2022年6月に川越市で起こったネットカフェ立てこもり事件を覚えていますか?この川越ネットカフェ立てこもり事件の犯人が長久保浩二です。
川越ネットカフェ立てこもり事件の内容や人質女性に「服を脱げ」と言った理由、長久保浩二の実家の親や家族、生い立ち、経歴と判決や現在をまとめました。
この記事の目次
長久保浩二は川越ネットカフェ立てこもり事件の犯人
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長久保浩二は川越ネットカフェ立てこもり事件の犯人です。
長久保浩二は2022年6月21日に埼玉県川越市にあるネットカフェに女性アルバイト従業員を人質にして立てこもり逮捕されました。
長久保浩二は逮捕後に検察に送検される時、報道陣に向かってピースサインをしたことでも話題になりました。また、長久保浩二が逮捕されたのはこの事件が初めてではなく、2012年にも立てこもり事件を起こしていたことが判明しています。
長久保浩二が起こした川越ネットカフェ立てこもり事件の事件内容:人質女性に「服を脱げ」
2022年6月21日午前中、埼玉県川越市脇田新町のインターネットカフェ「快活CLUB川越脇田新町店」に長久保浩二が入店しました。そして、午後9時35分ごろ、別の個室を清掃していた女性アルバイト店員(当時22歳)に対してカッターナイフを見せ、自分の個室に連れ込んで鍵をかけ、監禁しました。
女性店員が清掃から戻らないことを不審に思った別の従業員が110番通報し、事件が発覚しています。
長久保浩二は人質の女性店員を監禁して手首を縛り、顔を殴るなどの暴行を加えて、全治7日間のケガを負わせました。
駆けつけた警察官はほかの利用者を避難させ、インターホンを使って説得していましたが、長久保浩二は「うるせぇ、コノヤロー!」など興奮する様子を見せていて、人質には「服を脱げ」などの要求をしていました。
事件発生から約5時間立った6月22日午前3時17分、警察が「飲み物を差し入れる」と言ってドアを開けたタイミングで捜査員が突入し、人質を救出して長久保浩二を制圧し逮捕しています。
長久保浩二は逮捕後に連行される時、車の後部座席で手錠をかけられた状態で報道陣に向かってダブルピースをしていることで話題になりました。
警察車両の中で、男は突然カメラに向かって両手でピースサイン。警察官に両脇を抱えられ、車から出る際には、何かつぶやき笑みを見せながら警察署へと入って行った。
引用:逮捕に両手でピース「刑務所に戻りたかった」ネットカフェ立てこもり男は10年前にも…面会で語った憧れの人物とは|FNNプライムオンライン
長久保浩二は警察の取り調べに対して、「自分の人生に嫌気が差した」「事件を起こせば刑務所に戻れると思った」などと供述しています。
三菱銀行猟銃人質事件を参考に「服を脱げ」?
長久保浩二はネットカフェの個室で女性アルバイト店員を人質にとって立てこもった時、人質に「服を脱げ」と命令したと報じられています。
インターネットカフェで女性従業員をカッターナイフで脅した男は、5時間にわたり個室へこもり「服を脱げ!」などと要求。性的暴行を加えようとしてケガを負わせたとされる――。
引用:女性従業員に「服を脱げ!」と暴行…立てこもり事件被告「ヤクザの運転手をしている」犯行前の衝撃言動(FRIDAY) – Yahoo!ニュース
この「服を脱げ!」という要求は、三菱銀行猟銃人質事件の犯人である梅川昭美を参考にした可能性があります。三菱銀行猟銃人質事件は1979年に梅川昭美が起こした人質立てこもり事件です。梅川昭美はこの事件で、女性行員19人に服を脱がせて全裸にして、「肉の盾」になるように命じました。
長久保浩二はこの梅川昭美を崇拝していたという情報があります。
「彼は犯人の梅川を崇拝していました。『梅川を参考にして、逃げられないようにするために人質の行員を裸にした』と自慢げに語っていましたよ。自分も同じように世間に衝撃を与えたと満足しているようでした」
引用:(3ページ目)「刑務所ではエリート囚人」「痛点のない魚みたいな奴」髭面のVサイン男(42)の“囚人仲間”が明かす“更生できなかったワケ”《川越ネットカフェ立てこもり事件》 | 文春オンライン
人質は全治7日間のケガで済んだようですが、精神的な恐怖は計り知れないものがあったと思います。
長久保浩二の実家や親・家族
長久保浩二は山梨県北杜市で生まれました。実家は広い庭がある2階建てで、4人兄弟の長男として、父親・母親・祖父がいる7人家族で育っています。
なんら変わったところのない、普通の子どもでしたよ。ご両親も真面目そうな方で、お父さんは地元の製作所に勤めていました。4人兄弟で浩二君は一番上。おじいさんも一緒に住んでいました
引用:女性従業員に「服を脱げ!」と暴行…立てこもり事件被告「ヤクザの運転手をしている」犯行前の衝撃言動(FRIDAY) – Yahoo!ニュース
