人気アニメ「けものフレンズ」に降って湧いた「たつき監督降板騒動」ですが、ファンたちがスポンサー企業にまで抗議をする大騒動となっています。
この記事では、たつき監督の個人情報に加えて、降板騒動の顛末に関してまとめてみました。
この記事の目次
たつき監督のプロフィール
名前:たつき
本名:尾本達紀(おもと たつき)
出身地:京都府
デビュー時期:2006年
所属会社:ヤオヨロズ/irodori
職業:アニメ監督/アニメ演出家/アニメーター
たつき監督は、「機動戦士ガンダム」シリーズなどでお馴染みである、アニメ制作の名門・サンライズ出身のアニメクリエイターです。学生時代は、美大でアニメ制作のノウハウを学んだと言われているたつき監督の出身大学に関しては、京都精華大学ではないかとネット上で噂されています。
サンライズ時代のたつき監督が携わったアニメ作品には、OVA「FREEDOM」シリーズやアニメ映画「いばらの王」などがあります。
サンライズを離れて以降は、自身が代表を務める自主制作アニメーションサークル「irodori」にて、同人アニメという形で作品を発表していたたつき監督。評判を聞きつけたアニメ関係者の福原慶匡(よしただ)さんに誘われて、2013年にアニメ制作会社ヤオヨロズの立ち上げに参加して以降のたつき監督は、ヤオヨロズでの活動が中心となります。
ヤオヨロズに所属してから初めて商業アニメの監督を務めることになったたつき監督ですが、「てさぐれ!部活もの」シリーズや「けものフレンズ」などのヒットアニメを生み出しております。
たつき監督は案外若い?年齢は30代前半との噂【顔写真あり】
父親の仕事の都合で幼少期はケニアで暮らしていたこともあったたつき監督。
エリートサラリーマン家庭出身なのかもしれませんね。
日本に限って言えば、映像制作の世界において、アニメは最も下積みが短い分野だと言われております。
「けいおん!」や「聲の形」といった人気アニメの監督を務めた山田尚子さんなども、20代で監督に抜擢されるなど、若き天才が珍しくない分野がアニメです。
これに関しては、1流のクリエイターほど、独立して自分の会社を立ち上げたり、フリーで活動するという日本のアニメ業界の慣習が影響しているのかもしれません。
要するに、出来る先輩ほど独立して行くので、上が詰まっていないというアニメ制作会社が多いのでしょうね。
たつき監督は、自身の年齢を詳しくは明かしておりませんが、ネット上では30代前半くらいではないかと噂されております。
たつき監督の年齢の根拠となっているのが、自主制作アニメーションサークル「irodori」での活動歴となります。たつき監督が大学時代に立ち上げたと言われている「irodori」ですが、2008年よりニコニコ動画内にて無料公開を開始した「眼鏡」がデビュー作に該当します。
大学時代に立ち上げたサークルが、作品を発表しないまま卒業を迎えるということはないでしょうから、「眼鏡」発表当時のたつき監督たちも当然大学生だと考えるのが一般的です。そのため、たつき監督の年齢は32歳以下であることが濃厚だと思われます。
けものフレンズに予期せぬアクシデント!たつき監督が降板
関連グッズも次々と発売されている最中に起こったたつき監督の降板騒動。
騒動に一番びっくりしたのは、商品展開を手がける業者たちだったのかもしれませんね。
2017年1月にテレビ東京系列で放送されるやいなや、一躍大ブームを巻き起こしたテレビアニメ「けものフレンズ」。当然ながら、既に第2期制作も発表されており、ファンたちの期待は高まるばかりといった状況でした。
そんな中、2017年9月25日に、たつき監督がツイッターで自らファンに報告した「けものフレンズ第2期」からの降板の一報は、ネット上を揺るがす大騒動となりました。
突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました。ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です
— たつき/irodori (@irodori7) 2017年9月25日
イベントでは「例の顔」に言及するなどノリノリだったたつき監督
けものフレンズ関連のイベントにもちょくちょく顔出しをしていたため、ファンにとってもお馴染みな存在だったたつき監督。
たつき監督の「けものフレンズ第2期」からの降板に関しては、前兆らしい前兆もなかっただけに、ファンにとってはまさに青天の霹靂となった騒動です。
2017年6月に開催されたアニメ制作陣のトークショーである「フレンズの会」では、ネット上で話題となっていた「例の顔」に言及するなど、たつき監督も終始ノリノリでした。
「例の顔」とは、けものフレンズのメインキャラクターである「サーバルちゃん」が、アニメ第1話で見せたこの表情のこととなります。
アニメ第1話が放送された直後では、けものフレンズ自体がアニメファンの間ですらノーマークな作品だったせいか、誰も話題にしていなかった「例の顔」。しかし、けものフレンズがブーム化していく過程で、とあるまとめブログが紹介したところ大反響を呼ぶことになりました。
けものフレンズ第1話が無料公開されているニコニコ動画では、動画内に「穏やかな笑顔」だの「現代のモナリザ」だのといった書き込みが殺到しています。
「例の顔」に関しては、ネットコラ画像や動画の題材などにも頻繁に使われる人気ぶりとなったため、けものフレンズファン以外にも認知されているネットの有名ネタとなっていました。
けものフレンズを見たことない俺でも例の顔のサーバルちゃんは知ってる
— 饆(ピラフ) (@gundam0729) 2017年9月2日
夜神月の「計画通り」のように極端な表情やポーズをしているわけでもないのに「例の顔」という共通認識を人々に浸透させたサーバルちゃんの例の顔、底知れぬパワーを感じる
— ぐっちー(ウスラカゲ族) (@emerald_youkai) 2017年8月25日
「フレンズの会」でファンたちと楽しく交流していた時には、たつき監督も後に自分が降板騒動に巻き込まれるなんて夢にも思っていなかったのかもしれませんね。
たつき監督のけものフレンズ降板原因とは?
