べに対して意味不明な供述が目立ったことから精神鑑定が実施されていますが、「刑事責任能力は問える」との鑑定結果が出たようですね。
その後の梅田悟は、最終的には殺人未遂罪ではなく傷害や銃刀法違反の罪で起訴されており、「事件が矮小化されすぎだ!」とAKB48のファンたちを憤慨させることになりました。
梅田 悟が殺人未遂から傷害・銃刀法違反で裁判っておかしいだろうが… 殺人未遂で立件しろや(怒) あんなの世の中にだすなや(怒)(怒)(怒)
— テツ (@gold_f_no1) 2014年11月4日
梅田悟、2015年2月に懲役6年の実刑判決
2015年2月になると、盛岡地裁より懲役6年の判決を言い渡されている梅田悟ですが、検察・弁護人双方が控訴しなかった結果、実刑が確定することになりました。
昨年5月25日に岩手・滝沢市で開かれたAKB48の握手会でメンバーらを切りつけたとして、傷害などの罪に問われた青森・十和田市の無職、梅田悟被告(24)の判決公判が10日、開かれ、盛岡地裁は懲役6年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。
一歩間違えれば死者が出ていた可能性もある「AKB48握手会傷害事件」だけに、梅田悟が懲役6年の実刑判決で済んでしまったことに対しては、「罪が軽すぎるのではないか?」と感じるAKB48ファンも少なくないようです。
現在の梅田悟については、判決を受けて服役中の身の上となっています。
梅田悟についてまとめると…
・梅田悟は2014年5月25日にのこぎりで当時AKB48だった川栄李奈さんや入山杏奈さんを襲撃、犯行動機は華やかな世界で活躍する彼女たちへの嫉妬心だった
・梅田悟は大人になって発達障害発覚、コミニュケーションが苦手で話し相手もいなかった
・梅田悟は現在、懲役6年の実刑判決により服役している
梅田悟については、元々は母親想いの心の優しい青年ではあったため、もっと早い段階で発達障害に気が付いて治療を受けていれば平穏無事な人生が歩めていたのではないかと、残念な気持ちとなります。
梅田悟が事件に対する贖罪を終えて、人生をやり直せる日が来ることを祈っております。