2013年10月8日、三鷹市で鈴木沙彩さんが元彼氏の池永チャールストーマスに刺殺される事件が起きました。
この記事では、三鷹ストーカー殺人事件の概要や、被害者の鈴木沙彩さんの顔画像や高校などの経歴、犯人の池永チャールストーマスの詳細、そして事件その後のリベンジポルノ被害防止法成立と現在などについて詳しくまとめました。
この記事の目次
「三鷹ストーカー殺人事件」の概要
当時18歳の鈴木沙彩さんが元彼氏のストーカー男に殺害される
18歳の若さで命を散らした女優の卵・鈴木沙彩さん
事件が発生した2013年10月8日16時50分頃、当時18歳の高校3年生だった鈴木沙彩さんは、元交際相手で京都府京都市左京区に住んでいたトラック運転手・池永チャールストーマス(当時21歳)に、復縁を迫られる中でストーカー被害に遭い自宅前で殺害されてしまいました。
騒ぎを聞きつけて近隣住民や通りかかった人が集まってきて、その中のひとりが「若い女性が刺されて倒れている」と110番通報をしたことで警察が駆けつけ事件が発覚しました。
鈴木沙彩さんは池永チャールストーマスからナイフで首や腹など十数カ所を刺されており、自宅前で大量の血を流しながら横たわっていました。
その後、すぐに近くの病院に搬送されたものの、3箇所の致命傷やその他の傷からの出血が酷く、約2時間後に死亡が確認されました。
すぐに三鷹警察署員による聞き込み捜査が始められ、現場に居合わせた人からは「男が刺して逃げた」という複数の目撃情報が寄せられました。
捜査から1時間40分が経過した頃、鈴木沙彩さんが殺害された現場から約600メートルほど離れた場所で、目撃情報と似た男を発見したため署員が職務質問をしたところ、「私がやりました」と犯人の池永チャールストーマスが関与を認めたため殺人容疑で現行犯逮捕されました。
池永チャールストーマスは殺人と住居侵入の容疑で2013年10月10日に東京地検に送検され、初公判となる2014年7月22日から約3年後の2017年2月8日に懲役22年の実刑判決が確定し、東京・立川拘置所に現在も収監中です。
三鷹ストーカー殺人事件を目撃した人の証言
自宅周辺では池永チャールストーマスと一緒の姿は見られていなかった
鈴木沙彩さんは当時東京在住で、池永チャールストーマスが京都だったことから遠距離恋愛であり、近隣住民も一緒にいる姿を一度も見たことがなく、突然起きた惨事に戸惑いを隠せなかったようです。
鈴木さんを子供のころから知る別の女性(52)は知人から「強盗だ」と聞き、自宅を飛び出すと、鈴木さんが路上に横たわり、血が広がっていた。別の知人が「あの男」と指さす先に、頭に布を巻いた男が角を曲がっていくのが見えた。
「あんな人、この辺では見たことがない。鈴木さんが男性と歩いているのも見たことがなく、なぜこうなったのか分からない」
現場では鈴木さんが自ら体を起こそうとしていたが、別の女性に「動いちゃだめ。起き上がらないで」と止められていた。
鈴木さんを抱え、毛布でくるんでいる女性もいたという。
鈴木沙彩さんと同じ塾に通っていた当時17歳の高校生男子は、事件後に花束を持って現場に訪れましたが、取材に対して「鈴木沙彩さんは一度塾を休んだことがあり「ロケで休んじゃた」と笑顔で話していたことを思い出す」、「いつも笑顔でいい子だったのに」と悔しさをにじませていました。
「三鷹ストーカー殺人事件」被害者・鈴木沙彩さんの出身高校や経歴
鈴木沙彩さんの大伯父は倉本聰だった
鈴木沙彩さんの実家家族や親族は、芸能界に大きな貢献をしてきた脚本家の倉本聰さんをはじめ、多くの芸術家を輩出している芸能一族でした。
現在は削除されて存在しない鈴木沙彩さんのブログでの自己紹介欄にそのことが綴られており、事件後に注目を集めました。
自己紹介のブログより
January 29, 2013
テーマ:ブログ
はい、まず沙彩が本名でSammyはカジュアルネーム
A型で一人っ子、相当几帳面です
だから家の掃除機をかけるのも沙彩だよDASH!
