2000年代のスピリチュアルブームの火付け役となったトークバラエティ「オーラの泉」が終わった理由が注目されています。
ここでは、「オーラの泉」が終わった理由について、批判的な意見や視聴率の低下、インターネットの普及、江原啓之さんのイメージ低下などいくつかの視点からまとめました。
この記事の目次
オーラの泉とは
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「オーラの泉」(正式な番組名は「国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラのずみ」)は、2005年から2009年にかけてテレビ朝日系列で放送されたスピリチュアルトークバラエティ番組です。
「オーラの泉」は、「TOKIO」の国分太一さんが番組司会を担当し、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんが有名人のゲスト出演者の「オーラ」、「守護霊」、「前世」などを霊視し、それを元にゲストに向けて、霊能力が強いことで知られる歌手の美輪明宏さんと共に人生を生きていくためのアドバイスを贈るといった内容でした。
150回近くが放送され、俳優やタレント、歌手など錚々たる有名人ゲストが毎s回登場し、江原啓之さんと美輪明宏さんのアドバイスも心に響く内容だった事から人気を集めた番組でした。
しかし、「オーラの泉」は科学的に解明されていないスピリチュアルな内容を扱った番組であり、そうしたオカルティックな内容に対して批判的な意見も多く出ており、賛否両論のある番組でもありました。
そして、「オーラの泉」は2009年3月14日にレギュラー放送が終了し、その後の特番枠内での放送も同年9月19日の放送を最後に終了しました。
上でも触れたようにこの「オーラの泉」には批判的な意見も多く存在していたことから、番組が終わった理由にはいくつかの見方があります。今回はこの「オーラの泉」が終わった理由に焦点を当てて見ていきたいと思います。
オーラの泉が終わった理由① 複数の団体から意見書などが提出された
「オーラの泉」が科学的に解明されていないスピリチュアルな内容を扱う番組であったことから、オカルティックな内容を肯定的に地上波で放送する事に危機感を覚えるとする意見が多く出ました。
「全国霊感商法対策弁護士連絡会」からの要望書
2007年3月1日、「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は日本放送協会および日本民間放送連盟に対して番組内容見直しを求める要望書を提出しています。
この要望書には「近年、霊能師が『オーラが見える』と語る」、「芸能人の未来を断定口調で予言する」、「霊能師の言葉をそのまま出演者が信じる」といった内容の番組が増加している、こうした番組が霊感商法による被害の危険性を高めているといった趣旨が書かれていました。
「オーラ」という言葉があえて意見書に書かれていた事から、この要望書は「オーラの泉」を指していると見られました。
放送倫理・番組向上機構(BPO)からの意見書
さらに、「オーラの泉」が終わる前年の2008年4月には「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が「(スピリチュアル番組が)人間の尊厳を傷つけかねない」とする意見書を出しています。
このBPOによる意見書が出されたきっかけは、2007年7月に放送された「FNS27時間テレビ」での放送内容に対して、同番組に出演した一般の方から抗議が出たためでした。
この番組では、秋田県で美容室を経営するある女性が、被災地に向けてボランティアでの支援活動をしている事が紹介されました。
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そして、その女性を江原啓之さんがスピリチュアルカウンセリングをするという展開になり、亡くなった父親からのメッセージとして、ボランティア自体は素晴らしい事だが、ボランティアに力を入れるあまり美容院の経営がおろそかになっているので、そこも少し見直して欲しいといった言葉をかけたのです。この言葉を受けた美容室経営の女性は、自分の善意によるボランティア活動が否定されていると感じて嫌な気持ちになったようです。
また、番組ではあたかもこの美容室がこのボランティア活動のために経営難に陥っているかのように放送したのですが、実際にはこの美容室は経営難ではありませんでした。この放送内容では、女性の美容室が経営者のせいで経営難になっているという間違った悪いイメージがついてしまう事もあり、美容室経営の女性は番組に抗議したのでした。
