長野県宮田村で銃撃事件を起こし指名手配されていた絆會最高幹部の金成行が逮捕されました。
この記事では金成行の韓国籍の生い立ちや結婚など家族、経歴や関与した銃撃事件の経緯、桐島聡拘束が逮捕に繋がった可能性と仙台市の潜伏先はどこか、現在の状況についてまとめました。
この記事の目次
金成行は長野県宮田村銃撃事件で指名手配されていた絆會最高幹部
金成行(きん・しげゆき、キム・ソンヘン)は2020年9月28日に長野県宮田村で発生した暴力団幹部銃撃殺人未遂事件で全国指名手配されていた男で、2024年2月に潜伏していた仙台市内で逮捕されました。
金成行は指定暴力団「絆會」(旧・任侠団体山口組)の最高幹部で、絆會から敵対する六代目山口組傘下組織に移籍しようとしたかつての自分の部下であった暴力団幹部の宮下聡を銃撃して殺害しようとしたとされています。
金成行は暴力団関係者の間では名の知られた大物で、宮田村の銃撃事件の他にも複数の暴力団関係者射殺殺害事件に関与している疑いが持たれています。
ここでは、まるで任侠映画の登場人物のような経歴やエピソードを持つ金成行について紹介していきます。
金成行の生い立ち
金成行の生い立ちについては、1968年生まれで大阪府大阪市出身である事がわかっています。
韓国籍である金成行は通名として「金澤成樹」を名乗り、18歳〜19歳の頃に、愚連隊集団「天誠会」に加わって暴力団の世界に入ったという事です。
金澤若頭は1968年生まれの大阪市出身。少年時代に、絆會の織田絆誠(本名・金禎紀)会長が大阪・天六地区で立ち上げた愚連隊集団・天誠会の下で渡世に足を踏み入れた。
金成行が暴力団に入る前の生い立ちについては現在の時点では情報が何も出ておらず不明ですが、天誠会を立ち上げたのは、後に任侠団体山口組(現在の絆會)を立ち上げる織田絆誠こと金禎紀でした。金成行は同じ在日韓国人である織田絆誠を親分と仰いでおり付き従っていたようです。
金成行の家族や結婚
金成行の家族や結婚については情報がありません。ただ、金成行は韓国籍である事がわかっているので家族も韓国籍であると思われます。
金成行の結婚の有無も情報がなく不明ですが、逮捕時には仙台市の集合住宅に1人でいたという事なので結婚はしていなかったか、結婚していても離れて暮らしていたのかのいずれかの可能性が高そうです。
金成行の国籍は韓国
金成行の国籍は「韓国」です。
金成行は在日韓国人で、「金澤成樹」という通名を使っていました。指名手配書などでは金成行(きん・しげゆき)と記載されていますが本来の読み方は(キム・ソンヘン)だという事です。
目立つタイプではなく、同じ在日コリアンでガキの頃からの親分である織田会長を立ててきた
金成行の経歴① 四代目山健組若頭補佐兼三代目竹内組組長
金成行の経歴については、18歳〜19歳の時に織田絆誠が立ち上げた愚連隊集団「天誠会」に初期メンバーとして加わり、以降は腹心として親分である織田絆誠を支えたようです。
正確な時期は不明ですが、金成行は2010年代に山口組系の二次団体山健組傘下の竹内組の三代目組長になり長野県に地盤を築いています。
大阪のヤクザだった金澤若頭は2010年代に入り、山健組の長野県松本市の系列団体である竹内組の三代目組長に突如任ぜられる。
2015年に山口組分裂騒動が起こり山健組が中心となって神戸山口組が結成されると、竹内組もそれに加わり、六代目山口組との熾烈な抗争の最前線に立っています。
金成行はこの頃に四代目山健組若頭補佐の役職にもついており、当時構成員1600人もの規模を誇った山健組の中でも上位幹部の1人でした。
金成行が率いた当時の竹内組は長野県内の六代目山口組系弘道会傘下の組織・示道会と激しく衝突して2016年に解散に追い込んでいます。
また、竹内組は2016年1月27日の中央高速封鎖事件も引き起こしています。竹内組は長野市内で予定されていた六代目山口組系の三次団体の会合の阻止を目的として高速道路の封鎖を計画し、車両2台を道路上に放置して封鎖しました。
この封鎖事件の際には、竹内組の車両と警察車両の激しいカーチェイスもあったようです。
金成行はこの2016年までの六代目山口組との激しい抗争の中で、殺人予備や道路運送車両法違反などの容疑で複数回逮捕されています。
2016年08月01日、逮捕されていた『三代目竹内組』組長や『二代目邦心連合会』会長ら3人が殺人予備の疑いで再逮捕された。06月22日に六代目山口組『三代目弘道会』傘下『野内組』組長や幹部を襲撃しようとしていたようだ。
