「鳥取連続不審死事件」の犯人である上田美由紀ですが、不美人であるのにも関わらずに次々に男性を毒牙にかけた手腕に世間の注目が集まったこともありました。
この記事では、上田美由紀の生い立ちや夫と子供、事件の詳細や死刑判決、そして獄中死した現在までについてまとめてみました。
この記事の目次
上田美由紀が起こした「鳥取連続不審死事件」とは
事件の発覚は上田美由紀の別件逮捕だった
「鳥取連続不審死事件」は、2009年11月に上田美由紀が詐欺容疑で逮捕されたことをきっかけに発覚しています。
この時の上田美由紀は、2006年11月に知人の母親から126万円を騙し取った容疑がかかっていたようですね。
上田美由紀の周辺では、2009年だけでも3人の男性が不審死していたため、さしもの鳥取県警も犯罪の臭いを嗅ぎつけており、刑事事件として上田美由紀の周辺を捜査中でした。
そのため、これ以上の被害の拡大を防ぐために、容疑が固まっている詐欺容疑にて上田美由紀を別件逮捕することになりました。
鳥取連続不審死事件の被害者① 42歳新聞記者
「鳥取連続不審死事件」に関しては、警察の捜査の結果、上田美由紀の周辺で6人の男性が不審死を遂げていることが確認されています。
第一の犠牲者となった人物は、読売新聞の鳥取支局に勤めていた42歳の新聞記者・古川司さんだったそうで、段ボールに詰められた状態で線路内に放置された挙句の轢死という不審死を遂げることになりました。
古川さんは妻子持ちながらも上田美由紀にどっぷりとハマり不倫状態となり、借金をしながらお金を貢いでいたとも言われております。
2004年5月に不審死を遂げた古川さんに対しては、詰められていた段ボールに「出会って幸せだった」との一文が書かれていたことが原因となり、司法解剖すらされずに自殺扱いされてしまったそうですね。
鳥取連続不審死事件の被害者② 27歳警備員
「鳥取連続不審死事件」は、当時27歳の若者も上田美由紀の毒牙にかかっています。
「鳥取連続不審死事件」における第二の犠牲者は、上田美由紀の勤務していたスナックの常連客の警備員・古田新一さんであり、2005年頃から2人は同棲状態になっていたと言われております。
しかしながら、上田一家と古田さんとの同居生活は幸せな日々には程遠く、上田美由紀から生活費や家賃を集られ続けた挙句、借金まで強いられるなど散々な目に遭っていたようです。
そんな中、2007年8月になると、上田一家と一緒に鳥取砂丘海水浴場に貝殻を取りに出かけた古田さんは、泳げないにも関わらず海で溺れて命を落とすといった不可解な死を遂げてしまいました。
この時も鳥取県警は、古田さんの不審死を事件として捜査することはありませんでした。
鳥取連続不審死事件の被害者③ 41歳警察官
上田美由紀の犠牲者には、警察官もいました。当時41歳だった藤田格さんは、妻子持ちながらも上田美由紀のスナックに通う内に不倫関係となり、お金の方もかなり貢いでいたようですね。
その後、2008年2月になると、山中で首つり状態の藤田さんの遺体が発見されているものの、事件性はなしと判断した鳥取県警は自殺として処理してしまうことになりました。
鳥取連続不審死事件の被害者④ 47歳トラック運転手
上田美由紀は、二股交際中だった男性を殺害したことまでありました。2009年4月に、上田美幸により殺害されてしまった犠牲者は、47歳のトラック運転手である矢部和実さんとなります。
矢部さんが殺害された原因については、上田美由紀に生活費として総額270万円ほどのお金を貸していたものの安東儀導と同棲中だったことに気が付いたのか、返済を要求しため疎まれて命を奪われてしまったようです。
事件当日、上田美由紀からお金を返済すると騙されて海岸に誘い出された矢部さんは、その後行方不明となり、1週間後に鳥取県北栄町沖で水死体で発見されることになりました。
警察が司法解剖したところ、矢部さんの体内からは睡眠導入剤など他殺を示唆する証拠が見つかったため、鳥取県警が「鳥取連続不審死事件」の捜査を開始するきっかけとなっております。
遺体からは睡眠導入剤のほか、肺からは(水死の場合、入るはずがない)砂が検出されるなど不自然な点が多く、他殺の可能性が高いと結論づいて、起訴へ至った。
引用:第4の事件(起訴事案)
鳥取連続不審死事件の被害者⑤ 57歳電気店経営者
上田美由紀は、安東儀導と共に行った「取り込み詐欺事件」の被害者の1人の命も奪っています。「鳥取連続不審死事件」第五の犠牲者となったのは、57歳の電気店経営者の円山秀樹さんとなりました。