製作委員会とのトラブルが原因?
お金を出す人が一番偉いのは資本主義の基本ですが、クリエイティブな世界では、やはり作り手の才覚に対するリスペクトは必要ですよね。
たつき監督が「けものフレンズ第2期」を降板する理由に関しては、たつき監督が所属するヤオヨロズと製作委員会側の対立が原因な模様です。
数千万円~時には数十億円単位の資金を必要とする映画やアニメなどの映像作品、あるいは演劇やミュージカル等の舞台作品製作や興行に際し、複数の企業等が金を出し合い、出資比率に応じて利益の分配を行う仕組み。いわゆるリスク回避の方法の一つ。
引用:製作委員会
一言で言ってしまうと、けものフレンズの権利に関する問題で、ヤオヨロズ側とアニメの製作委員会である「けものフレンズプロジェクトA」との間でトラブルがあったということになります。
製作委員会側の言い分によると、ヤオヨロズ側に「関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用」があったため、改善を求める話し合いの場を持ったものの、平行線に終わったという話となっています。
具体的には、けものフレンズ最終回の後に、たつき監督がファン向けに制作・公開した12.1話「ばすてき」がその「作品の無断利用」に該当するのではないかと、ネット界隈では推測されております。
しかし、「ばすてき」に関しては、けものフレンズのアニメ版のプロデューサーである福原慶匡さんが、たつき監督からの相談を受け、各方面に許可を取り完成した作品との証言も残っていました。
そのため、製作委員会側の指摘したヤオヨロズ側の「関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用」がどのような行為だったのかは、現在のところ不明なままだったりします。
たつき監督が降板した原因は吉崎観音のせい?
「ケロロ軍曹」でお馴染みの漫画家の吉崎観音さんは、アニメやゲームなどのキャラクターデザインの分野でも活躍しています。
たつき監督には、けものフレンズのキャラクターコンセプトデザイナーを担当していた、吉崎観音さんとの間でも確執があったようです。
一部報道によると、製作委員会側にたつき監督の降板を要請したのは、吉崎さんと言われております。その時期は、2017年3月末と言われており、吉崎さんのたつき監督への悪感情が、この降板騒動の発端ではないかと目す記事なども存在しています。
「吉崎さんは優れたクリエイターですし、何かを作り上げる力はとても強いのですが、自分が中心になって制作が進まないと気に入らない部分があり、ヤオヨロズのようにアニメファンにも刺さるような会社が独自のプロモーションを始めるとイライラする部分はあるのではないでしょうか」
吉崎さんのたつき監督への悪感情の原因は、アニメ版けものフレンズのみが突出して大成功してしまったこととは無縁ではないでしょうね。
けものフレンズの原作となるスマホアプリゲーム「けものフレンズ」は、実は大コケ作品でした。
ネクソンから2015年3月にリリースされたものの、アニメ放送開始直前の2016年12月にはサービスが終了するという、散々な結果に終わった不人気ゲームが「けものフレンズ」だったわけです。
大抵の場合、ゲームや漫画のアニメ化とは、原作の販促のために行うものですから、アニメ版けものフレンズとは、本来は「始まる前から終わっていた」アニメだったと言えます。
製作委員会の調整能力不足がすべての原因か?
深夜アニメの世界においては、アニメの続編で制作会社が変更されるということは、実は良くある話だったりします。
ただし、第1期が成功した作品ほど、続編での制作会社変更はファンの不評を買うこととなり、作品人気が落ちる原因となります。
たつき監督が担当したのは、けものフレンズのメディアミクスの一分野であるアニメのみという状況でした。
本来ならば、製作委員会より降板を決定されたとしても周囲からの異論はなさそうな立場だったたつき監督。しかし、けものフレンズは、アニメ版のおかげで起死回生の大ヒットとなった作品だったことが、この騒動を複雑化させています。
けものフレンズは、そもそもキャラクターデザイン自体が、アニメ化に伴い大幅にリニューアルされていたりもします。
こちらが、大元となる(ゲーム版などの)けものフレンズのキャラクターデザインとなりますが、実はアニメ版とはかなり印象の違う絵柄となっております。
アニメ版のキャラクターデザインやモデリングは「irodori」が担当しており、世間でお馴染みのけものフレンズのキャラクターたちの姿は、実はアニメ用にかなり改良された姿なわけです。
さらにいえば、アニメ版けものフレンズの舞台設定や世界観自体がアニメオリジナル要素が満載だったりと、作品の成功要因にたつき監督の存在はかかせません。
大元のキャラクターコンセプトデザイナーを担当した吉崎観音さんが、自分の手を離れて成功しすぎてしまったアニメ版けものフレンズに複雑な感情を抱いていたとしても、その辺の仲を取り持つのが製作委員会の役割だと言えますよね。
製作委員会には、自社で取り扱う漫画やライトノベルのアニメ化などの経験が豊富なKADOKAWAの名前もありました。そのため、アニメ化の経験が豊富なはずのKADOKAWAが、今回のトラブルを未然に防げなかったことに関しては、マスメディアなどでも批判の声が挙がっていたりします。
けものフレンズファンはKADOKAWAを無能と罵っている?
