2017年6月に起こった「福岡母子殺害事件」ですが、犯人は父親であり警察官であった中田充だったという意外すぎる結末を迎えました。
この記事では、「福岡・母子殺害事件」の犯人・中田充の生い立ちや経歴、事件の動機、死刑判決と冤罪主張など現在までをまとめました。
この記事の目次
「福岡母子殺害事件」犯人・中田充(警察官)が妻と子供2人を殺害した事件
警察官・中田充が妻と子供2人を殺害
「福岡母子殺害事件」とは、福岡県小郡市に住んでいた警察官・中田充が、妻子3人を殺害した事件となります。
・中田有紀子さん(38)1階台所で死亡
・中田涼介くん(9)2階寝室で死亡
・中田美優ちゃん(6)2階寝室で死亡
中田充は、2017年6月5日深夜から6日未明にかけて自宅で妻子を絞殺した後、強盗による犯行と見せかけるためか、妻・有紀子さんの遺体の周辺に油をまいて火を付けたものの放火に失敗。
結局は、台所に火の付いた練炭を置き、有紀子さんが無理心中事件を起こして自殺したとの偽装工作をした後、福岡県警本部へ出勤しています。
その後、学校より「子供たちが登校していない」との連絡を受けた中田充は、有紀子さんの姉・Aさんに連絡を取り、自宅の様子を見に行って貰うことを要請し、第一発見者に仕立て上げたそうですね。
現場の惨状を目の当たりにしたAさんが動揺をしたことは言うまでもなく、119番通報する際に「練炭自殺ではないか」と口走ってしまうなど、中田充の思惑にまんまと乗せられてしまいました
そのせいで、一時期ネット上では「姉共犯説」が浮上するなど、Aさんは散々な風評被害を受けることにもなりました。
110名無しさん@1周年2017/06/08(木)
第一発見者の姉は「妹が自殺している」と言って通報してるんですよね?
人が倒れているのを見たら、普通なら死んでいるかどうか素人には判別出来ないのでは?
驚いて、まず救急車を呼ぶと思うよ。少しでも生きている可能性があるなら、身内なら、即座に死んでいると断定したくはないと思う。
でも、この姉は迷わず「死んでいる」と通報したんですよね?
中田充、アリバイ工作するも事件2日後に逮捕
姑息なアリバイ工作を図っていた中田充ですが、司法解剖の結果、妻・有紀子さんが絞殺されていたことが発覚したため、一躍疑惑の人物に躍り出ることになります。
「現場では、由紀子さんの首に絞められた際に生じる索状痕が確認できなかったが、司法解剖の結果、首の筋肉に複数の皮下出血が認められた。さらに首の骨にはヒビも見つかっており、相当な力で圧迫されたと考えられる。これらのことから、急きょ殺人に切り替えることになった」(捜査関係者)
その後の捜査により、有紀子さんの爪には、首を絞められた際に抵抗して削り取ったとみられる皮膚片が残っていたことが判明しており、DNA検査の結果、中田充の遺伝子と一致しました。
警察側は、その他にも台所にまかれた油の上に中田充の所有する靴と同じ足跡が残されていたことや、スマートフォンの健康管理アプリの記録から、有紀子さんらが殺害されたと思われる時間帯に中田充が歩行していた証拠を掴んでいたようですね。
そのため、事件発覚から2日後となる2017年6月8日に、中田充が緊急逮捕されることになりました。
「福岡母子殺害事件」犯人・中田充の生い立ちと経歴…高校時代は優等生も大学時代に転落
中田充、福岡大学時代にパチスロにハマり中退
中田充の生い立ちについては、福岡県下の県立進学校に通い、水泳部に所属していたようですね。
高校時代の中田充に関しては、いたって真面目な優等生だったようで、誰とでも仲良く付き合える性格をしており、トラブルなども起こさなかったとか。
高校を卒業後は福岡大学に進学した中田充ですが、パチスロにハマった結果、大学を中退するなど道を踏み外してしまうことになりました。
その後、アルバイト生活を送っていた中田充でしたが、息子の怠惰な生活を見かねた両親が福岡県警の臨時採用職の求人を見つけてきて応募させた結果、警察官に採用されたという話になっています。
中田充、人間関係トラブルから異動を繰り返していた
警察官に採用された後の中田充ですが、警察学校卒業後の2002年10月頃より、福岡県警管内警察暑の地域部門に配属されることになりました。
当初は交番勤務や自動車警ら隊に就いていたという中田充ですが、人間関係に悩むとすぐに異動届を提出する悪癖があったため勤務先を転々することとなり、千葉県警の成田空港警備隊に出向していた時期まであったとか。
