2022年9月に起きた川崎幼稚園バス置き去り死亡事件は、世間からも激しい非難を浴びることになりました。
この記事では、川崎幼稚園バス置き去りの内容や被害者の河本千奈ちゃんの父親や母親ら家族、死因、担任、運転手を務めた増田立義園長の記者会見や保護者会での酷い態度、裁判で判決が出た現在についてまとめました。
この記事の目次
川崎幼稚園バス置き去り事件の詳細
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2022年9月、3歳の女児が、通っていたこども園の送迎バスに置き去りにされ死亡した「川崎幼稚園バス置き去り事件」が大きな問題となりました。
最初に川崎幼稚園バス置き去り事件の詳細を見ていきます。
川崎幼稚園バス置き去り事件の内容
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2022年9月5日、静岡県牧之原市静波の認定こども園「川崎幼稚園」で、同園に通う当時3歳の河本千奈(かわもと・ちな)ちゃんが、送迎バスの中に置き去りにされその後死亡しました。
その日、静岡県牧之原市の最高気温は30.5℃(実際の気温は33℃だったとの報道も)の真夏日で、警察の調べによれば、密室となった送迎バス車内の温度は50℃を超えていたとみられるという事です。
河本千奈ちゃんはバスに置き去りにされたと見られる時刻から約5時間後、帰りの送迎の準備をしにきた職員によってぐったりとして倒れた状態で発見され、救急搬送された病院で死亡が確認されました。
発見当時、河本千奈ちゃんは上半身の服を脱いだ状態で倒れており、持ってきていた水筒の中身は空になっていたという事です。河本千奈ちゃんは暑さを凌ごうと自分で服を脱ぎ、持っていた水筒で水分補給をしていたと見られています。
また、河本千奈ちゃんが自分で脱いだと見られる衣服はバスの出入り口付近で見つかっており、河本千奈ちゃんがなんとかバスから脱出しようとして出入り口の方へと移動していた可能性もあるようです。
発見時の河本千奈ちゃんの体温は約40℃まで上昇していたとの報道も出ています。
川崎幼稚園の杜撰な管理体制が次々と判明
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当日送迎バスを運転していたのは、川崎幼稚園理事長で園長の増田立義(当時74歳)で、補助として派遣職員(70代女性)が1人同乗していましたが、2人とも降車時にバス内に園児が残っていなかったのかの確認を怠っていた事が判明しています。(この日、バスに乗っていた園児は河本千奈ちゃんを入れて6人)
また、園児らを降車させる際に、乗車名簿と照合して確認を行う決まりもあったという事ですが、増田立義と補助の派遣職員はそれも行っていませんでした。
さらに、川崎幼稚園は園児がお休みや遅刻をする場合は、保護者が専用のアプリでその旨を連絡するシステムでしたが、河本千奈ちゃんのクラス補助の職員(副担任)がそれを確認しておらず、また担任の職員も河本千奈ちゃんが教室にいないにもかかわらず、休みだと思い込み、職員室や保護者への確認を行わなかった事なども判明。
その日、河本千奈ちゃんは園側で登録するシステム上では登園扱いになっていたため給食も用意されていましたが、この時点でも担任や副担任を含めて不審に思う職員はいなかったという事です。
こうしたあまりにも杜撰な管理体制が次々と発覚し、川崎幼稚園への批判が強まっていきました。
河本千奈ちゃんがバスに置き去りにされてから発見されるまでの経緯
河本千奈ちゃんはまだ川崎幼稚園に通い始めたばかりで、「バス通園が楽しい」と父親や母親に話していた事から、2学期からバス通園を始めていたという事です。
事件のあった日も、河本千奈ちゃんは送迎バス(18人乗りの大型ワゴン車)で登園し、バスは午前8時50分頃に川崎幼稚園の駐車場に到着しています。河本千奈ちゃんはバスの前から5列目、後ろから2列目の座席に着席していました。
