東京・葛飾区にあるJR新小岩駅は、2011年以降に人身事故が急増しており「自殺の名所」と呼ばれていました。
この記事では、新小岩駅の飛び込み自殺件数や急増した理由、予防対策などについて詳しくまとめましたのでご紹介します。
この記事の目次
JR新小岩駅が自殺の名所となった理由と原因~2011年以降に人身事故急増
自殺の名所となったきっかけは2011年7月12日の人身事故
コンビニアタックで全国ニュースに
2005~2010年にかけては新小岩駅での飛び込み自殺件数は他の駅と特段変わらず1、2件程度でしたが、2011年に11件と明らかに急増したのには理由がありました。
2011年7月12日午前10時過ぎ、江戸川区在住の45歳女性が減速せずに入線してきた成田エクスプレスに飛び込み自殺を図ります。
その女性は列車にはね返される形で、5~6mも離れたキオスクの店舗まで飛ばされ、店の窓ガラスを破る形で即死。ホームやキオスクにいた4人の男女が巻き添えで負傷してしまいました。
この大惨事はテレビ各局が全国ネットのニュースで繰り返し取り上げることとなり、皮肉なことに「新小岩駅に行けば確実に死ねる」と知れ渡ってしまいました。
その結果、翌日の13日にニュースをみたと思われる50代~50代と見られる男性が、通過する成田エクスプレスに飛び込み自殺。これにより、JR新小岩駅は自殺するのに最適な場所として知られるようになってしまいました。
列車への飛び込み自殺が報道されると、同様の自殺が増える—というデータがあります。最近の新小岩駅の場合だと、1件目の事故がニュースで大きく報じられ、かなり話題を集めました。その翌日の2件目の事故で飛び込んだ人は、前日のニュースを見ていた可能性が高い。
2011年7月以来ですね。
— tontype221 (@tontype221) January 31, 2017
全てはコンビニアタックをTVのニュースに取り上げてしまったのが全ての原因だと思います。あれ以降新小岩駅での飛び込み自殺が増えてしまった。
ちなみに地元民に知られた事実でしたが、JR新小岩駅は成田エキスプレスの最高速度は時速130km/hに対して、ほぼ全速の120km/hで駆け抜ける徐行しない駅であり、風を切り裂く音とともにとんでもない風圧が襲うことでも有名です。
JR新小岩駅の人身事故対策がスゴイと話題
JR新小岩駅の人身事故対策① 巡回といのちの電話
いのちの電話
新小岩駅のホームに上がると警備員が巡回しているのが目に入りますが、疲れ切った様子で茫然自失の人や、不自然な笑みを浮かべ続けている人など、違和感を覚える人に声をかける活動をしています。
また、ホームには「いのちの電話」と書かれた相談窓口の電話番号が記載されている看板がいたるところに設けられており、掲示板には手書きのメッセージで「あの人 この人に 支えられ 今を 生かされ 生きている」という心に訴えかける言葉が書かれています。
JR新小岩駅の人身事故対策② かわいい動物の液晶パネル
かわいい動物を映し出す液晶パネルが並ぶ
飛び込み自殺を考えている人は、死ぬ決心が着くまでは死を意識せざるを得ないホームには中々上がることができないため、ホームに上がる階段前の通路でウロウロとしていることが多いそうです。
そのため、そうした人々の心を癒し、自殺を踏みとどまらせるために、階段前には動物や景色、植物など心が落ち着くような癒しの映像の液晶パネルを設置しています。
JR総武線(快速)新小岩駅ホームのベンチが、レールに対して垂直方向に設置し直されていた。JR西日本の駅と同じようになっています。 pic.twitter.com/wfgbIQDa3C
— 【時々復活中】makoto@ぐわし王 (@mac_icmy) September 3, 2017
JR新小岩駅の人身事故対策③ 青い光
青い光は心を静める効果が期待できる
新小岩駅のホームに向かう階段の天井や、ホームの天井には青い透明パネルが埋め込まれているため、日中は太陽の光を透過して青い光にしてホーム上に映し出しています。
青い光は人の心を落ち着かせる効果が期待されるようですが、飛び込み自殺が増加する18時以降は太陽の光が無いため期待できないかもしれません。
実は青色は人間の精神を穏やかにする効果があるとされる。2012年10月9日、東京大学大学院経済学研究科の澤田康幸教授らは、「首都圏のある鉄道会社のデータを用いた統計分析により、駅ホームにおける青色灯の設置後に鉄道自殺者数が平均して約84パーセント下落することが分かった」とする研究成果を発表している。
JR新小岩駅の人身事故対策④ ロープ
ホームドア設置までの間ロープが張られていた
2017年6月に新小岩駅のホームで、警備員が手動でロープを張って人身事故を防いでいるとツイッターなどで話題になっていました。
ネット上では「余裕でくぐれるし飛び越えられるな」「これ意味あるのか?」「最終手段がロープとはこれまたどうしようもないな」との意見があった一方で、自殺を考える人に対して十分抑止力になるとの意見も当時はあがっていました。
JR新小岩駅の人身事故目撃談~心霊スポットになっていた【閲覧注意】
人身事故を目撃した人の多くはトラウマになっていた
人の自殺を目撃することはそうそう無いことですが、毎日通勤や通学をしている人は一定の確率で目撃してしまうこともあり、その多くはトラウマを抱えてしまうようです。
以下、生々しい内容になっているため自己責任においてお読みください。【引用部分閲覧注意】
線路の脇に遺体が転がっていた。うわって思って0.3秒ぐらいで目を背けた。遺体はミンチ状ではなくてちゃんと人間のカラチをしていた。肌色と血の色が見えた。服は殆ど破けてしまっているようだ。
あたりには変な匂いが漂っている。その匂いの正体が暫く判らなかったがちょっと考えて推定できた内容に吐き気がした。電車はパンタグラフから給電されそれが車輪とレールで接地される。走っている電車の車輪には高圧の電流が流れているのだ。それに触れて遺体が焦げたのだろう。
先日電車の1車両目に乗り、運転手さんの後方から前方を見ていたところ、人が飛び出して来て轢かれるところを目撃してしましました。
草をかき分けて線路内に入るところ、
そして轢かれる為に飛び込むタイミングをはかっている姿が忘れられません(そこから先は目をそらしたので見ていません。死体も見ていません)。
それ以降誰かと楽しく話していても、
何をしていても頭にいつもその時の映像が浮かび大変苦しいです。
事故のあった路線ではないのに、
(毎日乗らなくてはならない)電車に乗るのも怖くなりました。
この人のように、人身事故の瞬間を目撃してしまい、日常生活でフラッシュバックをするほどのトラウマを抱えてしまい苦しんでいる人の体験談も多く見受けられます。
JR新小岩駅は心霊スポット?
