2017年夏の甲子園で優勝した花咲徳英高校野球部の当時のキャプテン・千丸剛が強盗致傷事件で逮捕され実刑判決を受けました。
この記事では千丸剛の起こした強盗事件や生い立ちや親や家族、駒沢大学進学後の異変や中退、事件の判決や現在などについてまとめました。
この記事の目次
千丸剛(元甲子園優勝校野球部主将)が強盗致傷で逮捕
2017年の夏の甲子園大会で優勝した花咲徳英高校野球部の当時のキャプテン・千丸剛が、強盗致傷容疑で2020年1月8日に千葉県警によって逮捕されました。
千丸剛といえば、高校1年生の頃から強豪花咲徳栄高校野球部のレギュラーを獲得し、以降、甲子園大会に3度出場し、小兵ながら抜群の野球センスを持つ巧打者として注目を集めた存在でした。
3年夏の大会では、2番セカンドとして出場して大会打率4割超えを記録するなど活躍し、キャプテンとしてチームを優勝(同高校初で埼玉県勢としても初の快挙だった)に導いたスター選手として将来も期待されていたため、この逮捕報道は全国の野球ファンや関係者に衝撃を与えています。
今回はこの千丸剛の強盗致傷事件の概要や逮捕とその後、家族や親、生い立ちや事件起こすまでの経歴などを中心に見ていきます。
千丸剛が起こした強盗致傷事件の詳細
出典:https://amd-pctr.c.yimg.jp/
まず最初に、千丸剛が起こした強盗致傷事件の詳細な内容について、千丸剛の視点から時系列順に見ていきます。
千丸剛は事件のあった2019年当時、高校卒業後に進学した駒沢大学を1年生で中退し、東京都町田市の自宅で引きこもりのような生活を送っていたようです。この駒沢大学中退の経緯については後述します。
そんな頃に、小中学時代からの友人から「人のいない家からお金を運ぶ仕事がある。」という連絡が来たのだそうです。千丸剛はおそらくこの時、この「仕事」の内容を怪しんだであろうと思いますが、友人から「全然問題ないから大丈夫」、「報酬は数十万」と説得され、この「仕事」を受けてしまいます。
千丸剛は逮捕後の取調べや裁判でこの時の事について「声を掛けてくれた友人の機嫌を損ねるのに気が引けて、誘いを受けてしまった」と供述しています。
2019年4月26日、千丸剛は指定されたコンビニに集合し、他の犯行メンバー4人と初めて顔を合わせています。千丸剛はこの時、「コバヤシ」という偽名を名乗っています。千丸剛は他の犯行メンバーと共に、100円ショップで、犯行に使う果物ナイフやガムテープなどを購入し、全員で車に乗り込んで犯行現場へと向かいました。
その途中、千丸剛ら犯行グループは、千葉県八街市で停められていた車からナンバープレートを2枚盗み、自分達の車に取り付けて偽装しています。
そして、犯行現場近くで車を停めた後、犯行グループの主犯格の吉添勇人は、千丸剛を含むメンバー全員にナイフやガムテープを配り、これからやる事と役割分担の説明を始めました。千丸剛は裁判では、この段階で初めて強盗をやるのだと気づいたと供述しています。
また、千丸剛は裁判で、強盗をやると知って衝撃を受けたが、バールを持った主犯格の吉添勇人に、「ヤクザが見張っている。もし逃げればお前や家族の命が狙われる」などと脅されて断る事ができなかったと供述しています。
そして、同日21時40分頃、地丸剛ら犯行グループは、千葉県八街市の店舗兼住宅のインターホンを鳴らし、「すみません、壁に車をぶつけてしまって」と嘘を言って家主(当時60歳の男性)に玄関を開けさせ、主犯格の吉添勇人がバールで頭を殴って家主に頭蓋骨骨折の大怪我を負わせた上、屋内に押入りました。
犯人グループらは、家主の妻(当時58歳)を果物ナイフで脅して押さえつけ、顔に刃物による軽傷を負わせています。この時の事について、千丸剛は、他の犯行メンバーが家主の妻を縛ったガムテープの端を切れと指示されたという事ですが、手が震えてしまってうまく切れず、その場にナイフを落としてしまったと供述しています。
その後、家主の妻が大声で助けを求め始めたため、犯行グループは何も盗まずに、現場にバールや刃物などを残したまま逃亡しています。
通報を受けた千葉県警佐倉署は強盗致傷事件として操作を開始し、事件発生から約8ヶ月後の2019年12月3日に犯行グループのうち2人を逮捕し、2020年1月8日に、千丸剛を含む残りの犯人3人を逮捕しています。
千丸剛は逮捕されるまでの間、母校の花咲徳英高校野球部の手伝いをするなどしていたという事です。
千丸剛の生い立ちやプロフィール
千丸剛(ちまるつよし)のプロフィール
生年月日:1999年4月21日
出身地 :東京都
身長 :167cm
