2022年10月に発生した池袋サンシャイン60の乱闘事件が話題です。
この記事では乱闘事件を起こしたチャイニーズドラゴンや現場となったレストラン、出所祝いをしていた赤羽グループ、事件の原因が仲間外れにされた事だった件や逮捕された犯人、現在の状況などについてまとめました。
この記事の目次
池袋サンシャイン60乱闘事件の概要
現在世間を騒がせている東京池袋の高層ビル「サンシャイン60」で発生した乱闘事件についてこれまでの報道でわかっている内容を紹介していきます。
池袋サンシャイン60乱闘事件の発生経緯
2022年10月16日の18時半頃、東京都豊島区東池袋の高層ビル「サンシャイン60」の58階にあるフレンチレストランで大規模な乱闘事件が発生しました。
この日、サンシャイン60の58階に入っているフレンチレストランでは、警視庁が準暴力団に指定している「チャイニーズドラゴン」のメンバー約100人ほどが貸し切りで宴会をしていました。
チャイニーズドラゴンの幹部の1人が2022年8月に懲役を終えて出所しており、その出所祝いを行っていたようです。
そこへ、チャイニーズドラゴンの別のグループの幹部とその仲間20数人が乱入し、出席者らに殴りかかり皿やビール瓶などを投げつけるなどして暴れ乱闘騒ぎに発展したという経緯だという事です。
レストラン従業員から通報を受け警察官が駆けつけた時には犯人らは既に逃亡
出典:https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/
乱闘事件発生直後に、レストランの従業員が「客同士がケンカして暴れている」と110番通報をし、直ちに警察官が現場に急行していますが、警察官が現場に到着した時には犯人らは既に逃亡した後だったという事です。
現場には頭部に軽傷を負った20代の男性1人が残されているだけだったようで、この男性は救急車で病院に搬送されています。
乱闘後のレストラン店内の様子は、テーブルがひっくり返り、料理やビールが散乱するなどの酷い有様だったそうです。また、乱闘によりガラス扉などが割られたため、レストランは乱闘翌日から5日間の営業停止を余儀なくされています。
池袋サンシャイン60乱闘事件のレストランはサンシャインクルーズクルーズ
池袋サンシャイン60の乱闘事件の現場となったのは、同ビル58階のフレンチレストランとのみ報道されています。
ただ、池袋サンシャイン60の58階にあるレストランは「サンシャイン クルーズ・クルーズ」のみなので、このレストランが乱闘現場になったとみて間違いなさそうです。
このレストラン「サンシャイン クルーズ・クルーズ」は、ランチでは5000円程度、ディナーコースで1人7000円〜2万円とこの場所としてはリーズナブルなレストランで、クチコミサイトなどでも高い評価がつけられている評判の良いお店です。
こうした一般的なレストランで準暴力団指定されているチャイニーズドラゴンのようなグループが貸し切りで宴会を開いていたという事自体に驚いたという人も多かったようです。
池袋のサンシャイン クルーズ・クルーズ
— マジレス赤字 (@red_majires) November 6, 2022
チャイニーズドラゴンの乱闘があった店として名が知られるようになった
見てくれは綺麗なフレンチレストランなんだけどな
半グレもこういう店を利用するのか
え?サンシャインで100人団体が入れる58階ってクルーズ·クルーズでは?フレンチの割に手頃で普通に美味しい使い勝手の良いお店で、他の店舗より池袋は眺めも良いから記念日向きなのに。どうしてそんな所で乱闘なんて…結婚式の二次会か何かで半グレに使われたの?お店が気の毒…店員さんは大丈夫なの?