ご両親は真面目できちんと働いていたとのことですので、家庭環境には問題はなかったのでしょう。
ただ、長久保浩二は外では『自分は幼い頃に両親に捨てられた』『貧しかった』のように語っていました。虚言癖があったのか、家庭環境に一方的に恨みを持っていたのかもしれません。
長久保浩二の生い立ち
長久保浩二は山梨県北杜市の自然豊かなのどかな場所で生まれました。子供の頃兄弟や友達とゲームをして遊ぶようなごく普通の子供でした。
それどころか、家族思いの優しい子供だったようです。小さなころから泥だらけになって稲刈りや田植えを手伝っていました。また。中学生になると、新聞配達をして家計を助けていたんです。
(中学時代は)あの子が長男だったので、親に少しでも助けをしようと思って、そういう仕事(新聞配達)をしていた。
引用:母親「もう刑務所に入っていて」…9年の服役後に再び「立てこもり」 記者への手紙に見えた強い“自己顕示欲”|FNNプライムオンライン
中学卒業後は農業高校に進学しました。山梨県内には農業科がある高校は2つありますが、実家がある北杜市から近い山梨県立農林高校だったと思われます。
高校ではソフトテニス部に所属し、農業に夢中だったとのこと。「トラクターに乗っているといきいきしていた」という同級生の証言もあります。
高校時代までは家族思いで親の手伝いも積極的に行い、農業が好きな子供という印象しかありません。どこから長久保浩二は変わってしまったのでしょうか。
長久保浩二の経歴①:大学校中退・デキ婚
長久保浩二は農業高校を卒業後に、農業系の大学校に進学しました。おそらく、実家近くの「専門学校山梨県立農業大学校」でしょう。
しかし、同級生の女性と交際して相手女性が妊娠し、デキ婚をすることになったため、大学校は入学から半年で中退することになりました。
農業大学校に進学したが、交際相手が妊娠し結婚したのを機に、半年で中退した。
大学校を中退して結婚した後は、実家を出てアパートで新婚生活を始め子供も生まれました。
長久保浩二の経歴②:離婚~服役
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19歳の時にデキ婚をして大学校を中退した長久保浩二でしたが、2年くらいで離婚してしまいます。離婚原因は長久保浩二にあったそうです。
先方の家へ夫と一緒に『申し訳ないです』と頭を下げにいきました。子供ができたら独身時代のように自由に遊べなくなり、お嫁さんと子供を置いて逃げたくなったんだと思います。
引用:(3ページ目)《川越ネットカフェ立てこもり事件》「ちゃんと生きてねと話すと…」逮捕されたVサイン男(42)が10年ぶりの電話で母親に伝えた“意外な”一言とは | 文春オンライン
離婚後は長久保浩二は土木作業員の仕事をして各地を転々としています。ただ、真面目に働いていたわけではなく、名古屋市や福井県、岐阜県で無銭飲食や詐欺行為、窃盗を繰り返していたことが分かっています。
実家には全く連絡をせず、2006年に父親がガンで他界していますが、その時も消息不明のままだったとのこと。
29歳の時には服役していました。その後も、服役・出所を何度か繰り返していました。
2年後に離婚すると故郷を離れ、愛知県で住み込みの仕事をしていたが、その後窃盗や無銭飲食などをくり返し、29歳で服役した。その後も何度か刑務所に入り、次第に家族から孤立していった。
出所後の2012年には愛知県内の更生施設にいたそうです。
長久保浩二の経歴③:豊川信金立てこもり事件
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2012年6月、更生施設から出た長久保浩二は愛知県日進市の土木会社で住み込みで働き始めました。しかし、その4ヶ月後の2012年10月22には着替えなどを残して失踪します。勤務態度は真面目でトラブルを起こすようなタイプではなかったと会社の人は証言しています。
長久保浩二は2012年11月19日に、一宮市のファミリーレストランで5時間滞在し、女性店員にカッターナイフを突きつけて、「大声を出すと殺すぞ」と脅し、代金を払わずに逃走しています。また、同月11月22日にはカラオケボックスを利用し、この時も刃物を見せて代金を払わずに立ち去りました。
このカラオケ店は警察に通報すると共に、すぐ向かいにある蒲郡信用金庫蔵子支店にも警戒するように通報しました。
長久保浩二はこの蒲郡信用金庫蔵子支店に押し入ろうとしましたが、同信金は男性行員が木刀を持って警戒していたため、同信金から150m離れた豊川信用金庫蔵子支店にサバイバルナイフを持って押し入りました。
長久保浩二は客1人と行員3人を人質にして、豊川信用金庫蔵子支店に立てこもり、当時の野田総理大臣の退陣や食料や飲み物、たばこ、拡声器などを要求します。
