2018年12月に「組織犯罪処罰法違反」で逮捕された「スーパー玉出」創業者社長の前田託次さんですが、やり手実業家なれど不祥事を連発している曰く付きの人物でもありました。
この記事では、「スーパー玉出」が安い理由、そして 前田託次さんの経歴や過去の逮捕歴と闇の部分、そして逮捕や現在をまとめました。
この記事の目次
「スーパー玉出」とは?大阪のド派手・激安食料品店
関西人ならだれもが知っている超ド派手で激安な食料品店「スーパー玉出」。ほとんどの店舗が24時間無休で営業しており、大阪に43店舗、兵庫県の尼崎市に1店舗の合計44店舗を展開しています。
パチンコ店のような外装をしている理由については、閉店したパチンコ店を居抜きで購入して1号店を開業した歴史が関係しているとか。
「日本一安売王」を自称するだけあり、信じられない値段で商品が販売されています。特に惣菜や弁当は安くていいものも多いですが、見た目的にも若干食べるのをためらう商品もあり、「#スーパー玉出お惣菜チャレンジ」のハッシュタグでチャレンジする人も続出しています。
「スーパー玉出」が安い理由…惣菜・弁当がヤバすぎるとネットで話題に
スーパー玉出が安い理由
「スーパー玉出」といえば「1円セール」が有名ですが、1000円以上購入の場合に限りといった条件があります。
すべての商品が激安ではなく、調味料など品物によっては他のスーパーのほうがお得な場合もあるそうです。
粗利益率が他のスーパーよりも低く設定されているそうですが、企業努力の賜物でしょう。
安すぎて不安になる謎の惣菜「玉出メシ」
「スーパー玉出」といえば、他のスーパーではみたこともない謎の惣菜「玉出メシ」が多く売られています。その一部をご紹介しましょう。
西成名物モーニングセット…
謎のスイーツ…100円
ハムとマヨネーズ…惣菜?
玉出メシにはこんなものまで…
これらの商品をみると、食べるのをためらう方もいますが、普通の惣菜や弁当もたくさん売られているのでご安心を。
ハムエッグとか全然食べてないからよく知らないけどこんなのだっけ? #スーパー玉出お惣菜チャレンジ pic.twitter.com/a0rrjLsMhZ
— い (@Yakimeshi113_Mi) September 9, 2016
名前と相まって初見だとパチ屋と見間違う西成名物スーパー玉出
— モっさん (@KNK5122) February 14, 2020
生の惣菜は危険だから手を出さないようにしようね!(刺身が常温で売られていた実績アリ)
スーパー玉出 惣菜 って検索したらなんで候補に出てくるのが 危険 なんだwww お得じゃないのか・・・スーパー玉出とはいったい・・・
— シタッパー (@sitappa42) April 13, 2018
探索のついでに巷で噂の玉出行って来たけどヤバいな
— 葱塩冷奴.net (@tofu2metai_EX) July 7, 2019
惣菜がどれもこれも不安になるレベルで安いし鯛の塩焼きの大きい奴が500円とか
「スーパー玉出」2018年7月に46億円で不動産会社に売却
「スーパー玉出」は、2018年7月になると、不動産会社「アイセ・リアリティー」に事業譲渡されています。
買収の母体となるのは伊勢会長が個人で全額出資する不動産会社のアイセ・リアリティー(東京・台東)。アイセ・リアリティーは4月に卸会社や運送会社など7社と共同で、玉出を運営するための受け皿会社、フライフィッシュ(大阪市)を設立。このフライフィッシュが営業権を約46億円で取得した。アイセ・リアリティーは筆頭株主として35%を出資し、アイセの代表取締役、湯本正基氏がフライフィッシュ社長に就く。今後は5年後をめどに出資する各社の株式を買い取る方針だ。
「アイセ・リアリティー」は、大手鶏卵会社「イセ食品」の会長である伊勢彦信さんが設立した会社となっているものの、「イセ食品」とのシナジー効果は望んでおらず、別事業として経営を分ける方針だとか。