体重 :67kg(甲子園出場時データ)
千丸剛の生い立ちについては情報があまり無いのですが、少年時代から有望な野球選手だったという事で通っていた学校や少年野球チームなどはわかっているので紹介します。
千丸剛の出身小学校は「町田市立鶴川第四小学校」で、小学校2年生の頃に軟式野球チーム「鶴川イーグルスターズ」で野球を始めています。当時のポジションは捕手だったそうです。
その後は、「町田市立真光寺中学校」へと進学し、シニアチーム(硬式野球クラブチーム)の「青葉緑東シニア」に所属して三塁手として活躍しています。
少年野球時代やシニア時代の千丸剛の詳しい成績などは不明です。
その後、千丸剛は花咲徳英高校へと進学し、野球部に所属して3年時にキャプテンに就任。3年夏の大会ではチームを全国制覇へと導きました。
なお、インターネットの噂レベルの情報になりますが、千丸剛は中学時代は野球の選手としても知られていたものの、素行が悪いところがありヤンキーとしても有名で、人間性に問題があったという書き込みなども見られます。
しかし、花咲徳英高校野球部の監督の岩井隆さんは、千丸剛の人柄を以下のように絶賛していました。
名将・岩井隆が「人間性が異次元」と絶賛する仕事人・千丸剛(花咲徳栄3年)。1年秋からレギュラーを掴み、昨夏は2年生ながら甲子園16強入りに貢献。秋には満場一致で主将に就任。夏直前には球が放置してあり、岩井監督が激怒。その後、主将自ら殴って下さいと言い出す責任感の持ち主。 pic.twitter.com/XrXTN9ezI4
— 富山の高校野球 (@nozomilabu) August 30, 2017
また、千丸剛の高校時代の友人が、実話ナックルズ系のウェブメディア「覚醒ナックルズ」の取材でその人柄について下のように答えています。
アイツ、めちゃくちゃイイヤツだったんですよ。後輩の失敗を『俺のせいです』と言ったり責任感あって男らしくて、それでいて冗談も面白いし、みんなに好かれてました。だから、『イイヤツすぎて人間性が異次元レベル』とか言われてたんですよ。
こうした証言が複数あるので、千丸剛は中学生の頃から人間性が悪かったというのは少し疑わしい気がします。
強盗致傷という凶悪犯罪を犯してしまっために、ある事ない事ネットで書き込まれているという事かもしれません。
千丸剛の親や家族
千丸剛は元甲子園のスター選手という事もあり、親や家族に関する情報もある程度ニュースになっているのかと思ったのですが、生い立ちに関する情報と同じようにそうした情報もほとんど見つかりません。
ただ、千丸剛が甲子園で活躍していた頃には、父親の千丸勉さんが何度かメディアの取材を受けていました。
千丸の父、勉さん(48)は「(強豪の前橋育英相手に)初回の4点なんて(勝敗には)関係ない。油断せずに」と、かぶとの緒を締め直した。
千丸剛は、甲子園で優勝するほどのチームのキャプテンだったわけで、親や家族も全力でバックアップに当たっていたのではないかと思います。それだけに今回の千丸剛の強盗致傷での逮捕は親や家族は大変つらい思いをされているのではないかと想像されます。
千丸剛の強盗致傷事件での裁判では両親も出廷して傍聴していたそうですが、マスコミの問いかけには答えず無言だったという事です。
千丸剛は高校卒業後に駒沢大学へ進学も野球部のしごきなどで中退
千丸剛は花咲徳栄高校を卒業後は、強豪野球部で知られる駒沢大学へとスポーツ推薦で進学し、春の東都リーグにも出場しています。
しかし、千丸剛は1年生の夏(2018年9月)に野球部を退部し、2019年3月には駒沢大学からも中退しています。
千丸剛は強盗事件の裁判で、この野球部退部と大学中退の理由ついて、野球部の先輩から「理不尽なシゴキを毎日受けた」ためと供述しています。
本人の証言によれば「深夜にコンクリートの上で正座させられて説教」「大雨の中、カサ禁止で買い出し」「根性焼き」など、先輩から「理不尽なシゴキを毎日受けた」ことによって、1年生時に野球部を退部、大学も中退していた。
供述によれば、千丸剛は野球部の先輩からのこうした「理不尽なシゴキ」を受けた事に耐えかねて野球部を退部し、「野球部の先輩と大学のキャンパスで顔を合わせるのが苦痛だった」ため、大学も中退したという事です。
千丸剛はこの大学退学のすぐ後に、今回の強盗致傷事件を起こしています。
高校時代には人格者と絶賛されていた千丸剛が、強盗致傷という凶悪事件を起こしたのには、この駒沢大学時代が何か関係しているのではと見る向きも多いようです。
千丸剛が野球部先輩の財布から金を盗もうとしたのが退部の理由との報道も