— ノア (@noa_blanche2) October 16, 2022
池袋サンシャイン60乱闘事件を起こしたチャイニーズドラゴンとは
東京池袋の高層ビル「サンシャイン60」で乱闘事件を起こしたのは、警視庁に準暴力団指定されている「チャイニーズドラゴン」と呼ばれるグループだと報じられています。
このチャイニーズドラゴンとは、首都圏一帯で活動するマフィアグループ、不良グループ、ストリートギャング、半グレ集団で、中国残留孤児2世・3世を中心に構成されている集団です。
1980年代終わり頃に中国残留孤児2世らを中心に東京都江戸川区葛西で結成された「怒羅権」というグループが発祥で、1990年代には暴走族と抗争を繰り広げて勢力を拡大しました。
殺人や強盗、違法薬物の密売、みかじめ料徴収などの凶悪犯罪を繰り返して逮捕者も続出しており、中国本土のマフィア組織と結びついての、覚醒剤や銃火器の密輸など国際犯罪にも関わっています。
構成員は首都圏とその周辺を中心に数百名から1000名にも達すると言われており、中国残留孤児などの中国と縁のある人間だけでなく、生まれも育ちも日本の人間も多く加わっているようです。
なお、「チャイニーズドラゴン」という呼称は警察側が作った造語で、本人らはあくまでも「怒羅権」を名乗っているようです。
警視庁は2011年に怒羅権の名称を「チャイニーズドラゴン」のカタカナ表記で統一するように通達を出し、2013年には「関東連合OB」、「打越スペクターOB」、「大田連合OB」などの半グレ集団と共にチャイニーズドラゴンも「準暴力団」に指定されています。
池袋サンシャイン60で出所祝いをしていた赤羽グループについて
池袋サンシャイン60での乱闘事件は、チャイニーズドラゴンの赤羽グループに所属する幹部の出所祝いが行われているところに別のグループのメンバーが乱入して発生したと報じられています。
この赤羽グループについてですが、これまでに何度も凶悪な事件を起こしており、ネットでもチャイニーズドラゴンを構成する複数の集団の中でも凶悪なグループの1つとして知られていました。
チャイニーズドラゴンというのは警視庁が勝手につけた名前で、元々は中国残留孤児2、3世らを中心にしたグループが「怒羅権」を名乗っていた事によります。
この怒羅権のうち、赤羽を拠点にするグループは「赤羽華人連盟会(通称・赤羽怒羅権)」を名乗り、2014年7月には山口組系3次団体の組員数人と乱闘事件を起こして幹部の李明岩という人物が逮捕されています。
この時、「赤羽華人連盟会」の集団は凶器を振り回すなどして、山口組系の暴力団員らに重傷をわせ、うち1人には頭蓋骨骨折による全治6ヵ月の重傷を負わせるなどしています。
この事件発生後、チャイニーズドラゴンの特に赤羽グループは暴力団をも恐れぬ凶悪な集団としてネットでも大きな話題になっていました。
この「赤羽華人連盟会」のトップの大野宏という男も、同じく赤羽グループに属する馬海博という男と2人で共謀して、他のチャイニーズドラゴン(怒羅権)のメンバーに青龍刀を突きつけた上で殴る蹴るの暴行を加えたとして2015年7月に逮捕されています。
そして、赤羽を拠点とするチャイニーズドラゴンのグループのうち、乱闘事件のあった池袋や新宿に縄張りを持っていたのが、「白井グループ」と呼ばれる集団で、そのリーダーが白井宇太郎(通称・シャオユウ)という男でした。
この白井宇太郎は、2007年12月に貴金属製造会社の工場から総額約1億2000万円相当(2億円との情報も)の貴金属を盗んだとして2011年に逮捕されています。
山梨県南アルプス市の貴金属加工工場から地金など計約1億2000万円相当を強奪したとして、警視庁と山梨県警は19日までに、東京都西東京市新町2、自称会社役員、白井宇太郎容疑者(39)ら男4人を強盗致傷容疑などで逮捕した。同庁によると、白井容疑者ら2人は容疑を否認、残る2人は認めている。
後述しますが、池袋サンシャイン60での乱闘事件では姜海鋒(キョウカイホウ)という男が犯人として逮捕されていますが、この姜海鋒と長年対立関係にあったとされているのが、この白井宇太郎でした。
こうした背景から、今回の池袋サンシャイン60乱闘事件発生の直前に58階のフレンチレストランで出所祝いを受けていたのは、この赤羽グループの白井グループトップである白井宇太郎か、彼と関係の深い人物だった可能性が高いようです。
池袋サンシャイン60乱闘事件の原因は上野グループ幹部の仲間外れか
池袋サンシャイン60での乱闘事件の原因ですが、警視庁の発表によれば、赤羽グループ幹部の出所祝いに、自分達だけ招待されずに仲間外れにされた上野グループのメンバーらが腹を立てて、会場のレストランに乱入した事が原因ではないかと見られているようです。