駐車場は川崎幼稚園から南西方向に約240メートルほど離れ、歩いて3分ほどの場所でした。さらに、バスは運転手(増田立義園長)によって施錠され、窓枠を含めた外装にはシール加工が施されていて車内の様子を外から確認するのは難しい状態でした。
バスが駐車場に到着後、増田立義園長は1人の園児を自分で降ろした後、残りの5人には自分で降りるように声をかけています。そしてその後、河本千奈ちゃんがまだバス内にいたにもかかわらず施錠したと見られています。
また、この日は、普段のバス運転手が朝だけ休みをとっており、代行で増田立義園長が運転していたという事です。本来の運転手は園児を降車させた後、最終確認や忘れ物チェックを兼ねてバス車内の清掃を行なっていましたが、増田立義園長と同乗の補助の派遣職員はその作業を行いませんでした。
送迎バスが駐車場に到着してから約5時間20分後の14時10分頃、帰りの送迎の準備のためにバスに乗り込んだ職員(普段のバス運転手)が、前から3列目付近の床に仰向けの状態で倒れている河本千奈ちゃんを発見。
河本千奈ちゃんはすぐに病院へと救急搬送されましたが、15時35分頃に死亡が確認されました。その後の警察による調べで、河本千奈ちゃんはバスに放置されてから約3時間後の昼前の時点で死亡していた可能性が高い事なども判明しています。
川崎幼稚園バス置き去り事件の被害者・河本千奈ちゃんの家族① 父親
川崎幼稚園バス置き去り事件の被害者の河本千奈ちゃんの家族については父親と母親のほか、もうすぐ弟か妹が生まれるはずだった事がわかっています。
河本千奈ちゃんの父親は、川崎幼稚園が事件の釈明のために9月7日の午前中に開いた保護者説明会にも参加されたという事です。
河本千奈ちゃんの父親は、変わり果てた姿の河本千奈ちゃんと病院で再会した時の様子や、河本千奈ちゃんがバスでの登園を楽しみにしていた事などを悲痛な声で話し、川崎幼稚園の管理体制や対応に対しての怒りや悔しさも訴えられていたようです。
説明会には亡くなった女の子の父親も出席していて、病院で再会した時の様子を話すような声も聞かれました。 父親とみられる音声「子供の姿と違うので、そこだけはびっくりしないで下さいといわれて、中に入りました。抱っこしてもいいといわれたので抱っこすると、普段の2倍くらい重くて、何でこんなと…」
<亡くなった女児の父親>
「副担任は『(女児は)いないですけど、出席になっていませんよ』と言いました。明らかな過失です。報告を受けています。いないという報告を受けているのに無視しました。ふざけるな、くやしくてたまりません」
引用:「明らかな過失。ふざけるな、くやしくてたまらない」怒号飛び混乱の保護者説明会 過呼吸などで13人病院へー静岡・女児通園バス置き去り死亡
出席した保護者によると、父親は「バスに乗るのをいつも楽しみにしていた」などと女児の日頃の様子を語った。
川崎幼稚園バス置き去り事件の被害者・河本千奈ちゃんの家族② 母親
「文春オンライン」が2022年9月7日に配信した記事には、河本千奈ちゃんの母親は妊娠し、それを機に両親による送り迎えからバス送迎に変えたとする近隣住民の証言が掲載されています。
千奈ちゃんのお宅は近くにお住まいですけど、お母さんが妊娠したことを機に、送り迎えが大変だからバスを利用するようになったと聞いています。それがこんな事故につながってしまうなんて、言葉も出ません」(近隣住民)
引用:《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】
この証言が事実なら、河本千奈ちゃんは亡くなった後に弟か妹が生まれたという事になります。
河本千奈ちゃんの上に兄弟がいるのかは不明ですが、文脈を見ると、河本千奈ちゃんの家族構成は父親と母親、河本千奈ちゃんの3人家族だった可能性が最も高いようです。
川崎幼稚園バス置き去り事件の被害者・河本千奈ちゃんの死因は熱射病