どうやら、江原啓之さんは事前に番組側からこの女性が自分の大ファンだと聞かされていたようなのですが、この女性は別に江原啓之さんのファンではなかったため、こうしたトラブルに発展した部分もあったようです。
このように、「スピリチュアル」的な内容を扱った番組に対する批判的な意見書や要望書が立て続けに提出された事が、「オーラの泉」が終わった理由ではないかと言われています。
なお、BPOが意見書を提出するきっかけとなった「FNS27時間テレビ」はフジテレビの制作であり、「オーラの泉」はテレビ朝日の番組なので、これは直接的に「オーラの泉」が批判されたというわけではありません。
オーラの泉が終わった理由② 視聴率が低下してきた
「オーラの泉」が終わった理由は、ただ単に視聴率が低下したためとする見方もあります。
元々「オーラの泉」はかなりの高視聴率番組で15パーセント前後を記録した事もありました。ただ、2008年3月頃から次第に視聴率が低下しはじめ1桁を記録する事も増えてきました。
ビデオリサーチ社の公式サイトなどによると、08年1月まで15%前後の高視聴率を時々出していた。が、ゲンダイは前出の記事で、3月に入って2週連続で1ケタを記録するようになったと報じた。
視聴率が低下してしまえば、当然制作費はかけられなくなります。江原啓之さんや美輪明宏さんへのギャラがかさんだのもネックになったのではないか?とする関係者のコメントも一部もメディアは報じています。
最近では、一ケタに落ち込むこともあった『オーラの泉』の視聴率ですが、美輪明宏、江原啓之らのギャラがかさんだのか、制作費もネックになっていたようです。まあ、制作サイドからしてみれば、1時間番組を2本作るより2時間番組を1本作る方が、明らかに安上がりですからね
オーラの泉が終わった理由③ インターネット・SNSの普及
2000年代の後半からインターネットの一般への普及が大幅に進みました。
これによって視聴者が匿名でSNSなどを利用し、非科学的な内容の番組に対して批判的意見を気軽に発信できるようになりました。
これによって、スピリチュアル的な内容の番組がネット上で炎上騒動に発展するケースが増え、それによってスポンサーが離れてしまうリスクも高まりました。
テレビ局としては、そうしたリスクを負ってまでもスピリチュアル番組を放送する理由はありません。
以上から、インターネットやSNSが普及した事が「オーラの泉」が終わった理由だとする見方も有力になっています。
オーラの泉が終わった理由④ 江原啓之を批判する記事が週刊誌に掲載された
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2006年12月20日に放送された「オーラの泉」に、元宝塚の女優・檀れいさんが出演した際、江原啓之さんは亡くなった檀れいさんの父親が、檀れいさんが宝塚音楽学校を受験するのを「(天国から)寡黙に見守っていた」とのメッセージを贈りました。
檀れいさんは江原啓之さんの言葉に感動の涙を流しこの放送回は感動のままに終了したのですが、その後の2018年1月、「週刊文春」が、檀れいさんの父親は亡くなっていないとして矛盾点を指摘する記事を掲載しました。
「週刊文春」はこの記事の中で、亡くなった父親とは檀れいさんの母親が離婚後に再婚した男性で義父にあたり、実の父親はまだ存命であるとし、宝塚音楽学校を檀れいさんが受験した当時、母親はまだ実の父親と離婚しておらず、当然この頃にはのちに義父になる男性も存命であるため、(天国から)寡黙に見守っていたという霊視自体がおかしいと指摘したのです。
江原啓之さんはこの文春の記事について、檀れいさんが母親の離婚や父親が2人いる事などを知られたくないという気持ちであったため、あえて濁した形で「2人の父親を同一人物のようにして」話を進めたと説明したのですが、この説明に違和感を持った人も多く、「江原啓之はインチキ」というイメージを持つ人が増えてしまったのです。
このように、週刊誌による批判的記事により、江原啓之さんへのバッシングが強まった事も「オーラの泉」が終わった理由の一つではないかと言われています。
まとめ
今回は、スピリチュアルブームの火付け役となった番組「オーラの泉」が終わった理由を中心にバチェラみました。
「オーラの泉」が終わった理由としては、スピリチュアルな内容を扱った番組に対して批判的な意見書や要望書が立て続けに出された事、単純に視聴率が低下した事、インターネットの普及によって炎上のリスクが高まった事、週刊誌の批判的記事により江原啓之さんのイメージが悪化した事など、いくつかの説が出ています。
「オーラの泉」のようにスピリチュアル的な内容を扱った番組は現在もケーブルテレビ番組やインターネット配信番組などでは放送され人気を集めていますが、地上波での放送は今後も難しそうです。