好きな事はた~っくさんあり過ぎて数えられないけど
洋画、洋楽鑑賞(凄い時は1週間10本以上映画見る事も)
美術鑑賞とか絵、イラストを描く事
(ママ、伯母さん、伯父さん、従兄弟、亡おじいちゃん、亡おばあちゃん、みんな画家、グラフィックデザイナー、建築家、音楽家、ひいおじいちゃんは高松次郎って言う結構有名な美術家、大伯父さんは倉本聰、など今考えると超芸術一家)
鈴木沙彩さんの母親をはじめ5人の親族が画家やグラフィックデザイナー、建築家、音楽家などで、曽祖父は現代日本美術家として有名な高松次郎さんでした。
倉本聰さんはドラマ『北の国から』や『やすらぎの郷』などで知られる大物脚本家ですが、倉本聰さんの姉の孫が鈴木沙彩さんにあたるようです。
鈴木沙彩さんの経歴~女優・タレントとして活動していた
女優・タレントとして活躍していた鈴木沙彩
鈴木沙彩さんは全国的にメジャーではないものの、女優やタレントとして芸能界で活動をしていた、まさにこれからブレークが期待されていた存在でした。
カジュアルネーム: Sammy Suzuki(サミー すずき)
生年月日: 1995年06月22日(享年18歳)
血液型: A型
身長: 161 cm
体重: 45 kg
出身地: 東京都
住所: 東京都三鷹市井の頭1丁目
職業: 女優・タレント
学歴: 文化女子大学附属 杉並高等学校 3年生
性格: 素直、丁寧、明るい、真面目、社交的、きれい好き
趣味: ピアノ・ヒップホップ・ランニング
特技: 英語・絵
鈴木沙彩さんが生前出演していた作品は以下のとおりです。
・映画『ある子供の交わり』(2013年に主演・立花菫役で出演予定だった)
・短編映画『ガレージ・ドライブ』(2013年)
・DVD『トイレの花子さん』(2007年)
・ドラマ『金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ第44弾 砂冥宮」』
・旅・バラエティ番組『ごぶごぶ』(2007年~/準レギュラー)
まさにサラブレッドのような芸能一族に生まれた鈴木沙彩さんは、池永チャールストーマスにさえ出会わなければ将来大物女優になっていたかもしれません。
鈴木沙彩さんは当時、文化女子大学附属杉並高校の3年生だった
鈴木沙彩さんは当時、文化女子大学附属杉並高校(現:文化学園大学杉並高校)の3年生でした。
この学校はファッションで有名な文化服装学院や文化学園大学(旧:文化女子大学)などを運営する学校法人文化学園の系列校で有名です。
芸能活動も許可してくれる学校のようで、そのために編入してくる生徒もいるようですね。
「三鷹ストーカー殺人事件」犯人・池永チャールストーマスの経歴
池永チャールストーマスはフィリピンと日本のハーフ
嘘をついて鈴木沙彩さんに近づいた殺人犯人・池永チャールストーマス
これから女優として芸能界で活躍していくはずだった鈴木沙彩さんの夢を無残に打ち砕き、身勝手な動機で殺害した犯人・池永チャールストーマスのプロフィールは以下のとおりです。
通名: 池永 仁(いけなが じん)
その他別名: 池永チャールス仁、池永チャールストーマス仁、池永トム(Facebook)
国籍: 日本(父・日本人、母・フィリピン人のハーフ)
職業: 無職(元トラック運転手)
年齢(事件当時): 21歳
住所(事件当時): 京都府京都市右京区
身長: 175 cm
体重: 不明(推定70 kg)
池永チャールストーマスの特徴としてがっしりした体型と、フィリピン人の血による彫りが深い濃い目の顔立ちが挙げられます。
性格は情緒面に不安定さがあって浮き沈みが激しく、粘着質なストーカー気質ながら、交友関係は広く明るかったと言われています。
また、大のアニメ好きというオタク趣味があったようで、根暗な面も持ち合わせていたのかもしれません。
池永チャールストーマスは性的に異常な執着心があった
池永チャールストーマスが逮捕されて学生時代の同級生や、友人など周辺人物からの聞き込み捜査により見えてきたのは、池永チャールストーマスが普段から異常なほど性的な事柄に対して執着心が強いということでした。
逮捕される前に、鈴木沙彩さんから取得した自撮り写真や、自らが撮影した淫猥な写真や動画をインターネット上に70点ほど投稿しており、これがリベンジポルノ問題として社会問題化するきっかけを作り関連法案の可決に大きな影響を与えました。
池永チャールストーマスにとって鈴木沙彩さんのポルノ画像は氷山の一角でしかなく、普段から出会い系サイトやFacebookなどSNSを利用して多くの女性と知り合い、関係を築いては性的な写真や動画を撮影していました。
過去にも鈴木沙彩さんのようにリベンジポルノ被害者となった女性がおり、事件化する寸前まで行った事案もありました。