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川崎幼稚園バス置き去り事件で亡くなった河本千奈ちゃんの死因は、置き去りにされたバスの中が高温になった事による「熱中症」でした。
捜査にあたっている静岡県警察の発表によれば、河本千奈ちゃんの死因は熱中症の中でも最も重度な症状に分類される「熱射病」だったという事です。
午後二時十分ごろに園職員がバスで倒れている千奈ちゃんを発見。搬送先の病院で死亡が確認された。死因は熱中症でも最も重篤な「熱射病」だった。
川崎幼稚園バス置き去り事件の被害者・河本千奈ちゃんの担任
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河本千奈ちゃんが通っていた川崎幼稚園では、アプリなどで園児の登園や結石を管理するシステムを導入していたという事ですが、置き去り事件のあった日、河本千奈ちゃんはこのシステム上でちゃんと「登園」扱いになっていたようです。
保護者説明会の音声によると、河本千奈ちゃんのクラスの副担任が、河本千奈ちゃんが登園になっているにも関わらず姿が見えない事に気がつき、担任に「千奈ちゃん、いないんですけど、欠席になっていません」と報告しています。
ところが、担任は「本当だね、おかしいね」と言うだけでそのまま放置し、保護者に連絡をしたり、別の職員に確認をとったりしなかったという事です。
園からは、泣きながら責任を追及する保護者の声が漏れ聞こえました。
「一度も出欠席の連絡をしなかったということはありませんでした」
「副担任の方は『千奈ちゃん、いないんですけど、欠席になっていませんよ』と言いました。そうしたら担任の方はそれを聞いて、『本当だね、おかしいね』で終わりました。明らかな過失です」
こうした子供を預かる立場としてあまりにも無責任な行動から、担任の先生や副担任の先生に対する批判も高まっています。
増田立義園長(理事長)と杉本智子副園長が出席した記者会見で、副園長の正面から見て右側の画面外に女性の職員が立っており(下の画像右端)、副園長からの質問に答える場面が何度かありました。
この女性職員が河本千奈ちゃんの園内での様子などかなり詳しい情報を回答されている事から、担任の先生か副担任の先生ではとも噂されているようです。ただし、これはあくまでも推測です。
川崎幼稚園バス置き去り事件時のバス運転手は理事長で園長の増田立義
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ここまででも既に触れていますが、河本千奈ちゃんが送迎バス内に置き去りにされた事件で、このバスの運転手は、川崎幼稚園理事長で園長の増田立義でした。
川崎幼稚園側の説明によれば、増田立義園長は年に数回しかバスを運転せず、置き去り事件を起こした日も、普段の運転手が朝の送迎時に休みをとり、他の3人の運転手候補者にも断られたため、増田立義園長が臨時で運転手をしたとの事です。
そして、河本千奈ちゃんの置き去り事件が発生した日、増田立義園長は、普段の運転手が毎回行っていた、到着後にバス内を掃除しながら行う確認作業や、運転後のバス内の消毒作業も行なっていなかった事が判明しています。
事件当日の5日は、いつもの運転手が病欠のため、年に数回しかバスを運転しない増田園長がハンドルを握っていた。しかし増田園長は、いつも運転手が行う「運転後に後部座席を見て確認」「運転後の後部座席の消毒」も怠っていたという。同乗した70歳の派遣職員も後部座席を確認することなく、増田園長と職員がお互いに「確認は相手がするものだ」と思っていたと説明した。
当日、送迎バスの運転手を担当した増田立義園長が最低限の安全確認を行なっていれば、河本千奈ちゃんが亡くなる事はありませんでした。
当日の運転手だったという事はもちろん、川崎幼稚園の代表者という点でも、増田立義園長にこの事件を起こした事に対する重大な責任がある事は明白です。