この幹部は出所したばかりで、チャイニーズドラゴンの中で、赤羽グループに所属しているという。
一方、宴会場に乱入した姜容疑者は、上野グループのトップとされている。ところが、この出所祝いに、上野グループの幹部は招待されておらず、それに腹を立てて、フランス料理店に押しかけて、乱闘になった可能性があるとのこと。
報道によると、チャイニーズドラゴンには赤羽グループや上野グループの他に葛西、王子、府中を拠点とするグループがあるが、この出所祝いに上野グループ以外の4グループの席のみが用意され、上野グループだけが仲間外れにされていたという事です。
チャイニーズドラゴンには、赤羽、上野の他に、葛西、王子、府中を拠点とするグループがあるという。乱闘事件の舞台となった”出所祝い”には、上野グループを除く、4つのグループの幹部は参加していたとのこと。
「仲間外れ」が原因とだけ聞くと馬鹿みたいですが、赤羽グループと上野グループとの間には過去にも因縁があり、そのためにあえて上野グループだけを出所祝いの席から外したという背景があったようなので、事はそう単純ではないようです。
一方、池袋サンシャイン60乱闘事件発生の4日後に配信された「文春オンライン」の記事では、チャイニーズドラゴンをよく知る人物からの情報として別の事件原因が示されています。
文春オンラインの記事によると、チャイニーズドラゴンの代表とされる人物が、元々敵対関係にあったという「池袋のパーティーの主役だった出所してきた人物」と「上野を中心に活動する(チャイニーズ)ドラゴンのメンバー」の仲を取り持つためにあえて引き合わせたのが乱闘事件の原因になったという事です。
2人は以前から険悪な関係にあり、それを見かねた現役ドラゴンの代表とされる人物が、祝いの席なら穏便に話ができるだろうと、仲を取り持つつもりで引き合わせたそうですが、残念ながらこういう騒ぎが起きてしまった……。
引用:《チャイニーズドラゴン乱闘騒ぎの全真相》出所してきた主役に別派閥の男が殴りかかり、約10人が大立ち回り…「もぬけの殻の会場は料理やビール瓶が散乱し、テーブルはひっくりかえっていた」
これが事実であれば、上野グループは仲間外れに怒って会場に押しかけたわけではなく、チャイニーズドラゴンの代表とされる人物の呼びかけに応じて会場を訪れたという事になるので、乱闘事件が発生した原因のニュアンスが若干変わってきます。
何が本当の原因になったのかはよくわかりませんが、赤羽グループの幹部の出所祝いに、上野グループの一団が押しかけて乱闘が発生したという流れは複数の報道で一致しているため事実の可能性が高そうです。
池袋サンシャイン60乱闘事件の犯人は上野グループ幹部とその仲間
池袋サンシャイン60乱闘事件を起こしたのは、チャイニーズドラゴンのメンバー多数ですが、直接的に事件を引き起こす原因を作ったという意味で犯人は上野グループ幹部とその仲間という事で事件は処理されています。
この犯人ら20数名が現場に向かう姿が防犯カメラに記録されており、これも証拠とされているようです。
池袋サンシャイン60乱闘事件当日の動画
池袋サンシャイン60の乱闘事件発生当日の現場周辺の様子が偶然動画撮影されTwitterにアップされているので紹介しておきます。
サンシャイン60 準暴力団 集団乱闘‼
— *梅ちゃん (@DakedoUme) October 16, 2022
サンシャインの様子
エレベーター付近で複数名の男性が
警察官と揉めている pic.twitter.com/22Zq4fSYnY
【池袋 サンシャインに緊急車両集結】
— 事件速報 (@tokyoaccident) October 16, 2022
サンシャイン付近に多くのパトカー、消防車、救急車が集結しています。サンシャイン内で男性数名が関わるトラブルが発生し、警察官が対応中のようです。救急車が出動していることから怪我人が発生した可能性があります。#事件 #覆面 pic.twitter.com/JuyXOrvz7s
池袋サンシャイン60乱闘事件の現在① 姜海鋒容疑者ら5人が逮捕
池袋の「サンシャイン60」の58階のレストラン「サンシャイン クルーズ・クルーズ」での乱闘事件を起こした後、警察官が到着した後には犯人らを含むほとんどのチャイニーズドラゴンメンバーは現場から姿を消しており、この時には逮捕者は出ていませんでした。
しかしその後の2022年12月7日、会場に乱入して乱闘騒ぎを引き起こしたとして、上野グループのリーダー格の1人である姜海鋒(シャオホン、キョウカイホウ)容疑者を含む男5人が警視庁暴力団対策課に、威力業務妨害と建造物侵入の容疑で逮捕されています。
