TBSのバラエティ番組「ビラミッドダービー」にて、やらせが発覚しました。
この記事では、「ピラミッドダービー」におけるやらせ内容のまとめ、TBSから出演者への謝罪の流れ、番組の打ち切りについてもまとめています。
この記事の目次
TBS「珍種目No.1は誰だ?!ピラミッドダービー」について
TBS「珍種目No.1は誰だ?!ピラミッドダービー」は、2016年4月24から毎週日曜日19:56からの約1時間で放映されているバラエティ番組です。
番組司会をバナナマンの設楽統さんとウエンツ瑛士さん、レギュラーパネラーをバナナマンの日村勇紀さん、番組進行役をTBSアナ江藤愛さんがつとめます。
番組の概要は、公式より。
この番組は、様々なジャンルの一流のプロたちが番組の用意した一風変わったルールの珍種目で対決!
“珍種目のNo.1”を決める番組だ。
それぞれがその道で培った能力を最大限生かし、種目の頂点、ピラミッドの 頂上を目指す!
TBS「ピラミッドダービー」やらせ内容と池袋絵意知のブログでの告発
やらせ内容とは?池袋絵意知のブログでの告発
この「珍種目No.1は誰だ?!ピラミッドダービー」のやらせ疑惑が発覚したのは、2016年6月、同番組に出演した顔相鑑定士の池袋絵意知さんのブログでの告発からです。
ブログ内では、”捏造”という言葉を用いて非難しています。
テレビの裏側全部暴露します【編集ではなく捏造】(TBSのバラエティ番組『ピラミッド・ダービー』に出演して。メンタリストDaiGoさんのやらせ疑惑も)(顔相鑑定士・顔研究家・顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログより)
やらせ内容について。
同氏によると、入れ替わった双子を区別するコーナーに解答者として出演したが、収録では正解していたにもかかわらず、オンエアでは不正解扱いにされ、番組途中からCGで姿を消されてしまったというのだ。
このようなやらせ編集を、池袋絵意知さんは、モラルハラスメント・虐待などという強い言葉で表現しています。
※そもそも台本では5回戦やって決着がつかない場合はトップの2人によるサドンデスで途中で敗退ってルールでもない。
(収録では5回戦の予定が時間の関係で次の4回選目が最終戦にと)
放送用に順番もルールも変えて、CGで私を消して私が3回戦で脱落したように作り変えているのです。
「脱落」なんてルールもなければ、順番が逆で4回戦目を3回戦目と作り変えられて「脱落」とされ、わざわざこんな惨めな画像まで作られて全国ネットでさらし者にされる私。
あまりにも非道くないですか?
もしあなたがテレビに出て、捏造によって「脱落」とされ、こんな画像まで作られて全国ネットのゴールデンで放送されたらどういう気持ちになりますか?
この番組の制作スタッフはどういう気持ちでこれを作ったのか?
もし自分が同じことをされたらどう思うのか聞いてみたいです。
これは単なるテレビの捏造問題ではなく、
マスメディアによる虐待(モラルハラスメント)です。
犯罪です。
収録では参加していて、この回は正解しているのにCGで消されている私。
結局番組内の企画ではメンタリストのDaiGoさんが優勝しましたが、池袋絵意知さんのブログ記事では、少し疑問を感じるような番組編成であったことも言及されています。
番組のために多少の演出・編集があるのはわかりますが、姿をCGでわざわざ消したりとは、想像以上のことが制作の舞台裏では行われているのか・・・と感じさせるような出来事です。
顔相鑑定士の池袋絵意知さんも、出演にあたって面白おかしくされるのは結構だとも言っていますが、このやらせ演出・編集には憤りを隠せないようです。あわせて、制作サイドのモラルにも言及しています。
―― 今、番組に対してのお気持ちは
池袋氏 せめて笑いに変えてくれる演出であればよかったのに、と思います。結果的に意図的な編集によって私を陥れる演出になってしまったことが残念です。
―― 今後の対応について
池袋氏 今回の問題をきっかけに、すべての放送局、放送制作にかかわるスタッフの皆さんには『放送に関わる人間としてのモラル』を取り戻してほしいと思います。
その後、TBSからの謝罪でも一悶着あり?
