2021年12月に文星芸術大学で女子生徒・西岡洸さんが作品制作中に重度のやけどを負い死亡する事故が発生しました。
この記事では文星芸術大学での事故の概要、やけどを負って死亡した西岡洸さん、事故原因、その後の学長のちばてつやさんのコメントや現在についてまとめました。
この記事の目次
文星芸術大学で女子学生・西岡洸さんがやけどで死亡した事故の概要
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栃木県宇都宮市上戸祭町の文星芸術大学で、2021年12月22日に同大学芸術学部3年生の女子学生・西岡洸(にしおか・たける)さん(事故当時21歳)が、学内での作品制作中に負ったやけどが原因で死亡する事故が発生しました。
発表によると、西岡洸さんは12月22日の14時10分頃、文星芸術大学構内の多目的工房室の外の屋外の作業台で、グラインダーという電動工具を使用して、立体作品で使用する鉄板を切る作業をしていました。
その日は自主制作日で他の生徒はおらず、西岡洸さんは大学のグラインダーの使用許可を得て、職員に助手を頼んで作業をしていました。
グラインダーで鉄を切る際、加熱された切断粉が火花となって飛び散るため、西岡洸さんは注意事項を守って燃えにくいつなぎ、ゴーグル、厚手の手袋などを着用していました。
ところが、飛び散った火花が、何らかの原因で西岡洸さんのつなぎの下に着ていた衣服に引火し火災が発生。
この時、作業助手を頼まれていた大学職員は壁を隔てて隣接する多目的工房室で事務作業をしており、西岡洸さんの悲鳴を聞いて外に出たところ、上半身から炎が上がっていたという事です。
この時、作業台の側には消火器や水を入れたバケツなどは備えられておらず、大学職員はやかんで水を掛けるなどして消化を試みましたが火は消えず、最終的に西岡洸さんが自ら室内の水道で頭から水をかぶって消火したという事です。
西岡洸さんは重度のやけどを負って宇都宮市内の病院に救急搬送され入院して治療を受けていましたが、12月30日18時25分頃にに死亡しました。死因はやけどに伴う蘇生後脳症と発表されています。
文星芸術大学の事故で死亡した西岡洸さんについて
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文星芸術大学の事故で死亡した学生の西岡洸さんについては、事故の当時、同大学芸術学部3年生の21歳で、総合造形を専攻していたという事です。文星芸術大学関係者によれば、西岡洸さんは熱心な生徒だったという事です。
西岡洸さんのSNSはFacebookのアカウントが特定されていますが、顔写真などは掲載されていません。
Facebookのプロフィールデータによると、西岡洸さんは栃木県宇都宮市出身で作新学院高等部美術デザイン科を卒業されているようです。
また、文星芸術大学・宇都宮文星短期大学の公式YouTubeチャンネルに投稿されていた大学のプロモーション動画で西岡洸さんが紹介されているものがありました。
この動画は事故後に削除されていますが、動画のサムネイル画像や作業中の切り抜き画像がネットに出回っています。(顔画像はここでは紹介しません、見出し冒頭は電動工具使用して作業中の西岡洸さんの切り抜き画像)
文星芸術大学の西岡洸さんやけど死亡事故では大学側の責任を問う声も多数
仕事現場で電動工具を使用した経験がある人からは、西岡洸さんが出演していた動画を見た上で「使い方が危ないように見える」、「作業着の着用の仕方に問題があるのでは」といった声も出ていたようです。
また、西岡洸さんがグラインダーを使用していた時、助手として付き添っていた大学職員はその場におらず、壁を隔てた部屋で事務作業を行なっていたという事ですが、同様にグラインダーを使用する栃木県内の宇都宮大学や帝京大学宇都宮キャンパスでは、必ず教職員を含めて付き添い人が複数いる状況でのみ使用を許可しているという事です。
こうした事から一部からは文星芸術大学側が適切な安全対策を行なっていなかったのではないか、また、生徒に対して正しく安全対策の指導をしていなかったのではないかなど、大学側の責任を問う声も多数上がっているようです。
鉄板の切断作業で火花が着衣に引火、文星芸術大学の女子学生死亡(読売新聞オンライン)#Yahooニュースhttps://t.co/pJgldR37LG
— たかじ(下手でもマッスルバック) (@dobusarainofu) December 31, 2021
痛ましい事故だけど、完全に管理者の責任。
服そうだけど、適正保護具をちゃんとしてたのかも疑問ですな。作業前のKYをちゃんとやればこんなことにはならんよ。
芸術大学の女子学生 作品制作で大やけど負い死亡
— やぁぼん (@yaabon) December 31, 2021
子供の死亡事故もそうだしこれも切断作業してて火花が着衣に着火したとかで若い娘が死んでる
芸術云々の前に教える事教えないと
切断や溶接も作品制作でするなら防火管理責任者講習、電気工事士2種の他にアーク溶接とかも講習しろ
お悔やみを。
— ユキタロウ (@yodakigari00) December 31, 2021
いろいろ気になるところがあるが。
防火性の作業着と、引火したときの消火活動はどうだったのか?