円山さんは自身が経営する電気店にやってきた上田美由紀らにより、計123万円分の家電製品の「取り込み詐欺」被害にあっており、代金を支払うようにと交渉中でした。
とはいえ、厚顔無恥な上田美由紀は、自宅アパートまで代金の催促に行っても支払いを拒否するばかりで、円山さんも途方に暮れていたようですね。
そんな折、突然「代金を支払う」と上田美由紀より連絡を受けて呼び出された円山さんは、その後鳥取市内を流れる摩尼川にて溺死体で発見されることになりました。
水深20cmの浅瀬で溺死するというあまりに不自然すぎるシチュエーションは、すぐに鳥取県警の疑惑を生むこととなり、捜査線上に上田美由紀の名前が浮上しております。
また、Eの遺体が発見された事件現場は、決して溺れるはずのない”水深20cm”程度の浅い川で、第三者に顔を押しつけられた可能性が高く、遺体からも睡眠導入剤が検出されたため、起訴へと至った。
引用:第5の事件(起訴事案)
鳥取連続不審死事件の被害者⑥ 58歳の無職男性
「鳥取連続不審死事件」の最後の犠牲者となったのは、58歳の無職の男性・田口和美さんとなりました。
田口さんは上田美由紀の勤務するスナックの常連客の1人だったようですが、ミニバイクや冷蔵庫を売ると持ちかけられては代金だけ騙し取られるなど、良いカモにされていました。
そんな2人の関係がさらに悪化した原因は、田口さんが(上田美由紀の内縁の夫である)安東儀導から借りた車で衝突事故を起こしてしまったことがきっかけでした。
2009年9月に起こったこの事故のせいで、上田美由紀に弱みを握られてしまった田口さんは、以降は示談金名目でお金を騙し取られた他、携帯電話を取り上げられて高額な料金請求が来るなど散々な目に遭うことになります。
田口さんが上田美由紀に家の鍵を渡すこととなったのもこの頃だったそうで、その後に自宅アパートから現金がなくなるといった窃盗被害までありました。
ストレスから下痢に苦しむなど体調不良に陥っていた田口さんは、2009年10月26日に自宅アパートで上田美由紀に大量の錠剤を飲まされた翌日に昏睡状態になり死亡しています。
ちなみに、田口さんの一件は他殺の証拠が見つからなかったのか、鳥取県警も刑事事件化を断念しています。
上田美由紀はなぜ不美人なのにモテた?
「鳥取連続不審死事件」最大の謎といえば、美人とはとても形容し難い容姿の上田美由紀に、男性たちが次々に篭絡されてしまったことが挙げられます。
その辺の事情は、上田美由紀のホステスとしての天性の才能が関係してきていたようですね。上田美由紀は、ならず者の元ヤンという経歴とは裏腹にかなりの甘え上手だったらしく、スナックに来るお客に無邪気にジャレついてみたりと、男性に「可愛らしい女」と印象付けることが得意でした。
また、筆まめな上田美由紀は、狙いをつけた常連客には手紙やメールを頻繁に送ったりしていたらしく、男性を自分に振り向かせるためには努力を惜しまないタイプでもありました。
その他にも、常連客に街中で会うとしっかり挨拶をするなど古風な一面もあった上田美由紀は、俗に言う「男を立てる女」でもあったそうで、男性が居心地の良い空間を作ることに長けていたとも言われております。
そんな人たらし能力に加えて、子供5人を育てるシングルマザーという境遇に同情する男性客も後を絶たなかったそうで、知らず知らずのうちに上田美由紀に入れ込んでしまうケースが多かったようですね。
上田美由紀の生い立ちと職歴~母親の影響で幼少期から問題児だった
上田美由紀のプロフィール
名前:上田美由紀(うえた みゆき)
生年月日:1973年12月
出身地:鳥取県倉吉市
身長:150cm
上田美由紀、幼少期から盗みを働いていた
上田美由紀に関しては旧姓は堀江といい、実家には土木作業員の父親と専業主婦の母親に加え、5歳年上の兄がいました。
少女時代の上田美由紀は、6畳2間と8畳1間の平屋に住んでいたとの情報があるため、時代背景を考えるとそれほど貧しい家庭ではなかったことが伺えます。
一方で家庭環境には問題があった堀江家は、父親の方は物静かだったとの近所住民の証言がありますが、上田美由紀そっくりだったという母親の方は、派手好きで悪い噂が付きまとっていたようですね。
そんな母親に怒鳴りつけられながら育つこととなった上田美由紀は、小学時代には隣家に勝手に上がり込んでは物を盗んだり壊したりするような子供だったそうです。
中学に進学後は、持ち前の素行の悪さに加えて悪知恵もついてきた上田美由紀は、相手の喜びそうなプレゼントを贈って勢力の拡大を図ったりした他、気弱な同級生たちをパシリ扱いするなどやりたい放題だったと言われております。