この時には金成行は容疑不十分で不起訴処分となっています。
金成行の経歴② 織田絆誠が結成した任俠団体山口組(絆會)の最高幹部
金成行の親分にあたる織田絆誠は、神戸山口組で若頭代行、四代目山健組で副組長に昇格していましたが、2017年4月に突如として新団体「任侠団体山口組」の設立を宣言し、神戸山口組とも対立するようになりました。
金成行は織田絆誠に従って神戸山口組を離れ、任侠団体山口組本部長補佐に就任し、竹内組は自分の部下であった宮下聡に継がせて、新たに山健連合会を結成して会長に就任しました。
その後、任侠団体山口組は「任侠山口組」に改称。
しかしその後任侠山口組は、2017年9月に織田絆誠襲撃事件が発生してボディガードだった楠本勇浩が射殺されるなど、激しい攻撃を受けて勢力を削がれました。
- 2018年、金成行は任侠山口組副本部長に昇格し自身の率いる山健連合会を織田連合に改称するなどしています。
2020年2月、任侠山口組は「絆會」に名称を変更し、金成行は同年8月に絆會若頭に昇格しています。金成行はこれにより絆會のナンバー2、最高幹部と目されるようになりました。
しかしそのすぐ後の2020年9月、竹内組を継がせたかつての部下である宮下聡が絆會を裏切り、六代目山口組系三代目弘道会傘下の三代目高山組へ移籍。金成行は宮下聡の説得を試みるも、拒否された事で激怒し銃撃する事件を起こしました。
金成行が指名手配された宮田村暴力団組長銃撃事件の経緯
金成行が殺人未遂容疑で指名手配される事になった、長野県宮田村の暴力団幹部銃撃事件の経緯についても詳しく見ていきます。
2020年7月、織田絆誠会長が絆會を解散する意向であるとの報道がありました。一部情報筋によると、織田絆誠は絆會を解散して焼肉屋を経営する予定でいたようです。
絆會解散の意向を受けて竹内組組長の宮下聡は、六代目山口組に帰参したいと司忍六代目山口組組長に申し入れ、紆余曲折あって六代目山口組系二次団体三代目弘道会傘下の三代目高山組への移籍で話がまとまりました。
ところがその直後に山健組と岡山県に本部を置く池田組が、神戸山口組を離脱する事を表明。強い経済力を持つ池田組は六代目山口組から標的とされていたため、神戸山口組を離脱すれば組の存続が危うくなると考えられました。
そこで、池田組の池田孝志組長は、昵懇の間柄であった織田絆誠会長に資金提供と引き換えに支援を求め、2020年9月10日に絆會と池田会は正式に親戚関係を締結し関係を強化しました。
これにより、織田絆誠会長は絆會の解散を撤回し、池田組との連携を強化するために絆會の筆頭の武闘派組織であった竹内組に岡山県へ移るように若頭の金成行に指示を出しました。
そこで金成行は宮下聡に直接会い説得しますが、すでに高山組への移籍が決まっていた宮下聡はそれを頑なに断りました。激怒した金成行は拳銃で宮下聡の腹部を銃撃し、その場から逃走しました。
宮下聡は腹部を撃たれて重傷を負いましたが一命を取り止めています。
さらに、事件後の2020年10月2日に宮下聡は三代目弘道会の直参に昇格し、金成行は竹内組三代目を抹消されて宮下聡が三代目竹内組組長を名乗る事になりました。
警視庁は金成行を殺人未遂容疑で指名手配し、金成行は2024年2月に逮捕されるまで逃亡を続けました。
金成行の逮捕時には警官隊が突入し専攻弾も使用された
2024年に入り長野県警駒ヶ根署のフリーダイヤルに金成行に似ている男がいると通報があり、捜査員が金成行を確認し逮捕に踏み切ったようです。
目撃者によると、1月31日から捜査員が玄関越しに「とにかく出てきてください」と中の金成行を説得していたという事ですが、金成行は部屋に立てこもり出てこない状況が続いていたそうです。
1月31日の23時頃、警察はアパートの住人や近隣住民を退避させると、2月1日の午前3時45分頃に防弾チョッキを装備した捜査員複数名が玄関を破って突入。突入時には暴徒鎮圧用の閃光弾も数発使用されたという事です。
金成行は激しく抵抗する事も逃亡を企てる事もなく逮捕されていますが、閃光弾の炸裂音を発砲音だと思った近隣住民の方もいたようです。
やばいよ💦💦発砲あったみたい💦夜中4時くらいかな、8回発砲音ぽいの聞こえた(>_<。)💦
— 秋雨 (@noix05) January 31, 2024
金成行は茨城県水戸市の暴力団幹部射殺事件でも逮捕状
2022年1月17日に茨城県水戸市で発生した、六代目山口組系の暴力団組織三瓶組(現在は芦川会に改称)の幹部組員の神部達也が頭などを銃撃され殺害された事件がありましたが、金成行がこの事件にも関与していた疑いがあるとして、茨城県警が殺人容疑で逮捕状を取っている事が報じられています。