東京・池袋の高層ビル「サンシャイン60」の飲食店で10月、準暴力団「チャイニーズドラゴン」のメンバーらが起こした乱闘事件で、警視庁暴力団対策課は7日、威力業務妨害と建造物侵入の疑いで、リーダー格の1人で中国籍の姜海鋒容疑者(51)=東京都台東区=ら男5人を逮捕した。
2022年12月現在の情報では、逮捕された犯人らのうち主犯格の姜海鋒容疑者は仲間ら20人と会場へ行った事は間違い無いと認めつつも、赤羽グループの幹部の出所を祝うために行っただけで乱闘が起きたのは自分の本意ではないと容疑の一部を否認しているという事です。
また、他の4人のうち1人は乱闘事件を起こした事自体は認め、他の3人は黙秘もしくは否認しているとの情報が報じられています。
姜容疑者は「仲間約20人と店に行ったことは間違いないが、乱闘になったことは本意でない」と供述し、犯意を否認。1人は「けんかになったことは間違いない」と容疑を認め、ほかの3人は否認や黙秘をしている。
この乱闘事件で主犯格として逮捕された姜海鋒という男ですが、乱闘事件当時51歳で、チャイニーズドラゴンのうち都内でも最大勢力とされる「大偉(ダーウェイ)グループ」の実質的なリーダーとみなされている人物です。この姜海鋒が率いているグループは上野や埼玉県を拠点とし都内だけで構成員は250人を超えるとされています。
この姜海鋒ですが、2011年にも殺人未遂容疑で逮捕されています。
東京都文京区の路上で4月、男性2人に刃物で切りつけて重傷を負わせたとしたとして、警視庁組織犯罪対策2課は5日、中国籍で職業不詳、姜海鋒容疑者(40)=東京都足立区青井4=ら男4人を殺人未遂容疑などで逮捕した。同課によると、4人は「関係ない」などと容疑を否認している。姜容疑者は中国残留孤児2、3世を中心とする不良グループ「怒羅権(ドラゴン)」の実質的なリーダーという。
この2011年の事件ですが、姜海鋒らは被害者の男性2人に肩が触れたなどと因縁をつけてディスカウントストアに連れ込んで刃渡り約35cmのパン切りナイフで斬りつけるなど激しい暴行を加えています。
被害者の男性らは一時意識不明の重体となり腕などに後遺症も出ていると報じられていました。
池袋サンシャイン60乱闘事件の現在② レストランは5日間休業後営業再開
池袋サンシャイン60の乱闘事件の現場となったレストラン「サンシャイン クルーズ・クルーズ」は、犯人らにガラス扉を破壊されるなどしたため5日間の休業を余儀なくされました。
しかし現在は通常通り営業を再開しているようです。
この乱闘事件の現場となったレストラン「サンシャイン クルーズ・クルーズ」は、コロナ禍の影響で売り上げが下がるなどして経営が厳しいと言われており、その事につけ込んでチャイニーズドラゴンのような準暴力団組織でも宴会を開けたのではと推測する声もあるようです。
いずれにしても、「こんな集団に使われてイメージも悪くなるし可哀想」、「コロナ禍の上にこんな事で5日間も営業停止になるのは厳しい」など、レストラン側に対して同情する声が多いようです。
サンシャインに入ってるフレンチってオザミか?と思って調べたら撤退してたのね…クルーズクルーズもとんだ災難だな。お店自体はちゃんとしたところなのに。
— Minaduki (@Minaduki_3729) October 16, 2022
まとめ
今回は、2022年10月16日に池袋サンシャイン60で発生した乱闘事件についてまとめてみました。
池袋のサンシャイン60で乱闘事件を起こしたのは中国残留孤児2世や3世を中心に構成されたストリートギャング、マフィア、半グレ集団である「チャイニーズドラゴン」のメンバーでした。
現場となったのはサンシャイン60の58階にあるフレンチレストラン「サンシャイン クルーズ・クルーズ」で、その日はチャイニーズドラゴンの約100名が、貸切で赤羽を拠点にするグループに所属する幹部の出所祝いの宴会を行っていました。
そこへ、出所祝いされていた幹部と因縁のあるチャイニーズドラゴンの別のグループの約20名が押しかけて乱入し乱闘騒ぎへと発展したという経緯だったようです。
乱闘事件の直接的な原因については、乱入した上野グループが、赤羽グループの幹部の出所祝いに招待されず、仲間外れにされたと憤慨したことだと言われています。
その後、乱闘事件の犯人として姜海鋒という男ら5人が警視庁に逮捕されています。
2022年12月現在は犯人らの取り調べが続き、乱闘事件の現場となったレストランは営業を再開しています。