「ALS患者嘱託殺人事件」でALS患者を安楽死させたとして嘱託殺人の容疑で逮捕された山本直樹容疑者が、父親殺害容疑で再逮捕され話題となりました。
ここでは山本直樹容疑者の経歴や出身大学などの学歴、家族情報、犯行動機、医師免許の不正取得疑惑、共犯の大久保愉一医師との関係や共著などについてまとめました。
この記事の目次
山本直樹はALS嘱託殺人事件でALS患者を安楽死させたとされる医師
今回の記事で焦点を当てる山本直樹医師は、2020年7月23日に発覚した「ALS患者嘱託殺人事件」の犯人とされる男性です。
この事件についてはまだ捜査段階であり、犯人とされる山本直樹医師についての情報も不明な点が多くありますが、現在までに明らかになっている事をまとめていきます。
「ALS患者嘱託殺人事件」とは
まず、山本直樹医師が容疑者として逮捕された「ALS患者嘱託殺人事件」について簡単に説明します。
「ALS患者嘱託殺人事件」は、2020年7月に発覚しましたが、発生したのは2019年11月30日でした。
神経が障害を受ける事で筋肉が次第に萎縮していき、最後には自分の力では動く事も、話す事すらもできなくなってしまう難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」を患っていた、林優里さん(当時51歳)は、twitterなどを通じて、宮城県名取市の医師・大久保愉一医師に安楽死させて欲しいと嘱託殺人を依頼しました。
2019年11月30日の夕方頃、大久保愉一医師(2020年8月時点42歳)と、東京都港区の山本直樹医師(2020年8月時点43歳)は、林優里さんの京都府中京区の自宅マンションを知人だと偽って訪れ、付き添いのヘルパー女性を別室に行かせ、薬物(バルビーツ酸系の鎮静剤)を胃ろうを使って林優里さんに投与し急性薬物中毒によって死亡させました。
そして、異変に気がついたヘルパーの女性が主治医に連絡。その主治医が警察に連絡した事で事件が発覚しました。大久保愉一医師と、山本直樹医師が林優里さんの自宅に滞在したのはわずか10分ほどだったようです。
その後、防犯カメラに残された映像などから、大久保愉一医師と山本直樹医師が容疑者として浮上し、2020年7月23日に2人は嘱託殺人容疑で京都府警に逮捕されました。
また、その後の調べでは、死亡した林優里さんが山本直樹医師の金融口座に130万円を振り込んでいたのが判明しており、これが嘱託殺人の報酬だったのではと推測されています。
山本直樹医師はなぜ嘱託殺人に加担したのか?
共犯者の医師の大久保愉一医師は、以前からSNSなどで安楽死を肯定するかのような発言を繰り返していましたが、山本直樹医師は過去にそうした言動はなかったという事です。
それではなぜ、山本直樹医師は殺人罪に問われる可能性が高い嘱託殺人計画に加わったのでしょうか。
産経新聞の記事によれば、山本直樹医師は知人らから以下のように評されていたようです。
知人らから「医師というよりビジネスマンのようだった」「金への執着がすごかった」と評される山本容疑者。
また、安楽死を依頼したALS患者の女性・林優里さんが、その報酬とみられる130万円を振り込んだ先は、山本直樹医師の銀行口座でした。
後述しますが、山本直樹医師はヨウ素(ヨード)を原材料としたがん治療薬を手がける会社を設立し代表に就任してビジネスを展開していたようで、山本直樹医師の知人がそれに関連して以下の証言をしているのです。
今年の春頃には、『原価数千円のペットボトル1本分のヨードが10万円前後で売れるんだよ』と嬉々として話していました。プロジェクトがこれからという時期に嘱託殺人に手を染めるなんて……。理解不能な行動ですね。目先の金に目がくらみ、ビジネスの一環と捉えて後先考えずに行動してしまったのでしょうか
こうした情報から、山本直樹医師は単純にお金目当てで嘱託殺人に加担したのではないかとする見方が現在のところ有力になっています。
一方で、山本直樹医師はtwitterで下のようなツイートもされています。
医者冥利に尽きるとき。
— N YAMAMOTO, MD (@ICI_Master) March 27, 2018
1)救命できないと思われた患者さんが命を取り留めたとき。
2)患者さんが医者で私の治療に喜んでくれたとき。
1)と2)ではシーンも意味合いも全然異なりますが、同業者に喜ばれるというのは結構くすぐったいものです。プロとしての道を究めたいと思います。
「医者冥利に尽きるとき」として救命できないと思われた患者さんの命を救えた時をあげています。これが本心から山本直樹医師の志であったのなら、今回の嘱託殺人への加担には違和感を抱きます。
また、山本直樹医師の知人は彼の性格面について以下の証言をしています。