茨城県水戸市の指定暴力団六代目山口組系の事務所で2022年1月、同組幹部が射殺された事件で、指定暴力団絆会幹部の住所不詳、金成行容疑者(55)が関与した疑いがあるとして、県警が殺人容疑などで逮捕状を取っていたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。
茨城県警に金成行の身柄移送後に逮捕する方針と発表しています。
金成行が水戸市の事件の実行犯だったとすれば、宮下聡銃撃事件で指名手配され逃亡を続ける中でヒットマンとして活動していたという事になります。
金成行は神戸市長田区のラーメン店での暴力団組長射殺事件にも関与の疑い
出典:https://assets.shueisha.online/
2023年4月23日に兵庫県神戸市長田区のラーメン店「龍の髭」の店主が何者かに射殺される事件がありました。被害者はラーメン店の仕込み中に犯人に襲撃され、口の中を拳銃で撃たれて死亡しています。
射殺されたラーメン店の店主は余嶋学という人物で、六代目山口組系弘道会傘下の暴力団組長だった事が判明しました。
この事件の犯人は現在も捕まっていませんが、一部ではこの事件の犯人も金成行なのではないかとの噂が広まっています。
この事件後に公開された防犯カメラの映像に映っていた犯人の特徴的な歩き方や細面の顔立ちが金成行にそっくりである事からこの噂が広まりました。
行方は知れず死亡説まで流れた金澤若頭が、再び抗争の俎上(そじょう)に載ったのが、今年4月22日に神戸市内で起きた弘道会系組長が自ら経営するラーメン店で射殺された事件だ。6月に入って流出した防犯カメラ動画では、黒い上下に手袋とマスクをした人物が懐に手を当てて来店し、40秒後にマスクが外れた状態で去る様子が映っている。その細面の横顔や歩き方が金澤若頭に酷似していると業界内は大騒ぎに。
神戸市長田区の事件の犯人が金成行だという確定的な証拠は現在の時点では出ていませんが、警察はそれも視野に入れつつ取り調べを続けている可能性も考えられます。
こちらの事件も仮に金成行による犯行であったとすれば、指名手配され追われている最中に2度もヒットマンとして射殺事件を起こした事になり、暴力団の歴史の中でも前代未聞の出来事だとして話題にされています。
金成行の逮捕の要因は指名手配ポスターで桐島聡の隣に顔写真があった事か
金成行は指名手配書の写真に似ている人がいるとの通報があり2024年2月1日に逮捕されましたが、その逮捕の数日前の2024年1月25日にテロ事件を起こして全国指名手配されていた極左暴力集団メンバーの桐島聡と見られる男の身柄が拘束されたとの報道がありました。
これを受けて桐島聡に関する報道が連日行われたのですが、警視庁が張り出していた指名手配ポスターで桐島聡の顔写真の隣に金成行の顔写真が掲載されていたため、桐島聡の報道を通じて金成行の顔写真も多くの人の目にさらされて、それを見た人が通報した事で逮捕に繋がったのではないかと推測する声がネット上で多く出ています。
金容疑者は、警視庁が全国に貼り出している重要指名手配ポスターのなかで、桐島容疑者の隣に顔写真が置かれていた。桐島に関して連日報道がおこなわれるなか、金容疑者も多くの人の目にさらされ、今回の逮捕に至った可能性が各所で指摘されている。
桐島聡のテレビ報道によって,このポスターが放送される。
— 八咫烏親父 (@YatagarasuOyaji) February 1, 2024
↓
隣の「金成行」の顔が全国放送
↓
「金成行逮捕!」
時々,指名手配のポスターを放送すべきなんやないの? https://t.co/3hzO35LXpB pic.twitter.com/nToS2niDUs
ねえ、毎日テレビで桐島聡の写真載せてたら、パネルの隣に写ってる金成行とかいう犯人に皆さん目がいったようで、今朝逮捕されましたっていう話好き#モーニングショー
— What’te! (@watedayo1) February 1, 2024
毎日テレビで指名手配犯の写真流したら??他のもすぐ逮捕されるかもよww pic.twitter.com/H7zRoU8nKf
警察から公式に発表があったわけではありませんが、金成行の逮捕は桐島聡らしき男の身柄拘束報道のすぐ後だったためこの説の可能性は非常に高そうです。
金成行の逮捕現場となった仙台市の集合住宅はどこか