この立てこもり事件は膠着状態になりましたが、事件発生から13時間後の11月23日午前2時45分、愛知県警のSIT13人が突入し、長久保浩二を制圧し、人質を救出しています。人質の女性行員1人が腕にかすり傷を負いましたが、他にけが人は折らず、長久保浩二は逮捕されました。
県警によると、男は住所不定の無職、長久保浩二容疑者(32)。逮捕時には刃渡り11センチのサバイバルナイフとカッターナイフを所持していたという。「野田佳彦首相の退陣が目的だ」などと供述しており、県警は詳しい動機などを調べる。
長久保浩二は「野田首相の退陣が目的」と供述していましたが、同年10月までの同僚らによると、政治的な話は一切出てこなかったとのことです。
長久保浩二の経歴④:刑務所の中では模範囚
この豊川信金立てこもり事件で懲役9年の実刑判決を受けた長久保浩二は、名古屋刑務所に収監されることになりました。刑務所内では模範囚だったことが、週刊文春の取材で分かっています。
問題行動は一切起こさないどころか、長久保はオヤジ(刑務官)にもとても気に入られて、ミシン工場を束ねる総班長という立場でした。受刑者の待遇改善みたいなこともしようとしてくれて、俺たちも慕っていたんですよ
引用:「刑務所ではエリート囚人」「痛点のない魚みたいな奴」髭面のVサイン男(42)の“囚人仲間”が明かす“更生できなかったワケ”《川越ネットカフェ立てこもり事件》 | 文春オンライン
長久保浩二はミシン工場のナンバーワンで刑務官からの信頼も得ていて、刑務官の右腕のような存在だったとのことです。しかも、長久保浩二は慈善事業のようなこともしていたという情報があります。
ほかにも長久保容疑者は、外部のNPOを通して、刑務所内の古い本を子供に寄付したり、逆にキリスト教系のNPOから刑務所に本を寄贈してもらったりするなど、ほかの受刑者がしないようなこともしていたという。ここにテキストを入力(縦5行以内)
引用:(4ページ目)「刑務所ではエリート囚人」「痛点のない魚みたいな奴」髭面のVサイン男(42)の“囚人仲間”が明かす“更生できなかったワケ”《川越ネットカフェ立てこもり事件》 | 文春オンライン
ただ、チェ・ゲバラの本を愛読し、「革命を起こしたい」「出所したら公安にマークされるかも」と話したり、前述の三菱銀行猟銃人質事件の梅川昭美を崇拝していたりといろいろヤバい部分はあったことは間違いありません。
週刊文春の取材によると、長久保浩二は刑務所内での生活を苦にしていなかったとのこと。
なんていうか、刑務所生活を苦しんでいないようでした。痛点のない魚みたいなやつやと思いましたね
引用:(2ページ目)「刑務所ではエリート囚人」「痛点のない魚みたいな奴」髭面のVサイン男(42)の“囚人仲間”が明かす“更生できなかったワケ”《川越ネットカフェ立てこもり事件》 | 文春オンライン
長久保浩二にとっては刑務所での生活は心地よかったのでしょうか。受刑者からは慕われて頼りにされ、刑務官の信頼も勝ち取っていたことで、自分の居場所を築いていたのかもしれません。
長久保浩二は2022年4月に出所しています。出所後に川越ネットカフェ立てこもり事件を起こすまでたった3ヶ月しか経っていませんでした。
長久保浩二の判決は懲役17年
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長久保浩二は2023年12月に懲役17年の実刑判決を言い渡されました。
服役後約3カ月で犯行に及んでいることなどに触れ「犯罪への抵抗感が乏しく、人の道を外れている」として求刑通り懲役17年の判決を言い渡した。
反省はしておらず、被害者心情を理解していないこと、再犯の可能性も高いことなどから、検察側の求刑通りの判決となったようです。
刑務所に9年いて出所後3ヶ月で再犯したとなれば、再犯の可能性は非常に高いと言えます。特に、長久保浩二は「刑務所に戻りたい」と供述していますし、刑務所では刑務官の信頼を得てうまくやっていたのですから。
長久保浩二の現在
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長久保浩二は懲役17年の実刑判決を受けましたが、一審の判決が重すぎるとして、控訴しています。弁護側は長久保浩二の精神鑑定を求めましたが、東京高裁はこれを認めず、控訴審は進められました。
長久保浩二は母親からも「刑務所に入っていてほしい」と言われていますし、「面会に行くことはない」と突き放されています。
控訴審は8月16日に判決が出る予定となっていますが、量刑が軽くなる見込みはあまりないかもしれません。
長久保浩二のまとめ
川越ネットカフェ立てこもり事件の事件内容や人質の女性に「服を脱げ」と言った経緯、長久保浩二の実家の親や家族、大学校進学からの経歴、裁判の判決と現在をまとめました。
長久保浩二はまた再犯する可能性が高いことを考えると、母親の「刑務所に入っていてほしい」というのは本音だと思います。