「スーパー玉出」の売却話については、2017年1月頃から交渉が始まっていたらしく、前田託次さん的には、自身が創業したもう1つの事業である不動産会社「玉出ホールディングス」の経営に専念したいとの意向があったようですね。
ちなみに、売却時点での「スーパー玉出」は、売上こそ360億円に落ち込んでいたものの、純利益率が通常のスーパーの2倍程度あるような優良事業でした。
「スーパー玉出」創業者社長・前田託次が組織犯罪処罰法違反で逮捕
前田託次のプロフィール
前田託次(まえだ たくじ)
生年月日:1944年
出身地:大阪府
前田託次さんに関しては、元々は八百屋を経営していたそうで、こつこつと事業資金を貯め込んだ結果、1978年に大阪市西成区に「スーパー玉出」の1号店を出店することに成功しています。
「1円セール」や「牛肉や豚肉の1グラム売り」といったアイデア商法により急成長を見せることとなり、450億円の売上を誇る大企業へと成長しました。
前田託次、2018年12月に組織犯罪処罰法違反で逮捕
「スーパー玉出」の創業者であった前田託次さんですが、2018年12月になると、「組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)」の容疑で大阪府警に逮捕されています。
大阪市西成区の歓楽街・飛田新地で売春に使われた店舗の賃貸料を暴力団側から受け取ったとして、大阪府警は3日、大阪府内を中心に激安スーパーとして知られる「スーパー玉出」の創業者で、不動産会社「玉出ホールディングス」社長の前田託次容疑者(74)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)容疑で逮捕した。
前田さんは、自身が社長を務める「玉出ホールディングス」が所有していた不動産物件を、2014年頃より山口組系極心連合会幹部Aの内縁の妻Bに貸し出しており、月45万円程度の賃料を受け取っていたそうですね。
また、「売春防止法違反(周旋)」にて一足先に逮捕されていたBが、「Aの口利きのおかげで借りることが出来た」と供述していたため、言い逃れの出来ない状況でした。
罪状自体は、「罰金30万円の略式命令」で済んだ前田さんでしたが、関西地方の名物社長の逮捕の一報に衝撃を受けたネットユーザーたちも多かったようですね。
えええええ!? スーパー玉出の前田託次社長って、あのCMに出てたおっさんか?! ええー!? マジか……いや、もうちょっと隠れてやれよ、社長! ちょっと目立ちたがりすぎだろ、店頭にCMに最後は逮捕って!
— 鉢植え夢幻 (@tomak_masakazu) December 3, 2018
「スーパー玉出」創業者社長・前田託次の不祥事歴
前田託次の不祥事① 入管難民法違反
前田託次さんが経営していた頃の「スーパー玉出」は、入管難民法違反騒動を2度ほど起こしています。
「スーパー玉出」が、初めて入管難民違法で摘発されたのは1998年5月のことだったようで、山口組関係者より斡旋された在留資格のない外国人を不法就労させた容疑で摘発されたとか。
この時の騒動では、家宅捜査の結果、山口組の代紋が入った灰皿や湯呑が押収された他、山口組関係者に資金を上納していた疑惑まで浮上していたようですね。
さらに出入り業者による任意団体をつくっていたところ、そこで集めた会費の一部が暴力団に流れているなど、恒常的な資金提供の疑いも複数浮上していた。
「スーパー玉出」は、2016年8月にも許可された時間を超えて外国人留学生らを働かせた容疑で摘発されており、前田託次さんらが書類送検されています。
前田託次の不祥事② パート従業員の過労死
「スーパー玉出」では、パート従業員の過労死問題も勃発しており、前田託次さんらが書類送検されました。
「スーパー玉出」の過労死問題については、東淀川店に勤務していた50代のパート従業員が勤務中にくも膜下出血で倒れ、1ヶ月後に死亡しています。
2007年9月末に起こったこの事件に関しては、パート女性が月平均147時間もの時間外労働を強いられていたことから、2008年5月に過労死が認定されたそうですね。