もし不十分だった場合、大学の責任は重大。#宇都宮市 #文星芸術大学
芸術大学の女子学生 鉄板切る作業中にやけどして死亡 宇都宮|NHK 首都圏のニュース https://t.co/FCn73rLkKt
指導教官の責任という話もあるけれど、大学としての安全管理体制の問題だろう。安全管理は組織的にやらないとな。
— マサル (@johnny_t_r) December 30, 2021
鉄板切断作業で着衣に引火、文星芸術大の女子学生が死亡(読売新聞オンライン)#Yahooニュースhttps://t.co/ZzMu0N6iWj
文星芸術大学の西岡洸さんやけど死亡事故のその後① 大学と警察による原因調査が開始
続けて、文芸芸術大学で発生した西岡洸さんやけど死亡事故のその後の展開についてもまとめていきます。
文星芸術大学は、西岡洸さんがやけどを負った事故発生の翌日の2021年12月23日に、学内に安全対策調査検討委員会を設置して原因の調査をはじめています。
また、栃木県警察宇都宮中央署が、西岡洸さんがやけどの後遺症で死亡した12月30日に、事故の発生と原因の調査を行なっている事を発表しています。
栃木県警宇都宮中央署は30日、文星芸術大学(宇都宮市上戸祭4丁目)の美術学部3年、西岡洸(たける)さん(21)が作品制作中にやけどを負い、入院先の病院で死亡したと発表した。署は、大学の安全管理に問題がなかったかなどを調べている。
文星芸術大学の西岡洸さんやけど死亡事故のその後② 学長のちばてつや氏がコメント
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文星芸術大学の学長には、2019年4月から「あしたのジョー」などの作品で知られる漫画家のちばてつや氏が就任しています。
文星芸術大学での西岡洸さん死亡事故のその後の2021年12月31日に、ちばてつや氏は学長の立場から以下のコメントを発表しています。
学内でこのような事故が起きたことは、大変申し訳なく、学長として重く受け止めております。亡くなられた学生に対しましては、心から哀悼の意を表するとともに、ご家族の皆様には心よりのお悔やみを申し上げます。なお、事故原因の究明に向けて、当該事故にかかる調査委員会を設置しました。大学としてこの出来事にしっかりと向き合い、今後、このようなことが起きないよう努めてまいります。
文星芸術大学の西岡洸さんやけど死亡事故の現在…インナーへの引火が原因との見解が示されている
現在も、大学が設置した安全対策調査検討委員会や栃木県警宇都宮中央署により、西岡洸さんが死亡する事故が発生した原因についての調査が続けられています。
西岡洸さんの死亡から1ヶ月が経過した2022年1月31日に、捜査関係者からの情報として、西岡洸さんが事故発生当時、作業着の下にフリースのような燃えやすい素材の衣服を着用しており、それに首元から火花が入って引火したのが原因ではないかとの見解が示されています。
また、現在、文星芸術大学側は事故当日は風が強かったため火花があおられた事が事故の原因になったのかもしれないという見解を示しているという事です。
捜査関係者によると、女子学生はフリースのような燃えやすいインナーを着用していた。つなぎの燃焼状況ややけどの状況から、首元から火花が入って引火したとみられる。大学は「当日は風が強く、火花があおられたのかもしれない」とみる。
まとめ
今回は、2021年12月22日に文星芸術大学で同大学3年生だった女子生徒、西岡洸さんが作品制作中に重度の火傷を負い、それが原因で死亡した事故についてまとめてみました。
西岡洸さんは、グラインダーという電動器具で作品制作のために鉄板を切断しており、その際に飛び散った火花が衣服に引火してやけどを負い、病院に搬送されたものの8日後に死亡しました。
事故の原因については、大学が設置した調査委員会と栃木県警察による調査が続いていおり、現在は、西岡洸さんが作業着の下に燃えやすい素材のフリースを着ており、飛び散った火花が首元から中の衣服に引火した事が原因ではないかとする見解が示されているようです。