そのため、事件当時は福岡県警本部通信指令課勤務という立場だった中田充でしたが、勤務態度が認められての栄転というわけではなく、トラブルメーカーを監視下に置くといった意味合いが強い状況だったとか。
中田充、警部補昇任試験に落ち続けていた
警察官の出世に関しては、昇任試験に合格して階級を上げていくという実力主義が色濃いものとなりますが、中田充は、昇任試験に落ち続けた結果、出世が遅れていたとの情報があります。
事件当時、38歳で巡査部長という地位にあった中田充ですが、次なる昇任先である警部補は、早い人間だとノンキャリでも30歳頃には昇任している程度の難易度だったようですね。
中田充が昇任試験に落ち続けた原因についてはパチスロにあったようで、非番の日には開店から夕方までパチンコ店に入り浸ることも珍しくなかったらしく、昇任試験の勉強中にも我慢しきれずにパチコン店に足を運ぶことも度々あったとか。
「福岡母子殺害事件」犯人・中田充の家族と犯行動機…出世や生活態度を巡り離婚危機だった
中田充、妻・有紀子さんは元看護士
中田充の妻である有紀子さんについては、元々は看護師をしていたそうで、警察学校時代のルームメイトに紹介され、交際・結婚に至りました。
結婚後の2人については、有紀子さんが主導権を握るカカア天下家庭だった一方で、直近の10年間で5回も転勤を繰り返す中田充の赴任先にはついていくなど、鬼嫁と呼ばれるほどの恐妻ではなかったとか。
とはいえ、長男が小学校に入学して以降はそんな生活に限界も感じていたのか、2015年頃に、有紀子さん主導で福岡県小郡市にマイホームを購入していたとの情報もあります。
「しかし、さすがに“定住”への願望が強くなったようで、2年前に由紀子さん主導で姉、そして母親の家とも近い現在の家を、ローンを組み2100万円で購入したといいます」(同)
そんな有紀子さんの想いも虚しく、2016年8月にも転勤届を提出して福岡市にある福岡県警本部に異動した中田充でしたが、今回ばかりは自宅から1時間かけての通勤を強いられていました。
中田充、子供たちには障害があった
中田充と有紀子さんには、事件当時小学4年生だった長男・涼介くんと小学1年生だった長女・美優ちゃんが生まれていました。
涼介くんや美優ちゃんには、他人と接するのが苦手な一面があり、有紀子さんにとっては「発育の遅れ」として心配の種になっていたとか。
その他、涼介くんには聴覚障害まであったそうで、有紀子さんが中田充に対して父親の自覚を促し続けた背景には、子供の障害があったことは確かなようですね。
中田充、夫婦喧嘩が絶えず離婚危機になっていた
中田充と有紀子さんには、出世を巡って不仲となっていたとの報道も存在するようですね。
自宅のローンに加えて子供の教育費の心配もしていた有紀子さんは、夫の出世を強く望んでいたようで、警部補試験に落ちる度に中田充に詰め寄り喧嘩となっていたとか。
そんな状況に嫌気がさしていた中田充は、ますます趣味のパチスロに逃避するようになり、非番前日になるとネトカフェやビジネスホテルに泊まり、パチンコ店に向かうようになっていたとも言われております。
そんな夫の行動を不誠実だと感じた有紀子さんは、余計に中田充をなじるようになり、離婚話まで噴出していたとの情報もありました。
検察側は冒頭陳述で、中田被告が妻から日常的に注意や叱責を受け、鬱憤をためていたと指摘。「残業と偽ってスロットに興じるなど家庭や育児を顧みなかった」とし、離婚話が出ていたことも明らかにした。
中田充、妻・由紀子さんについて同僚に「死んでほしい」と打ち明けていた
中田充は、妻に不満を募らせており、同僚に「死んでほしい」と打ち明けていたことも判明しています。
福岡県小郡市で2017年6月、母子3人が殺害された事件で、殺人罪に問われた元県警巡査部長、中田充被告(41)の裁判員裁判の初公判が5日、福岡地裁(柴田寿宏裁判長)であった。検察側は冒頭陳述で、中田被告が妻の由紀子さん(当時38)について同僚に「死んでほしい」と打ち明けていたことなどを指摘し、妻に不満を募らせ殺害に至ったと述べた。
また、事件発覚前日となる2017年6月5日に、中田充の警部補昇任試験の不合格が判明していたことに加えて、その夜に有紀子さんの物と思われる悲鳴を近所の住人が聞いているとの情報もあるようです。
実は犯行動機にも県警が“関与”していた可能性がある。前出の伯父が証言する。
