大改造!!劇的ビフォーアフターは、テレビ朝日系列で放送されている人気番組です。
この記事では、ビフォーアフターにおけるリフォームの失敗例や裁判沙汰まで発展したトラブルについてまとめています。
この記事の目次
「大改造!!劇的ビフォーアフター」とは
「大改造!!劇的ビフォーアフター」は、テレビ朝日系列で放送されている建築ドキュメンタリー番組。
2002年に放送が始まりましたが、一時期不定期放送(2006年から3年程度)になりました。その訳はアスベスト関連法が施行されたことにより、リフォーム工事が従来よりも多大な時間がかかりすぎてしまうためです。
しかしその問題を克服し、2009年4月からは再びレギュラー番組として放映が始まるも2016年11月に一旦終了。
2017年4月から不定期で再度放送がされています。
番組の趣旨としては以下の通りです。
家族の問題を「リフォーム」で解決しませんか?
“老朽化・狭小などの理由からくる生活の不便”を「匠」が解消します。
“ビフォーからアフターへ”
見た目を改造するだけが「匠」ではありません。
大改造を通して、再び”家族の絆&やすらぎ”を取り戻す。
笑いあり、感動ありの家族応援バラエティ。それが「ビフォーアフター」です。
ビフォーアフターは番組司会を所ジョージさん、アテンダントを江口ともみさん、特徴的なナレーションを加藤みどりさんが務めています。
番組では”匠”と呼ばれる建設のプロフェッショナル達が創意工夫を凝らし、家族の問題解決のためにリフォームを担当。
匠たちの素晴らしい仕事ぶりにナレーションの加藤みどりさんが発する「なんということでしょう!」は番組の決まり文句としても有名ですね。
また番組内で表示される工事費には匠のデザイン料が入っておらず、割安な費用も特徴の一つです。
番組で表示している工事費には、「匠」のデザイン料は含んでいません
「匠」に番組の主旨をご理解いただき、ご協力をお願いしています
「大改造!!劇的ビフォーアフター」の失敗例やその原因とは
番組の始まりでは家の問題で悩む家族が困り切った様子で出てきますが、匠によってリフォームが完成した終盤では「なんということでしょう!」の言葉通りに感嘆した表情になる……そんなイメージも強いビフォーアフターですが、その裏で問題が起きていると言われています。
それが”リフォームの失敗”です。
「劇的ビフォーアフター」リフォーム失敗の依頼者が週刊文春で実名告白
2010年には、番組にリフォームを依頼した東京中野のラーメン屋の店主 中薗尚秋さんが実名でその被害を週刊文春で訴えています。
「アキレス腱を切る家」として2009年11月に放映されています。
(青太字:ビフォー、赤太字:アフター)
彼は築48年の中古住宅を10年前に購入したが、敷地に高低差があり、一番大きいのは70㎝もあった。階段を作って上り下りしていたが、踏み板が狭く、妻が転んでアキレス腱を切ったこともあり、改造に踏み切ったのだそうだ。
見積もりは2100万円。リフォームにしてはかなりの高額である。しかも見せられたのは手書きの見取り図だけで、滝澤氏と中薗氏が完成までに会ったのはたった2回。
できた家に入って中薗氏はビックリ仰天する。70㎝の段差はそのまま残り、外壁の色が違い、二階の部屋は狭く暗くなるし、1階は以前より寒くなってしまったというのだ。
そこで局側と話し合い、第三者に調査を依頼すると、「リフォーム以前の建物より、品質が悪くなっているという点。基礎、耐力壁、断熱、防火など、あらゆる箇所で瑕疵が見受けられます」(日本建築検査研究所岩山健一氏)
ビフォーアフターの画像。
件の段差は、子供を楽しませるスペースへと逆転の発想で残したまま。
その他にも、ビフォーアフターは表沙汰にはなっていないトラブルも多いと言われています。
『ビフォーアフター』の陰でさまざまなトラブルが発生していることは業界内では有名です。建築法上、建て替えではないかと思われるような“リフォーム”や根本的な解決になっていない事例も多く、ショーとしてはおもしろいですが、問題も多いのです。