母親の悪評に加えて上田美由紀の狼藉ぶりが祟った結果、堀江家は「あの家に近寄るな!」と言われるくらいの地元の鼻つまみ者一家となってしまいました。
上田美由紀、職を転々としながら結婚離婚を繰り返す
中学を卒業後の上田美由紀に関しては、いったんは高校に進学したものの馴染めずに中退をしてしまったそうですね。
高校中退後の上田美由紀は地元を離れ大阪に上京し、ストッキングの製造工場や結婚情報センターで働いてようですが、どれも長続きはしなかったと言われております。
そんな折、知り合った自衛隊員の男性と結婚し、10代後半で人妻となった上田美由紀でしたが、2人の子供を儲けたものの、金銭トラブルを起こしたため1996年頃に離婚してしまいます。
離婚後は、子供を連れて実家に帰ることとなった上田美由紀は、地元で知り合った会社員の男性とすぐに再婚をすることになりました。
その後、さらに2人の子宝に恵まれることとなった上田美由紀ですが、1999年頃より親戚から受け継いだスナックを経営するようなった結果不倫相手が出来てしまい、2004年頃に再度の離婚の憂き目となっていたようですね。
ちなみに、上田美由紀が経営していたスナックの方は、経営不振により同時期に閉店してしまったとの情報があります。
上田美由紀、スナックでホステスとして働くも低収入
4人の子持ちシングルマザーとなってしまった上田美由紀ですが、本来は生活保護などを受けられる環境にあったものの、公的扶助を受けた形跡などはなかったそうですね。
2度目の離婚後の上田美由紀は鳥取市に住居を移し、雇われホステスとしてスナックで働くこととなりました。
ホステス時代の上田美由紀は、子供の都合で仕事を欠勤することが多かったらしく、月給は7万円程度だったと店の関係者が証言しています。
姉御肌で酔客の痴話喧嘩なども積極的に仲裁していたという上田美由紀は、スナックの同僚たちからの評判は悪くなかったとの話もありますが、1店舗に長く務めるようなことはなかったと言われております。
この時期の上田美由紀に関しては、スナック勤務だけで生計を立てることが不可能だったこともあり、昼は病院で清掃員をしていただの風俗店で働いていたなどといった噂も存在するようですね。
上田美由紀の家族情報~10歳年上の内縁の旦那と5人の子供について
上田美由紀、逮捕時は自動車のセールスマンと同棲していた
バツ2の結婚歴が確認されている上田美由紀ですが、離婚後も彼氏が途切れることはなかったようで、逮捕時も10歳年上の自動車セールスマン・安東儀導(のりみち)と交際中でした。
元々は妻子持ちだった安東儀導は、スナックで知り合った上田美由紀と不倫関係になった際に、「3つ子を妊娠した」と騙されて養育費を請求されています。
上田美由紀からの請求額は3000万円という途方もない額だったため、養育費を支払うことが出来なかった安東儀導は、妻子を捨てて上田一家の住むアパートの隣室に引っ越し、同棲生活を開始することになったそうですね。
同棲後は、上田美由紀に1000万円以上を貢ぐこととなった安東儀導でしたが、すべて浪費されてしまった挙句、肝心の3つ子についても「薬で脱胎した」と煙に巻かれてしまいました。
その後お金に困った2人は、2008年11月から2009年11月にかけて後払いで購入した商品の代金(総額1049万円)を支払わずに転売するといった「取り込み詐欺事件」を起こしております。
そのため、運良く上田美由紀の毒牙にかかることはなかった安東儀導ですが、2009年11月に逮捕された後、鳥取地裁で懲役3年の実刑判決を受けることになりました。
上田美由紀、5人の子供たちはネグレクト状態
2人の元夫との間に4人の子供を儲けている上田美由紀ですが、その後さらに子供を1人産んでいたらしく、逮捕時の子供の数は5人でした。
家族6人で家賃2万5000円のアパートに暮らしていた上田美由紀は、基本的に家事をしない人間だったらしく、室内にはゴミの山が散乱していたそうですね。
そんな状況に加えて、犬を3匹、猫を5匹室内飼いしていたとの情報もあるため、上田美由紀の自宅アパートの不衛生さは相当なものがあったことが伺えます。
また、肉親への情が薄いタイプの人間でもあった上田美由紀は、子供たちのご飯もコンビニで買ってきたおにぎりなどで済ますことが常態化していたそうで、まさにネグレクト家庭の典型だったと言えます。
上田美由紀の現在…2023年に獄中死
上田美由紀、2010年1月に強盗殺人罪で再逮捕
2010年1月になると、矢部和実さんや円山秀樹さんに対する強盗殺人罪で鳥取県警に再逮捕された上田美由紀ですが、残る4人の不審死に対しては間接証拠の積み重ねも困難だったため、立件を見送られています。