川崎幼稚園・増田立義園長はいい加減な性格で知られていた
2022年9月7日配信の「文春オンライン」の記事によると、増田立義園長は1976年から園長をしていた父親の跡を継いで、2002年に川崎幼稚園の園長に就任したという事です。
1976年に園長になった父の後を継ぎ、2002年に増田園長が園長に就任している。
引用:《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】
増田立義園長の昔からの知人の証言によると、増田立義園長は父親が幼稚園だけでなくお茶工場も経営する金持ちの家に生まれたボンボンで、子供の頃からいい加減な性格で知られていて、周りから「ええからげん八兵衛」などと呼ばれていたのだそうです。
あいつの父親は、幼稚園の他にもお茶の工場を経営する金持ちで、いわば立義(増田立義園長)はボンボン。子供の頃からズボラな性格だったので、水戸黄門の『うっかり八兵衛』ならぬ『ええからげん(=いい加減)八兵衛』と呼ばれていました。そんな性格が災いしたのか、まさかこんな事故が起こるとは……」(増田園長の知人)
引用:《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】
この知人によれば、増田立義園長の父親は海軍兵学校出身の一本芯の通った人物で、「親を大事にしろ」、「いじめはダメだ」と子供達を指導していたのだそうです。増田立義園長はこの父親とは正反対の性格のボンボン気質で芯が全くなく、「俺は知らない」、「そんなことは言っていない」が口癖だったそうです。
立義(増田園長)の父親は海軍兵学校の出身で、予科練の帽子を被り、竹刀を片手に『親を大事にしろ』『いじめはダメだ』と子供たちを厳しく指導していました。一方の立義はボンボン気質。性格は親父とは正反対で、芯が全くない。口癖は『俺は知らない』『そんなことは言ってない』。
引用:《静岡3歳女児バス置き去り》口癖は「オレは知らない」当日運転の園長(73)が犯した“ええからげん”ではすまぬ「重大過失」【地元の名士のもう一つの顔】
そうしたいい加減な性格が知られていたという増田立義園長でしたが、2002年に川崎幼稚園の園長に就任してからは、金儲けに熱を上げたのか、近隣の幼稚園次々と買収するなど経営拡大を進めていたそうで、周囲からは手を広げすぎて子供の扱いや各園の管理が行き届かなくなるのではと危惧する声が上がっていたそうです。
また、川崎市議会の職員や地元役場の職員からも「拡大しすぎて、人手が足りなくなるのでは?」と危ぶむ声が少なからず上がっていたといいます。
結果論かも知れませんが、こうした増田立義園長のいい加減で責任感のない性格と、無計画な経営拡大を進めた事が、今回の河本千奈ちゃんのバス置き去り事件につながったのではないかとも考えてしまいます。
川崎幼稚園の園長・増田立義の記者会見での酷すぎる態度に非難が殺到
川崎幼稚園は、河本千奈ちゃんのバス置き去り事件についての記者会見を2022年9月7日の午後に開いていますが、この記者会見に出席した増田立義園長と、杉本智子副園長の態度にも批判が殺到しました。
増田立義園長の記者会見での他人事のような態度にも怒りの声が多数
この記者会見で、増田立義園長も杉本智子副園長も、他人事のような態度で書面を淡々と読み、弁護士や職員に答え方を尋ねながら記者達からの質問に答えるなど、3歳の河本千奈ちゃんの命を奪ってしまった責任の重さを感じているようにはとても見えませんでした。
そればかりか、増田立義園長と杉本智子副園長は、この記者会見中の所々でヘラヘラと笑顔すら見せ、さらには記者から「取材の内容確認のための電話窓口を置いて対応してほしい」というお願いに対しては、「夜中にも電話がかかってくるんですよ!」などと増田立義が逆ギレをしたりとあまりにも酷すぎる態度が目につきました。
