「だるま屋ウィリー」事件とは、人気ローカル番組「水曜どうでしょう」の企画中に、俳優・大泉洋さんの身に起こったとある有名ハプニングとなります。
この記事では、「だるま屋ウィリー」事件の詳細と事件現場についてまとめてみました。
だるま屋ウィリー事件は『水曜どうでしょう』の番組内で起こった事故
『水曜どうでしょう』は北海道の大人気ローカル番組
「だるま屋ウィリー事件」の舞台となった「水曜どうでしょう」は、元々は、北海道テレビというローカル局が30分数十万円の予算で始めたロケ番組となります。
「水曜どうでしょう」を今更説明するのも何なのですが、HTBが平成8年10月にスタート。放送作家の鈴井貴之さんと大学の演劇部員だった大泉洋さん、藤村さんとカメラ担当の嬉野雅道さんが、〈サイコロの旅〉〈四国88カ所完全巡拝〉といった無謀ともいえる旅行などに挑戦するロケ番組。
「水曜どうでしょう」の本放送自体は、1996年10月から2002年9月までの6年程度の期間であり、ローカル視聴率も平均11~12%程度と、現地ではほどほどの人気番組だったようです。
そして、ローカル局への番組販売が好調だったことから、全国各地にコアなファンを獲得することに成功。「水曜どうでしょう」はレギュラー放送終了後にDVD全集を発売したところ爆発的なヒットを飛ばすことになります。
その後、SP番組として定期的に復活するようになり、日本を代表するバラエティ番組の1つとなった「水曜どうでしょう」ですが、2017年時点でのDVD全集のトータルセールスは449万枚を記録しています。
ドル箱コンテンツとなった「水曜どうでしょう」は、収益面でも毎年20億円もの売上を北海道テレビにもたらしているそうです。
結果として同番組は、年間売上120億円前後の北海道テレビにとって、ざっくり言って毎年20億円の売上増と10億円の営業利益をもたらし続けている。
だるま屋ウィリー事件の詳細① 事故を起こしたのは大泉洋
「だるま屋ウィリー事件」で事故を起こしたのは、「水曜どうでしょう」のレギュラー出演者だった俳優の大泉洋さんとなります。
北海道のローカルタレントから売れっ子俳優へと成り上がったことでもお馴染みな大泉さんには、 映画「探偵はBARにいる」シリーズの主演・探偵役やドラマ「ハケンの品格」の東海林武役など、数多くの代表作があります。
だるま屋ウィリー事件の詳細② 大泉洋のカブがウィリーし、バリケードに激突
「だるま屋ウィリー事件」が起こったのは、「水曜どうでしょう」の1999年8月放送回となります。
スーパーカブにて、東京~札幌間を72時間以内に走破するという「原付東日本縦断ラリー」企画に挑んだ大泉洋さんたちですが、開始早々に絵面が悪い(2台のバイクを後方から撮り続けるだけ)という問題に直面します。
予算数十万円の番組ということもあり、複数のカメラによるマルチアングル撮影も不可能だったことから、一行は群馬県高崎市にある達磨寺に立ち寄り達磨を買うと、大泉さんのバイクの荷台に乗せることで絵面の改善を図ることにしました。
こちらの改善策については、絵面的には大差がない結果に終わったものの、ロケ2日目に入ると、相方の鈴井貴之さんが大泉さんに対抗して「魚沼産コシヒカリ」の米袋を調達して来て荷台に乗せるなど、番組的にはネタが広がるおいしい結果を生むことになりました。
荷台に達磨を乗せた大泉さんを「だるま屋」、荷台に米袋を乗せた鈴井さんを「米屋」と名付け、国道345号線を北上していたロケ隊ですが、途中工事現場にさしかかり、片側交互通行信号で足止めを食らう羽目になった直後に「だるま屋ウィリー事件」は起こりました。
走行中、大泉らは工事による片側交互通行信号に遭遇したため2分強の待ち合わせをし、信号機が切り替わる5秒前から大泉がカウントダウンを行う。信号が「GO」の表示に切り替わると同時に鈴井は問題なくスタートしたものの、大泉がギアをニュートラルに合わせていたためにスロットルを回したが前に進まず、焦ってスロットルを回したままギアを1速にしたところ、突如ウィリーしながら暴走し、目の前にあった「安全第一」のバリケード(実際にはその手前に置いてあった「→」(赤地に白文字)の案内板)に激突した。
引用:水曜どうでしょう
だるま屋ウィリー事件の詳細③ 事故後の大泉洋は超安全運転に
「水曜どうでしょう」のディレクターだった藤村忠寿さんにとっては、野外ロケハプニングの醍醐味を知ることとなり、「ロケ中カメラを止められなくなった」との教訓を残した「だるま屋ウィリー事件」ですが、大泉洋さんにとってはトラウマが残る形となりました。
スーパーカブでウィリーする羽目になった大泉さんは、「『安全第一』のバリケードがなかったら海に転落していた」と案外本気でぞっとしており、以降のロケ中に再び片側交互通行信号に遭遇した際には、悪ふざけをせずに徐行運転をしながら通過しています。
だるま屋ウィリー事件の詳細④ インプレスTVの無料配信で一躍有名に
今では「水曜どうでしょう」を代表する名場面扱いされている「だるま屋ウィリー事件」でしたが、北海道での初回放送については、諸事情により繰り上げ放送となったため、見逃した視聴者が続出していたそうですね。
北海道でこの日の模様が放送された『原付東日本 第4夜』は、放送日当日の高校野球が雨天のため中止、その煽りで番組の前に放送が予定されていた『熱闘甲子園』も中止となったため放送時間が繰り上がった。そのため見られなかったという視聴者からの声と、面白いこの企画を多くの人に見てもらいたいという事で一ヵ月後にこの回が「だるま屋ウィリー事件」として再放送された。
引用:水曜どうでしょうの企画
その後、日本各地のローカル局での放送を経て認知度を上げていった「だるま屋ウィリー事件」ですが、「インプレスTV」という映像配信サイトが、無料サンプルとして同事件の映像を扱っていたことも有名事件化した一因でした。
今回のDVDは「ユーコンの旅」だけどまだブロードバンドという言葉が出来立ての頃にあったインプレスTVというサイトで無料配信していたんだよな…あと特別編集で「だるま屋ウィリー事件」を配信していて何度も見た。https://t.co/x4NvvfnUGM
— イク (@ikumi) 2016年4月16日
だるま屋ウィリー事件の事故現場は新潟県坂町鼠ヶ関道
だるま屋ウィリー事件、事故現場が聖地巡礼スポットになっていた
「だるま屋ウィリー事件」の事故現場については、新潟県村上市を通る坂町鼠ヶ関道の道中であったことが特定されているため、近年はサブカル好きの聖地巡礼スポットの1つとなっており、特製ステッカーなども貼られている状況のようです。
坂町鼠ヶ関道自体が、海岸線を走る見晴らしの良いツーリングスポットなため、近隣を訪れた際には、足を向けてみても損はないのかもしれませんね。
だるま屋ウィリー事件について総まとめすると…
・だるま屋ウィリー事件の事故現場は、新潟県村上市を通る坂町鼠ヶ関道の道中
大泉洋さんが怪我をしなかったことから、ネット上ではただの笑い話となっている「だるま屋ウィリー事件」ですが、バイク事故の恐ろしさを考えさせられる話題でもあります。
「だるま屋ウィリー事件」で怪我を回避することが出来た大泉さんは、やはり「持っている男」ということなのでしょうね。