東京アウトロー界の伝説的存在である「新宿ジャックス」ですが、表社会や裏社会問わずに多数のビッグネームを輩出したグループとしても有名です。
この記事では、「新宿ジャックス」の歴代メンバーと現在の様子についてまとめてみました。初代リーダーの山崎正典、メンバーである木村兄弟・金村剛弘・岡沢高宏、そして現在のリーダーのKNZZ(林健史)などを紹介していきます。
この記事の目次
「新宿ジャックス」とは?東京都新宿を拠点にしていたチーマー集団
「新宿ジャックス」とは、その名の通り東京都新宿を拠点にしていたチーマー集団となります。
「新宿ジャックス」を結成したのは、金村剛弘さんや岡沢高宏さん、山崎正典さんといった1975年生まれのアウトローたちとなっており、初代リーダーには山崎さんがついています。
元々は街の不良チームだった「新宿ジャックス」が、半グレと呼ばれるような準暴力団組織化したのは、5代目リーダーとなった木村兄弟の弟・木村孔次郎の代でした。
「新宿ジャックス」が手にしていた「スーパーフリー」などの都内イベント系サークルの利権だけでは物足りなくなった木村孔次郎は、闇金や振り込め詐欺といった本職ヤクザ顔負けの汚れ仕事にまで手を出すようになってしまったとか。
その後の木村孔次郎は、東京アウトロー界の雄であった「関東連合」と振り込め詐欺利権をめぐって対立を深めていった結果、反関東連合系勢力の中心人物として名を高めることになりました。
そんな木村孔次郎の存在により伝説化している「新宿ジャックス」ですが、その他にも表社会や裏社会問わずに成功したOBが多数存在しているのが1つの特徴となっています。
この記事では、「新宿ジャックス」の歴代メンバーについて紹介させて頂きます。
「新宿ジャックス」の歴代メンバー①…初代リーダー・山崎正典
「新宿ジャックス」の初代リーダーについては、前述の通り山崎正典さんとなります。
新宿に生まれ育った山崎さんは、「新宿ジャックス」を離れた後は「コアジュエルス」というジュエリーブランドを立ち上げ、実業家として成功を収めています。
同時代の有名アウトローには珍しく、これといった武勇伝のない山崎さんですが、駆け出し時代に木村兄弟の面倒を見た縁で、一匹狼気質だった彼らが従った唯一の存在だったそうですね。
「新宿ジャックス」の歴代メンバー②…金村剛弘
金村剛弘、喧嘩無双の有名人だが「新宿ジャックス」のリーダーではなかった
「新宿ジャックス」の設立メンバーの1人には、金村剛弘さんもいます。
金村さんに関しては、実家はキムチやチャンジャなどの韓国食材の輸入を手掛ける貿易会社であり、在日コリアンの3世でした。
160㎝前後の小柄な身長ながらもボディービルダー顔負けのマッチョぶりで知られていた金村さんは、喧嘩最強伝説を誇っており、「新宿ジャックス」OBの中でも抜群の知名度を誇っていましたが、リーダーになったことはなかったそうですね。
成人後は、父親の経営する貿易会社の仕事を手伝いながら、山口組系弘道会の準構成員をしていた金村さんは、有力暴力団の親睦団体である「國土創成」の初代総本部長を務めていた時期もありました。
國土創成は、東京都港区に本拠を置く政治団体で、各指定暴力団の幹部が加盟し、組織の資金調達を互助し合っていた。参加組織は、山口組、稲川会、住吉会、極東会の若手が集っていた。
引用:國土創成
10代の頃に「関東連合」系の暴走族「狂乱恋命」にも所属していた縁から、「関東連合」系OB勢力のケツモチもしていた金村さんは、東京の薬物利権の一角にも食い込んでおり、西麻布にあるクラブを根城に芸能人たちに薬物を配っていたとも噂されております。
金村剛弘、芸能人にもモテモテだったが「西新宿事件」で命を落としていた
東京アウトロー界のビッグネームだけあり、様々な噂も流れていた金村剛弘さんですが、面倒見の良い熱血漢だったそうで、それゆえに女性にもモテモテでした。
金村さんの歴代彼女には、女優の西山繭子さんや歌手のフェイレイさんがいた他、女優の広末涼子さんとも交際していたのではないかとの噂もあったりします。
その他、芸能人との交流も盛んだった金村さんは、俳優の高岡蒼佑(旧芸名:高岡奏輔)さんの兄貴分でもあったそうで、宮崎あおいさんとの結婚式にも招待されるほどの仲だったとか。
そんな金村さんも後輩である木村孔次郎に「関東連合」に寄り添いすぎた行動を見とがめられた結果、2008年に「西新宿事件」に巻き込まれて故人となってしまいました。
「新宿ジャックス」の歴代メンバー③…岡沢高宏