金成行は宮城県仙台市内の集合住宅に潜伏しているところを逮捕されました。
この潜伏先だった仙台市内の集合住宅はどこかもネット上で話題にされているようです。
報道によると金成行が潜伏していた集合住宅は「仙台市若林区沖野」の住宅街の中にあるアパートの2階だという事でした。
金容疑者が潜伏していたのは仙台市若林区沖野の住宅街にあるアパート2階の一室。
ニュース映像を手がかりにネット上では金成行の潜伏していたアパートは「宮城県仙台市若林区沖野2丁目8-20」にある「マルゼンプラザ」である事がわかっています。
また、この金成行の潜伏先のアパートの部屋を法人契約していたのは、絆會の関連するフロント企業だった事も報じられており、絆會が組織的に金成行の逃亡を支援していたと見られています。
このアパートは絆會関係の会社が法人契約していたことも新たにわかり、警察は金容疑者の逃走を組織的に助けていた可能性も含め調べています。
引用:金成行容疑者の逃走を組織的に支援か…潜伏していたアパートは所属する暴力団関係の会社が法人契約、拳銃を押収、身柄送検し殺人未遂事件に使われた銃かなど更に捜査
また、捜査関係者からの情報によると、金成行は逮捕から見て数ヶ月前にこのアパートで暮らし始めたと見られるという事で、それまでどこに潜伏していたのかは現在の時点ではわかっていません。
金成行の現在
金成行は2024年2月1日に仙台市で逮捕され、2日には身柄を検察庁に送られています。
絆會関係者の襲撃を警戒してか金成行がどこに勾留されているのかははっきり明かされていませんが、長野地検が取り調べを行っているようなので長野県内の刑事施設(代用刑事施設)に勾留されていると思われます。
現在も金成行は黙秘をしているとの情報が明かされていますが、金成行が潜伏していた仙台市内のアパートで自動拳銃1丁(事件に使用されたのとは別の拳銃との事)と実包10発が見つかったとの事で、2月21日に銃刀法違反の容疑で再逮捕されています。
長野県内で拳銃を使った殺人未遂の疑いで、全国に重要指名手配された末に、仙台市内の潜伏先で逮捕された指定暴力団幹部の男が再逮捕されました。
銃刀法違反の疑いで21日に再逮捕されたのは、住居・職業不詳で、指定暴力団絆會(きずなかい)幹部の金澤成樹(かなざわ・しげゆき)こと金成行(きん・しげゆき)容疑者55歳です。
引用:3年余り「逃走」潜伏先「アパート」で逮捕…全国に重要指名手配の金成行容疑者を銃刀法違反の疑いで再逮捕、拳銃と実弾10発を所持、拳銃は殺人未遂事件で使われたものとは別の銃
まとめ
今回は、2020年9月に長野県宮田村で発生した暴力団幹部銃撃事件で指名手配され、2024年2月に仙台市で逮捕された指定暴力団絆會の最高幹部・金成行についてまとめてみました。
金成行は絆會を脱会して六代目山口組系三代目弘道会傘下の三代目髙山組へ移籍しようとした暴力団株の宮下聡を銃撃して重傷を負わせて逃走し指名手配されていました。
約3年半の逃亡の末、仙台市のアパートに潜伏していたところ逮捕されました。
金成行の生い立ちについては、1968年生まれで大阪府大阪市出身で国籍は韓国(在日韓国人)である事がわかっており、18歳〜19歳の頃にのちに絆會を立ち上げる織田絆誠が結成した愚連隊「天誠会」に加わって暴力団の世界に入りました。
金成行の家族や結婚の情報は出ておらず不明です。
金成行のその後の経歴は、織田絆誠の側近として暴力団の世界で名を上げ、四代目山健組若頭補佐兼三代目竹内組組長を経て、山口組分裂騒動で織田絆誠が立ち上げた絆會の最高幹部となりました。
しかし絆會は六代目山口組に押されて次第に勢力を削がれ、金成行はその流れの中で絆會を脱会して六代目山口組系の三次団体に移籍した宮下聡を銃撃する事件を起こしました。
金成行は指名手配されてからも逃亡を続けていましたが、2024年2月に仙台市で逮捕されました。
金成行の逮捕には、2024年1月に、1970年代に連続爆弾テロ事件を起こして指名手配されていた極左暴力集団の桐島聡と見られる男が拘束されたとの情報が連日報じられ指名手配ポスターで隣に顔写真が掲載されていた金成行が人目に晒された事が逮捕に繋がったのではと推測する声も出ています。
金成行が潜伏していた場所はどこかも話題ですが、これはテレビニュースで流された映像などから「宮城県仙台市若林区沖野2丁目8-20」にある「マルゼンプラザ」だと特定されています。
現在、金成行は身柄を送検され取り調べを受けていますが黙秘しているということです。