2020年2月5日に配信された週刊文春オンラインの記事(現在は削除されている)によると、千丸剛が駒沢大学野球部を退部した理由はしごきだけではなく、千丸剛が野球部先輩の財布から金を盗もうとして問題になった事だったそうです。
この記事によれば、千丸剛は先輩の財布から金を盗もうとしているところを現行犯で発見され、部内で問題になったが、当時まだ未成年であった千丸剛の将来のためにも不問にして許してやろうという結論が出されたという事でした。
ところが、千丸剛はその後程なくして野球部を辞めてしまい、駒沢大学も中退してしまったのだそうです。
これについては、駒沢大学野球部のOBである元プロ野球選手の石毛宏典さんが、自身のYouTubeチャンネルで詳細は隠しつつ匂わせるように触れていたので、おそらく事実では無いかと推測されます。
この石毛宏典さんのYouTube動画は、はっきりとは言っていないものの、おそらく駒沢大学野球部のしごきがあったという件も事実では無いかと思わせる内容になっているので、少なくとも千丸剛がこの駒沢大学野球部で何らかの問題を抱えていたのは間違いないようです。
この件については2020年2月に配信された週刊文春デジタルの記事(1月に配信の記事とは別記事)で以下のようにまとめられていました。
夏には野球部を退部し、大学も中退。ツイッター上には、その理由として、先輩の財布のお金を盗んだことや、先輩からいじめを受けたことなどが挙げられている。
千丸剛が大学進学後に様子がおかしくなったという証言も
先輩の財布を窃盗するというのは、高校時代の千丸剛の評判からするとかなり違和感があるのですが、高校時代の友人の1人は、千丸剛は大学へ進学してから様子がおかしくなったと証言しているようです。
でも、大学行ってから久々に連絡とると、前は絶対に言わなかった愚痴とか言ってて様子がおかしかったです。『大学の奴ら全員むかつく』みたいなこと言ってましたから
他にも、この友人は、様子のおかしくなった千丸剛が詐欺のような話を持ちかけてきたといった証言もしていました。
千丸が、
「億万長者になったユーチューバーがやってる極秘の裏アプリがあり、それを使うと投資で自動売買ができて絶対儲かる。裏アプリは高いけどユーチューバーと知り合いの奴がいて、みんなで金を出し合えば使わせてくれる」
というような内容の話をしていたというのだ。
大学時代の千丸剛に一体何があったのでしょうか。
千丸剛の強盗致傷事件での判決は懲役5年
千丸剛の強盗致傷事件の裁判員裁判は2021年1月から千葉地裁で開かれています。
千丸剛は、大学の野球部を退部し中退もして自暴自棄になっていたという事情や、強盗だとは犯行直前まで気がついていなかった事、実際に犯行に関わる行動は自分ではとっていない事などを主張して執行猶予付きの判決を求めていました。
しかし、そうした主張は全て退けられ、2021年2月4日に懲役5年の実刑判決が下されています。(求刑は6年)
当たり前ですが、強盗事件の被害にあった夫婦は重傷負わされ、一歩間違えば命を奪われていたかもしれないという恐怖を現在も抱いているわけで、千丸剛個人のそうした事情など関係なく実刑判決を下して欲しいと願っており、そうした被害者の感情もこの判決に関係したようです。
千丸剛の現在と今後
千丸剛は裁判で、花咲徳栄高校の岩井隆監督の紹介で関西の不動産会社への就職が決まっていると供述していました。仮に執行猶予付きの判決が出ていれば、この会社へ就職するつもりだったようです。
被害者への弁償金500万円を両親が建て替えて支払っているという事で、この会社で働いてそれを返済するつもりだったようです。
しかし、執行猶予はつかず懲役5年の実刑判決が下されたという事で、この就職の話も立ち消えになったと思われます。
今後についてですが、千丸剛は犯行自体は認めており、強盗致傷の実行犯として懲役5年の判決なので控訴して争うという事は考えづらいように思えます。このまま刑が確定し服役して罪を償う事になる可能性が高いと考えられます。
まとめ
今回は、2019年に強盗致傷事件を起こして逮捕された元甲子園スター選手・千丸剛についてまとめてみました。
千丸剛は、2017年夏の甲子園で優勝した花咲徳英高校野球部をキャプテンとして牽引し、その後は駒沢大学へ進学して将来が嘱望されていましたが、1年で駒沢大を中退し、そのすぐ後に今回の強盗致傷事件を起こし逮捕されました。
その後、千丸剛には裁判で懲役5年の実刑判決が下されています。
千丸剛は満期で出所したとしてもまだ26歳と、十分にやり直しが効く年齢だと思うので、刑務所でしっかり罪を償って人生をやり直して欲しいです。