彼は、決して冷酷だったり、当たりの強い人ではないんです。それに、安楽死や尊厳死の是非を倫理的に考えて、覚悟を決めて突き進むような人でもありません。そもそも終末医療や難病治療に携わっていたわけでもない。ただ頼まれたら断れないというか、『ノー』とは言えない性格ではある。
こうした山本直樹医師の性格が事実であれば、山本直樹医師は、大久保愉一医師に協力を頼まれ、断れずに流され共犯になってしまったようにも見えてきます。
この「ALS安楽死嘱託殺人事件」は現在はまだ捜査が続いている段階であり、今後詳細な情報が明らかになる事が待たれます。
山本直樹医師と大久保愉一医師の関係
山本直樹医師と、共犯者の大久保愉一医師の関係も注目されています。
2人は出身地も出身大学も違うため、一見接点がないように見えるのですが、2人は学生時代に、「Med-Pearls Sharing Project」という医学勉強会を通じて知り合ったようです。
この医学勉強会のWebページによると山本直樹医師の肩書きは「WEB MASTER」で、2期生の役員の立場。大久保愉一医師は1期生のナンバー2にあたる「副総括」という立場にあったようです。
ただ、当時を知る知人には山本直樹医師と大久保愉一医師が特別親しかったという印象はないようです。2人がどのように連絡を取り合い嘱託殺人に及んだのかの詳細については今後明らかになってくると思われます。
山本直樹の経歴や出身大学など学歴
山本直樹医師の経歴、出身大学などの学歴についても注目が集まっています。
山本直樹医師は、関西地方の出身という事は報じられていますが、生い立ちなどの子供時代の経歴は明らかになっていません。
山本直樹医師の学歴については、兵庫県の中高一貫の名門進学校「灘中学校」「灘高等学校」を経て、「東京医科歯科大学」の医学部へと進学したようです。
しかしどういう理由かは不明ながら、山本直樹医師は東京医科歯科大学を中退しており、その後は韓国ソウルにある「慶熙大学」に入学しているようです。そしてこの「慶熙大学」を卒業した確認も取れていないという事です。
山本直樹医師の学生時代については、灘中学・灘高等学校で6年間同級生だったという男性が「目立つことのない大人しいタイプ」だったと証言しています。また、この男性は山本直樹医師が中学1年生の時になぜ1歳年上の13歳で不思議に思ったという証言もしています。
山本直樹医師の学歴後の経歴については、大学で学んだ後に医師国家試験を受験して医師免許を取得し、千葉県の救急医療センターで働いていたようです。この千葉兼救急医療センター時代にはアメリカへの留学も経験しているという事でした。
関西出身の山本容疑者は東京都内の医科大に在籍したが中退、海外の大学を卒業したとされ、千葉県救急医療センターなどで勤務。東京都内に勃起不全(ED)治療の専門医院を開いた。
その後、2016年に山本直樹医師は東京都内でED治療専門のクリニックを開院しています。
また、山本直樹医師の知人が語るには彼は「医者というより“医師起業家”、ビジネスマン」との事で、山本直樹医師はこの事件を起こす前、海外ファンドから数千万から数億円単位もの資金を調達してがんの治療薬に関わるビジネスを展開していたようです。
なんでも、ヨウ素を原材料とした未承認のがん治療薬の開発・製造や卸販売を手がける会社を設立しその代表に就任していたようです。山本直樹医師が設立したという会社の名称などは未だ明らかになっていません。
山本直樹の家族や結婚情報
現在のところ、山本直樹医師の家族に関する情報は一切出てきていません。結婚していたのかや子供がいたのかなどの家族情報は一切不明です。
山本直樹の経営する病院は「ICIクリニック」
山本直樹医師の経営するED治療専門のクリニックは東京都品川区東品川2丁目にある「ICIクリニック」です。同病院の院長として山本直樹医師が紹介されています。
山本直樹医師が経営していた「ICIクリニック」は全国47都道府県への出張診療に力を入れているクリニックだったようです。
山本直樹に医師免許不正取得疑惑も
事件後、山本直樹医師が医師免許を不正取得した疑惑も複数メディアによって報じられています。
というのも、学歴の項でも触れたように、山本直樹医師は東京医科歯科大学を中退しており、その後通ったとされる韓国の「慶熙大学」を卒業したという確認も取れていないためです。
医師免許国家試験を受験するには、医学部医学科・6年制を収めて修了していなくてはならないという条件があるのですが、もしも山本直樹医師が医大を卒業していないのであれば、不正に取得したという事になります。
また、共犯の大久保愉一医師は2008年から2009年にかけて厚労省の医系技官を務めた経歴があり、その頃に医師国家試験の「試験専門官」を務めていたとの情報が出ているのです。つまるところ、山本直樹医師の医師免許取得に、大久保愉一医師が何か不正な便宜を図ったのではないか?との疑惑が浮上してくるのです。