自分達への批判が強まる中での記者会見で極度の緊張と疲労状態にあって異常な精神状態だったためにこのようにおかしな態度が出たとの推測も一部ありますが、仮にそうであったとしても、自分達の過失によって3歳の女児の命が奪われた事件の記者会見の場で笑顔を浮かべたり、逆ギレをしたりという事は一般的な感覚ではとても考えられませんし、多くの人がこの園長の態度を見て強い怒りを覚えただろうと思います。
この記者会見での増田立義園長と杉本智子副園長の態度に対しては、ネット上にも批判の声が溢れています。
川崎幼稚園の記者会見が前代未聞に酷すぎる。
— デ=キング (@bluewizardman) September 7, 2022
園長は73歳で連日睡眠不足で声がかすれてるだの記者の質問に逆ギレと捉えられる返し方、副園長の女性は話し方緊張感皆無で二人ともちょっとミスしちゃったのかなとかの謝罪感皆無で他人事にしか聞こえない。保護者説明会荒れざるを得ないし怒りしか無い。
さらに、増田立義園長はこの記者会見中に人材不足が原因だったなどと半ば逆ギレ気味に責任逃れをし、「もしよければ、皆さんに(人材を)紹介してもらいたいなと思っているくらい(笑)」などとニヤけながら発言しています。
人材不足が原因?
— 小田ぴろみ (@MIYUSUMMER1793) September 7, 2022
いい人材雇うのが大変?
なんでテレビに向かって「いい人紹介しろ」?
なんでヘラヘラしてるの?
なんで他人事?
横の副園長も終始ヘラヘラ。
こいつら他人事で反省してないやろ。
記者会見見てない人は見てほしい。
胸糞注意#川崎幼稚園 #記者会見 #バス置き去り pic.twitter.com/tZT5HKwoBP
増田立義園長は記者会見で河本千奈ちゃんの名前を言い間違え
増田立義園長はこの記者会見の場で、自らが命を奪ったといっても過言ではない河本千奈ちゃんの名前を何度も「ちなつちゃん」と言い間違えています。
3歳の女の子が亡くなった記者会見とは思えない!に共感の方はRT#DOJ
— FUKUDA MAKOTO 【DOJNo.0001】 (@8ueBd6tf29iYRpZ) September 9, 2022
先般、起こった静岡県牧之原市の「川崎幼稚園」で園児の河本千奈ちゃん(3)が通園バスの中で意識不明の状態で発見され、その後、死亡した事件の記者会見の様子…#教育を取り戻そう pic.twitter.com/9DTLp9LBpg
増田立義理事長兼園長(73)が7日、同園で記者会見した。冒頭、「亡くなった園児、ご遺族に心よりおわび申し上げる。安全管理ができていなかった。原因の究明に努める」と陳謝した。 ダークスーツに黒ネクタイ姿で会見したが、時折苦笑しているような表情ものぞいた。死亡した川本千奈(ちな)ちゃん(3)の名前を、「ちなつちゃん」と何度も言い間違えた。
こうした態度を見ると、増田立義園長は自らの過失によって河本千奈ちゃんの命が奪われたという事を理解すらしていないのではないかという印象を抱きます。
増田立義園長は記者会見の最後にも笑顔を見せた
そして、増田立義園長はこの記者会見の最後に「皆様方のご協力によりまして、いい園を、あるいは僕がいなくなったら、さらに良くなるように」などと発言しました。
ここで、弁護士が割って入り「園を続けるかはまだ決まっていない」と訂正されると、増田立義園長は「あっそうか」などと言って笑顔を浮かべると、「廃園になるかも知れないよね(笑)」などと言い放ちました。
この記者会見に先立って開かれた保護者会では、増田立義園長が「廃園する」との念書を河本千奈ちゃんの遺族に向けて書いていた事が判明しています。そして、保護者会でも園の存続を匂わせるような発言をして、河本千奈ちゃんの父親が抗議の声を上げたばかりでした。
増田立義園長の記者会見での様子をまとめた動画も拡散
増田立義園長らの酷すぎる記者会見での態度をまとめた動画もネット上で拡散されています。
YouTubeもダメ!