東淀川店では、パート女性の他にも十数名の従業員が過酷な時間外労働を強いられていた他、割り増し残業代の一部の未払いや健康診断の未実施まで発覚しています。
東淀川といえば私が通っている店だ。あの安さはこんな犠牲の上になりたっていたのか RT @asahi 激安スーパー玉出、パートが過労死 時間外147時間 asahi.com 話題 http://bit.ly/4mXXtK
— かば (@kaba101) December 3, 2009
前田託次の不祥事③ 毒フグ販売事件
「スーパー玉出」は、2016年6月になると、今度は食品衛生法違反騒動も起こしています。
今日スーパー玉出天満橋店にカメラがたくさん。あの周辺すげぇ臭いからなんか死体でも見つかったんかと思ったら河豚そのまま販売とか。いつも通り過ぎてまぁ驚きもしない。
— otodama (@otodama36) June 29, 2016
この時の騒動は、天神橋店にて、パック詰めした未調理のフグ数匹を店頭に並べてしまったというケアレスミスとなります。
販売価格が5000~1万円と高額だったため、実際に買う客もおらず犠牲者が出ずに済んだ事件ではありましたが、ツイッターで話題になったせいで大阪市の調査が入る羽目になったとか。
同事件では、大阪府ふぐ条例により天神橋店が「フグ販売停止2日間」の行政処分を受けました。
「スーパー玉出」創業者社長・前田託次の闇…アングラビジネスの金主だった
前田託次さんは、「組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)」の容疑で逮捕される以前から、アングラビジネスの金主として有名だったようですね。
じつは前田社長はここ数年、信用調査会社などの間ではアングラビジネスの金主として警戒される知る人ぞ知る存在だった。資金を提供していた先は大阪市内のある経営コンサルティング会社社長で、その人物は今年7月に警視庁が摘発した医療法人「徳友会」(千葉県木更津市)をめぐる不正リース事件の犯行グループとも一時期密接な関係にあった。
前田さんが金主となっていた経営コンサルティング会社社長Aに関しては、病院乗っ取りや地上げなどのアングラビジネスに手を染めるやり手実業家だったそうで、過去には日用品メーカー「サン・ジャパン」の事業を乗っ取ったことまであったとか。
とはいえ、ビジネスパートナーと利益配分をめぐり裁判沙汰になるなど、とにかくトラブルが多かったAは、2015年頃に前田さんから見限られてしまったとの情報もあります。
その後のAについては、有力な金主を失った結果、所有していた会社を次々と失う羽目になってしまったそうですね。
ちなみに、提供資金の保全に抜かりがなかった前田さんは、Aが所有していた医療法人の一部を差し押さえ、実質的な支配下に置くことになったとも言われております。
「スーパー玉出」創業者社長・前田託次の現在…病院買収を目論んでいた
前田託次さんの現在については、2018年12月に「組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)」の容疑で逮捕されて以降は、これといった話題はないようですね。
逮捕直前の前田さんは、知人に「病院を買収する」と吹聴していたそうなので、もしかしたら「玉出ホールディングス」傘下の医療法人がさらに増えているのかもしれませんね。
ちなみに、台湾で発売されている観光ブックでも、日本の観光名所として紹介されているとの情報があります。
「スーパー玉出」創業者社長・前田託次についてまとめると…
・スーパー玉出は2018年7月に46億円で不動産会社に売却されている
・スーパー玉出の創業者社長・前田託次は、組織犯罪処罰法違反で逮捕された
・スーパー玉出の創業者社長・前田託次は逮捕の数年前から、アングラビジネスの金主として警戒されていた
前田託次さんに関しては、一代で「スーパー玉出」を大企業にまで成長させたものの、黒い噂が絶えない人物となります。
前田さんの今後より一層の活躍を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。