「謝罪に来た県警が話すには、犯行前日に昇任試験の合格発表があり、不合格だったことを知ったらしい。犯行に関係があるのではないかと話していた」
そのため、「福岡母子殺害事件」は、中田充の警部補昇任試験の不合格を巡り、夫婦で口論になった際に、突発的に起こってしまった可能性が高そうです。
「福岡母子殺害事件」犯人・中田充は裁判で冤罪を主張
中田充を直接的証拠がないまま起訴へ
「福岡母子殺害事件」については、犯人の中田充が逮捕されたものの犯行を否認していることなどもあり、殺人の直接的な証拠がない状況が続きました。
そのため警察側は、自宅周辺の防犯カメラの映像などを集め、事件当時の中田家に第三者が侵入した可能性を否定する状況証拠を積み重ねることになりました。
被告の関与を直接示す証拠がない中、検察側は3人の死亡推定時刻に中田被告が家にいたことや、防犯カメラに第三者が被告宅に侵入する映像が残っていないことなどから「被告が犯人であることは明らか」と指摘していた。
中田充、「一切身に覚えがない」と起訴内容を否認
逮捕後の中田充に関しては、「出勤する時は家族は布団の中で眠っていた」と一貫して犯行を否認しています。
中田被告は「一切身に覚えがない」と起訴内容を否認。子ども2人の殺害についても「直接的証拠や動機がない」として無罪を主張した。
妻子を手にかけながらも反省の色がない中田充の言動に対しては、ネット上でも憤りの声が上がっているようです。
「福岡母子殺害事件」犯人・中田充の現在…死刑判決が下るも控訴→棄却される
中田充、2019年に死刑判決が下るも控訴していた
「福岡母子殺害事件」については、2019年12月になると、福岡地裁にて中田充に死刑判決が下ることになりました。
福岡県小郡市の自宅で2017年、妻子3人を殺害したとして殺人罪に問われた元福岡県警巡査部長、中田充被告(41)=起訴後に懲戒免職=に対し、福岡地裁の裁判員裁判は13日、求刑通り死刑判決を言い渡した。柴田寿宏裁判長は「家族3人を殺害したという結果は重大。とりわけ子供たちを殺害したことに酌量の余地はなく、犯行態様が非常に悪質」と非難した。
殺人の決定的な証拠がない状況下での死刑判決に対しては、ネット上でも「冤罪の可能性が1%でもあるなら無期懲役の方が無難ではないか?」といった意見が上がっているようですね。
福岡母子3人殺害 中田充被告に死刑判決 柴田寿宏裁判長「家族3人を殺害した結果は重大」 弁護側は即日控訴
— ぶんぐ (@bungu42) December 14, 2019
状況的に中田充以外に犯人は考えられんのやけど、直接証拠もなく動機も分からんのによく死刑判決を出したな。
死刑判決を …https://t.co/0Z6q8Jtn2C pic.twitter.com/RI8EyfsjfO
ちなみに、あくまで冤罪を訴える中田充側は、有罪判決を不服に思い即日控訴しています。
そして、2021年9月には控訴が棄却されました。
福岡県小郡市の住宅で2017年6月、妻子3人を殺害したとして殺人罪に問われた元県警警察官中田充被告(43)の控訴審判決で、福岡高裁(辻川靖夫裁判長)は15日、一審の死刑判決を支持し、被告側控訴を棄却した。弁護側は一審に続き無罪を主張していた。
中田充、自宅は競売にかけられていた
「福岡母子殺害事件」の事件現場となった中田充の自宅ですが、購入3年目の事件ということでまだローンが残っていたことから、競売にかけられていたようですね。
新築物件ではなく中古で購入していたことに加えて、世間を騒がせた殺人現場だったこともあり、500万円程度で落札・売却されることになりました。
「福岡母子殺人事件」犯人・中田充についてまとめると…
・中田充は高校時代は優等生だったが、大学時代にパチスロにハマり中退していた
・中田充は、妻・由紀子さんに生活態度や出世を巡り叱責されたことで不満が募り殺害に至った
・中田充は裁判で冤罪を主張、2019年12月には死刑判決が下るも即日控訴している。しかし、2021年9月に二審で控訴が棄却された。
妻子を殺害しておきながらも犯行を否認し続けていたことで世間の顰蹙を買っている中田充ですが、2019年12月に死刑判決が下り、控訴をするも、2021年9月に二審で控訴が棄却されています。
事件被害者たちのご冥福を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。