この件が、今回の「ALS安楽死嘱託殺人事件」にどのように関連しているのかにも注目が集まっています。
山本直樹には共犯・大久保愉一との共著も
山本直樹医師と大久保愉一医師が「扱いに困った高齢者を「枯らす」技術:誰も教えなかった、病院での枯らし方」という電子書籍を共著しているのが判明しています。
この電子書籍の説明文は以下の通り。
認知症で家族を長年泣かせてきた老人、ギャンブルで借金を重ねて妻や子供を不幸に陥れた老人。そんな「今すぐ死んでほしい」といわれる老人を、証拠を残さず、共犯者もいらず、スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ。
「今すぐ死んで欲しい」といわれる老人を証拠を残さずに殺害する方法があるという、過激な説明がなされています。これが、山本直樹医師が安楽死を肯定しているとする証拠になるのかはわかりませんが、山本直樹医師が「ALS安楽死嘱託殺人事件」を起こした動機解明のヒントになるかもしれません。
しかし残念ながら、現在はこの電子書籍の購入はできなくなっています。
山本直樹が父親殺害容疑で再逮捕

出典:https://news.yahoo.co.jp/
2021年5月12日、山本直樹容疑者は、自身の父親を殺害したとして大久保愉一容疑者、そして母親と共に再逮捕されました。3人は2011年3月に、当時77歳だった山本直樹容疑者の父親を共謀して殺害した疑いが持たれています。
山本直樹容疑者の父親・靖さんは、当時精神疾患で長野県内の病院に入退院を繰り返していたといいます。父親の病状は安定していたようですが、山本容疑者らが転院を申し出て連れ出し、父親は当日中に死亡したとみられています。
逮捕されたのは、山本容疑者と母親の淳子容疑者(76)、医師の大久保愉一容疑者(43)(起訴)。3人は共謀し、2011年3月5日、東京都内で山本容疑者の父親の靖さん(当時77歳)を殺害した殺人容疑で逮捕された。府警は3人の認否を明らかにしていない。
山本直樹容疑者と大久保愉一容疑者は靖さんの死亡約1カ月前から、火葬や死亡診断書についてメールでやりとりしていたようで、一部は山本容疑者の母親・淳子容疑者にも転送されていたことが判明しています。また靖さんの入院中、栄養状態が悪くなり病院側が「胃ろう」の造設手術を提案すると、山本直樹容疑者が「なぜ長生きさせようとするのか」と反対していたことも明らかになっています。
山本直樹容疑者が父親への不満について母親とやりとりしたメールも見つかっており、山本容疑者と父親との間に確執があったとみられています。
父親の入院先の病院が「胃ろう」の造設手術を提案した際、山本容疑者が「なぜ長生きさせようとするのか」と断っていたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。死亡前に容疑者らの間で交わされたメールに、父親について「周囲を不幸にする」との内容の記述もあり、府警は山本容疑者が父親を疎ましく思っていた可能性もあるとみて、経緯を調べている。
山本直樹容疑者と大久保愉一容疑者は「ALS安楽死嘱託殺人事件」後、難病患者が海外で自殺ほう助を受けるための診断書を偽造したとする有印公文書偽造罪でも追起訴されており、まだ余罪があるのではとの声があがっていました。そんな中での再逮捕、しかも10年前の父親殺害容疑ということで世間にも衝撃が走りました。
2人はこの頃から犯罪を繰り返してきていたのでしょうか。事件の真相究明が待たれます。
まとめ
今回は2020年7月に発覚した「ALS安楽死嘱託殺人事件」で容疑者として逮捕された山本直樹医師についてまとめてみました。
山本直樹医師の経歴や学歴については、関西の名門校「灘中学校・灘高等学校」を経て「東京医科歯科大学」を中退、韓国の「慶熙大学」で学び、その後は千葉兼救急医療センターで勤務し、ED専門のクリニック「ICIクリニック」を経営していたようです。
山本直樹医師が嘱託殺人に関わった動機は未だ解明されていませんが、医師免許不正取得疑惑や、共犯の大久保愉一医師と安楽死を肯定するかのような著作を発表していた事なども判明してます。さらには父親殺害の容疑で再逮捕されており、事件の詳細解明に注目が集まっています。
記事に関連するキーワード
キーワードからまとめを探す
関連する記事①
今見ているまとめと同じカテゴリーの記事
関連する記事②
今見ているまとめに近い記事
記事へのコメント
気軽に意見を書いてね
-
名門校を出てジャンルは違うけど同じようなことするのは、「石崎友裕」。 そして日本郵便(株)にいるそっくりさんは「保坂直樹」。
前後の記事
興味があればチェックしてね
カテゴリー一覧
カテゴリーからまとめを探す