「新宿ジャックス」の創設メンバーには、岡沢高宏さんもいました。
世間的には女優の広末涼子さんの元旦那としてお馴染みな岡沢さんですが、小学5年時にイジメられているところを金村剛弘さんに助けてもらって以来、同級生ながらも金村さんのことを「アニキ」と慕う弟分になっていたそうですね。
成人後は、ファッション雑誌でモデルとして活躍していた他、裏原宿系ブランド「CYCLE」を立ち上げるなど実業家の一面もあった岡沢さんですが、相変わらず闇社会との付き合いは健在だったそうで、「関東連合」系のOB勢力を率いていた見立真一と親しい仲であったとの噂も存在します。
岡沢がまだ広末と結婚していた06年3月25日に更新したブログに『後輩の見立と』食事を楽しんだことを書き込み、見立容疑者について『年下の中で数少ない尊敬する人間のひとり。凄くいい男』と、やたらと持ち上げていた。04年1月に岡沢と広末は都内の結婚式場で身内のみを集めて結婚式を行ったが、おそらく、見立容疑者も出席していたはず」(週刊誌記者)
そんなちょっと怪しい人物であった岡沢さんでしたが、2003年に出来ちゃった婚をした広末さんと結婚4年足らずで離婚した後は、女優の長澤まさみさんと交際するなど、日本有数のモテ男でした。
とはいえ、岡沢さんは基本的にダメンズ気質な人物であり、事業の不調による借金問題があったため、長澤さんとの交際も破局に終わってしまうことになりました。
その後の岡沢さんは、表舞台で話題にあがることが少ない状況ですが、クリエイティブユニット「THE PRIMAL BUILD」名義でアパレルレーベル「INQUIRIMG」を主宰しているとか。
「新宿ジャックス」の歴代メンバー④…保科爵介
「新宿ジャックス」の創設メンバーには、タレントの吉川ひなのさんの夫である保科爵介さんもいました。
保科さんは、「関東連合」傘下の「千歳台ブラックエンペラー」にも所属していた時期があったため、他の著名な「新宿ジャックス」OBたち同様に「関東連合」系OBたちとも親しい仲だったと言われております。
そんな保科さんは成人後もやんちゃな気質が抜けなかったようで、大手レコード会社の契約社員をしていた2002年頃に、交際相手だった女優を口説こうとしたヘアメイクアーティストに激怒。ファミレスや喫茶店などに度々呼び出して、和解金を脅し取ろうとした容疑で逮捕されています。
その後は、「Nitro production 」というヒップホップ系の芸能事務所やファッション関連の会社を経営する実業家まで成り上がった保科さんでしたが、2011年に吉川さんと出来ちゃった婚をした後、2012年にアメリカへ移住することになりました。
保科夫妻がアメリカに移住した理由については、2012年に起こった「六本木クラブ撲殺事件」にて、親しかった関東連合系のOB勢力が壊滅的な状態に陥ったことが原因とも噂されておりますが、同事件よりも前に一家で日本から離れているため関係はないようです。
「新宿ジャックス」の歴代メンバー⑤…木村兄弟の兄・木村泰一郎
「新宿ジャックス」の歴代メンバーには、木村兄弟の兄・木村泰一郎さんもいました。
創設メンバーたちとは違い1979年生まれだったと言われている木村さんは、祖父がフィリピン人のクォーターであり、身長は170㎝台のジャニーズ系のイケメンだったとか。
普段は人の良いイジられキャラだった一方で、いざ喧嘩になると1人で多数の敵を殴り倒す武闘派だったという木村さんでしたが、他人に喧嘩を売ったり弱い者イジメをすることはなかったそうですね。
そんな木村さんが「関東連合」とモメた理由についても、見立真一から傘下の暴走族「新宿十二社メデューサ」に加入するように誘われたのにも関わらず、にべもなく断ったことが原因でした。
その後、「関東連合」からひたすら狙われる立場となった木村さんですが、徹底的に抗戦をした結果、反関東連合系勢力の象徴となり、ピカレスク的なヒーローとして語り継がれることにもなりました。
とはいえ、木村さんが輝いていたのは街の不良時代のみだったようで、「新宿ジャックス」を卒業して山口組系の三次団体に入門した後は、気の優しさが災いして組織で出世することはありませんでした
「新宿ジャックス」の歴代メンバー⑥…木村兄弟の弟・木村孔次郎
木村孔次郎、関東連合とタメをはるワルだった
「新宿ジャックス」の歴代メンバーには、木村兄弟の弟・木村孔次郎もいました。
1980年生まれだった木村孔次郎は、兄とは正反対の狡猾で下克上気質の性格をしていたと言われており、「新宿ジャックス」を半グレ集団化させた元凶でした。