池袋絵意知さんの告発ブログが、ネットニュースなどで取り上げられ、TBSのやらせ問題が世に広がりました。
しかし、最初の段階では「演出の一環だった」としたTBS。これに対し、もちろん池袋絵意知さんは改めて”捏造”と批判します。
TBS広報部は27日、毎日新聞の取材に対し「脱落として姿を消すなど行き過ぎた演出があった」と認めながらも、「演出の一環のつもりだった」と釈明。これに案の定、池袋氏は激しく反論。今月3日のブログで、「TBSは『行き過ぎた演出』と釈明していますが、これは演出ではありません。バラエティ番組なのに全く笑いにつながっていません」「面白くする(視聴者に楽しんでいただく)ためのものではなく、視聴率稼ぎのためだけに行った捏造(行き過ぎた編集)なのです」と訴えた。
ただその後、池袋絵意知さんはTBS側との話し合いの末、謝罪を受け入れています。
(謝罪の流れは、池袋絵意知さんのブログへ。
TBS『ピラミッド・ダービー』捏造問題「お詫び」の掲載|【相手の立場に立って考える】(顔相鑑定士・顔研究家・顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログ))
番組の公式サイトやTwitterでも謝罪文を掲載しています。
〜お詫び〜
— ピラミッド・ダービー【次回は7/17!】 (@TBS_pyramid) 2016年7月5日
6月19日放送の「双子見極めダービー」の中で、出演者の方からご指摘頂いた収録の順番や、ルール変更の経緯は、演出の一環のつもりでしたが、事前に説明や了解を得ることなく画像を加工し、行き過ぎた編集がありました。
池袋絵意知氏、および視聴者の皆さまに深くお詫びいたします。
また池袋絵意知さんは、TBSなのか制作会社の責任なのか、というところにも言及しています。
私が常々心がけているのは
「相手の立場に立って考えること」です。
このような事件があると、制作会社がやったことでも放送したテレビ局が責められます。
私としては「行き過ぎた編集」=(捏造)によって、私の名誉が傷つけられたことのお詫びも公式に書いていただきたい気持ちもありましたが、さすがにそこまでTBSさんに要求するのは酷だと思いました。
「もし自分がTBSのプロデューサーだったとしたら?」
バナナマンやウエンツ瑛士さんがいるスタジオ収録には立ち会うだろうけど、「日本一小学生リレーダービー」や私が出演した「双子見極めダービー」のロケ収録は、よほど時間に余裕がないと立ち会うのは不可能だろう。
制作会社が編集したものを信頼するしかない。
オンエア映像を見ただけだと、まさか、収録時と得点形式もルールも順番を変えて「脱落」ルールを後から追加して、その後CGで消して作り変えられていても気づかないだろう。
そこはTBS側を責められない。
引用:TBS『ピラミッド・ダービー』捏造問題「お詫び」の掲載|【相手の立場に立って考える】 顔相鑑定士・顔研究家・顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログ
何故、やらせが起こったのか?
今回の捏造・やらせ演出が起きてしまった原因について、TBS上層部が見解を述べています。
今回の不適切な演出について、伊佐野英樹編成局長は「大きくは作業工程に問題があった。分業でロケ、チェックと、4段階作業があって、収録したものを順番を入れ替えて、それが(次の作業工程に)連絡されていなかった。そこから面白くしようと上塗りされてしまった。トータルできちんとチェックする人間がいなかった。そこは今後は徹底したい」と経緯を明かした。
つまり番組制作にあたり分業作業がされる中で、番組内での流れを把握している人がいなかったということでしょうか。
ただ池袋絵意知さんもTBSの謝罪を受け入れた矢先の、7月6日のTBSの武田社長の定例会見では・・・。
武田社長は「あたかも途中で脱落したかのようになってしまったが、(コーナーの結果として)事実関係は変えてない」と説明。「ここまでやって何か得られるのか?」と追及されると、「ここら辺の感覚はみんなもってもらいたい。おっしゃる通り。他でもやっていると思われるのはマイナス。演出とは何なのか、真摯に受け止めて、きっちりとやっていってもらいたい」と語った。
事実関係は変えていないと発言。問題はそういうことじゃないと思うのですが・・・。