中には、女性に扮して出会い系サイトに登録し、レズビアンの女性を騙して写真や動画を送らせるなど、池永チャールストーマスは日常的に狡猾に性欲を満たしていたことが分かりました。
「三鷹ストーカー殺人事件」をきっかけにリベンジポルノ被害防止法成立
池永チャールストーマス、鈴木沙彩さんのポルノ画像・動画を大量投稿
池永チャールストーマスは鈴木沙彩さんに執拗に会うことを迫る中で、リベンジポルノ画像をばらまくことを脅し文句にしていましたが、2013年7月22日に米国にサーバーがあるアダルト動画サイト「XVideos」に本人と推察できるニックネームで70点あまりの鈴木沙彩さんのリベンジポルノ画像・動画を投稿しました。
そして、池永チャールストーマスは逮捕される直前に、三鷹市のまちBBSにて復讐を扱うスレッドに怨恨による犯行予告と思われる文章とともに、リベンジポルノを投稿した当該サイトのURLを貼り付けました。
そして鈴木沙彩さんが池永チャールストーマスに殺害されて世間で報じられると、その画像や動画が事件に関連するリベンジポルノだと知った一部のユーザーがこぞってダウンロードし、その後様々なサイトに拡散させました。
事件をきっかけに国会でリベンジポルノ被害防止法が成立
このネット上での異常な動きについて当初はマスコミも報じていませんでしたが、次第に事件の問題点としてリベンジポルノが注目されたことで報じ始め、これが社会問題化していきました。
こうした社会の動きを受けて国会でもリベンジポルノについて言及されるようになり、事件から約1年後となる2014年11月19日にリベンジポルノ被害防止法が成立しました。
加害男性は、彼女の裸が写った画像をインターネットに流した後に事件を起こしたことから、「リベンジ・ポルノ」という言葉が広まり、翌年にはリベンジ・ポルノ防止法が成立した。
鈴木沙彩さんについてググってたら、動画やら画像に当たって、しかも一部は転載されて現在も公開されてるとかかわいそうすぎる。
— のりちゃん (@norichan1108) 2013年10月9日
「三鷹ストーカー殺人事件」犯人・池永チャールストーマスの現在~懲役22年の判決
2013年10月29日、池永チャールストーマスは殺人罪、銃刀法違反、住居侵入罪で起訴されました。
そして、2014年7月22日に東京地裁立川支部で裁判員裁判が行われ、8月1日、東京地裁立川支部は有期刑の上限である懲役22年を言い渡しました。
裁判長は「(性的な画像や動画の流出・拡散は)極めて卑劣」「被害者に落ち度はなく、犯行動機はあまりに一方的で身勝手」「強固な殺意に基づく執拗で残忍な犯行。高い計画性も認められる」「成育歴の影響が背景にあるとはいえ、反省を深めていると認められず、被害者や遺族に謝罪の言葉すら述べていない」とした一方で、「若くて更生可能性がある」等としています。
その後、鈴木沙彩さんの両親は「失望した。なんでこんなに軽いのか、全く理解できない。(判決は)リベンジポルノの犯罪の本質、被害の大きさを全く理解していない」と判決に不服、8月4日に控訴しました。
2015年2月6日、東京高等裁判所は、東京地方裁判所に差し戻す判決を言い渡しました。
2015年8月7日、池永チャールストーマスは児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ公然陳列罪)とわいせつ電磁的記録媒体陳列罪で追起訴され、最初の一審では、リベンジポルノについて画像2枚だけを証拠提出されたが、差し戻し審では画像67枚が証拠提出されました。
検察側はリベンジポルノ分を加味した懲役25年を求刑しましたが、差し戻し前と同じ懲役22年の判決を言い渡しました。
その後、検察と鈴木沙彩さんの両親は控訴しましたが、2017年1月24日に東京高裁は「一審の量刑判断に誤りはない」と述べ一審判決を支持し双方の控訴を棄却、そして2月8日午前0時に懲役22年で確定しています。
池永チャールストーマスは現在、刑務所に収監されています。
「三鷹ストーカー殺人事件」についてまとめると…
・池永チャールストーマスは日本とフィリピンのハーフで、事件当時は無職だった
・鈴木沙彩さんは生前に女優やタレントしても活躍、大叔父には脚本家の倉本聰がいる
・「三鷹ストーカー殺人事件」がきっかけとなり、2014年11月19日にリベンジポルノ被害防止法が成立した
「リベンジポルノ被害防止法」が成立するきっかけとなった「三鷹ストーカー殺人事件」について総まとめしてきました。
輝かしい未来があったかもしれない鈴木沙彩さんの命が絶たれたことは社会に暗い影を落としました。これを機にストーカーに対する世間の目が厳しくなったことは大きいでしょう。