10代にして闇金や振り込め詐欺をシノギにするレベルのワルだった木村孔次郎は、振り込め詐欺利権をめぐり対立していた「関東連合」系のOB勢力との対決のために、山口組系の三次団体である岡川総業に入門したものの破門になっているようです。
その後は、六本木で「六本木赤札軍団」という愚連隊のメンバーとして暴れまわっていた時期もあった木村孔次郎でしたが、結局は山口組極心連合会系極翔会に再入門し極道の世界に戻ることになりました。
極翔会では若頭補佐まで出世した木村孔次郎ですが、入門して数年後にまた極道の世界を離れているとか。
この辺の事情については、本職ヤクザにとっても目障りな存在だった「関東連合」系のOB勢力を壊滅させるために、山口組より極秘指令が下り別働部隊として動くこととなったとの説が有力視されています。
木村孔次郎、2012年に関東連合を壊滅に追いやった
極翔会を離脱後の木村孔次郎については、振り込め詐欺利権をめぐり相変わらず「関東連合」系OB勢力と小競り合いが続いてました。
その後の木村孔次郎は、2008年に起こった「西新宿事件」の黒幕だと疑われた結果、同事件で暗殺された金村剛弘さんを慕う「関東連合」系OB勢力から襲撃を受け、キャバクラで豪遊中に刃物で刺されたこともあったそうですね。
とはいえ、からくも一命を取り留めた木村孔次郎は、2012年になると、知人で実業家の藤本亮介さんを影武者に利用して「六本木クラブ撲殺事件」を仕組み、「関東連合」系OB勢力を殺人犯に仕立てることに成功したと言われております。
日本人と東南アジア系のハーフと言われるこの兄弟の弟は山口組極心連合会系暴力団を破門となった人物で、短髪に浅黒い肌、はっきりとした目鼻立ち、屈強な体格、そして当時の怪我が原因となっての片足を引きずるような歩き方、という外観的特徴が当時フラワーの従業員であった人物に伝えられており、被害者の男性も当時怪我で片足を引きずっていたことがこのたびの人違いを生む要因となった
引用:六本木クラブ襲撃事件
木村孔次郎、見立真一からの報復におびえる毎日だった
本来ならば、手柄首を手に山口組に凱旋する立場だった木村孔次郎でしたが、「六本木クラブ撲殺事件」の実行犯の1人であった見立真一が、「木村を殺すまでは出頭しない」と言い張り海外逃亡し、命を狙ってくるといったアクシデントが起こりました。
そのため、見立真一からの報復を恐れて潜伏生活を送る羽目になったため、極道の世界へ復帰する話も流れてしまったようですね。
その後の木村孔次郎は、見立真一に命を狙われ続けている恐怖感からか、ヤク中になってしまったと言われており、2017年2月に大麻取締法違反(所持)で逮捕もされています。
「新宿ジャックス」の現在…KNZZ(林健史)が7代目リーダーとなっていた
「新宿ジャックス」の現在については、木村孔次郎がヤク中化してしまった影響は大きく、まとまったOB勢力などは存在しない状況のようですね。
部下たちにも見限られてしまった木村孔次郎でしたが、かつての名声を利用しようとすり寄ってくる輩もいたようで、ラッパーのKNZZこと林健史が取り巻きになっていたと言われております。
とはいえ、昔のように大々的なシノギも出来なくなった木村孔次郎は、自ら「新宿ジャックス」の7代目に任命した林健史と共に、恐喝などで小銭を稼ぎ生活していたとか。
そんな木村孔次郎は、2020年11月になると、恐喝容疑で林健史と共に逮捕されているため、今後しばらくは檻の中で暮らすことになりそうです。
知人男性から現金200万円を脅し取ったとして、警視庁組織犯罪対策4課は恐喝の疑いで、埼玉県川越市新富町の職業不詳、木村孔次朗(39)、東京都渋谷区幡ケ谷の無職、林健史(37)の両容疑者を逮捕した。捜査関係者によると、木村容疑者ら2人はいずれも、不良グループ「新宿ジャックス」のリーダー格。
逮捕容疑は7月、知人男性を「山に連れていくぞ」「頭にネジ突っ込むぞ」などと脅して車に乗せ、港区六本木の車中で200万円を脅し取ったとしている。
「新宿ジャックス」についてまとめてみると…
「新宿ジャックス」については、当初は良くある街の不良チームだったものの、5代目リーダーであった木村孔次郎の代で半グレ化し、東京アウトロー界の伝説化したことになります。
関連事件で命を落とした金村剛弘さんや藤本亮介さんのご冥福を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。