— シャモのしゃもじ (@shamono_shamoji) September 8, 2022
TikTokも削除!!
テレビもこのシーンを取り上げない!!
Twitterだけが頼りなんだ…
頼む!このクソ見たいな会見を
広めてくれ!!!!!!!!#川崎幼稚園 #川崎幼稚園会見 #静岡#園長#拡散希望 pic.twitter.com/o723Vevzh5
前後の文脈も重要なので、記者会見全編の動画も紹介しておきます。全編を通して見れば、増田立義園長の発言が酷く感じるように切り抜かれたというわけではなく、この記者会見全体が本当に酷い内容だった事がよくわかります。
川崎幼稚園バス置き去り事件の説明の保護者会では体調不良者が続出
上で紹介した記者会見に先立って、川崎幼稚園では保護者に対する説明と釈明のための保護者会も開かれています。
この保護者会には河本千奈ちゃんの父親も出席し、河本千奈ちゃんの遺体と対面した時の様子や、園側の酷すぎる対応などを悲痛な様子で明かされており、それを聞いた他の保護者や園職員が過呼吸の症状などで次々と倒れ、合計で13名が救急搬送されました。
会場はパニックのような状態になり、保護者会はここで中断されました。
増田立義園長は遺族に「廃園する」と念書を書いたが翌日保護者会で存続を匂わせ
この保護者会では、担当の職員が今後の園の運営方針などの説明を行ったそうです。この時、河本千奈ちゃんの父親ら遺族が「この人たちは嘘をついています。皆さん騙されないでください。この人たちは昨日ウチで幼稚園を辞めると言ったんです」と抗議したそうです。
「文春オンライン」の記事によると、この保護者会の前日の6日に、増田立義園長を含む関係者が河本千奈ちゃんの自宅へ謝罪に訪れていたそうです。
この時に、当然ですが河本千奈ちゃんの遺族は責任を取るようにと強く求め、それに対して、増田立義園長は「廃園にする」という内容の念書を書いて遺族に渡しているという事です。
であるにも関わらず、その翌日の保護者会で園の存続を匂わせるような発言をしたため、河本千奈ちゃんの父親ら遺族は憤り、抗議の声を上げたという経緯だったようです。
保護者説明会に先立つ6日、増田園長ら川崎幼稚園の関係者がご遺族のお宅へ謝罪に訪れていたそうなんです。千奈ちゃんを死なせてしまった責任をとるよう強く求めたご遺族に対して、園長先生たちは川崎幼稚園を『廃園にする』と一筆書いたそうです。それなのに説明会では今後の幼稚園の経営については『改善して頑張ります』とお話しになった。
引用:《静岡3歳女児バス置き去り》「この人たちは嘘つきです!」増田立義園長(73)の説明に遺族が放った怒りの一言 背景に“ええからげん”な「廃園」念書
川崎幼稚園バス置き去り事件のその後と現在
川崎幼稚園のバス置き去りにより、河本千奈ちゃんが死亡した事件のその後や現在の状況への関心も高まっています。
増田立義園長が辞任
2022年9月中旬、増田立義園長が記者会見の翌日の9月8日付けで理事長と園長を辞任していたことが判明しました。
その後、増田立義氏の息子である増田多朗氏が理事長に就任しています。
「増田氏は9月7日に開かれた記者会見で、『後任が決まり次第辞任する』と語っていました。しかし、次の園長はまだ決まっていません。弁護士によると、女児が亡くなったことによる自責の念や、ズサンな安全管理への批判から辞任したそうです。 しかし事件の詳しい状況もわかっていなければ、今後の具体的な対応策やチェック体制も決まっていない。無責任な退任と言わざるをえないでしょう」
川崎幼稚園が一ヶ月ぶりに保育を再開
事件後、川崎幼稚園は休園となっていましたが、再発防止のためのルールを定め、事件から約一か月後の10月3日に再開しています。