2chでは、ビフォーアフターで失敗したという依頼者が名乗りでたこともありました。
「劇的ビフォーアフター」失敗やトラブルを生み出す原因とは
ビフォーアフターの中ではもちろんリフォームが成功したり絶賛されたもの(『大改造!!劇的ビフォーアフター』が神回と話題 久しぶりに匠を見たwww)もありますが、少なからず上記の失敗例のように、後々トラブルになるケースもありました。
やはり大金をはたいて行う家のリフォームですので、ただ”失敗した”で済む問題ではありませんね。
金額も金額ですので、大抵リフォームは業者と依頼主双方の認識に差がないように、綿密にすり合わせて行うもの。しかしビフォーアフターでは、ドキュメンタリーといえど番組の性質上の問題点があります。
注文者としては不便に感じている点や困っている点を設計者である匠に伝えるだけで、最後まで完成形を知ることはできないので、あとは匠の手腕に任せるしかない。
注文者にとっては著名な設計者を自己負担なしで利用できるというメリットはあるが、高額な工事費は自己負担であるわけだから、仕上がりはお任せという、ある意味ではリスクのある契約となっている。
家のデザインはプロに任せるのが理想的ですが、それが必ずしも依頼者の要望に合うとは限らないといったことでしょうか。
それも事前打ち合わせが数回程度とすれば、ある種のギャンブル的要素も感じます。確かに上記に引用した「アキレス腱の切る家」でも、依頼者が匠と打ち合わせしたのは”2回”とされていますね。
自分の想像以上の出来であれば問題ありませんが、それが逆に想像以下であれば……。
では何故、匠に”お任せ”になってしまうかというと、もちろん番組としての性質もありますが、ポイントは最初に説明したように匠(建築家)にはデザイン料がないというものが関連してくるようです。
あの番組で匠はデザイン費を取っていません。つまり、匠は無償で番組に協力しています。匠としては、あの番組に出て自分の能力を世間にアピールすることで、新規のお客さんを獲得したいのです。そのため、匠にしてみれば自己アピール用のコンセプトハウスを作っているようなもので、あえて斬新なデザインなども盛り込みたいと考えるわけですが、それが住民からすると迷惑なんです
いわば匠にとってデザイン料無償で協力することが、自身の広告になるということですね。そのために自身のデザイン力を最大限アピールした結果、依頼者との温度差がでることがあるようです。
そして、不満のあった場合には一旦は撮影のためににこやかに終わらせておきながら、後々不満を解消するために追加工事をしていると言われています。
あの番組は、デザインを匠に一任することを前提に依頼者を探していますので、放送上は匠が仕上げたままの形で放送しています。家族にとって気に入らない部分があっても、とりあえず放送用に撮影は進めます。そのため、みなさん笑顔で家の中を見ていますが、不満があるケースでは撮影終了後に修正工事を行っています。言ってみれば放送のために、とりあえずは我慢してもらって笑顔を浮かべてもらっているのです
「劇的ビフォーアフター」ネットで話題となったリフォームのトラブル
ここでは失敗例というわけではありませんが、常人には理解できない匠のデザイン力から、ネットで話題となったビフォーアフター物件もあわせてご紹介します。
「カフェっぽい」家をリクエストして、謎の文字列が壁に……。
勝手にカフェの名前まで付けられちゃいました。
ベッドサイドに書斎コーナー(?)。
かわいいですが、書斎……ではないような。
パリの極小住宅に、大きな円形ソファ。
無理やりにもほどがありますね。掃除が大変そうです。
廃材を利用してリフォーム。(150万円也)
ナスカの地上絵のあるお庭!?
「大改造!!劇的ビフォーアフター」の裁判とは
「劇的ビフォーアフター」2014年に建設費用未払いで裁判沙汰に!