心霊スポットにまでされてしまった新小岩駅
新小岩駅では過去に飛び込み自殺をして腕が吹き飛ばされ即死したた男性が、腕を探してホームを彷徨っているなど心霊現象の話題により一部で盛り上がっているようです。
自殺の名所に続いて一部のマニアに心霊スポット認定されてしまった新小岩駅ですが、実際には下手な心霊スポットよりもリアルな怖さを感じ取っている人も少なくないようです。
新小岩駅こわい…心霊スポットとかそういうレベルじゃないよ😭
— ゆめちょこ (@yumetyoko2) March 5, 2017
JR新小岩駅の人身事故件数まとめ(2011年~2018年)
JR新小岩駅人身事故件数 2011年・8件
テレビ報道が原因で急増
【1件目】
※男女4人(ホーム3人、売店内1人)が巻き添えにより軽傷を負った。
【2件目】
【3件目】
【4件目】
【5件目】
【6件目】
※事故現場は新小岩駅から約500メートル離れた線路内。
【7件目】
【8件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2012年・4件
2012年には人身事故が半減
【9件目】
※その後遺族4人が4月6日に練炭による一家心中を遂げた。
【10件目】
【11件目】
【12件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2013年・6件
殺人事件容疑者も含まれていた
【13件目】
【14件目】
※ホーム上にいた40代女性が巻き添えにより軽症を負った。
【15件目】
【16件目】
【17件目】
※男性は前日24日に起きた大田区女性殺害事件に関与している疑いがあった。
【18件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2014年・5件
2014年はほぼ横ばい
【19件目】
【20件目】
【21件目】
【22件目】
【23件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2015年・6件
2015年もほぼ横ばい
【24件目】
【25件目】
2015年4月14日(火)12時10分…成田エクスプレス23号(4番線)男性
【26件目】
【27件目】
【28件目】
【29件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2016年・6件
2016年から再び増え始めた
【30件目】
【31件目】
【32件目】
【33件目】
【34件目】
【35件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2017年・8件
2017年に急増した
【36件目】
【37件目】
【38件目】
【39件目】
【40件目】
【41件目】
【42件目】
【43件】
JR新小岩駅人身事故件数 2018年・4件
対策が進んだ成果か2018年に減少
【44件目】
【45件目】
【46件目】
【47件目】
JR新小岩駅人身事故件数 2011~2018年集計結果
曜日による違いはほとんど無い
2011~2018年までの新小岩駅での人身事故件数を集計すると、ブルーマンデーの月曜日に自殺が集中するということもなく、月~日まではほぼ同率と言えるでしょう。
ただ、自殺を図る時間帯は午前は少なく午後に集中していることから、午前中は気持ちの整理がつかずにためらっている人も多いのかもしれません。
集計結果は以下の通りとなります。
【性別】
女性…11名
不明(公表なし)…13名
【曜日】
火…6件
水…9件
木…7件
金…7件
土…7件
日…5件
平日…31件
土日祝…14件
【時間帯】
11:00 – 17:59…19件
18:00 – 終 電…20件
JR新小岩駅の現在~ホームドア設置で自殺志願者が近隣駅に流れていた
ついに新小岩駅に設置されたホームドア
2018年12月8日の始発から、ついにJR新小岩駅に設置されたホームドアの運用が開始しました。
これにより、周辺の駅での人身事故が増加傾向となっています。
特に被害を受けているのがお隣のJR市川駅で、「第2の新小岩駅」ともいわれています。ちなみに市川駅は追い越し車線があるため、成田エクスプレスではなく総武線に飛び込んでいるようです。
新小岩にホームドア付いてから、隣の市川での人身事故増えてるの闇
— りんや (@rinya_exaudinos) February 5, 2019
また総武快速の市川で人身事故か
— 兵老太/へろた (@heirouta) February 5, 2019
新小岩にホームドアできて隣の市川に移っただけやな…
市川にホームドアできたら次は錦糸町か船橋か…
JR新小岩駅の人身事故についてまとめると…
・JR新小岩駅は2011年以降、青い光や動物パネルなど様々な自殺防止対策をしていた
・JR新小岩駅は2018年12月8日からホームドアを運用開始、皮肉なことに自殺志願者が近隣駅で人身事故を起こしている
2011年以降、飛び込み自殺が急増したJR新小岩駅の現在までについてご紹介してきました。
なお、2005~2014年までの全国521カ所の駅の自殺者数ランキングでは、新小岩駅は30件で4位であり、1位は39件の西八王子駅でした。