歳の女児が送迎バスに取り残されて死亡した静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」が3日、保育を再開した。約1カ月の休園の間、送迎バスでの繰り返しの確認を定めた新しいマニュアルを作成しているほか、2度の登園確認に加えて点呼をするなど再発防止のためのルールを決めた。安全確認のため、当面は送迎バスを運行しない方針という。
増田立義元園長は「廃園にする」という内容の念書を書いていたといいますが、園児を通わせる保護者からは「廃園は困る」といった声もあがっていたようで、園は増田多朗新理事長のもと、再生の道を歩ことになったようです。
増田多朗理事長は事件から一年が経った2023年9月に取材に応じ、事件後に園児21人と職員11人が園を離れたものの、110人の子供が在園していることを明かしていました。
増田立義元園長ら4人が書類送検される
事件後、静岡県警は家宅捜索で押収した資料に基づき、園の運営実態や安全管理体制の問題点を調べていましたが、2022年12月5日に増田立義元園長ら4人を業務上過失致死の疑いで書類送検しています。
書類送検されたのは、増田立義元園長の他にバスに添乗していた派遣職員の女、クラス担任だった女、副担任だった女で、いずれも既に退職済みです。
川崎幼稚園は10月に「全般にわたり前園長に法的責任があった」という内容の改善報告書を県と市に提出しており、こうした対応が早期の書類送検につながったとみられています。
書類送検を受け、川崎幼稚園側は「被害園児のご冥福をお祈りし、ご遺族に心より謝罪申し上げる。二度と事故を起こすことのないよう努力を続ける」とのコメントを出しています。
増田立義元園長と元担任が在宅起訴される
2023年11月24日、増田立義元園長とクラスの元担任の2人が業務上過失致死の罪で在宅起訴されました。
元担任については、西原亜子(起訴当時48歳)と名前も報じられています。
増田立義元園長とともに書類送検されていたバスの乗務員とクラスの元副担任は不起訴となりました。
増田立義元園長と元担任の西原亜子の裁判は2024年4月から始まり、初公判でいずれも起訴内容を認めています。
裁判の中で西原亜子は、河本千奈ちゃんの姿が見えなかったにも関わらず、人任せにして連絡を怠った自身に責任があると述べました。
父親が「元園長が一番の原因だと思っていませんか」と続けて問うと、元担任は「思っていません。前の年に同様の事件があったにもかかわらず、連絡しなかったミスのせいで、自分の責任だと思っています」と述べました。さらに父親が、千奈ちゃんは無断で欠席したことがなかったのに、なぜ所在を確認しなかったのか尋ねると、元担任は、当日、身体測定などが急きょ行われることになったとして、「最初はお休みだと思っていましたが、いつもと違う流れで必死になってしまい、気持ちが薄れてしまいました。いま思えば、人任せにしてしまったと思います」と述べました。
また、増田立義元園長も自身に責任があるとして謝罪の言葉を述べました。
河本千奈ちゃんの事件の前年に福岡で同様の事件が起きていたにも関わらず安全対策を講じていなかったことについては、「いずれやればいいと思っていた」と語っています。
弁護側が増田被告に千奈ちゃんの命を奪ってしまったことについて聞くと、増田被告は「腹立だしく、情けないと思っている」と述べ、「千奈ちゃんを失わせてしまったことを謝罪して、お詫び申し上げたい。このことに関しては私の責任だと思っています」と謝罪しました。また、遺族が「千奈がバスのなかでなくなった気持ちがわかりますか」と尋ねると、増田被告は「苦しい思いをしていたんだなと思います」と答え、さらに「福岡の事件を知っていたのになぜ安全対策を怠ったのか?」という質問には「いずれやればいいと思っていた」と答えました。
増田立義元園長に実刑判決、元担任に有罪判決が言い渡される
出典:https://www.sut-tv.com/