ビフォーアフターでは、やはり金額的にも裁判に発展したケースがあります。それが2014年7月にリフォームされた「孫がハイハイできない家」です。
問題となった「孫がハイハイできない家」。
これは追加工事を担当した建設会社と番組側との対立ですが、当初予定していた倍以上もの費用がかかったとして裁判沙汰になっています。
愛知県の建設会社が、2200万円の予定だった費用が建築士や制作会社の指示で追加工事が複数発生。およそ2900万円が支払われていないという。当初、予定のリフォーム代を越える部分については協議することになっていたのに、協議に応じず追加費用も支払われず、提訴に踏み切ったのだ。
同時にかかった費用が、放送した番組内容と違うとしてBPO(放送倫理・番組向上機構)へも申立。テレビ朝日側は、提訴内容に反論しています。
朝日放送は「追加工事の多くは、建設会社の現場管理に問題があった」と主張。「金額の根拠には多くの疑義がある。請求の法的根拠も明らかにされていない」と真っ向から反論している。
こういった追加工事トラブルはビフォーアフターに限らず建設の場では発生しうる事例(リフォームの追加工事は事前にわかる!)と言われますが、上記にも述べてきた通り番組の性質上の話もありますので難しい問題ですね。
「大改造!!劇的ビフォーアフター」打ち切り半年で不定期放送で復活
「劇的ビフォーアフター」レギュラー放送は2016年11月で打ち切りに
2009年4月から始まったSEASONⅡのレギュラー放送は2016年11月でいったん打ち切りとなりました。
打ち切り原因は「東日本大震災や東京五輪などの建設工事の影響で業者の確保が困難」としています。
所ジョージ(61)がMCを務めるテレビ朝日「大改造!!劇的ビフォーアフター」(日曜後7・58)が27日、「SEASONII」レギュラー放送の最終回を迎えることが25日、分かった。14年間の歴史にいったん幕を下ろす。
後番組について制作の大阪・朝日放送は「未定」とし、今後は特番として放送する意向。関係者によると、東日本大震災や東京五輪などの建設工事の影響から、番組内の工期が遅れるなどレギュラー放送が困難になったという。
一部では訴訟の件も関係あるのではないかと言われています。しかし、番組制作者は訴訟の件は関係ないと否定。
テレビ関係者は「ニュースになっていない訴訟もあると聞いています。年々制作費が削られるテレビ局において、高額訴訟を抱えるのは好ましくない。そうした背景も打ち切りの遠因にあるのでは?」と指摘する。
前出の番組担当者は訴訟トラブルと打ち切りの関連性について「全くの別問題と考えております」と否定した上で「現在も係争中であり、弊社としては真摯に対応していく所存です」とした。
ただ、色々とトラブルもあり、業者の方も番組側を敬遠していたのも事実のようです。
「放送開始当初は“テレビ効果”で、番組に出たリフォーム業者に仕事の依頼が殺到するなどの恩恵があったが、最近は復興工事や五輪関連の仕事の方が圧倒的に金になるので敬遠される傾向にある。また番組側の指示が無理難題で『割に合わない』とグチる業者も出てきた。週イチのレギュラー放送だけに納期や撮れ高のプレッシャーはハンパではなく、現場のスタッフはいつも疲れていた」(関係者)
「劇的ビフォーアフター」現在は不定期で放送中!
一旦はトラブル多発かた打ち切り終了と思われた「劇的ビフォーアフター」でしたが、2017年4月から不定期放送で復活を遂げています。
渚&魔裟斗の師弟コンビが人気!
不定期で放送されるようになって人気なのが
元大工の尼神インターの渚さんと若い頃に解体工の
アルバイトをしていた魔裟斗さんのリフォーム工務店コンビ!
不定期の放送ながら渚&魔裟斗の師弟コンビが人気を博しており、人気復活の兆しをみせています。
渚は芸人になるまでの5年間、大工を経験。前回の放送でも、大工道具を自在に操り、大活躍した。魔裟斗も若い頃、建築現場で働いていた経験者。その腕を見込まれ、2人は前回、8人家族が住む賃貸マンションのリフォームに参加した。
しかし魔裟斗は大工の経験は無く、悪戦苦闘。渚はそんな魔裟斗に「時間かかりすぎ!」と容赦のないツッコミを入れる。すっかり現場の“親方”になった渚は「まさと~!ビス!ビス打って!」などと魔裟斗をこき使い、魔裟斗も「親方、どうすっか?」と師と仰ぐように。要領を得てきた魔裟斗も本来の力を発揮し、渚が絶妙にフォローするなど、息もぴったりに見事リフォームを成功に導いた。
「大改造!!劇的ビフォーアフター」を総まとめすると…
・「大改造!!劇的ビフォーアフター」は現在不定期で放送中で、リフォーム要員として参加している尼神インターの渚と魔裟斗の師弟コンビが人気を博している。
一旦は打ち切りとなりそのまま終わってしまうと思われていた「劇的ビフォーアフター」でしたが、2017年4月に不定期放送で復活を遂げました。
今までのトラブルの教訓を生かしてか、以前に比べ大がかりなリフォームはなくなったようですね。
今後も渚&魔裟斗コンビが活躍する「劇的ビフォーアフター」に注目です!