池袋絵意知さんも、このTBS武田社長の発言にはさすがに黙っていません。
ブログ内で、公開質問として疑問を投げかけています。
TBS武田信二社長へ公開質問「放送による暴力・虐待について」【『ピラミッド・ダービー』捏造問題】(顔相鑑定士・顔研究家・顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログより)
TBS「ピラミッドダービー」打ち切り説が出てくる
やらせが発覚した「珍種目No.1は誰だ?!ピラミッドダービー」ですが、似たようなケースのやらせが発覚し、過去に打ち切りになったかつてのフジテレビの人気番組「ほこ×たて」があります。
13年10月20日に放送された『ほこ×たて 2時間スペシャル!スナイパー軍団 VS ラジコン軍団』の「ヤラセ事件」はテレビ業界だけでなく社会問題化した「ヤラセ事件」だった。問題になったのはラジコンの車、ヘリコプター、ボートをスナイパーが狙い撃ちできるかを競う対決だったが、番組制作サイドは編集の段階で勝負の順番を入れ替えたうえ、現場ではアクシデントにより中止になっていたはずのラジコンカーとスナイパーの対決がスナイパーの勝利に改変、また撮影時と放映で公表されたルールがちがうものになっていたりと、演出の域をはるかに超えた偽造編集がなされていた。
この一件は出演者の1人、広坂正美氏がラジコンメーカー・ヨコモのホームページ内で告発したことで表面化したが、その直後にフジは『ほこ×たて』の打ち切りを決定、同局のニュース番組で謝罪を行い、また亀山千広社長も定例会見で謝罪、さらに関係役員や編成部長ら4人に減給処分を下している。またBPO(放送倫理・番組向上機構)の審議で「重大な放送倫理違反があった」と判断されたものだった。
そして、この「ほこ×たて」と「ピラミッドダービー」には、驚くべき共通点があると言います。
番組クレジットを見ると、2つの番組は総合演出として同じ人物の名前が記されている。株式会社ZのI氏だ。番組制作会社の関係者はこう証言する。
「収録した素材の編集は総合演出が担当します。同じ人物が総合演出しているのですから、『ほこ×たて』と今回の『ピラミッド・ダービー』のヤラセが酷似しているのも当然でしょう」
この制作会社は、Zプラスだとも。厨子王→「ほこ×たて」、Zプラス→「ピラミッドダービー」とするのが正しいようです。どちらも総合演出を手がけるのが石田昌浩氏。(wikiより)
なお、番組の制作を手掛けたのは、「ヤラセ問題」がきっかけで打ち切りとなったフジテレビ系「ほこ×たて」を制作した厨子王のグループ会社Zプラス(ジープラス)でた。
引用:TBS系「ピラミッド・ダービー」にヤラセ疑惑 オンエアで脱落した出演者が「現場で脱落していなかった」と出演者2人が語る
ただ2016年7月の段階で、番組打ち切りなども含め関係者の処分は決まっていなかったそうです。
問題の検証は、関係者への聞き取りの中で進めていくといい、現段階で処分などは決まっていないという。
TBS社長の発言もですが、かつてBPOにて「重大な放送倫理違反があった」と言わしめた番組を作った制作会社の起用についても、果たして全く問題がなかったと言えるのでしょうか。
ヤラセ前科を持つ人物が今度はTBSで同じ事件を起こしたということになる。当然TBS 側は今回も「ヤラセ」の偽造編集が起きる可能性を考慮し、収録現場と放送内容の乖離がないよう目を光らせるのが筋のはずだ。いや、そもそもそうした前科を持つ人間を総合演出として起用しているTBSの責任は重大だ。
TBS「ピラミッドダービー」やらせ発覚から1年半後に放送終了
2016年6月にやらせが発覚した「珍種目No.1は誰だ?!ピラミッドダービー」ですが、その後、すぐには打ち切りにはならず、放送は続いていました。
2016年12月6日、放送倫理・番組向上機構は、委員会で「放送倫理違反」との決定を行いました。
結局、2018年3月11日の最終回2時間スペシャルをもってレギュラー放送を終了となりました。
レギュラー放送を終了となった理由は「視聴率の低下」「マンネリ、ネタの枯渇」と言われています。やらせ発覚から放送が続いていたことを考えると、打ち切りとやらせは関係なかったのかもしれません。
その後、2019年になると、TBS「消えた天才」「クレイジージャーニー」などでもやらせが発覚しています。
テレビにやらせは付き物かもしれませんね。