ちなみに、上田美由紀が男性たちから騙し取った多額のお金の行方については、家族や知人と一緒に毎日のように外食や銭湯に出かけて浪費してしまったと言われております。
その他にも、金銭感覚がかなりルーズだった上田美由紀は、食料品も生活用品も何でもコンビニで買う習性があり、知らず知らずのうちにお金をかなり無駄遣いしていたようです。
上田美由紀、自宅アパートは事件後取り壊されていた
上田一家の住んでいたアパートについては、上田美由紀の逮捕後に取り壊されています。勤務先のスナックのオーナーの持つ不動産物件の1つだったと言われているアパートでしたが、上田一家が住むようになってからは、ゴミ屋敷と呼ぶのも生易しいほどの惨状になっていたせいで、ゴミの撤去費用だけで19万円もかかったそうですね。
「今まで嗅いだことのないような臭いがしてくるわ、ハエの湧き方が尋常じゃなかった。あの家の窓がおはぎみたいに真っ黒になっているから何かと思ったら、全部小バエだったんだよ」
オーナーがアパートを取り壊した理由などは不明となっていますが、あまりにアパートが汚れすぎてしまったため、原状回復が難しかったなどといった事情でもあったのかもしれませんね。
上田美由紀、広島拘置所に収監される
上田美由紀に関しては、2017年7月になると、死刑が確定しております。
鳥取連続不審死事件で男性2人への強盗殺人罪などに問われ、1、2審で死刑とされた元スナック従業員、上田(うえた)美由紀被告(43)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は27日、「借金返済を免れようと殺害しており、強固な殺意に基づく計画的で冷酷な犯行。刑事責任は極めて重い」として被告の上告を棄却した。死刑判決が確定する。
一方で上田美由紀は無罪を主張し続け、被害者に対して謝罪の言葉を一切残さなかったため、遺族たちの胸の中のモヤモヤ感は最後まで晴れなかったそうですね。
会見で円山さんの長男、弘幸さん(43)は、上田被告の死刑が確定することになったことに対し「予想はしていたが、ほっとした」と話した。形見の仕事道具を捨てずに残し、思い出に触れているという。最後まで一貫して無罪を主張した上田被告には「もう今更ごまかしても仕方がない。最後の最後ぐらいは(罪を認め)謝罪があってもよかったのに」と憤った。
上田美由紀は広島拘置所に収容され、死刑執行を待つ身となりました。
上田美由紀、2023年に獄中死する
2023年1月、上田美由紀が収容先の広島拘置所で食べ物を喉に詰まらせ窒息死していたことが明らかになりました。
1月14日の夕食中に倒れ意識不明の状態で病院に運ばれたましたが、約2時間後に死亡が確認されたとのことです。
上田美由紀は拘置所でも無罪を主張し続けていたとのことで、再審請求の準備をしていた最中の出来事となりました。
上田美由紀は高血圧や狭心症など複数の持病を抱えていたようですが、食生活を変えることなく死亡する数日前まで自費で購入したピーナッツやキャラメルなども食べていたといいます。
しかし、健康状態は悪化していたようで、食べ物を喉に詰まらせたのも嚥下機能が低下していたことが原因であるとの指摘もありました。
「当初は自殺も疑われましたが、遺書などは無かった。そもそも、上田は1月10日にも同様に食事を喉に詰まらせて救急搬送されています。病院では異常はないとして拘置所に戻されましたが、高齢者のように嚥下機能が低下していた可能性もある。実際、高血圧や狭心症など複数の病気で投薬治療を受けており、健康状態は相当悪化していたようです」(前出・社会部記者)
日本中を震撼させる凶悪な事件を起こし大きな注目を集めた上田美由紀。死刑執行を前に、あまりにあっけない最期を迎えることとなりました。
上田美由紀についてまとめると…
・上田美由紀は母親の影響からか、幼少期から窃盗などを繰り返す問題児だった
・上田美由紀は結婚と離婚を繰り返し、合計で5人の子供がいる
・上田美由紀は逮捕時、10歳年上の内縁の旦那がいた
・上田美由紀は2017年7月に死刑が確定し、広島拘置所に収監された
・上田美由紀は2023年1月に食べ物を喉に詰まらせ獄中死した
あまりに自己本位すぎる動機で「鳥取連続不審死事件」を起こした上田美由紀ですが、法に裁かれて死刑判決を受けたことになります。しかし、死刑が確定してから5年半ほどで獄中死しています。
事件の被害者たちのご冥福を祈りつつ、この記事のまとめを終了させて頂きます。