2024年7月4日、増田立義元園長に禁錮1年4か月の実刑判決が、元担任の西原亜子に禁錮1年執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。
判決が言い渡された後、法廷内には「ついたて」越しに、遺族の泣く声が響いていたとのことです。
増田被告に対しては「責任者として園の安全管理をする立場でありながら、園の安全管理計画を策定せず、自らの責任を放棄した」「運転手として人数確認をすることや方法を知らず、補助員が人数確認をしたと思い込むなど、安全確保をしなかった過失は著しい」などとずさんな管理体制を指摘。「安全意識の欠如がはなはだしく、執行を猶予する余地は認められない」として実刑判決とした理由を説明しました。 一方、元クラス担任の被告に対しては、「保護者に連絡しなかった過失は軽視できるものではないが、ずさんな園の安全管理体制によって事件が発生した」などとして、執行猶予付きの判決としました。
検察側、弁護側ともに控訴しなかったため、7月19日にそれぞれの判決が確定しました。
河本千奈ちゃんの両親は、事件のショックから夫婦で精神科への通院を続けているとのことですが、父親は裁判終了後に「ほっとしましたし、よかったなと。」との思いを明かしていました。
(河本 千奈ちゃんの父親) 「命を落としてしまって、元通りに戻らない。千奈ちゃんは本当に私たちが経験したことのない苦しみを味わいながら亡くなったので、これで実刑になって良かったね、とは思えない。それでも助けられなくてごめんなさいという、親としてはそう思うのではないか。一番、裁判長の言葉で残ったのは、今回の事件で千奈ちゃんは子どもの命を守る大切さを私たちに教えてくれた」といった言葉が一番印象に残っています」
まとめ
今回は、2022年9月5日に静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の送迎バスで発生した「川崎幼稚園バス置き去り事件」についてまとめてみました。
川崎幼稚園バス置き去り事件は、同園に通う当時3歳の女児・河本千奈ちゃんが、登園のために乗っていたバス内に1人取り残されて、熱中症(最も重い熱射病)によって亡くなった事件です。
当日の登園バスは川崎幼稚園の園長で、園を運営する法人の理事長も務める増田立義延長でした。増田立義園長は駐車場到着時にバス内の確認や清掃、消毒作業などを怠り、河本千奈ちゃんがバス内に残っている事に気が付かずにバスを施錠し、結果として死に至らしめました。
被害者の河本千奈ちゃんの家族は父親と母親、そして母親は妊娠中でもうすぐ弟か妹が生まれる予定だったという事です。父親は園の開いた保護者会にも出席し、悲しみと怒りの気持ちを訴えられていたようです。そのあまりに悲惨事件の内容と、酷すぎる幼稚園側の対応にショックを受けた保護者会の出席者が何人も過呼吸などの症状を訴えて13名が救急搬送されています。
川崎幼稚園は増田立義園長と副園長出席の記者会見も開きましたが、2人ともがまるで他人事のような態度で記者会見に臨み、あろう事か会見中に何度も笑顔を浮かべ、園長に至っては逆ギレのような態度まで見せ、批判が殺到しました。
その後、増田立義園長は辞任し、2022年12月に他の元職員3人とともに書類送検されています。
増田立義園長と元担任の西原亜子の2人は在宅起訴され、2024年7月に増田立義園長には禁錮1年4か月の実刑判決、元担任の西原亜子には禁錮1年執行猶予3年の有罪判決が言い渡されています。
世間の大きな注目を集めた川崎幼稚園バス置き去り事件。政府は、この事件を受けて送迎に使われるバスにブザーやセンサーなど安全装置を取り付けることを義務化する方針を決めています。
最後になりましたが、痛ましい事件で命を落とすことになった河本千奈ちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。