KADOKAWAに関しては、以前からクリエイター軽視の姿勢が目立っていたため、今回の騒動では、アニメ界隈のクリエイターたちからも批判されていたりします。
たつき監督の降板騒動に対するけものフレンズファンからの批判の声は、KADOKAWAに向けられています。これに関しては、たつき監督自身が「カドカワさん方面からのお達しで」と名指していることも影響しているのは間違いないでしょう。
恐ろしい事に、KADOKAWAの言い分を全て信じたとしても、彼らがヤオヨロズ及びたつき監督の慰留に失敗した、もしくは制作環境を用意出来なかったという事実である。
— クリフ (@bottikurihu) 2017年9月26日
つまりKADOKAWA に与えられる評価は良くて「無能」、悪けりゃ「救い難い低脳」という事だ
どういう大人の事情が絡むとたつき監督が外れるということが考えうるのか,というのが最大の疑問点
— Melville (@V_Melville) 2017年9月25日
「たつき監督が2期作る」という必須条件はカドカワがよほど無能でない限り共通の認識だと思うが,何かよほど大きな闇の事情か,あるいはサプライズが待っているか,それともカドカワが本当に無能か
降板反対の署名運動やスポンサーへの抗議が起こっている?
JRAとのコラボまでするコンテンツとなっていたけものフレンズ。
今回の降板騒動の余波は、各方面に広がっていることは確かですね。
たつき監督降板の一報があった直後から、ネット上のけものフレンズファンたちは、KADOKAWAら製作委員会に対する抗議運動を開始しています。
「たつき監督辞めないで!」と題された署名サイトChange.orgの署名では「なんで角川はたつき監督を辞めさせるの? みんなでたつき監督を取り戻そう!」と呼びかけ。たつき監督が「ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです」とツイートしたことから、署名の宛先はカドカワになっています。
ネット上の抗議運動でも最も目立っているのが、たつき監督の降板に抗議をする署名運動となります。「Change.org」では、2017年10月3日現在で5万3000人を超える署名が集まっております。
また、けものフレンズ関連のスポンサーへ抗議して、KADOKAWAに対して「たつき監督降板撤回の圧力」をかけようとするファンたちもいるようです。
たつき監督降板の決定が取り消される可能性が出て来た?
KADOKAWAに対しては、たつき監督降板騒動に関して、(けものフレンズとの)コラボ先企業からの問い合わせなども殺到したことは、想像に難くない話です。
たつき監督降板騒動は、2017年10月3日に新たな動きを見せています。
アニメ「けものフレンズ」で監督を務めた「たつき」さんの“降板騒動”をめぐり、KADOKAWAの井上伸一郎専務が10月3日、Twitterで「この度の騒動に至るまで事態を正確に把握していなかったのは不徳のいたすところです」と謝罪した。たつき監督が所属するアニメ会社のヤオヨロズとは「先週に2回のミーティングを行った」といい、「今後についてどうすべきか相談に入った」という。
たつき監督降板騒動に対するけものフレンズファンたちからの批判の声に恐れをなしたのか、KADOKAWAがたつき監督やヤオヨロズとの話し合いを開始したようです。話し合いの内容は、「たつき監督のけものフレンズ第2期への復帰」であることは言うまでもありませんね。
話し合いの場でよほどこじれた展開にならない限りは、たつき監督がけものフレンズに戻って来る未来が待っていそうだと言えますね。
まとめ
ファンにとって笑顔で迎えられる「けものフレンズ第2期」となるのでしょうか?
たつき監督降板騒動に関しては、アニメ化プロジェクトを多数手掛けているKADOKAWAが、ファンの大反発必死の行為を平気で犯してしまったことも驚きとなった騒動だったと言えます。
日系電機メーカーが没落した最大の原因が、技術者軽視による人材(とそれに伴う技術)の流出であることは有名な話です。日本のお家芸であるアニメ産業が、他分野の失敗を繰り返さないためにも「クリエイターファースト」な姿勢は重要なように思います。
今回は、ファンの大反対の声で作品とたつき監督が守られたという結末で終わりそうですが、このような騒動は2度は繰り返さないアニメ業界へと変革して欲しいものです。